スポンサード・リンク

(#^.^#)高次脳の話


「高次脳」の画像検索結果

運動、感覚などの知覚、認知、行動のプランニングとプログラミング、言語、記憶、注意などの統合的な機能を指す。

 

●高次脳機能障害とは

脳の病気や事故など何らかの損傷が原因で、言語、記憶、行為、視知覚、注意、感情などが障害された状態をいい、以下の種類があるとされる。

①失語

②失行

③失認

④半側空間無視

⑤前頭葉症候群

⑥感情障害

⑦記憶障害

 

また全般的障害と部分的障害に分けられるともされる。

・全般的障害・・・意識障害(脳の急性侵襲)と認知症(慢性侵襲)がある。

・部分的障害・・・失語、失行、失認、記憶障害(健忘)、注意障害(前頭葉症候)などに分けられる。

 

●失行、失認の左右半球優位性

(1)左半球障害では以下のものがみられる。

・身体失認

・左右失認

・地誌的障害

・観念運動失行(前方)

・観念失行

・細部の構成失行

・細部の視力空間認知低下

・手指失認

・純粋失読

 

(2)右半球障害では以下のものがみられる。

・病態失認

・感覚の半側無視

・構成失行

・着衣失行

・片側性身体失認

・道順障害

 

(3)両側どちらでも出現するもの。

・身体失認

・触覚失認

・視覚失認

・聴覚失認

・味覚嗅覚失認

・素材失認

・形態失認

・2点識別覚低下

・構成失行

・肢節運動失行

・物体失認

・相貌失認

・色彩失認

・感覚性失音楽症

 

失認とは

覚醒状態で、一定の知的機能が保たれた状態(痴呆でない状態)で、種々の感覚刺激を中心後回(Area:3、1、2)に伝えるシステムが機能しているなどが整っているにも拘らず感覚情報を正しく認識できない状態を失認という。

大脳連合野の障害で起こる。

 

失認は種類が多く、以下の4つがある。

①視覚性失認

②触覚性失認

③聴覚性失認

④身体失認

 

POINT

・失認は感覚障害や知能低下によるものではない。

・失認はほとんどが右半球損傷で起こるため左麻痺患者が多く、失語を合併することは少ない。逆に雄弁であることも少なくない。

・臨床の場でよくみられるのは、劣位半球症候群である。

・一般に、左麻痺(劣位半球症候群)患者の基本動作のリハビリは右麻痺患者に比べて非常に困難が伴う。急性期が同じ程度の麻痺の場合、右麻痺患者のほうがずっと動作予後が良いとされる。

⇒動作には筋力よりも構成力に基づいた体幹バランスや身体の認識が重要ということ。

 

①視覚性失認

視覚は多くの情報を含むため、以下に示す多くの失認がある。

また視力が正常あるいは視力低がないことを確認しておく必要がある。

 

a.物体失認(視覚失認)物を見ても物品名が言えない。責任病巣が近傍であると考えられている相貌失認・失読・大脳性色覚障害などの高次脳機能障害を合併 しやすい。

統覚型視覚型失認:視覚の要素的知覚は正常だが形態がわからない。線画の模写は不可能。

連合型視覚性失認:視覚的に形態はわかる が、物品名がわからない。線画の模写は可能。

両側有線野を含む後頭葉損傷。(両側有線野は保たれるがその周囲の大きな損傷)

左半球の一時視覚野、脳梁膨大部の損傷

※線野とは

一時視覚野の周囲にある後頭葉皮質で、基礎的な視覚情報処理を行っている。

 

b.同時失認画面の部分部分の意味は分かるが、画面全体の意味は分からない。

・左後頭葉前方部あるいは後頭葉と側頭葉の接合部の損傷

・両側頭頂後頭葉損傷

c.相貌失認熟知した顔を見ても誰だか分からない。責任病巣の右半球後頭葉内側面の近傍の障害で、地誌的障害を合併しやすい。また視覚失認に合併することが多い。

両側(あるいは右)の後頭葉内側面(紡錘状回、舌状回)

