スポンサード・リンク

(#^.^#)靱帯損傷の話


◆靱帯損傷について

ほとんどの場合、スポーツ時等の外力によって起きることが多い。

スポーツの盛んな現代においては、競技を目的とするだけでなく、健康増進のためのスポーツの種類も多様化しており、さまざまなスポーツによる靱帯損傷患者も増えている。

膝関節靱帯の損傷は、それ自体で膝の安定性を欠きスポーツ活動に支障をきたすばかりではなく、放置したままスポーツを継続すれば二次的に半月板を損傷させ変形性膝関節症へと進展する。

膝関節靱帯損傷患者の多くは、スポーツ活動中「膝がガクッとする」と表現し、膝くずれ現象を訴える。

ほとんどの場合、活発なスポーツ活動を禁止し、そのまま経過をみることとなるが、スポーツ選手などの場合は手術適応となる。

 

◆病態アセスメント

靱帯損傷患者は、一般的に受傷部以外の身体機能が健康にみえることから、精神面の不安や、抱えている問題を見過ごしがちである。

特に回復期は、患者の機能訓練が順調であればあるほど、理学療法士に頼りがちとなる危険性がある。

しかし、回復期の患者は、スポーツ復帰のみでなく、それにかかわる家庭、学校、職場など多方面に不安や問題をもっている。

そのため看護師はコーディネーターとしての役割を果たすことも必要となる。

また靱帯損傷は非常に長期の後療法を必要とする。

そのため後療法の計画を看護チームもよく理解し、患者にも理解させることが大切である。

 

◆症状

膝痛、膝の不安定感を訴える。

半月板が損傷すると、膝の痛みのほかに損傷した半月板が関節にはまり込み膝が動かなくなってしまう嵌頓症状がある。

 

◆検査

レントゲン検査

MRI

病歴

臨床所見

 

◆治療

■保存的治療

ほとんどの場合、装具の装着による局所の安静と消炎鎮痛剤の投与などを行う。

活発なスポーツ活動を禁止し、そのまま経過を見る。

■手術的療法

靱帯の断裂の場合、手術の適応となる。

術式としては再建術でほとんどの操作が鏡視下で行なわれる。

また靱帯の断裂が無くても、スポーツを活発に楽しむ若い年代や、スポーツ選手として今後も活動する人たちは手術の適応となることもある。

半月板の損傷の場合は、半月板周辺部には血管がないことから、縫合しても癒合しないので切除の適応になる。

状態により、部分切除または全切除が行なわれる。

 

◆靱帯損傷患者の経過と管理

靱帯損傷はスポーツ時等の突然の発症であり、精神的動揺が大きい。

また患者はスポーツ選手や、10~20代の若年層が多く、回復目標が高いことが多い。

しかし、スポーツ現場への復帰などの機能回復に時間がかかり、再発の危険性が高い。

看護師はこのような患者の特徴をふまえ、患者の生活背景やニーズを的確に把握し、個別的なケアを行うことが重要である。

■手術前

一般的には手術前日に入院する。

また、受傷から入院までの経過が長い場合や、患部の疼痛が強い場合は、患側の筋力低下を呈していることが多い。

また、健側の筋力低下も起こる可能性がある。

これらのことは、スポーツを行う患者にとって大きな不安要因であり、治療後のスポーツ復帰の際に大きな支障にもなる。

このような患者に対しては、不安の緩和、筋力低下予防がポイントになる。

不安の緩和に対しては、手術や、手術後の状態が具体的にイメージできることが不安の軽減につながる。

そこで治療経過のオリエンテーション、松葉杖の正しい使い方の練習が必要である。

筋力低下予防に対しては、入院直後より機能訓練が必要である。

■手術後

手術直後は、一般的な手術と同様に疼痛緩和や、合併症予防、セルフケアに対する援助が必要である。

特に神経障害は、一度発生すると治りにくく、これはスポーツ復帰の際の大きな支障となる。

また手術後は、患部の疼痛や炎症により、思うように機能訓練がすすまない場合があるが、手術前と同様に筋力の低下予防が重要である。

また手術翌日(ドレーン抜去後)からは膝関節の可動域拡大訓練(CPM)を必要とする。

疼痛の緩和をはかりながら運動の回数を増減し、炎症があるときは患部のクーリングを行うなど対症療法を行いながらすすめる。

そして、無理しないように、一日の運動と疼痛や炎症との関連性を観察し、実施していく。

■回復期

一般に、手術後1日目より理学療法士による本格的な機能訓練が開始となる。

早期回復を目指すあまり、患者自身が自分で考えた回復目標を立てて行動を起こし、自己判断で運動負荷を増やしたり、荷重をかけすぎたりすることもある。

これらの場合は、疼痛や関節水腫などの二次的障害を起こす危険性がある。

そのため、運動内容の確認や松葉杖での正しい歩行方法の指導が必要となる。

■退院指導

一般的には手術後7日目に退院となる。

制限される活動、家庭での日常生活動作の工夫、仕事の可否や軽いスポーツを始めてよい時期など主治医の指示を確認し、重要な時点を患者にはっきり理解させる。

 

◆靱帯損傷と看護

■病態アセスメント(術前)

全身麻酔で手術が行われるため、全身状態の評価が必要である。

当科では、外来にて術前検査を済ませ、手術前日に入院してくる患者がほとんどである。

そのため入院時に疼痛や運動機能を把握し対処する必要があり、また術後や治療経過に不安をもっていることがあるので、精神面への援助も必要である。

膝の十字靭帯再建術は非常に長期の後療法を必要とする。

その理由は、置換した靭帯の代用物が組織として同化して本来の靭帯の強さを獲得するまで、十分な保護を行わないと、断裂したり引き伸ばされたりする危険があるためである。

そのため後療法の計画を看護師はよく理解し、また患者にも理解させることが大切である。

■病態アセスメント(術後)

手術直後は、一般的な手術と同様に疼痛緩和や、合併症予防、セルフケアに対する援助が必要である。

また、患部の疼痛や炎症により、機能訓練が進まない場合があるが、筋力低下の予防が重要である。


スポンサード・リンク