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(≡д≡)閉塞性動脈硬化症(ASO)の話


(ーー゛)題名:閉塞性動脈硬化症(ASO)の話

 動脈硬化に伴って血管の狭窄をきたし、下肢などの虚血症状を呈する疾患である。動脈内壁にアテロームが沈着して潰瘍を形成し、閉塞の原因となる。男性に多い病気で、食生活の欧米化や高齢化により増加傾向にあり、疾患の年齢も70才代が最も多く占める様になってきている。糖尿病・高脂血症・高血圧を合併する事が多い。

 慢性に経過し、ADLの低下、QOLの低下が見られる。

 症状により、疼痛対策・潰瘍に対する処置が必要である。手術適応の有無にかかわらず、禁煙の指導が必要である。治療する上で、虚血性心疾患や脳血管障害などの、随伴血管疾患の検索が必要になってくる。狭窄部位が腹腔内の場合、手術は開腹が必要になりIVH管理が必要になる。血行再建術の場合、人工血管を使用する事が多く感染対策が必要である。

●症状

  1. 四肢のしびれ
  2. 皮膚温度の低下・チアノーゼ
  3. 末梢動脈の拍動の消失
  4. 間歇的跛行
  5. 重症虚血肢(安静時疼痛・潰瘍・壊死)

フォンテイン(Fontaine)分類は、症状の重症度によって、病期分類したものである

 Fontain分類

Ⅰ度  無症状・冷感・しびれ感

Ⅱ度  間歇跛行・安静時無症状

Ⅲ度  安静時疼痛

Ⅳ度  潰瘍・壊死

●検査

  1. 血液一般検査(ヘモグロビン・コレステロール・クレアチニン・血糖)
  2. 上肢・下肢血圧比(API)
  3. トレッドミル運動テスト(ペルサンチン負荷)
  4. 画像検査(血管造影・MRアンギオ・CT)

●治療

保存的療法(薬物療法・運動療法):冷感・軽度な間歇性跛行

外科的治療:高度の跛行・安静時疼痛・潰瘍・壊死

・交感神経切除術

・血管内治療(経皮的血管形成術:PTA、ステント術)

・血行再建術・血栓内膜摘除術

・血管再生治療(遺伝子治療)

・下肢切断、趾切断

慢性閉塞性動脈硬化症に対する血管新生療法

薬物治療に反応なく、血行再建術が不可能な重症虚血肢に対して、血管新生や側副 血行形成機序を成長因子の投与や遺伝子導入又は細胞移植によりふ活化し、虚血臓器の治療に応用する試みが血管新生療法としている。

自己骨髄中の血管内皮前駆細胞移植による血管再生療法

血液を造る骨髄から血液をかたち作る若い細胞を集め、血管を増やしたい部位に注射し血管が新生するのを待つ。

方法

1)CD34陽性細胞の採取

骨髄移植時の骨髄採取プロトコールに従い、手術室にて全身麻酔で患者腸骨より骨 髄を500ml採取する。続いてアフェレーションシステムを使用して骨髄単核球分画を分離、更に磁気細胞分離システムを使用して骨髄単核球よリCD34陽性細胞分離回収する。(所要時間4時間)

2)下肢骨格筋へのCD34陽性細胞の投与

23G針を用いて虚血肢筋肉内に,0.1mlずつ40~50ヶ所分割注入する。(局所麻酔又は、腰椎麻酔にて手術室で行う)

3)倫理性の問題

この治療法は研究段階のものであり、副作用などについても全く分かっていない。

血管以外の新生の危険性

悪性新生物やリウマチ疾患、糖尿病性網膜症への影響について未調査。

治療の効果が全くないことがある。

以上により、患者への説明と同意が重要になり、又病院の倫理委員会の承認が必要である。

●術後の経過と管理

1.血行動態の管理

 1)血圧

適性血圧を維持し、グラフトの血流を良好に保つ必要がある。高血圧は、人工血管吻合部からの出血、低血圧は人工血管内血栓形成の恐れがある。術後は一般に末梢血管は収縮しているため、保温を行い、末梢血管の拡張につとめる。

 2)末梢循環障害

大動脈壁内に見られる粥状硬化斑または血栓の細片が、手術操作により末梢動脈に流失し、遮断解除とともに末梢動脈塞栓症をきたすことがあるため、動脈の触知、チアノーゼ、温感、知覚の有無の観察を行い、単なる末梢循環不全か塞栓かを区別する。

2.感染の予防

手術侵襲により術後は感染しやすい状態となる。しかも人工血管への感染は致命的   となるため創部・ドレーンの管理、熱型・血液データの把握を怠らないようにする。

3.疼痛の緩和

開腹の場合は、創痛による苦痛が強く、不安・不眠をきたす。又、肺拡張が得られにくく、肺合併症を起こしやすいため、疼痛コントロールが必要である。

4.後出血とドレーンの管理

術後、抗凝固療法(ヘパリン)を施行する事も多く出血しやすい状態である。ドレーンからの出血量、創部からの出血の有無の観察を行う。

5.開腹術に準ずる管理(腹腔内手術の場合)

腹腔内手術操作により、イレウス予防のため術前より排便コントロールを行う。術後もしばらくの間IVH管理が必要になってくる。腹部症状の観察が大切である。

6.脊髄損傷(対麻痺)

手術操作に伴う脊椎動脈の虚血により出現する危険がある。知覚異常・運動障害等により発見される。

7.肺合併症

全身麻酔による手術、創痛による呼吸抑制により、無気肺・肺炎などの肺合併症に陥りやすい。

( -∇-)参考文献

医療学習レポート.閉塞性動脈硬化症


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