d.色彩失認色覚は正常だが、色名呼称ができない

左後頭葉内側面と脳梁膨大部の損傷。左の色覚中枢の損傷と右の色覚中枢‐言語中枢との間の離断(脳梁離断)による。

 

e.視空間失認空間視情報(位置、傾き、遠近、動きなど)の認知の障害、視空間への注意障害。

視覚性失見当:対象物の空間位置定位ができない

両側頭頂葉あるいは右の頭頂葉の損傷。

半側空間失認、半側空間無視:半側空間への不注意あるいは無視

右半球の下頭頂小葉(側頭‐頭頂‐後頭接合部)ならびに、この領域と機能的結合がある白質や基底核の損傷

地誌的見当能力の障害:熟知した地域の頸管や位置関係がわからない。地図上の知識の障害(ア:街並失認、イ:道順失認、ウ:地誌的記憶障害)

ア:街並失認:右頭頂葉後部と海馬の損傷

イ:道順障害:脳梁に接する右後頭葉の損傷(右頭頂葉と海馬との連絡路の損傷)

ウ:右側頭葉後部と右の海馬の損傷

 

Balint症候群:精神性注視麻痺、視空間性注意障害、視覚失調これらの3つがそろったものをBalint症候群と呼ぶ。

両側の頭頂‐後頭葉接合部の広汎な損傷

 

②触覚失認

触覚障害はないのに、触覚を介した認知でできていないことを指す。

分類

病巣

(a)素材失認⇒物に触れても凹凸がわからない

頭頂葉(後中心回の手の領域、縁上回)の損傷

(b)形態失認⇒四角や丸、あるいは円柱や角柱の形がわからない
(c)触空間の定位障害⇒身体に触れられてもその部位が正確にわからない

③聴覚性失認

聴覚の低下はないのに、音を介した認知ができないことで、聞こえた音が何の音かわからない。

分類

病巣

(a)純粋語聾読み、書き、話すことはできるが、聴覚的理解だけができない 多くは両側の側頭葉障害、左側頭葉の二次的聴覚領域障害(Wernicke野)
(b)感覚性失音楽音楽やメロディ、楽器の違いがわからない 多くは両側の側頭葉
(c)聴覚失認(精神聾)生活空間における馴染んでいる音(風の音、犬の鳴き声など)を識別できない(環境音失認)、音源の方向がわからない ・     何の音かの判別障害は両側の側頭葉の障害・     音源の定位の障害は一側側頭葉の障害

④身体失認

自己の身体についての認知障害で、自己の身体の半身への無関心があり、半身が存在しないかのような行動を示す。

分類

病巣

A.半側身体失認(a)病態失認片麻痺の存在を否認したり、客観的な重症度より軽症であるとの認識を示す。多くは左片麻痺で、左視空間失認を伴う。(b)身体半側の忘却・不使用

自分の身体半側を無視し、不自然な肢位にあっても気にしない、麻痺が軽い場合にも麻痺肢を使おうとしない。左麻痺に多い。

(c)身体半側の喪失感

身体半側あるいは一部の喪失感、「左手がどこかにいった」「別の腕がある(幻肢)」を訴える。左麻痺に多く、著しい感覚障害を伴う。

 

A(a)頭頂葉損傷(多くは右半球障害)

 

(b)頭頂葉皮質の損傷

(多くは右半球障害)

 

 

(c)視床‐頭頂葉の損傷

 

 

 

 

B.ゲルストマン症候群手指失認、左右識別障害、失算、失書の4症状を示す。

これら4つのみを呈する例は少なく、これに他に高次神経機能障害を伴ったり、逆に2~3の症状しかみられない例が多い。

 

B・左半球の頭頂‐後頭葉移行部の障害・優位半球の角回の障害

 

同名半盲と半側空間無視の違い

同名半盲

半側空間無視

見えにくいのに 気付く 気付かない
半球間の差 半球間の差なし 右半球損傷後に多い
脳梗塞の病変部位 後大脳動脈領域に多い 中大脳動脈領域に多い
病巣 視覚路 主に頭頂葉
障害のモダリティ 視覚のみ しばしば聴覚。触覚などにもおきる

 

