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(;^◇^)ノ脊椎腫瘍と看護計画の話


(=_=)題名:脊椎腫瘍と看護計画の話

 脊椎骨に発生した腫瘍病変を総称する。これには転移性脊椎腫瘍と原発性脊椎腫瘍があり、発生数は体臓器からの転移性脊椎腫瘍が原発性脊椎腫瘍の3倍以上の頻度でみられる。その原疾患として、乳癌・子宮癌・肺癌・胃癌が多数を占め、その他として甲状腺癌、軟部悪性腫瘍、前立腺癌、腎癌、肝癌、大腸癌、副腎腫瘍などがある。転移を形成する部位はほとんどが椎体であり、中でも腰椎部は70%を占め、次いで胸椎部に多い。頚椎にも起こる。原発性悪性脊椎腫瘍には、多発性骨髄腫・リンパ肉腫(ユーイング肉腫を含む)・軟骨肉腫・脊索腫・骨肉種などがある。

 脊椎腫瘍により脊髄神経症状を有するか、麻痺の発生の危険を逼迫しているもの、著しい疼痛を有するもの、また、脊椎破壊のために脊椎構築上不安定性を生じている場合に、脊椎全摘術の適応となる。神経症状の発生状況において緊急に手術が行われるときもあり、身体的な苦痛に加えて疾病に対する不安を十分に表出できない場合もある。手術は長時間を必要とし、術中の出血量も多く、術後管理のため挿管された状態で覚醒することもある。術後の疼痛に加え脊椎の安静のために体動制限を強いられ、身体的にも精神的にも苦痛は大きい。疼痛が落ち着いても、今後のリハビリテーションや予後がどうなって行くのかなど不安をもっており援助が必要である。

●症状

 胸椎部での初期症状は背部痛(側胸部痛=肋間神経痛)が出現し、しだいに胸髄圧迫により下肢痙性さらに下肢弛緩性完全麻痺に至る。
腰椎部の初期では、体動により増悪し、安静により軽快する腰痛で始まるが、間もなく増悪の一途を辿り、安静時でも激しい腰痛を覚えるようになる。この経過は病巣の拡大進展の早さとほぼ一致し、やがて馬尾を圧迫し、下肢の知覚運動障害を生じ、末期には完全麻痺に至ることは珍しくない。

●検査

  • レントゲン撮影
  • CTスキャン
  • MRI
  • 骨スキャン
  • タリウムスキャン
  • ミエログラフィー
  • 骨生検
  • 血管造影(塞栓術)
  • 生化学検査及び血液一般検査
  • (転移性腫瘍の疑いのある場合には、詳細な病歴の検討

●治療

 1.手術療法

1988年までは、除圧又は除痛を目的とした姑息的手術を行ってきたが、1989年より徹底的に病巣を切除し可能な限り根治性を高める目的で後方進入による脊椎全摘術が行われるようになってきた。

 2.化学療法

 3.放射線療法

●術後の経過と管理

 手術の1~2日前に血管造影で塞栓術を行い、脊椎全摘術を行う。脊椎全摘術は手術侵襲も大きく、呼吸器合併症に注意していかなければならない。特に胸椎の場合は、胸腔ドレーンが挿入されており、正しい管理が必要である。疼痛に関しては、術前術後を通してコントロールが必要となる。またその他の合併症として大量出血に伴い凝固因子が大量に消費されるためにDICを起こすこともあり、全身状態のチェックとともに血液データーにも注意していかなければならない。術後の安静は、胸腰椎で固定力の良い場合は術後1週間目より装具を装着し起立歩行を開始する。仙骨の場合は、骨癒合が得られるまでの約3カ月の安静を要する。リハビリテーションはADLを拡大するために重要となる。
転移性腫瘍で原発巣のはっきりしないものは精査が並行して行われる。その後原発巣に対する治療(時には転科して)が開始される。

 1.精神的サポート

 脊椎腫瘍は腫瘍の存在が明らかでなく、脊椎に転移して初めて疾患がわかる時や原発巣のコントロールが不良なために転移したものもあり、疾患に対する思いは個人差が大きいため、精神的・身体的・社会的側面から統合した情報で、患者各人を判断し援助して行くことが大切である。治療を継続していくために家族の協力を得て、しっかりとしたサポートができるようなシステムを作っておく必要がある。

