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(^◇^)片麻痺と歩行障害の話


( ̄ー ̄)題名:片麻痺と歩行障害の話

介助の目的は次のような点によって歩行パフォーマンスを最適化することである。

・下肢の軟部組織における適応的な変化を防止すること

・下肢の鍵となる筋群の随意的な活動を誘発する。

・歩行速度と耐久力を高めること

・スキルを最大化させること

・心血管系フィットネスを増大させること

 

動作のメカ二クスを考えると、歩行練習に対し次のような点が重要である

・下肢で体重を支持すること

・体重を前進させること

・一側もしくは両側の下肢で進む場合の体重のバランス

・トウクリアランスと足の位置に対し膝と爪先の経路を制御すること

・リズムと協調性を最適化すること

 

●歩行練習

〇前方への歩行

はじめに身体を真っ直ぐに、すなわち、股関節を伸展し、患者は非麻痺側下肢、次に麻痺側甲子を前方に振り出す。

・麻痺側下肢を立脚側として歩行を開始することは、引き続く遊脚相にとって最適な条件を設定することになる。

・最初の数歩の目標は身体を指示したり、推進させたり、バランスを取りながら、患者が基本的な移動リズムを作り出す感覚を獲得することである。

・患者を確実に上肢あるいは安全ベルトで保持するが、前進を妨げないようにする。

・患者の脇に立つか、必要であれば後方に立ち、視界を妨げないようにする。

・足を振り出し、歩幅が一定となるように促す。最適なステップ長とストライドを理解させることができ、ステップ長を増加し、歩幅を減少するための刺激を与えることになる。

 

〇側方への歩行(横歩き)

この運動は単純に移動動作の練習を含んであり、制御させるべき関節の変位の数と程度が前方移動と比較して減少する。

両足部をそろえて開始し、患者は一側の足から他側の足で体重を支持し、バランスをとりながら側方に足を踏み出す。

 

〇後方への歩行(後ろ歩き)

後方への歩行は股関節心筋群、特にハムストリングスを働かせる

・この運動は、患者が股関節を伸展した状態で膝を屈曲することがある程度できる場合にのみ有用である。

 

軟部組織の伸張

軟部素起始、特に下腿の筋と大腿直筋の伸展性を保持することは患者が起立したり、歩いたり、階段を昇降したりする能力にとって重要である。機能的な筋の長さを保持することとして他動的および自動的伸張が含まれる。

・約20秒間伸張を保持し、弛緩させ、これを4~5階繰り返す。身体的に不活動で高度に筋力低下のある患者では、1日に数回、持続した他動的伸張が必要となる。

 

筋活動の誘発

立位で体重を支持するのに十分は筋力を発揮することが困難な患者では、甲子の心筋の活動を誘発するような介入が必要となる場合がある。

 

単純な自動運動

単純な運動によって患者に下肢の筋を活動の感覚を植えつけることができる。

例)股関節伸展

背臥位でベッドの端に麻痺側下肢を下ろし、踵を下ろすようにして小範囲で股関節を伸展する練習を行う。

ポイント:膝関節は90°屈曲位かであること

他の下肢の運動と麻痺側下肢の底屈を行わないようにする

足部が前方にすべる場合には、下腿の軸にそって下方に押すことによって床に足部を固定する

 

筋力トレーニング

筋力トレーニングで強調するのは下肢の筋、特に大殿筋、中殿筋、ハムストリングス、大腿四頭筋、下腿筋(腓腹筋、ヒラメ筋)などの伸筋である。これの理由として、基本的な立位時の支持、バランス、前進に作用しているためであり、特に大腿四頭筋が立位時の動的安定性にとって重要であるためである。また、中殿筋、内転筋は体重の側方への運動を制御している重要な筋である。

しかし、筋力の増加、再獲得すべき課題や条件への神経適応に必要な動作自体を練習することなく歩行パフォーマンスの改善をもたらすには不十分な場合もある。

 

