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★(@_@;)急性腎不全の話


(^o^)題名:急性腎不全の話

●病態生理

急速な腎機能低下により、体液の恒常性が維持できなくなり、尿毒症状や高窒素血漿などの検査値異常をきたす症候群である。乏尿(尿量が1日400ml以下となる)や無尿で始まることが多いが、乏尿の症状を示さない非乏尿性の急性腎不全もある。多くは可逆性であり、適切な処置をおこなえば腎機能の回復が期待できる。

 

●原因による分類

急性腎不全は成因によって、腎前性、腎性、腎後性に分類される。腎前性が最も多く、外来での70%近く、入院患者でも40%前後を占める。

①腎前性急性腎不全:腎不全は、腎臓そのものには異常がないが、心拍出量、循環血液量が著明に低下したために、腎血流量が著しく減少して乏尿となる場合で、高度の出血・脱水や心筋梗塞、大手術などによるショック時などにおこる。なお、最初が腎前性でも、原因が長く続くと腎実質障害をきたし、腎性に進行する場合もある。

②腎性急性腎不全:腎性には、急性糸球体腎炎、悪性腎硬化症、膠原病性腎症などの急速に進行する腎疾患(急性糸球体病変)によるもの、抗生物質、造影剤、抗悪性腫瘍薬などの腎毒性物質による尿細管障害(急性尿細管壊死)、抗生物質、消炎鎮痛薬などに対する過敏反応による間質障害(急性肝室性腎炎)がある。特殊なものとしては、腎皮質壊死と腎髄質乳頭壊死がある。

③腎後性急性腎不全:腎後性には、悪性腫瘍の骨盤腔内浸潤(子宮がん等の腹部臓器がん)等による両側尿管閉塞や前立腺肥大、結石、凝結などによる膀胱・尿道閉塞がある。

 

●症状

症状で臨床上問題となるのは、尿量の異常、高窒素血症による尿毒症症状、水・電解質の蓄積による症状、貧血である。

尿量の変化により急性腎不全の病期は、発症期、乏尿期、利尿期、回復期に分けられる。症状がとくに顕著な乏尿期には、24時間で尿素窒素20mg/dl、クレアチニン1~2mg/dl、カリウム1mEq/l程度の上昇がみられ、尿毒症症状もあらわれる。腎機能が回復してきて利尿期になっても、高窒素血症はすぐには改善せず、また尿細管機能も十分回復していないので多尿となり、水・電解質が失われる。そのため、水・電解質の適切な補充が行われないと危険な時期であるが、最近では乏尿期に血液浸透を行うことが多くなり、脱水になるほどの多尿を呈することはほとんどない。

 

尿量の変化による急性腎不全の病期

病期 期間 特徴
発症期 1~3日 原因発生から乏尿出現まで

原因疾患の症状出現(ショックなど)

乏尿期 数日~数週間 高窒素血症、水・電解質異常の出現(とくに、尿素窒素、クレアチニン、カリウムの上昇)
利尿期 数日 腎機能回復期(1日2~3ℓ程度の尿量)
回復期 1ヶ月~数ヶ月 必ずしも病前の腎機能までは回復しない

 

●診断

各検査所見を以下に示す。

◎血液検査

BUNの上昇、Scrの上昇、尿酸の上昇、高カリウム血症または低カリウム血症、ヘモグロビンの低下、高リン症

◎血液ガス

代謝性アシドーシス、低酸素血症(PaO2の低下)

◎胸部X線写真

心肥大、胸水の貯留、肺うっ血

◎心電図

低電位、左室肥大、虚血性心疾患の有無、不整脈

 

●治療

①急性腎不全の軽減および回復促進:腎前性急性腎不全では、嘔吐・下痢などの脱水の原因を除去したり、生理食塩水補液などにより体液量の是正を行うことで、腎機能の回復が期待できる。

一方、腎後性急性腎不全では、尿路閉塞の原因を除去するか尿流障害を改善することで、急速な利尿と腎機能の改善が得られる。なお、腎性が疑われる場合、原因疾患の確定と治療方針決定のために腎生検の必要なことがある。

②食事・輸液の管理:乏尿期には、腎臓での窒素代謝産物、水、電解質(ナトリウム、カリウム、リンなど)の排泄が障害され体内に蓄積するので、これらの摂取を制限する必要がある(1日あたり35kcal/kg〔体重〕、タンパク質0.5~0.8g/kg、食塩7g以下、カリウムの制限、飲水は前日尿量+500ml)。

一方、利尿期にはこれらの排泄が増加し、体液量の欠乏をきたしやすいので、経口摂取の増加、補液などにより水・電解質や栄養素の喪失量を補う必要がある。なお、経口摂取が不可能な場合には、静脈性高カロリー輸液(中心静脈栄養)により、タンパク異化と窒素代謝産物の産生をできるだけ少なくする必要がある。

③薬物治療:水・ナトリウム貯留による体重増加、浮腫、高血圧、心拡大などの症状をみとめたら、ループ利尿薬を試みる。治療効果とともに腎不全の鑑別診断にもなるので、注意しながら大量投与を行うこともある。また、カリウム制限食でも血清カリウムが上昇する場合には、カリウムイオン交換樹脂を投与する。重度の高カリウム血症は不整脈や心停止を引き起こすため血清カリウムの上昇速度が速い場合は、高カリウム血症に対する緊急治療(グルコン酸カルシウムの緩徐な静注など)を行う必要がある。

④透析療法:食事療法と薬物療法では急性腎不全の病態が管理できないときには、透析療法を開始する(※12)。具体的には、肺水腫、著しい高カリウム血症、中枢神経症状、出血傾向などが出現したときにはただちに開始する。合併症予防のためには、臨床症状が出現する前の比較的早期から開始するほうがよい。

血液透析、腹膜透析などの従来から行われている血液浄化療法以外に、血液濾過法(濾過効率の高い濾過膜を用いて限外濾過により尿毒素を除去する)、血液濾過透析法、循環動態が不安定な患者に適する持続血液濾過法(CHF:血液濾過を持続的に行う)、血液吸着法(活性炭などを用いて血中から腎毒性物質や薬物などを取り除く)などがある。急性腎不全の原因や患者の状態を考慮して、最も適切な方法を選択する。

 

血液浄化療法導入の基準

急性腎不全のみの場合
・脳症、出血傾向、肺水腫の出現

・乏尿、無尿が3日間連続

・1日2kg以上の体重増加

・血清カリウムが6mEq/l以上

・重炭酸イオン(HCO3-)が15mEq/l以下

・血清クレアチニンが8mg/dl以上

・血中尿素窒素(BUN)が80mg/dl以上

多臓器不全における急性腎不全の場合
・十分な利尿が得られない場合

 

●合併症への注意

急性腎不全では、種々の合併症を伴うことが多い。通常、感染に対する抵抗力が弱いので、感染予防には十分注意を払う。

((+_+))参考文献

医療学習レポート.急性腎不全


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