 2.術前疼痛の管理

 脊椎腫瘍による疼痛はADLの低下をきたし、床上安静を強いるようになったり、褥創を形成したりすることもある。疼痛は個人差があり我慢させずに表現できる関係を作っていかなければならない。疼痛が強い場合には、鎮痛剤を使用して疼痛のコントロールが必要になる。時には麻薬によるコントロールが必要になることもある。鎮痛剤の効果が得られるように、除痛効果のチェックを行い医師の指示の元に正しく鎮痛剤を投与していくことが必要となる。

 3.神経症状悪化の予防

 腫瘍の増大により神経を圧迫し、下肢や膀胱直腸の神経麻痺症状が出現することがあり運動状態・知覚状態のチェックが必要である。神経麻痺症状を起こさないために安静度の制限をされることもあり、指示された安静度が守られるようにADLの介助を行っていく。

 4.栄養管理

 食事には、栄養補給の意味と人間らしい食の欲求を満たし、生への充実感を得るという意味があるが、疼痛や臥床による消化吸収能の低下、あるいは疾患に対する不安による食摂取の低下、その他の原因が重なり合い栄養状態が低下していることがある。手術に向けて全身状態を悪化させないように、疼痛のコントロールや検査による禁食が少なくなるように配慮したり、精神的不安には訴えを十分に傾聴し、食摂取が改善できるように働きかける。

 5.褥創予防

 術前より神経麻痺症状のある患者、栄養状態の低下している患者、痛みのために体位変換の制限のある患者には、エアーマットを使用して除圧したり、同一体位を長時間とらないように体位変換を行う必要がある。また皮膚の状態を清潔に保ち、観察を行う。褥創好発部位にはデュオアクティブやコムフィールを貼用し保護する。褥創が発生したときには皮膚状態に応じて処置し悪化させない。

 6.術後疼痛管理

 手術後の疼痛は、手術形式、麻酔法によって異なり、また個人差が大きい。患者に我慢させず、十分に疼痛を和らげる必要がある。

 神経麻痺症状による疼痛、血腫の圧迫による疼痛などのこともあり、運動状態・知覚状態・創部の状態・ドレーン量などにも十分に注意していかなければならない。

 7.術後出血の管理

 手術後の出血は、創やドレーン量より排出されるものであり、ガーゼ上の汚染やドレーンからの排出量の変化に注意する。血液データーにも注意し異常の早期発見に努めて行かなければならない。術前より貧血状態の患者は、回復が遅れることもある。

 8.術後呼吸器合併症の予防

 高齢であったり臥床することで、心肺機能の低下をきたしていることがあり、術前より深呼吸や喀痰喀出訓練を行わなければならない。

 胸椎の術後には、胸腔ドレーンが挿入されることもあり、ドレーンの管理のほか、呼吸の異常がないか注意が必要となる。喀痰喀出困難時には吸入を行ったり、体位変換を行いタッピングし喀痰喀出を促すようにする。

 9.術後感染予防

 手術後、熱型・患部の状態・血液データー(CRP・WBC・ESRなど)など感染徴候に注意を払う必要がある。感染により、疼痛の増強・創治癒の遅れ・全身状態の悪化などが予想され、術後の後療法にも影響が出てくる。

 10.術後神経麻痺対策

 術前と同様に神経症状の変化の有無の観察を行う。麻痺症状があるときには、良肢位が保持できるようにフットボードやフットドロップストップなどを使用する。また、術後には排泄のコントロールがスムーズに行えないこともあり、排泄行為がストレスにならないように訴えを傾聴しながら、介助して行く。術後下肢の知覚過敏症状の出現する患者もいるが、時間の経過とともに軽減して行くことが多く不安が増大しないように訴えを傾聴しながら、症状の変化を見て行く。

 11.術後リハビリテーション

 術後の安静は術式・固定状況によっても異なってくる、廃用性筋萎縮が起こらないように、可能な限りのリハビリテーションが行えるような指導・介助及び精神的援助を行っていく。

●看護計画

 全身麻酔下で長時間にわたる手術が行われるため、全身状態の評価が必要である。また、既往歴や全身状態の機能の低下には十分注意する。
初期の症状は背部痛(側胸部痛)が出現し、その後、疾患が進行すると、脊髄圧迫により下肢痙性さらに下肢弛緩性麻痺に至る。疼痛、麻痺の程度と部位などの自覚・他覚症状を把握し、不足ADLがある場合は介助が必要である。
手術中の大量出血の対策として、手術前に塞栓術等、検査がおこなわれたりする。治療、検査に対して、身体的・精神的な援助が必要である。また、生活行動や精神面への影響を把握することが大切である。

(^‥^=)参考文献

医療学習レポート.脊椎腫瘍と看護計画


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