〇麻痺側下肢の単純な負荷

体重負荷している側の下肢の十分な伸筋の力の発生が、反対側の下肢を前方に引き上げる間に体重を支持するために必要となる

 

1.麻痺側下肢に荷重するための非麻痺側下肢によるステップ

・立脚側(麻痺側)の股関節は伸展し、足関節は背屈しているか確認する。

・前方(非麻痺側)に体重を斜め前方に移動させる。

・下肢が崩れたり、膝が過伸展してしまい、足部上で体重が支持できなければ、ストラップ、スプリントを利用して運動中に膝を支えるようにする。

 

2.ステップアップ、ステップダウン運動

体重を上げ下げして股関節、膝関節、足関節の伸筋が同時に求心的にも遠心的にも活動するように練習する。また、ステップアップ運動は足の背屈筋も鍛えることができる。

 

1)前方へのステップアップ

麻痺側下肢をステップの上に乗せる。上半身を真っ直ぐにしたまま、足部上で体重を前上方へ移動させる。

・麻痺側下肢の股関節、膝関節、足関節の伸展をすることによって非麻痺側の足部をステップに乗せるように体重を引き上げる。

・後方へステップダウンする場合、麻痺側下肢の股関節、膝関節、足関節を屈曲することによって、足部が接地するまで下方に移動させる。

 

2)側方へのステップアップ

麻痺側下肢の足部をステップにのせる。体重を真っ直ぐにしたまま非麻痺側下肢でステップアップする。

・麻痺側下肢の股関節、膝関節を伸展することで体重を持ち上げ、反対側の足部をステップに引き上げる際に股関節を内転することによって体重を側方に移動させる

・ステップダウンする場合、股関節、膝関節を屈曲することによって足部が接地するまで体重を下げる。

 

3)前方へのステップダウン

ステップに両足をのせ、非麻痺側を下ろす。

・麻痺側下肢で体重を支持したままで、バランスをとり、このときに足部をおろすために体重を引き下げるように股関節、膝関節、足関節を屈曲する

・後方ステップアップする場合、ステップ上に足部を引き戻しながら、体重を引き上げるために、支持する下肢の股関節、膝関節、足関節を伸展する

 

踵の持ち上げと引き下げ

歩行周期中では、push off時の足底屈によって主に力が発生するため、足底屈筋の活動を強化し、練習することに全面的な努力を払うべきである。この遊脚前の筋活動は下肢を遊脚相へと加速する。立脚相でもまた、足の背屈筋は足や膝の安定性および足部上で体重の前方移動を制御することに寄与している

 

〇ステップ上に前足をのせ、踵は宙に浮かしておく。踵はできるだけ下げ、次にそこから水平になるまで持ち上げる。

・両股関節と膝関節はこの間、伸展したままとする。

・体重が麻痺側にあることを確認する。

 

非荷重による筋力トレーニング

力の発生、速度、および筋収縮の持続性を改善を目的とする。

ゴムバンド、重錘負荷によって漸増抵抗運動を行う。

 

歩行は狭い在宅環境における移動手段として重要で、歩行に伴う装具着脱や起居動作、段差昇降や方向転換を含めた自立がADL上望まれる。また、発症早期における歩行場面での刺激は、心理的不安や意識状態の改善にも有効で、体幹の固定性を必要とする動作でもあり、治療としての効果も期待できる。そのため、寝返りや起き上がり、坐位保持が不十分であっても、歩行場面からそれらの動作への影響をはかることもある。

・特徴と歩行準備に必要なこと

適切な自己の機能への認識がもてないまま、・患側支持性不良、・振り出し困難、・接地時の不安定感(股内転位、toe out、内反位等の接地)に対し、随意的に過剰な予測制御による動作パターンを形成していく。

 

①体幹下部の固定性不良、骨盤後退、股伸展位での支持不良、膝の支持不良、足背屈困難による前方への重心移動困難

(反応)健側優位のバランスとり、患側立脚期短縮、膝のlocking、体幹前傾

(準備訓練)

