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(^◇^)深部感覚性運動失調の話


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●深部感覚性運動失調による疾患

深部感覚性運動失調(症)

1) 脊髄性運動失調の特徴

固有受容器である筋紡錘や腱紡錘からの求心路病変による運動感覚や筋緊張のフィードッバックの障害と考えられます。

主に下肢に現れ、末梢神経型と比較すると脊髄型の方が重症であることが多く、運動麻痺と混在することも多いです。

主に運動失調に関係あると思われる脊髄の障害分類を以下のようです。

A)後索の障害・・・位置覚、振動覚、識別覚、立体認知が障害され、知覚過敏もみられます。

B)後角の障害・・・その髄節の温痛覚が障害され他の知覚は保たれます(髄節性知覚解離)。

C)灰白質の障害・・・温痛覚の神経線維が両側に障害され、両側性の知覚解離がおきます。

2) 末梢神経型運動失調の特徴

末梢神経型は、運動麻痺よりも感覚神経が強く障害されます。

この方の失調は視覚によってかなり代償されます。

固有受容器の求心路病変によるフィードッバックの障害と考えられるのは同様です。

主に運動失調に関係あると思われる末梢神経・神経根障害は以下のようです。

A)単神経障害・・・傷害された神経支配領域の運動麻痺と感覚障害が一緒に出現します。

B)多発性ニューロパチー・・・運動・知覚障害が同時に四肢末梢部に始まり左右対称性に遠位から近位に向かって進行します。(手袋・靴下型障害)。

C)神経叢の障害・・・神経叢は多数の末梢神経が絡み合ったものなので、広範囲に知覚・運動麻痺が生じます。

D)神経根の障害・・・後根の圧迫によっておき、傷害された神経後根のデルマトームに沿って痛みや知覚異常を起こします。

 

深部感覚性失調症起因病変・・・脊髄(後索)型

1)脊髄炎(神経梅毒)・・・脊髄癆[tabes dorsalis]

本体は脊髄膜炎と脊髄根炎で、後索病変は二次変性といわれます。

肉眼的には、脊髄クモ膜は肥厚・混濁し、後根神経が細く、褐色調を帯びていて、脊髄後索の萎縮がみられる。

死因とはならないので、多くの解剖例では梅毒性炎症はすでに消失していて、後索は膠瘢痕化しているか、ときには神経根や髄膜にリンパ球や形質細胞を認め、脊髄後索に脂肪顆粒細胞を認める。

病変は腰髄に最も強く、したがって変性は主としてゴル策に限局するので、歩行失調を主症状とし、その他知覚 が侵されないのは後根の太い線維が好んでおかされるためといわれている。

通常感染後10~15年以後に発症する。

2)脊髄型脊髄小脳変性症(系統変性)・・遺伝性脊髄性運動失調[Friedreich’s ataxia]

脊髄長索路の変性を主とする。

すなわち錐体路・クラーク細胞および脊髄小脳路・脊髄神経節と後索などでさらに脳幹下部の脳神経核や索道・小脳などのおかされる症例もある。

20歳前後までに症状が発現し、常染色体劣性遺伝で、思春期以前に下肢、次いで上肢の失調症、構音障害で発症する。

視神経萎縮や末梢神経の病変などを合併することもあり、凸足や脊髄側弯症深部腱反射消失、バビンスキー反射陰性を示すことも少なくない。

3)腫瘍[tumor]・・・脊髄腫瘍[spinal cord tumor]

硬 膜外腫瘍[epidural abscess](転移性脊椎骨腫が多い)、硬膜内髄外腫瘍[intradural extramedullary tumor](髄膜腫、神経鞘腫、神経線維腫が多い)、髄内腫瘍[intradural intramedullary tumor](グリオーマが多い)に分類され、硬膜内髄外腫瘍が最も多い。

女性にやや多く、神経根痛・感覚鈍麻(後根症状)、筋力低下・筋萎縮・深部感覚減弱(前根症状)が出現する。

神経根痛とは、後根の圧迫・牽引により生じる激しい疼痛で、咳・くしゃみなどの脊柱管内圧上昇で増強する疼痛のことである。

4)先天性異常

ⅰ)脊髄空洞症[syringomyelia]

中 心管と関係なく、多くは頚髄にみられ、しばしば胸髄にまでいたる管状の空洞形成で徐々に増大する。

前角の後半部・脊髄視床路・側角・後角などが空洞内に含まれるか、あるいはそれの圧迫でおかされる。

空洞が中心管を介して第4脳室へ連続する交通性のものは下部頚髄、上部胸髄に多く、非交通性のものは脊髄損傷後などに生じることが多い。

経過は通常緩徐である。

臨床的には、手の萎縮・解離性知覚障害(主に温痛覚解離が多い※)・自律神経障害などを呈する。※温痛 覚解離・・・痛覚・温度覚は消失するが、触覚・深部知覚はおかされない

ⅱ)脊髄動脈奇形[arteriovenous malformation of spinal cord]

