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(^◇^)慢性関節リウマチと福祉機器の話


(@_@;)題名:慢性関節リウマチと福祉機器の話

慢性関節リウマチで使われる福祉機器について以下に順番に述べる。

Ⅰ.福祉用具

1.装具

・リウマチ(RA)装具の処方目的として以下のような目的があげられる。

①炎症の増悪を防ぎ、鎮静化を期待しての安静固定や関節の保護。

②下肢荷重関節に対して、異常可動性を抑制することによる変形の発現および進行の予防や関節保護、痛みの緩和

③関節の支持性を補助することによる、機能の補助

・RA装具に必要な条件

①装具の着脱が容易であること

②軽量であること

③装着感がよいこと(柔らかい装着感)

④外観が良いこと

⑤機能を妨害しないこと

⑥通気性・耐水性優れていること

⑦適度な固定性と可動性を備えていることなどがあげられる

・RAでは一次性・二次性病変として骨、軟部組織の双方が障害され、静的・動的な安定性(支持性)が損なわれ軟部組織は骨関節の安定性を補助し可動性に対して誘導・制止を行う機能を有するため、この機能喪失により異常な圧力の集中や剪力が発生し、骨破壊・軟部組織の不均衡を助長し、痛みの原因ともなる。

・関節の保護、痛みの緩和、さらには機能の補助を目的とする代表的な装具には膝装具や足関節装具、手関節装具などがある。

以下より、各部位別に装具の種類と特徴を述べる。

1)上肢装具

・上肢装具は、主に固定による安静と変形の予防を目的に使用される。

・変形を起こしてしまった関節の矯正は、装具では困難なことが多い。

(1)肘関節装具

・主に固定を目的とする。

・安静を要すればプラスチック製の肘スプリントを用い、可動性を要すれば肘継手を使用した装具を用いる。

・急性炎症や術後以外には用いることは少ない。

(2)手関節用装具

・固定、変形予防・矯正を目的とする。固定用として手関節背屈装具(cock up splint)の尺側偏位防止板(ulnar deviation prevention splint)付きや革サポーター。

・予防・矯正用として長対立装具(long oppornens splint)の尺側偏位防止板付きや、中手指節間(MP)関節屈曲補助装置付きがある。また、尺骨遠位端の背側亜脱臼には矯正固定用ベルトを取り付ける。エンゲン(Engen)形を用いることが多い。

(3)手指関節用装具

・固定、変形予防・矯正を目的とする。

・安全ピン装具、(spring safety pin splint)、尺側偏位防止板、尺側偏位支持装具、三点支持指装具、母指ささえ(thumb post)、ナックルベンダ型装具(knucklebender splint)、短対立装具(short oppornens splint)などがある。

・手・手指関節用装具とも皮革や熱可塑性プラスチックを用いて材質を考慮し、らせん型やリング型など形状も工夫されている。

 

2)下肢装具

・荷重関節の固定や免荷の目的で処方されることが多い。

・膝、足関節のアライメント矯正の目的で処方されることもある。

(1)長下肢装具、膝関節装具

・固定、矯正、一部免荷を目的とする。

・長下肢装具(両側支柱付き、プラスチック製足部と足継手、外・内反矯正用膝パッド、膝継手ダイアルロックまたはリングロック、ベルクロまたはヘッシング型閉じ具)、膝装具(プラスチック製または両側支柱付き、膝ロックまたは遊動式、外・内反矯正用パッド、ベルクロまたはヘッシング型閉じ具)、軟性膝装具(弾性サポーター、革製ストラップ、ヒンジ付きサポーター)、膝ケージ(knee cage)などがある。

・長下肢、膝装具は、大きく装着が困難であり重量が重いことで敬遠されるが、装具装着により手術前まで起立、歩行を行うことができ、全身および下肢機能を維持しておくことが可能で廃用の予防に効果的である。

・また手術療法が全身や局所状態の悪化などにより不適応な場合や、手術を拒否する場合などでは適切な時期に処方されてよいものである。

・処方の際にはプラスチック製として軽量化を行い、装着時の固定が簡便になるように工夫しておく必要がある。

(2)足・足指関節用装具

・固定、矯正、免荷、歩行を目的とする。

・靴型装具[短靴、つま先踏み返し(toe spring)、蝶型踏み返し、中足骨パッド(metatarsal pad)、フェルトクッション]、室内履、靴インサート(shoe insert)、ふまず支え(足底挿板、arch support)、外反母指矯正装具、補高がある。

 