(1)股関節、足関節の関節可動域訓練

(2)体幹前面筋のトレーニング(骨盤の対称位保持及び体幹回旋のため)

(3)股伸展域での保持収縮訓練

(4)closed-kinetic-chainで患側支持(軽度膝屈曲位)しながら健側下肢を操作する訓練

(5)装具による支持性補助下での荷重訓練

 

②分離した股、膝の動き困難、伸展支持後のrelax困難、体幹伸展保持不良、過剰な振り出し努力

(反応)膝伸展、足底屈による引きずり、過剰な骨盤挙上と患側体幹の短縮、分廻し

(準備訓練)

(1)収縮と弛緩の切り替え訓練

(2)股、膝の分離運動

(3)挙上努力の入らない振り出しの誘導

(4)足背屈、外反の誘発(FES装具による修正)

 

③骨盤後退、前方、側方への重心移動への恐怖、伸展共同運動パターン優位、上肢の引っ張りによるバランスとり

(反応)体重心を健側に残したままでの患側接地(体幹後傾)、股内転と外旋、足内反接地

(準備訓練)

(1)患側支持性向上による改善訓練

(2)接地時の骨盤後退予防しながら、膝軽度屈曲しながらのスムーズな重心移動を誘導した歩行訓練、また、スピードを徐々に上げ、意識下でのコントロールができない環境で患側の遊脚期よりも立脚期を意識した対称的な歩行リズムの形成

 

安全な状況下で、どの程度患側に荷重でき、どの程度少ない力で支持したり振り出すことができるか、また、どのタイミングでどの方向に出力したり、出力を切ればよいのかを運動ー感覚経験として学習させ、適度な予測制御下で徐々にAutomaticにまた、様々な環境下に適応できる能力に高めていくことが望まれる。

これらが充分でないと、過剰努力による異常性が発達し、可動性減少、バランス能力低下、不経済なエネルギー消費による歩行距離短縮などから生活活動範囲狭小化、転倒危険増大が生じるので、早期より注意してアプローチする必要がある。

また、装具使用者の場合、装具着脱が自立で行える必要があり、また入浴時のような裸足歩行場面も想定した裸足歩行訓練も必要となる。杖の使用は、片麻痺者の場合、物をもって歩くことが困難となるので、ADL上物をもって歩行する必要のあるケースは、訓練として杖なし歩行、物をもっての歩行訓練等も重要になってくる。

移動手段として歩行が困難なケースは、車椅子駆動となるが、片手片足駆動する場合、・車椅子上坐位姿勢の修正、・非麻痺側での駆動(直進ー非麻痺側回り)・駆動の補助としての非麻痺側上肢の参加の順で教え、特に効率よく駆動するのに必要な、ハムストリングス、下腿三頭筋、前脛骨筋の使い方を指導する。

車椅子は、室内、外で自力駆動する場合、低床型で軽量化を図り非麻痺側ハンドリム(必要あればコーティング)、麻痺側ブレーキレバー延長等をつけることが多く、人により、杖置き、背もたれ折りたたみ式(車載用)、車椅子用テーブル、シートクッションをつける場合もある。また、自力駆動する場面がない場合、コンパクトな介助用椅子にすることもある。

 

<一般的に家屋環境がもつ不便さのポイント>

・家屋周囲から屋内への進入ル-ト:周囲の段差、玄関上がり框

・居室位置:生活活動拠点との距離、段差

・和式生活

・室内段差:廊下、トイレ、浴室

・広さ:廊下幅、トイレ、浴室スペ-ス

・ドア:型状、幅、開き方

・壁面:手すり取付け困難、仕切りによる狭さ

・トイレ:他の家族も共用する、便器種類

・浴室:浴槽の種類、椅子

・床面:じゅうたん、すべる浴室床、畳

・スイッチ操作

・室温コントロ-ル

 

