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(´;ω;`)小児先天性心疾患患児の話


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先天性心疾患とは

 奇形のなかで最も多いものの1つとされ、何らかの原因で、出生時に心臓に奇形を有しているものである。心臓の奇形の発生原因には、発育停止説、感染説、遺伝説など種々考えられるが、まだ完全には究明されていない。しかし、発育停止によっておこると解されるものが多く、動物実験では、温度、酸素乾和度、栄養欠陥によって発育が停止し、奇形がおこることが証明されている。母親が妊娠3ヶ月以内に風疹にり患したためにおこるものも多く、またクモ指症(マルファン症候群)には先天性心疾患が合併しているものが多い。先天性心疾患は、チアノ-ゼの有無によりチアノ-ゼ型と非チアノ-ゼ型に分けて考えられる。わが国では毎年発生する先天性心疾患の患者数は、出生 1,000に対して、約8~10の頻度で、最も多いものである。

①チアノ-ゼ型心疾患:ファロ-四徴症、大血管転位症、三尖弁閉鎖症、総肺静脈還流異常症など

②非チアノ-ゼ型心疾患:心室中隔欠損症、心房中隔欠損症、動脈管開存症、肺動脈狭窄症、大動脈縮窄症、血管輪など

病態アセスメント

 先天性心疾患には、社会生活があまり支障なく続けられ、正常発育をとげるものと、つねに心疾患のあることを条件にしながら生活をしなければならないものとがある。
手術の適応となる先天性心疾患には、心室中隔欠損症・心房中隔欠損症・動脈管開存症・肺動脈弁口狭窄・ファロ-四徴症などであるが、小児の発育状態などによって、手術が可能かどうか決められる。手術も一度で終わる場合や、数回くり返さなければならない場合など多様である。手術の適応年齢は医療の進歩とともに、よりはやくなっており、乳児期に手術を受ける例も多くなっている。
さらに、手術適応の有無により、予後の比較的良好なものと、まったく不良なものとがある。また心疾患患児は、他の奇形を合併することが多い。予後が不良と診断されているときや、他の奇形が重なっている場合には、親の失望も大きく、その治療に疑問をもったり、病院や医師を信頼せず、不安のなかに迷うことが多い。看護婦はよき相談相手となり、生命のあるかぎり児に幸福な生活が送れるよう、そのためのあらゆる努力をするように慰め、説得する。

症状

 心不全の症状は年齢によって異なる。

 乳児

多呼吸、呼吸促迫、呼吸困難、哺乳障害、著名な発汗、喘鳴、体重増加不良、弱啼泣。

 幼児、学童

前記症状のほかに、蹲踞、胸痛、胸郭異常、反復する上気道感染。

 非チアノ-ゼ型

軽症の場合は心雑音でみつかり、重症の場合は多呼吸などの心不全症状で発見去れることが多い。

 チアノ-ゼ型

大血管転位症などのように新生児期に発見される場合と、ファロ-四徴症のように生後数か月からチアノ-ゼがでる場合がある。発症が早いほど重症である。

検査

 心雑音やチアノ-ゼまたは前記症状があり、心疾患を疑った場合は、次のような検査を行う。

 胸部X線検査

心房・心室の拡大の有無や部位を知ることができるだけでなく、肺血流の状態を察知することができる。

 心電図

心房・心室の肥大の有無、不整脈の性質、心筋の状態を知るための情報が得られる。

 心エコ-図

弁・中隔・心室壁の動き、心室・心房・大動脈の大きさ、冠動脈の病変などを知ることができる。

 心臓カテ-テル法

カテ-テルの走向に注意し、心・大血管各部の内圧および酸素飽和度を測定することによって、狭窄の程度、短絡の有無や部位を知り、短絡量や血管抵抗を計算するために施行される。

治療

 先天性心奇形の治療には、最終的に外科的治療を必要とするが、手術可能な年齢になるまでには、内科的治療を行う。

 1)内科的治療

 (1)薬物治療

利尿剤(①)、ジギタリス(②)、血管拡張剤(③)、カテコ-ルアミン(④)が主な選択となるが、単独よりも併用療法が望ましく効果も大きい。

①-肺水腫、浮腫のある心不全では第一選択である。一般には強力で作用発現の早いフルセミド(ラシックス)と、遅効性の抗アルドステロン剤スピロノラクトン(アルダクトンA)を併用する。