失行とは

覚醒状態で、一定の知的機能が保たれた状態(痴呆でない状態)で、大脳皮質(Area4、6)から運動システム(錐体路、錐体外路、小脳系など)を介して骨格筋への連絡に異常(麻痺、失調、不随意運動、筋緊張異常)がないにも拘らず、目的に沿って運動が出来ないものを指す。

 

失行の分類には以下の6つがある。

①肢節運動失行

②観念運動失行

③観念失行

④口部顔面失行

⑤着衣失行

⑥構成失行

 

POINT

・失行は行為の対象や目的が理解できていることが前提である。

・失行は基本的に左半球障害である。よって右片麻痺や失語を合併することが多い。

・言語による指示が失語のため十分に理解されないこともあり評価には注意を要する。

・口頭命令の経路:Wernicke野(意味理解)→前頭前野・運動前野の神経路を介して行われるが、この言語中枢と運動プログラム間の遮断により口頭命令の動作ができない。

・肢位の模倣の経路:後頭葉→頭頂葉(視覚情報から肢位情報への変換)→運動前野(肢位を実現する運動プログラム)の神経路を介して行われる。

従って、Wernicke野と前頭葉の神経路が損傷されても、この神経路があれば模倣は可能である。

ただし左手で模倣する場合、右運動前野は左運動前野ほど能力が高くないため多少拙劣である。

 

予後・合併症

実際には、他の高次脳機能障害を伴わずに、失行だけが単独に出現するのは稀である。

責任病巣である左半球頭頂葉の障害に伴って、右半身の片麻痺・感覚障害、失語症を合併することが多い。

その場合、患者みずから「道具が使用しにくい」などと訴えることは少ない。失行が存在すると、リハビリテーションや社会復帰に視床をきたすという報告もあることから、患者の訴えがなくても失行の有無を確認することが望ましい。

 

●失行の定義と分類

失行の定義と分類は以下の6つがある。

分類と定義

病巣

①肢節運動失行目的に沿った細かい指の運動(巧緻運動)ができない、熟練しているはずの行為が拙劣である状態である。

例えば、服のボタンかけや、箸の使用などがこれにあたる。

・     運動前野(左の運動前野では両側上肢の複雑な動きが拙劣となる)。・     中心溝付近(一次体性感覚野)
②観念運動失行社会的習慣性の高い動作(バイバイなど)が言語命令や模倣に従ってできない。

しかし自発運動では可能。つまり無意識なら出来、意識すれば出来ない状態。

左半球頭頂葉の損傷

③観念失行日常的に使い慣れた道具を無意識下でも指示下でも実際に使わせてみても出来ないもの。

例えば、タバコとライターを渡した場合、ライターを口にくわえる、など。

左半球の頭頂・後頭・側頭接合部の損傷

④口部顔面失行舌を出すなど口部や顔面の運動が口頭命令や模倣でできない。

Broca野(左半球の下前頭回弁蓋部)を含む損傷

⑤着衣失行極度の拘縮など着衣を不可能にする原因はないのに着衣ができない。着衣失行には以下の2種類がある。A:片側性着衣失行

左片麻痺にみられ左片側性身体失認を合併し、右半分を着ただけで中止し、左半分を無視する。

B:両側性着衣失行

左右・裏表の混同がみられ、構成失行などを伴う(狭義の着衣失行)。

右の頭頂葉損傷。

(多くは左半側空間失認を伴う)

⑥構成失行描画など、まとまりのある形態をつくることができない。

書字や描画が拙劣で動作などを手本で示して教えても真似ができない。

左右半球損傷ともに30%程度の頻度でみられるが、左麻痺に多く出現し、重症のものも多い。

このような例には片側性視空間失認、片側性身体失認などを伴っていることも多い。

構成失行は左右麻痺の検査としてはKohs立方体などが有名。

右あるいは左の頭頂葉損傷

 

その他の高次脳機能障害

その他の高次脳機能障害として以下の7つがある。

①病的把握反射

②病的把握反射と関連がある現象

③脳梁離断が関連した失行

④運動維持困難

⑤運動保続

⑥運動開始困難

⑦遂行障害

 