<改造に関わる際の留意点>

・家族状況、住宅、福祉機器、福祉サ-ビスについての知識、情報をもつ

・介入時期を考慮する

・生活イメ-ジの具体化:訪問を通して家族と調整

・在宅環境下での動作方法、介護方法が選択されること

・総合的観点から必然性のある選択がなされること

・意図に合う施工が行われること

・改造後、適切に使用されること
異常歩行に対するアプローチと装具

<立脚期>

骨盤後退:体幹前面筋強化

体幹前屈位:体幹伸展促通、股伸展位での支持促通

股外旋位:骨盤後退修正

股外転位、内転位:遊脚期修正

膝折れ:伸展支持性強化(軽度屈曲位での)足関節の可動域改善

反張膝:両側支柱付長下肢装具で軽度膝屈曲位に設定、両側支柱付短下肢装具で二方向制動付足継手で0~10°背屈制動

loking:0°底屈制動

尖足:足関節可動域改善、足背屈促通、両側支柱付短下肢装具で足継手0°底屈制動付・踵補高、軽度ならプラスチック短下肢装具

内反足:足外反促通、FES

内反尖足 :両側支柱付短下肢装具にTストラップ付、外側フレアー、軽度ならプラスチック短下肢装具

感覚障害による乱暴な接地及び支持期の不安定性:Approximation gait,squatting、両側支柱付短下肢装具、
必要あればTストラップ付

claw toe:持続伸張及び持続荷重でのリラクゼーション、Hold relax

hammer toe: toe spreaderや指枕をつける、toe boxを拡大する・プラスチック短下肢装具の場合、足趾の先まで足板をつける
<遊脚期>
骨盤挙上、体幹側屈:

分廻し、股関節の過屈曲:下肢分離運動促通、立脚期の十分な患側荷重及びその後のrelaxation促通、体幹筋のトレーニング

膝伸展位、膝関節の過屈曲:

はさみ足:内転筋痙性抑制、骨盤後退抑制、上肢のpull減少

下垂足:足背屈促通、FES、吊り下げ装置、プロフッター・オルトップ等簡易短下肢装具

尖足・内反足・内反尖足:骨盤後退防止、立脚期の十分な荷重後のrelax促通、少ない振り出し努力での歩行訓練、FES

 

●歩行パターンと適応と考えられる装具等

歩行パターン

適応と考えられる装具等

立脚相

股関節屈曲、体幹前屈

なし

股関節の外旋位歩行

ツイスター、トルクヒール

トレンデレンブルグ歩行

膝関節屈曲拘縮

ターンバックル付膝装具、ダイヤルロック式膝装具、タウメル継手付膝装具

膝折れ

AFO(前方制動、足関節底屈位保持)膝固定装具

伸展膝、反張膝

AFO(前方制動、足関節底屈位保持)、踵の歩行、膝装具

尖足

軽度の痙性または弛緩性麻痺

軟性AFO,簡易型AFO,靴べら型AFO,半ラセン型AFO,

中等度または重症の痙性麻痺

靴べら型AFO,ラセン型AFO,両側支柱付AFO

内反足

靴インソール、軟性FO、軟性AFO、簡易型AFO、半ラセン型AFO、靴べら型AFO、両側支柱付AFO(Yストラップ付)

内反尖足

軽度の痙性または弛緩性麻痺

軟性FO,軟性AFO,簡易型AFO,ア靴べら型AFO、ラセン型AFO、半ラセン型AFO(内側型)

中等度または重症の痙性麻痺

靴べら型AFO、両側支柱付AFO

足趾の過度の屈曲

靴(大きいtoe box、厚い中底、指枕、外科開き)

遊脚相

膝・股関節の過度の屈曲

なし

つま先の引きずり、分廻し歩行、棒足歩行

尖足に対する装具、非麻痺側の補高、SLLB,長下肢装具(屈曲位固定)

( ̄ー ̄)参考文献

医療学習レポート.片麻痺と歩行障害


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