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( TДT)超音波の話


(~_~メ)題名:超音波の話

深部熱 ・ 変換熱

●定義

進行方向に伸縮する波動として伝播する音の拍動のうち、人間の耳に聞こえない高周波を持つエネルギーの形態。

可聴音:16~16000Hz (成人)   (16~20000Hz)

小児 20000Hz

老人 12000Hz

超低音波:16Hz以下

超音波:20000Hz以上

治療や診断に用いられる超音波:0.8~15MHz

物理療法で用いられる超音波:0.8~3MHz (1MHz,3MHz)←固定されているものが多い

物理療法で用いられる出力:最高5w/c㎡

音エネルギー → 熱エネルギー ⇒ 変換熱

 

●超音波の物理的特性

伝播現象、反射、屈折、吸収

キャビテーション、マイクロストリーミング

①伝播現象

音波伝導速度←物質によってスピードが異なる。金属製のものは伝導速度が速い

空気   331.5m/sec

骨   4080m/sec

筋   1585m/sec

チタン 5723m/sec

 

②反射

ある媒質中を進行する

音波が接する他、媒質の境界面で反転してもとの媒質中を進む現象

ヘッド

反射されたものがヘッドにあたると熱になり、熱をおびたヘッドを皮膚あてると患者が火傷をしてしま(空気)う危険がある。

空気中では反射がおきやすいため、皮膚に入る量が減る。そのため空気に触境界面れないようにゲルを塗り、皮膚に入る量を増やす。

(皮膚)

元も媒質に戻る=反射

反射(大) = 音響インピーダンスの差(大)

骨はとくに速い。筋(1.70)から骨(7.80)へ行く時は反射度が強く変化する。

 

※屈折

一方の媒質の性質と他方の媒質の性質が異なるため反射したものは屈折することがある。

入射波・反射波:入射波と同じ角度のものを反射波

角度が異なって反射するものを屈折

 

③透過

接する媒質の境界を音波が通過する現象

※透過半価層

照射エネルギーが1/2となる深さ

1MHz:5㎝←周波数が低いほど深部にエネルギーが届く
3MHz:1.5㎝←大電筋のような厚い筋は1MHz、上腕二頭筋のような薄い筋や表層の筋は3MHzを用いる。

 

④吸収

波動エネルギー(音)が不可逆的に他の形のエネルギー(熱)に変換されること(超音波の吸収係数)←空気・骨は高い。つまり反射しやすく、吸収されやすい。

空気 12

水  0.0022

骨  13           境界面     吸収

筋  1.3~3.3

脂肪 0.63          境界面において吸収されると熱に変換される特性がある。

血液 0.12

 

総体的

媒質に蛋白質が多いほど吸収係数↑

媒質にコラーゲンが多いほど吸収係数↑

 

例)腱組織、関節包、靭帯、潰瘍組織←蛋白質やコラーゲンが多い部位は同じ部位であることが多い←関節構成体に働きかけることができる。拘縮などに効果がある。また選択的に熱を与えられる。

・媒質の組織が均一であるほど吸収係数↓←組織の不均一のほうが吸収係数が高い。⇒瘢痕組織に効果がある。

 

⑤キャビテーション(cavitation)

非温熱効果で出現

液体中に発生する空洞現象←パルスを行うと圧縮したり拡張したりできる

気泡

超音波 横に広がる   反動によって伸びる

血液内や組織内の気泡に圧縮や拡張を発生させる。

 

⑥マイクロストリーミング(マイクロマッサージ)

キャビテーションによって気泡が振動した部位の周辺で起こる局所的な液体の流れ

・ 細胞膜の透過性増加

・ カルシウムイオン等のイオンの移動を促進

・ 細胞内外の代謝の促進←[パルスモードで行う場合] 温熱効果はない。非温。効果のため熱は発生しない。組織の修復させる効果がある。⇒炎症や急性期にも使える。

 