②-左右短絡性疾患の標準的治療として煩用されているが、すべての症例で効果があるわけではなく、疑問点もある。またチアノ-ゼ型心疾患では、反応が悪い。心房細動、上室性頻拍合併例、収縮力低下症例、冠血管異常による心機能低下には有効である。

③-心臓のポンプ機能を左右するものには、心筋の収縮力、前負荷、後負荷、心拍数が重要で、これらの前負荷、後負荷を軽減し、心機能を改善する。

④-交感神経の受容体に作動するカテコラミン製剤などが含まれる。利尿薬や血管拡張薬の有効でない難治性の心不全に使用する。一般に、カテコラミンは、循環器系に対して、血管収縮作用、心筋収縮増強作用をもっている。

 (2)無酸素発作時

抱き上げて膝を胸につける胸膝位をとらせ、酸素吸入、鎮静剤の与薬を行う。予防としては、鎮静剤やβ遮断剤の予薬、貧血に対して鉄剤与薬を行う。(特にファロ-四徴症に多くみられ、起床時、排便時、啼泣時、食後などに呼吸困難、チアノ-ゼの増強をきたし、延した場合は、意識障害、痙攣、さらには死に至ることもある。

 2)外科的治療

 (1)姑息手術

肺動脈絞扼術

肺血流量の増加している病型に対して行われる。

体・肺動脈短絡術

肺血流量の減少している病型に用いられている。

①ブラロック-タウシッヒ Blalock-taussig手術(鎖骨下動脈と肺動脈の端端吻合)

②ウォ-タ-ストン Waterston手術(上行大動脈と右肺動脈の側側吻合)

③グレン Glenn手術(上大静脈と右肺動脈の側端吻合と上大静脈の結紮)

④ポッツ Potts手術(下行大動脈と左肺動脈の側側吻合)

心房中隔欠損造設術:動静脈血混合の不良な疾患群に用いる。バル-ン心房中隔切開はこれに属する。

 (2)根治手術

動脈管開存症: 動脈管の切離または結紮

大動脈狭窄症: 狭窄部の切除と端端吻合

純型肺動脈閉鎖症: 肺動脈弁切開術

心室中隔欠損症: 欠損部の閉鎖術

ファロ-四徴症: 肺動脈狭窄部の切除と心室中隔欠損部の閉鎖術

三尖弁閉鎖症: フォンタ-ンFontanの術式

完全大血管転位: マスタ-ド Mustardの術式

全肺静脈還流異常: それぞれの病型に応じた根治術

内科的治療の経過と管理

 1)一般状態の観察

 (1)バイタルサインの測定

感染症または合併症がないかぎり、体温はあまり変化しない。

脈拍は最も重要な観察事項の1つである。乳児は特に測定しにくいので心音を聞くとよい。睡眠中または安静時のものと、啼泣時または、なにか動作をしたあとの脈拍を比較し観察することも大切である。

脈拍と呼吸は切り離すことができない関係がある。循環障害によって酸素欠乏の状態になれば、呼吸は早くなる。また泣き方によって呼吸の状態を観察し、呼気の長さ、泣き方の強さなどをみる。

血圧も重要な観察事項である。小児は年齢や上腕の長さによってマンシェットの幅が違うため、正しいマンシェットを選び測定する。

 (2)チアノ-ゼおよび顔色

先天性心疾患の場合のチアノ-ゼと、重症な状態の末期症状としてのチアノ-ゼとでは、同じ酸素欠乏の状態でも意味が異なる。先天性心疾患の場合、どのようなときに、どの部分にチアノ-ゼがあらわれるのか、常時あるのかないのかなどは、重要な観察点となる。必要時には、気道を確保してから酸素吸入を行う。

 (3)浮腫

循環器疾患がしだいに悪化すると、浮腫があらわれる。身体の下になった部分に水分がたまるので、四肢、背部などに浮腫が著明となる。肺に浮腫があると、喘鳴、咳嗽がみられる。

 (4)in out測定・記録

循環血液量の増加を防ぐため、水分出納の管理が必要となるため、水分の摂取量・排泄量を厳密に測定する。または体重測定を正確に行う。

 (5)機嫌の観察

顔面蒼白やチアノ-ゼが著明にあらわれていても、機嫌が比較的よくて、周囲のものにある程度関心を示し、周囲の動きに気を向けているようなときは、症状が一応安定しているものとみてもよい。笑顔をみせるかどうかは、症状の安定度をはかる1つの尺度となる。頭・首を振り、あえぎ呼吸をする、また口をパクパクさせる、鼻孔を大きく開く、鼻翼呼吸がみられる、などは酸素欠乏の症状である。