3)頸椎装具

・固定、免荷、一部矯正を目的とする。

・軟性カラー(short collar)、硬性カラー(hard collar)(ポリネックカラー)、フィラデルフィア・カラー(Philadelphia collar)、ハローベスト(halo vest)がある。

 

4)体幹装具

・リウマチでは胸椎や腰椎にも圧迫骨折などが起こる場合がある。

・脊髄の症状がなければ大がかりな脊椎の手術や頑丈な金属製・プラスチック製のコルセットを作るよりも、サラシなど簡単なもので腹部を巻いておくのも良い。

・RAの変形を装具で矯正しようとしてもほとんど失敗するが、膝屈曲拘縮に対するターンバックルなどは脛骨の後方脱臼に対する処置(後方からのパッドなどによるストッパー)を併用すれば効果的なことのあるまれなケースであり、軟部組織を介して骨に作用させようとする点に困難さがあるが、持続的外力がアライメントの矯正に結びつくこともある。

・局所の安静固定により炎症増悪の予防を図ることも装具の大きな目的であり、痛みや腫れの強い時期あるいは通常よりも関節に多くの負担がかかる状況下での装具装着は効果的である。

・RAの装具は治療の一時期に限定して使用され、その後ははずすといった性質のものではなく、状況や症状に応じて臨機応変に使われるべきものである。

・装具や弾力包帯などを使用すべき状況、方法についての指導は、患者の自己管理の点からも重要である。

 

RA装具の解決されるべき課題

①装具材料(素材)

②装具着脱の容易性

③外観

④各関節の病態に応じた対応(固定すべき部位・強度・方向や可撓性を許す部位・範囲・方向など)

 

・RAで羅病期間が長くなり多関節が障害されると、身体末梢部へのリーチは困難となり、手指の機能も低下する。さらに頸椎や胸腰椎の病変が加われば、頸部や体幹の屈曲も避けるべき動作となり、装具の着脱は大問題である。

・再燃と寛解を繰り返し、炎症期には易疲労性や倦怠感の現れやすいRA患者にとって装具の重量や装着感も無視できない。

・RAでは皮膚に過敏症のある患者も多く、皮膚に接する部分の材質も問題となる。

・女性が圧倒的に多く、好発年齢が20~50歳であることを考えれば、装具の外観も精神衛生上重要な要素となる。

・RAの装具は処方目的を明確にし、材質や部品を既存のものの範疇にとらわれないで検討し、患者が満足できるものを提供。

・装具のbiomechanicalな検証も今後に残された課題であるが、処方時期などは早急に解決すべき問題である。

 

2.スプリント

・RAでは手指の関節に炎症が認められる時、安静固定を目的にスプリントが用いられる。

・スプリントを使用する目的として以下のことがあげられる。

①炎症のある関節の固定・安静

②関節の変形の予防・矯正

③関節の位置の保持

・例えば、MCP関節に腫脹や痛み、熱感といった炎症所見が見られるときには、スワンネック変形の出現する可能性が高く、PIP関節に指用ナックルベンダースプリントを使用してPIP関節の過伸展を防止。

・尺側偏位や手関節掌側脱臼の徴候があり、徒手的に整復が可能な患者では、痛みのでない範囲で整復し固定してやることによって、ピンチ力が上がるなど手指機能が改善することもある。

・逆に、関節の固定は隣接関節の代償を強要することが多く、1つの関節の動きを制限することが、隣接関節にどのような影響を与えるかについて、細かくチェックしなければならない。チェックを怠ると、隣接関節に異常可動性や弛み、変形といったトラブルの発生することもある。

 

3.杖

・松葉杖、ロフストランド杖、T字杖などが使用される。

・上肢の各関節の状態に応じて慎重に選択すべきで、歩行補助具の使用は上肢の関節に荷重という機能を要求するため、上肢関節の病状を進行させる大きな原因となりうる。

・できれば上肢を使用することなく歩行ができるように手術も含めて検討すべき。

・万が一のことを考えて、杖を持たそうと思うときには、軽量の杖を処方することもある。リウマチでは変形や拘縮のために、理想どおりに杖の高さや形が決まらないことがある。それぞれの状態に合わせて高さなど決めるようにすると良い。

・プラットホーム型杖…これは痛みなどでうまく使えない肘や手首をかばいながら使える杖であるが、前腕を支える部分が大きく、持ち運びには使用しずらいものである。

・階段の手すりを使うときや、杖を使わない場合には腕にぶら下げておいたほうが便利なので、ループを作っておくと便利である。また、歩行器も場合によっては使用される。

 

4.車椅子

・筋力の低下、高度の関節破壊で起立・歩行が不能の場合、最低車椅子での移動を訓練する。

・更により広い空間を確保するための一つの方法となるが、車椅子は軽く、低く、ブレーキも力がいらないものを用いる。

・家庭での使用のため、キャスター付き椅子を作って操作を練習させることも大切。

・キャスター付き椅子はブレーキもあり、狭い家の中でも便利に使える.