●超音波効果を左右する因子

①刺激周波数

1MHz、3MHz

周波数が高い:組織における吸収特性が高くなる。←どの組織によっても高くなる。→透過深度は高くなる

例)上腕二頭筋 - 3MHz 大殿筋深部 - 1MHz

 

②ビーム不均等率(Beam Non – Unform Radoi BNR)

平均ビームと最大強度の比率が1:6以上のときビームが一部の組織に集中するため組織の損傷を引き起こす可能性がある。

BNR低い時:トランスデューサを1㎝/秒程度の速さで動かす

BNR高い時:トランスデューサを4cm/秒程度の速さで動かす←速め。一箇所に集中させないようにするため早く動かす。

 

③有効照射面積(Effective Reaiational Ara : ERA)

トランスデューサのヘッド面において実際にビームが照射される部分の面積

ERA全体が患部とピタッとくっついているようにする。

 

④照射時間率(duty factor)

照射時間率(%)=照射時間/(照射時間+休止時間)×100

温熱療法を目的:100%

非温熱療法を目的 : 急性期  5~20%

亜急性期 20~50%

 

⑤強度(intensity)←強度を強くすると熱間は強くなる

超音波治療の強度 : 0~5W/c㎡ (臨床0.5~2W/c㎡)←1W前後で用いる事が最も多い

非温熱効果を目的 - 0.5~1.0W/c㎡

温熱効果を目的 - 1.1~2.0W/c㎡

 

⑥媒介物質(Coupling media)←ゲルのこと。音→(吸収大)→熱→残りの音エネルギー(小)

空気は吸収が大きいため、吸収を小さくしてなるべく深部に到達するようにしたい。

媒介物質の条件

a)超音波のビームの吸収が少なく効率よく伝播すること

b)治療中に治療部位から流れ落ちない程度の粘性を有すること

c)安価なこと

d)気泡の侵入が少ないこと

 

●生理学的効果

①温熱治療

・温熱効果

疼痛の軽減、血流の増加、神経伝導速度の増加、膠原質の豊富な組織における粘弾性の亢進、筋スパズムの軽減、新陳代謝の亢進、細胞膜の透過性の亢進

 

②非温熱治療

照射時間率 100%未満のパルス波を利用

蛋白合成の亢進、血管壁・細胞膜の透過性の亢進

※薬剤浸透法:超音波の機械的作用を用いて抗炎症剤サリチル酸塩鎮痛剤などの薬剤に皮下組織に浸透させる方法←ゲルと薬剤を混ぜ患部にあてる。

 

治療方法

温熱効果では事前に5分間、他の温熱療法をして超音波をする。

非温熱効果では熱を加えるのでなく、アイスパックやアイスマッサージなど寒冷療法をして超音波をする。

①患者に安楽な治療肢位をとらせる

②オリエンテーションを実施する←温感を確認すること

※知覚障害の確認もする

③電源コードの接続を確認

④治療範囲の広さに応じたトランスデューサを接続し、スイッチを選択する←治療範囲はヘッドの面積の2倍以内にする

⑤電源を入れる←超音波が照射されるまで約20秒間かかる

⑥刺激周波数を設定(浅層 3MHz ・ 深層 1MHz)

⑦照射時間率を設定

急性期 : 15~20%

亜急性期 : 50%前後←急性期を脱したばかりの亜急性期では20~50%

慢性期 : 100%

⑧治療時間を設定←非温熱効果を温熱効果では治療時間が違うことに注意

非温熱効果を目的 : 有効照射面積の2倍以内を3~5分かけて治療

温熱効果を目的 : 有効照射面積の2倍以内を5~10分間かけて治療

⑨患部にゲルをつける(直接法)

⑩出力を上げて治療を開始する←体格によっても出力をかえる

強(2~4W/c㎡)

中(1~2W/c㎡)←温熱効果の目的で使用する

弱(0.5~1w/c㎡)←非温熱効果の目的で使用する

出力を上げすぎるとキャビテーションが破壊される→周辺の組織が破壊される.出力は弱で行うこと。

(移動法)←ヘッドを動かして使う方法

基準:筋の走行 ストローク幅は5センチ位←一回に動く範囲

回転移動     ジグザク移動(吸収係数3.3)  往復移動(吸収係数1.3)

