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( ^∀^)腰痛症の話


(/_;)題名:腰痛症の話

1.基礎知識

下肢症状を伴わず他に原因のない急性または慢性の腰痛を“いわゆる腰痛症”と呼ぶ。

急性発症のものは、腰部の筋肉、筋膜、靱帯、椎間板、椎間関節などの障害により発生する。椎間関節捻挫、腰背筋、脊柱靱帯断裂と診断されることもある。筋々膜性腰痛症は脊髄神経後枝の絞扼、炎症などで起こり、筋硬結を伴う圧痛が特徴である。重量物挙上、急激な動作で起こりやすいが、些細な動作で起こることもある。種々な程度があるが、腰椎の捻転運動や時には体動も不能となることもある。

慢性発症のものは、筋疲労、阻血によるもの、心理的負荷によるもの、腰椎構成体の拘縮、萎縮などの障害によるも、これらが痛みの悪循環に陥ったものである。

こういった腰痛症は、椎間板ヘルニア、分離症、すべり症、脊柱管狭窄症、脊椎炎などによる姿勢負荷などの機能的異常が加わり併発されることも多い。

2.治療方針

(1)急性腰痛症はほとんどが自然に軽快するので特別な治療を必要としないことが多い。

(2)自然治癒を妨害しないことが肝要である。通常はあまり侵襲的治療を必要としない。

(3)さらに予防のほうが重要である。

 

―保存的治療が基本である―

A.局所安静

急性期治療の原則である。筋緊張を緩め、疼痛を軽減するため、背中を丸めて側臥位をとると楽になることが多い。この際、くしゃみ、あくび、大声で笑う等の腹圧加圧動作は避けたほうがよい。

B.姿勢、日常生活動作

いわゆる出尻、出っ腹の腰椎前彎位となりやすいので、ハイヒールを避ける、炊事等の立位作業時に足台を置き片膝を曲げる等での姿勢の矯正や、重量物挙上時等の日常生活動作時の心がけが大切である。

C.理学療法・運動療法

急性期には除痛のための温熱療法やレーザー治療、経皮的脊髄電気刺激療法が有用である。

慢性腰痛は、緊張をやわらげるストレッチ体操と、筋力増強の背・腹筋運動を予防と治療を兼ねて毎日行うことが大切。牽引療法も有効、長期のコルセット装用は勧められない。

マニピュレーションは効果が一定せず、ときには椎間板ヘルニアを誘発したり脊髄麻痺を増強する危険性がある。

D.ブロック療法

圧痛点の明確な場合にはトリガー・ポイントブロックがよい。

筋々膜性腰痛には筋膜下に注入すると有用である。

疼痛の強いときには仙骨部(または腰部)硬膜外ブロックが有用である。

注入薬剤には0.5%キシロカイン⇒7‐10cc+ステロイドホルモン、またはノイロトロピン⇒3ccなど

E.薬物療法

内服薬(NSAIDs、筋弛緩薬等)→ 長期使用で胃腸障害の副作用あり

心因性要素の関与があるときには精神安定剤が有効な場合がある。

外用薬(温、冷湿布、NSAIDs含有のパップ剤、プラスター剤等)

処方例 下記のいずれかを用いる

1)ロキソニン⇒錠(60mg)3錠

テルネリン⇒錠(1mg)3錠

セルベックス⇒カプセル(50mg)3カプセル

(分3)

2)ボルタレン⇒SRカプセル(37.5mg)2カプセル

ウルグート⇒カプセル(200mg)2カプセル

(分2)

3)ボルタレン⇒サポ(50mg)頓用

4)パップ剤(カトレップ⇒,アドフィード⇒等)

プラスター剤(モーラス⇒,セラスター⇒等)

F.特殊療法

精神療法としてのリラクゼーション療法や暗示療法、各種マッサージ、鍼灸療法などがある。

 

*1~2週間の安静でも軽快傾向がみられていないときには、他科的疾患も含めて諸検査を慎重に進めて行く必要がある。

*腰椎の X 線検査には急性腰痛症に特異的な変化はなく、ほかの疾患との鑑別に役立つ意味しかない。血液、尿検査についても同様である。

 

3.評価

<一般的情報>

項目

主な内容・注意点

①カルテ・他部門

・基本的情報(年齢、性、診断名、既往歴、合併症、家族構成など)からの情報収集

・画像診断所見

・受傷機転、Drの指示による禁忌となる運動、動作など

・Dr、program & goal setting

②問診

・性と年齢

・既往歴と家族歴

・主訴

・発症転機と経過について

・受診以前の治療効果について(腰痛に関して)