 

Ⅱ.自助具

・自助具は,これ以上の改善が望めない時点で使用開始する.

・日常生活の中で,実行する機会が多い動作では,自助具の使用も有効な治療手段である.

・以下より,このような自助具の近年の目的別作成件数の内訳を示した後,各ADL動作別に使われる自助具を順番に述べる.

 

1.     食事動作時の自助具

・使用される自助具としては,手指の屈曲制限や握力低下によりスプーンやフォークの握りが困難な場合には太柄のスプーンやフォークが使用される.

・滑り止めや握り部分に形状記憶樹脂を使用したスプーンやフォークの利用も考えられる.

・その他,握力なしでスプーン,フォークの保持が可能なユテンシルホルダー,コップの握りを使ってコップを使用できるコップホルダー,箸の握りを容易にしたバネ付き箸の利用も有効.

・先部が口まで届きにくい場合は長柄のスプーン,フォークや,先部を角度調整できるタイプの利用を考える.

・回外制限のために口までのリーチが困難な場合には先部を橈側に握るなどスプーン,フォークの持ち方を変えることで解決することもあるが,先曲がりスプーンの使用も有効である.

・上肢のリーチ範囲が狭い場合には,各種の回転盆の使用が考えられる.

・すくい時は,フードガードのついた皿を利用する場合もあるが,サランラップなどを茶碗の端に少しかぶせるようにしてラップし,簡易フードガードとして利用する方法もある.

 

2.     調理動作時の自助具 *1,5,6 ADL白pp247,OTジャーナル27 pp1013,OTジャーナル36 pp741

・手指の変形や疼痛のため,手指の巧緻動作困難となるRA患者の調理用自助具としては,まな板に釘のような刃物がついており野菜など切るときにその刃物で食物を固定し切ることができ,片手用まな板の使用が考えられる.

・とっ手の工夫が手の握りの形にできていて,前腕中間位,手関節はわずかの背屈位で握れる切りやすいナイフも有効.

そのまま肩関節から前後方向に動かし切ることができる上に,腕の重みが作用してわずかの力で切れる.各種スイッチの回しを容易にするカウンターハンドルも有効といえる.ガスの点火スイッチ,テレビのチャンネルなどに突起部分を押し付けて回し,押された凸部分の突起は本体の中へ引っ込み,しっかりとつかむ状態になる.その他,水道栓まわしや,レバー式蛇口への改良,握りやすいバネ付き調理器具や,レンジ回し,ワンプッシュオープン式炊飯器,電動缶切り,食器洗浄器などもある.

 

3.     整容動作時の自助具 *5,6 OTジャーナル27 pp1013,OTジャーナル36 pp741

・関節可動域制限のあるRA患者には柄の長い歯ブラシや,柄付きヘアブラシが実用的である.

・入浴は浴槽の改造が必要な場合があり,カランの位置を高くし,浴槽の中に椅子を沈めて利用するなどの工夫が良い.

・浴室内での転倒などの事故防止への配慮として,手すりや滑り止め用の浴室マットが使用される.

・手すりは壁面タイプだけでなく,浴槽の縁に固定するタイプも市販されており浴槽の出入り時によく使用される.

・背中を流す,または洗うのは困難な動作で,工夫されたさまざまなブラシがあり,柄の長い物や,ループ付きの物がある.

・巧緻動作困難なことから,洗髪用のブラシやループ付きのタオルの利用も考えられる.

・タオルは,綿のタオルよりもナイロンタオルのほうが少ない力で洗体でき,タオルを絞る動作が省略できるため良い.

・その他,ハンズフリードライヤーや爪切りを持って操作ができない場合に使用する台付き爪切りなどもある.

・洗濯機も最近では全自動洗濯機と乾燥機が一体になったタイプが普及しており,上肢の自由が利かないRA患者にとっては大変便利である.特にドラム式の洗濯機では,洗濯物の出し入れがしやすくより使用しやすい.