円を書くように     筋線維に垂直に動かす     筋線維の走行と同じ用に動かす

最も吸収が高い.熱を与えたい時に使う

(固定法)0.1~1W/c㎡

⑪終了したら患部のゲルをふき取り効果判定を行う

⑫トランスデューサの清掃

※水中法の場合

足関節・手指など凹凸のある面に対してはゲルを用いるより患部を水中に浸して行うと良い

a) 合成樹脂の水槽を用いる←金属製は良くない。代表的な水槽はシェネ浴槽がある。

b) いったん煮沸させた後に冷ました脱気水を用いる←急性期では冷まして使う事

c) 振動板表面や患部の体毛に付着した気泡を取り除く

d) 治療者の手は浸透させず、超音波の振動板が患部から0.5~1.0㎝程度離した状態で治療する。(1~2㎝とされるものもある)

水中法と超音波用ゲル法とを比較(下腿三頭筋)

温度上昇

水中法(2.1℃上昇) < 超音波用ゲル法(4.8℃上昇)

※噴射式治療法

完全に患部を水中に浸す事が困難な場合、水槽底部に取り付けた反射体を用いて液状治療することができる。

反射体にあたって上昇した音波が水の表面を泉のように盛り上がった状態をし、治療を必要とする部位をこの泉に当てて治療する。

盛り上がる。ここに患部をあてる。

水面上

超音波

ヘッド

反射板

 

●治療頻度>
6日間毎日行う←1日一回まで
効果なし ・・・ 超音波は行わない.他の物理療法を行なう
効果あり ・・・ 初期過程 合計10回~15回毎日行う
→毎日が困難であれば6日間又は3週でも良い
効果あり ・・・ 治療が継続して必要な場合 2~3週間休みを置いて再開する
←超音波は刺激が強すぎるため使用しつづけると組織の破壊がおこる危険がある
再開後は初期過程を同じことをする.
痛みの変化をみる.過剰照射は痛みが増す.
<適応>
― 温熱作用を用いる場合 -
①慢性で比較的限局した疼痛←広範囲なものは適さない
②筋スパズム
③ギプス固定後や火傷後の拘縮←ギプス固定や火傷で表在・深部組織共に瘢痕する.深部には超音波を用い,表在組織にはホットパックなど表在熱を与えるものを併用して用いる
④術後の癒着・瘢痕←③と同じ

― 非温熱作用を用いる場合 -←代謝を活性化させる働きがある.急性期も使え,寒冷療法と併用すると効果が高い.
主に治癒促進のためにおこなわれる
①靭帯損傷
②捻挫・打撲
③創傷
④潰瘍←正常組織が損傷している状態.損傷治癒を促すために用いる
⑤局所の浮腫←血管の拡張を起こさずに循環改善をすることができる

<禁忌>
①悪性腫瘍←さらに増悪させてしまうことになる.より転移が早まる
②知覚障害←痛みを与えると組織の破壊を起こす 例)超音波が骨にあたり痛みを感じると仮骨が形成される
③阻血部位←もともと血液の乏しい部位であるため,一時的に血流量が多くなっても後に血液がなくなり壊死しやすくなる
④発育期の骨端←異常成長を引き起こす危険がある

<注意事項>
① トランスデューサの振動版表面を患部に密着させる
←空気とふれてはいけない.また密着しすぎるとゲルを挟むことがなくなり患部に直接密着してしまうので強く密着させてはいけない.
②有効照射面積の2倍以上の広い範囲を一度に治療しない←広範囲なら2度,3度に分けて行う.
③トランスデューサを必要以上に速く動かさない
④温熱モードで治療する場合,振動板表面が過度に熱くなっていかないか確認する
⑤振動板表面を清潔に保つ
⑥長期使用したりトランスデューサを落下させた場合は点検に出す.


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