 2)診察および検査と介助

診察の介助には、小児の機嫌を損なわないように、啼泣する前に心音が聴取できるような手順を考える。心電図の検査もできるだけ安静なときがよい。

 3)酸素の補給

酸素欠乏の状態が悪化すれば、脳の酸素欠乏状態をまねき、ついに意識障害あらわれて、意識不明やけいれんをおこすこともあるので、早急に酸素吸入を行う。

 4)与薬

(1)鎮静剤:安静にして組織の血液必要量を減ずるため、フェノバルビタ-ルなどが指示される

(2)強心剤:心臓のポンプ作用を強化する。ジギタリス・テオフィリン誘導体など

(3)利尿剤:水分の排出をはかる。強心剤が利尿剤をかねることが多い

(4)血管拡張剤:ニトログリセリンなどが用いられる

(5)基礎疾患に対する治療:抗生物質など

(6)薬物の副作用を知り、その早期発見につとめる。ジギタリス製剤の副作用として、嘔気、嘔吐、下痢などの消化器症状、不整脈、脈拍の減少などにはとくに注意する

 5)食事

消化吸収のよいものを与える。腹部膨満は横隔膜を挙上させ、心臓の動きを妨げるので、一度に多くを与えず、またガスを多く出すものはひかえる。浮腫のあるときは食塩を制限する

 6)保温

末梢血管の収縮は、心臓に負担がかかるため、手足が冷たくならないようにあたためる。しかし、過度の保温はうつ熱となり、逆に心臓の負担が増野で注意する。

 7)排泄の調節

便秘がちとなる。また下痢ぎみになることもある。便秘はガスの発生を促し、腹部の圧迫症状を増加させるので、つねに便通を整えるようにつとめる。

 8)無酸素発作

肺血流の少ないチアノ-ゼ型の先天性心疾患の患児にみられる、発作性に呼吸困難・チアノ-ゼの増強をきたし、意識消失ときにけいれんをおこすものである。肺血流量の著しい減少によっておこる。発作は数分から数時間におよぶものがある。好発年齢は、生後2~3か月から3歳ごろであり、睡眠からの覚醒直後、授乳後、食後、排便後などにおこる。発作の前に不安状態やチアノ-ゼが増強することがあり、この時期に腹臥位や膝臥位にすること発作を防ぐことができることがある。年長児では自然に自分で蹲踞の姿勢をとる。これは血液の静脈還流を増加させ、肺血流が増し、動脈血の酸素飽和度が高くなって呼吸困難の緩和をきたすことになる。発作の予防のため、一般状態の観察と適切な処置が必要である。

 9)二次感染の予防

上気道感染に注意する。とくに感冒にかかりやすいので、かぜぎみの人にせっしないようにする。うがいの習慣を身につけさせる。また皮膚・粘膜の感染予防のために、つねに全身の清潔を保つ。

先天性心疾患患児が、麻疹・百日ぜき・水痘・耳下腺炎など、小児特有の感染症にかかると、その状態は急激に悪化するので、できるだけ感染を予防する。また不幸にして 患したときは、軽く経過するように万全の処置をとる。

予防接種については、心不全や感染のない時期を選び、医師に相談のうえ受けさせるほうがよい。

 10)指導

心疾患をもった学童は、それぞれの病状にあった生活管理指導を受けながら積極的な姿勢で学校生活を送るように指導する。

看護計画(先天性心疾患)

Ⅰ.病態アセスメント

 新生児期にチアノ-ゼ、無酸素発作、呼吸困難などの症状が強く現われるものと、発育につれて身体的成長や運動量の増加が心臓の負荷となって症状を呈してくるものとがある。また、発育とともに自然治癒するものとがある。症状の発現時期は奇形の部位や状態によって異なるが、早期に症状が現われるものほど重症に経過し予後が悪い。乳児期の心疾患は心不全をきたしやすく、手術も危険を伴うことが多いので、状態の悪化を招かないよう注意する。そのため、患児の状態を常に把握して観察することが必要である。
出生時に先天性心疾患と診断された家族の精神的ショックは多いが、不安や悩みを聞凍て励まし、闘病意欲がもてるよう援助する。また、長期に闘病生活が必要なことが多いので、疾患を正しく理解し患児を育てていく自信と意欲をもたせるよう援助する。

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