4.     更衣動作時の自助具 *3,5,6 生活ガイドpp76,OTジャーナル27 pp1013,OTジャーナル36 pp741

・肩・肘関節の可動域低下と手・指の変形でセーターの着脱は棒や自助具(リーチャーなど)を使う.

・前あきシャツは情報のボタンかけが困難なので,ボタンの代わりにマジックテープをつける.

・ボタンをはめる自助具であるボタンエイドも便利.

・靴下の着脱には先に鈎のついた竹の棒や孫の手,ソックスエイド(靴下エイド)は指の変形のある患者が使いやすいように柔らかい素材で作ると良い.

・着脱エイドブラというものもあり,2種類のタイプのうち前開きタイプは弱い力でも着脱しやすい大型のホックが取り付けられている.

 

5.     排泄動作時の自助具 *5 OTジャーナル27 pp1013

・和式トイレでは立ちしゃがみの動作が必要となりRA患者には困難なことが多い.

・その動作が可能であっても,下肢の関節保護の面から洋式トイレのほうが望ましい.

・最近では和式トイレの上に重ねておくだけで腰掛けられるようになる両用式便座もある.

・下肢の障害の程度によっては,洋式のトイレをさらに歩行し立ち上がりやすくする補高用便座やポータブルトイレ補高フレームも使用される.

.主にリーチ機能障害によって吹く動作ができない場合にふきふきリーチャーを用いる.フレキシブルパイプの先に取り付けた洗濯バサミを取り付け,ちり紙を固定し使用する.

・その他,手指機能障害により拭く動作が困難な場合は温水洗浄装置付き便座の使用も考えられる.

 

6.     身の回り *3,5,6 生活ガイドpp76,OTジャーナル27 pp1013,OTジャーナル36 pp741

・変形などの手指機能障害により目薬をさすことが困難な場合に目薬エイドを使用する.これは,金属性ヘアピンに容器固定用のカーブをつけたものでてこの原理を応用して,少ない筋力で目薬をさすことができ,ある程度リーチも拡大できる.

・手指機能障害で座薬をうまく挿入できない場合に座薬挿入器の使用も考えられる.

・プラスチック製注射器を用いて作成.サーモスプリントなどで翼をつけると座薬挿入器の把持がしやすくなる.

・その他,手の届かないものをとる場合にリーチャーを用いることも考えられる.

・鍵に取り付けることにより,ピンチ動作なしに鍵を回すことが楽にできるキーホルダーやドアの開け閉めがしやすいようなドアノブの工夫がさまざまある.

 

7.     その他 *3 生活ガイドpp98

1)      サポーター

・関節を保温・保護し,痛みを和らげる目的で用いる.

・肩,肘,手,膝,足首など各関節にあったサポーターを使う.

 

2)      靴

・どんな靴を履くかでリウマチによる足の変形が左右されるので,靴は慎重に選ばなければならない.

・外観も大切だが,足の機能にそぐわないものを履くと,変形をきたしたり変形を増悪させる.

・リウマチではアーチが関節の弛みや変形から崩れやすく,扁平になることが多い.

・扁平足になると,これまで足の踵の部分と足指の付け根のところに体重がかかっていたのが土ふまずのところに体重がかかり,足指のほうが逆に上に上がってくるような変形が生じてくる.

・変形…土ふまずのところに痛みが出たり,足指の付け根の裏にタコができ,長く歩くことができなくなってくる.

・変形を予防するためには,土ふまずのところを少し高くしたアーチサポートがよく使われる.その際注意することは,土ふまずのところだけ高くするのではなく,土ふまずの上内側のところを硬くすることである.

…扁平足は土ふまずが下につぶれるだけではなく,内側にもつぶれるからである.また,幅の狭い靴を履くと,指が左右から圧迫され,外反母趾やつち指変形が起こりやすくなるので注意が必要.

・靴選びのポイント

①     土ふまずや中指の付け根の後のところに,もり上がり(アーチサポート)があるもの

②     土ふまずの内側の革が硬いものを選ぶ

③     足指を締め付けずゆったりしたものを選ぶ

④     踵が低く,前後差の少ないものを選ぶ

⑤     外反母趾の傾向のある人は親指のところを膨らませたような靴を履く

 

3)      靴下

・ストッキングなどは関節が腫れていたり痛みがあっても履きやすいよう滑りやすく締め付けないものを選ぶ.

・関節を冷やさないような素材を選ぶことが大切.

・足の指の変形に対して,つち指変形や外反母趾予防の目的で指の部分が5本に分かれている軍足なども市販

されている.


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