POINT

・把握反射(強制把握)→本態性把握(magnet reaction含む)→ユーティライゼーションビヘイビアー→強迫的道具使用の順で重症化。いずれも前頭葉内側面損傷による。

・把握反射は乳幼児期にみられる原始反射の一つではあるが、検者の手を動かすと追いかけてくるmagnet reactionは原始反射だけでは説明がつかないとされている。

 

分類と定義

病巣

①病的把握反射(a)把握反射手掌への触覚刺激で、その手に把握運動がおこる。病的反射の一つで損傷した脳の反対側の上下肢にみられる。乳幼児では常にみられる反射である。

 

(a)前頭葉内側面(補足運動野)

 

(b)      本態性把握手に刺激があると、その刺激を把握しようとする。 (b)前頭葉内側面(補足運動野、帯状回)

 

分類と定義

病巣

②病的把握反射と関連がある現象(a)      ユーティライゼーション・ビヘイビアー(UB)必要もないのに無意識のうちに物をつかむ。意識すれば抑制できる。 (a)前頭葉内側面

 

(b)強迫的道具使用日常的に使用する用品を患者の目の前に置くと、制止しても手にとって目的に合わせて使用する。本態性把握や把握反射がある例に多くみられる。無意識のうちに道具を使ってしまう。意識しても抑制できない。 (b)前頭葉内側面

 

分類と定義

病巣

③脳梁離断が関連した失行(a)      拮抗失行右手と左手が拮抗する動作をする。(ex)右手(左脳)が上着を脱ごうとすると、左手(右脳)は上着を引き上げる)

 

A:分離能では、視覚遮蔽の状態では言語中枢がある左脳へは右脳(触覚、運動)についての情報が届かないので、左手が何を持っ

て何をしているかわからない

(a)CVDなどによって脳梁損傷と帯状回損傷が合併すると拮抗失行をおこすが、手術による脳梁離断では拮抗失行など顕著な障害はおこらない。

 

 

 

(b)      他人の手徴候(alien hand sign)患者(左脳)の意図しない左手(右脳)の行為。

左手の知覚がわからない。

B:脳梁損傷に帯状回損傷(黒塗り部)が加わると、右前頭葉の洞察力や抑制の低下によると思われる状況にそぐわない左手の行為(必要もないのに物品を操作する、右手の行為を邪魔するなど)がみられる。

右脳と左脳が対立する意図をもつとき拮抗失行が生じる。

(b)CVD(前大脳動脈)などによる脳梁損傷と帯状回の損傷

 

分類と定義

病巣

④運動維持困難(MI)動作は出来るが、その状態を持続できない。

CVD慢性期でよくみられる。

セラピストが慣れておないと指示を無視されたと感じてしまうことにもなりかねないで注意が必要である。

前頭葉の機能低下(単一動作の維持困難は特定の病巣と関係が少なく、二動作維持不能は右半球の頭頂葉や前頭葉の病変が多い)
⑤運動保続運動を始めると、その運動を繰り返す。能動的な思考が減り、惰性で動いてしまう状態。2種類ある。(a)意図性保続

新しい運動や行為を始めようとすると、その前に行った運動や行為が繰り返される。

 

(b)間代性保続

単に同じことを繰り返す。

前頭葉障害

(前頭前野の抑制能力低下が主な原因か?)

⑥運動開始困難自動的にはできる運動が意図的には開始できない。

パーキンソン病でみられるすくみ足など歩行開始困難が有名。

 

 

前頭葉機能低下

(または基底核機能低下)

⑦遂行障害環境や目的に合った最適の行動がとれない。物事の目標を立て、計画し、実行し、確認・修正する一連の作業能力の障害。(ex)「喉が渇いたから湯を沸かしてお茶を入れる」など。

 

 

 

前頭葉

(前頭前野、帯状回)

 

失語症とは

一度、獲得した言語能力が大脳にある言語中枢の障害により消失ないし低下したものを失語(aphasia)という。

 