・受傷前の身体、ADL状況

・生活上の問題、家族関係、家屋状況、周辺環境

・職業、趣味など

③視診・触診

・皮膚の状態を観察する。

 

<理学療法評価>

項目

主な内容・注意点

④動作分析

・姿勢アライメントの評価(疼痛逃避による前かがみや側屈姿勢)

⑤歩行分析

・歩行スピード、耐久性、安定性

・異常歩容の評価(疼痛逃避による跛行)

⑥運動-test

⑦ROM検査

・脊椎の運動制限(前屈が著明に制限される)

⑧疼痛の検査

・圧痛で診る(L3高位の仙棘筋外縁部は、最も普遍的、非特異的にみられる)

・痛みの種類(運動時痛、安静時痛、夜間時痛、荷重時痛)

・痛みの部位(患者自信にその部位を指し示させる)

・痛みの性質(拍動性か激痛か、鈍痛か重感か)

・痛みの程度(VAS)

・変動要因(どのような肢位で痛みが出現するのかor軽快するのか)

⑨身体・形態測定

・身長・体重

・周径(腹囲)

⑩ADL-test

・Barthel Index・FIM

⑪知覚検査

・触覚と痛覚のみで十分

⑫バイタルチェック

・PT施行上のリスク管理に

⑬心理・精神面

・恐怖心,不安などPTに際しての問題点把握

 

4.問題点

<impairment level>

予測される項目        具体例

#1疼痛          ・腰部の安静時痛 VAS 8

#2ROM制限       ・胸腰部 屈曲5°(P)

#3筋力低下        ・体幹伸展筋 3

#4アライメントの異常   ・体幹側屈(疼痛逃避による)

#5感覚障害        ・腰部周囲の触覚(±)

#6腫脹          ・L3外側部に腫脹

#7心理・精神面の障害   ・躁うつ病

 

<disability level>

予測される項目        具体例

#8立位バランス低下    ・腰部伸展機能低下(疼痛による)

#9歩行困難        ・疼痛による

#10基本動作能力低下    ・起き上がり要介助

#11ADL低下        ・着脱衣要介助

 

<handicap level>

症例・環境に応じて適宜評価

 

5.ゴール設定

short term goal: 疼痛緩和 筋力増強

long term goal: 再発防止(腰痛体操・予防)

 

6.PTプログラム

下肢症状を伴わず他に原因の無いものは、どんな重症腰痛でも数日の安静臥床で動けるようになる。

 

7.腰痛患者ための腰痛体操と生活指導

 

腰痛体操

腰痛を緩和する効果のある運動療法にはストレッチと筋力強化の2種類があり両方とも行わなければならない。いずれにしても適当量の運動を規則的に永続して行わなければ効果は薄い。また無理な運動はかえって腰痛を悪化させる危険もある。最初は理学療法士の指導のもとに集団で行う腰痛教室において施行するのが理想的である。

 

予防・生活指導

[1] 寝るときの注意

硬いベッド、布団に寝て腰を平らに(腰椎前弯を緩める)保つ。仰向けに寝るときは膝の下に枕を入れる。寝返りをうつときは両膝を曲げ両手を大腿前面に置いて体と膝を一体として転がる。起きるときはまず側臥位をとり、次いで手をついて起きる。

[2] 腰掛けるときの注意

硬めの背もたれつき肘掛けつきの椅子に座る。足台を使って膝を股関節より高くする。立ち上がるときは肘掛けに手をつき腰を伸ばしたまま両手と両足で体を押し上げるように立つ。

[3] 物を運ぶときの注意

床から物を持ち上げるには、まずしゃがんで体に近づけて持ち膝で立ち上がる。重い物はカートに載せて運ぶ。高いところの物を取るときには踏み台に乗る。

[4] その他日常動作の注意

腰を曲げるのを避けるため靴を履くとき柄の長い靴ベラを使う。洗面をするときは膝・股関節を曲げる。予防の要点は常に「腰をかばう」ことを意識させるのが大切である。

 

痛みが軽快すると積極的に腹筋、背筋訓練をするよう指導し、日常生活動作の注意を守らせる。

 

専門的治療よりも患者自身による生活様式の改善、筋力強化運動などが予後を左右するより重要因子であることを理解させ、医療側への依頼心を減らし腰痛を自分で治すという自覚を持たせることが治療の第一歩である。

(=_=)参考文献

医療学習レポート.腰痛症


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