POINT

・構音器管の障害による麻痺性構音障害は失語症には含まない。

・「話す、聞く」だけでなく「読む、書く、計算」の障害も含めると広義の失語症となる。

・左半球障害の3~4割に、左片麻痺例の3%ほどに生じる。

・右利き例で右半球損傷によっても稀に失語が生じ、交叉性失語と呼ばれる。

・Wernicke中枢(側頭葉)とBroca中枢(前頭葉)との連絡路は神経束の弓状束である。弓状束の損傷で伝導失語を呈する。

・読み書きに関連した領域として角回がある。

・失語症では発病初期に、肢節運動失行、観念運動失行、観念失行、構成失行、口部顔面失行、保続などが目立つが、多くは時間経過と共に軽減あるいは軽快する。

・新生児からの言語中枢は以下の順である。

①話し言葉の理解

②模倣しての発語(意味はよくわからないまま復唱)

③自発語

④読み

⑤書き

 

・Broca中枢は左中心前回弁蓋部から三角部、下前頭回後端部と中心前回下端部。・Wernicke中枢は上側頭回後方1/3と縁上回、角回の領域である。

・一過性でない典型的Broca失語やWernicke失語の例では、斜線で示す領域まで損傷されている。

・側頭葉と前頭葉を結ぶ弓状束の縁上回皮質下での損傷は伝導失語をまねく。

 

●失語症の分類化の手順

ポイントとして、言語の理解が可能かどうか、発語が流暢か努力性か、復唱ができるかどうか、である。

 

●失語症の分類(種類と特徴、病巣)

類型

流暢性

理解

復唱

特徴

病巣

運動性失語

×

△~○

×

非流暢性失語。発語は少なくプロソディ(リズム、抑揚、速度)は失われ、読み書きも低下する。ほとんどの場合片麻痺を伴う。 ・      左中心前回弁蓋部から三角部・      下前頭回後端部、MCAの梗塞・      言語領域皮質を含まない被殻の障害
感覚性失語

×~△

×

流暢性失語。発語は少なくプロソディは保たれるが意味不明(ジャルゴン発語)。

読み書きは著明に低下。

発病初期にジャルゴンが著しい時期に自己の病態への病識欠如がある。

片麻痺はないことも多いが、右上同名半盲を伴う。

・      上側頭回後方1/3・      縁上回・      角回の障害
全失語

×

×

×

BとW失語が合併した状態。言語機能全般に著名な低下。広範病巣で片麻痺も重度。右半身感覚障害、右同名半盲を伴う。 全言語領域(左中心前回弁蓋部、三角部、下前頭回後端部から上側頭回後方を含むLt MCA領域)の広汎な障害
伝導失語

△~○

×

復唱が目立って悪い。音節性錯語がある。 左縁上回皮質下での弓状束の損傷
超皮質性運動性失語

×

△~○

自発語は乏しい。最大の特徴は復唱がよい。長い文章でも復唱ができる。 病巣部位との関連は明確でない
超皮質性感覚性失語

×

文レベルの復唱が可能だがその意味は理解できない。反響言語がみられる。 病巣部位との関連は明確でない
健忘失語

喚語障害のみを示し、会話では迂言がみられる。 病巣部位との関連は明確でない

 

●視空間失認の試験内容を以下に説明する

 

  • 線分二等分線試験

⇒線分の中央に印を付けてもらうと、マークが右にずれる

  • Albert(アルバート)線分末梢試験

⇒左側の線分に気づかず抹消しない

  • 模写

⇒原画の左側にある物、あるいは物の左部分を書き落とす

  • 左右視野の同時刺激

⇒左右の視野を個々に刺激すれば気づくが、同時に刺激すると左側視野の刺激に気づかない(消去現象)

半盲があると最初から左視野のものは気づかない

  • BIT(behavioral inattention test)

;行動性無視検査

⇒紙と鉛筆による“通常検査”と日常生活の側面を反映させた“行動検査”からなる総合的評価法で、129点以下が半側空間無視とされる

上位検査として通常検査と行動検査がある。

通常検査は、線分末梢試験、模写試験、線分二等分線試験、描画試験の6項目の下位検査に分かれている。

行動検査は日常生活を反映するように想定されており、写真課題、電話課題、メニュー課題、音読課題、時計課題、硬貨課題、書写課題、地図課題、トランプ課題の9項目の構成になっている。

 

●半側空間無視における左右半球間のバランス(キンスブルンとメスラムによる説)

A:左右半球の空間優位性右半球は左空間ばかりでなく、右空間へも方向性注意を有する。

B:左半球損傷で右半側空間無視が生じにくい理由左半球損傷により右空間への方向性注意が障害されても、右半球が健全だと左右空間へ注意を払うことができる。

C:右半球損傷で左半側空間無視が生じやすい理由右半球が損傷すると、左半球が有する右空間への方向性注意が残り、結果的に左半側空間無視が生じる。

 

高次脳の評価

高次脳機能障害の評価を行うにあたっての前提となるのは、

・「事前に予測される障害のリストアップ」

・「観察」

である。

 

例えば右麻痺患者の場合・・・セラピスト:「あの患者さん、右麻痺やから優位半球に損傷があるな」「優位半球損傷で出現する高次脳機能障害を念のた めリストアップしておこう」「(他の評価や観察のときに)うん!?あの患者さん失調とか無いはずやのに変な動作してる!失行か!?失認か!?」

「ほんなら、念のため高次脳の検査してみましょうか・・・」

・・・みたいな流れになる。

つまり患者の負担や効率を考えて高次脳障害があることが判りきっている場合を除き、いきなり高次脳検査を行うことなあまりない。

 

また検査に当たっては以下の高次脳障害の特徴を知っておく必要がある。

「症状の出現の不規則性」・・・・・同じ病巣であっても同じ症状が出現するとは限らない。

「症状の複雑性」・・・・・・・・・患者がみせる臨床症状がなかなか典型的類型に当てはまらない。

「症状の不安定性」・・・・・・・・患者がみせる障害が日によって変動したり障害となっていたことが何かのきっかけで出来たりする。

「症状の見えにくさ」・・・・・・・症状の出現を予想して患者と接しないと症状が見えてこない。

 

※具体的な評価法については数多くあるので、ここでは概要だけ述べる。

 

目次

失行の検査

失行検査の進め方

失行の評価バッテリー例

失行・失認の診断と評価の大略

 

失行の検査

失行の検査は以下の3つの方法で行われる。

①口頭命令

②検者の行う動作を模倣させる

③物品を実際に手渡し、使用させる

 

失行検査の進め方

失行を疑う場合、患者の示す行為の誤りが麻痺・不随意運動・失調・了解障害などによらないことを示す必要がある。

失行の診断に至るまでの検査の進め方をフローチャートに示す。

 

失行の検査の進め方(右手に麻痺がある場合)右上肢に麻痺がある場合には、麻痺のない左上肢で失行の検査を行う。

左上肢で正しい動作ができれば失行は存在しないと考えられる。

左上肢にも動作の誤りがある場合は、軽度の麻痺・不随意運動・失調があるかを検討する。

これらの原因によって誤反応を生じている場合には、誤り方が常に同じになることが特徴である。

また失語症を合併する場合、口頭命令で動作を指示すると了解障害のために動作を正しく行えないことがある。

これを除外するために、検者が動作を行い、それを模倣させても誤反応が出現するかを検査する。

これらの検査で患者の示す行為の障害が麻痺・不随意運動。

失調・了解障害によらないことが明らかとなれば失行を診断できる。

 

失行の検査の進め方(右手に麻痺がない場合)右上肢に麻痺がない場合には失行は左右の上肢に認められる。左図に示すような方法で不随意運動・失調・了解障害を除外できれば失行と診断できる。

 

失行の評価バッテリー

失行の評価バッテリーには「WAB失語症検査」下位項目の1つである「行為」の項目や「標準高次動作性検査」がある。

いずれの評価バッテリーも「慣習的な動作」、「単一物品を用いる動作」、「複数の物品を用いる系列動作」、「無意味な動作」、「下肢動作」、「顔面動作」などの項目からなっている。

 

失行・失認の診断過程の大略

失行・失認の診断過程は複雑であるが、日常生活上の問題点のチェックと神経学的チェックによって問題点をしぼることができ、また一見問題がなくても麻痺側に応じて図の通りチェックを行うように心がければ、見落とし防止をしていくことができる。

「高次脳」の画像検索結果


スポンサード・リンク