脊 髄空洞症の合併率が高く、胸・腰・仙髄の脊髄後面に多い。

脊髄内に限局する物は、普通多数の拡張させる毛細管や洞様血管よりなる病巣であり、しばしば多発する。

髄膜に連絡のあるものは動静脈吻合性のものである。

脊髄では髄膜に拡大蛇行させる静脈を認めることがある。

先天性奇形であるが、血圧上昇などで奇形 血管の拡張が進行し、あるいは出血などにより周辺組織の変性を起こすことにより、成人になってから初めて対麻痺などの症状が現れることや進行性の経過をと ることも少なくない。

一方、若年層の特発性脳出血や脊髄出血の原因をなす。

5)脱髄性疾患・・・多発性硬化症[MS=multiple sclerosis]

髄鞘が炎症性機転により一次性に障害され、軸索が比較的保たれている疾病(脱髄性疾患)の一つで、限局した非化膿性炎症性脱髄巣が次々と反復して生じるものをいう。

そのため、多巣性の多彩な神経症候が、再発と寛解を繰り返し多相性出現するのが特徴である。

脱髄に続いて著明なグリオーシスが生じ、組織が硬くなることによることから病名がつけられ、女性にやや多く、発症年齢は15~50歳と広い。

前駆症状として、感冒様症状がみられることがある。

6)靱帯骨化症・・・黄色靭帯骨化症[ossification of yellow ligament(OYL)]

頚・ 胸・腰椎いずれにも発生するが、脊髄症の原因となり、臨床上問題となりやすいのは、胸椎部OYLである。

胸椎黄色靭帯骨化症の約半数が前縦靱帯骨化を合併していることにより、OYLもまた強直性脊椎炎[ankylosing spinal hyperostosis(ASH)]の部分症との考えが一般的である。

胸椎では後縦靭帯骨化と黄色靭帯骨化の合併が臨床上問題となることが多い。

臨 床症状は一般には胸髄部圧迫による痙性麻痺であるが、OYL単独では下肢のしびれ、疼痛を初発症状とすることも多い。

しかし、圧迫が腰髄膨隆部や仙髄部に 及べば症状は複雑になる。

脊髄症状としてほとんどの例で表在性知覚が障害されるが、深部知覚が残存する例もある。

しかし、胸椎部OYLは下肢の位置覚消失 により極めて高度な歩行障害を呈することが特徴的である。

7)動脈硬化症・・・後脊髄動脈硬化症[posterior spinal arteriosclerosis]

粥状硬化を示し、動脈狭窄の原因となるとともに、時に潰瘍や血栓を生じる。

狭窄の強い部位にできた場合は動脈閉塞をもたらし、心筋梗塞の原因にも成り得る。

動脈硬化は症状に乏しく、動脈硬化性の疾患になってから初めて虚血性の症状が現れることが多い。

動脈硬化を促進させる因子として、高脂血症、高血圧、糖尿病、肥満、ストレス、喫煙などがあり、動脈硬化の結果起こる代表的な疾患としては一過性脳虚血発作、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞、大動脈瘤、閉塞性動脈硬化症などである。

8)ビタミン欠乏症・・・亜急性連合変性[subacute combined degeneration]

B12 に関連あるものでは、しばしば悪性貧血に伴われる脊髄索路変性がある。

運動・知覚索路がともにおかされるので、索性脊髄症[funikulare myelose]とも呼ばれるが、始めは不規則に分布する小病巣で、これが融合し、特徴的な広汎な海綿状組織を形成する。

本症例では稀である。

9)薬剤弊害・SMON(亜急性脊髄視束末梢神経症)[Subacute Myelo-Optico-Neuropathy]

亜急性に経過する脊髄・視神経・末梢神経の障害をいう。

原因としてさまざまな説が考えられていたが、現在はキノホルム(止寫薬)による薬害と考えられてい る。

知覚異常、運動麻痺、視力低下などをきたす。

病理学的には脊髄の近く・運動をつかさどる神経細胞の長い軸索が変性する。

視神経にも変性を認める。

 

深部感覚性失調症起因病変・・・末梢神経型

1)代謝性神経炎

ⅰ)糖尿病性神経炎[diabetic neuropathy]

糖尿病に伴う動脈硬化による血管性(単ニューロパチー[mononeuropathy])とビタミン代謝障害、中間代謝障害などによる代謝性(多発ニューロパチー[polyneuropathy])の形をとる。

糖尿病患者の30%に認められる。

節性脱髄と軸索変性が存在し、有髄線維・無髄線維の脱落がおこ り、血管壁の肥厚・硝子様化・虚血性変化もみられる。

臨床症状は症例により異なり、複雑多岐にわたり、末梢神経の侵され方もまちまちである。

無髄・有髄線維ともに侵され、遠位部の病変が強いものが多いが、脊髄根や脊髄神経節も侵され、後索に変性が及ぶものもある。

小径線維が好んで侵されるものが少ない一方、神経繊維の太さに関係なく侵されることもある。

臨床的には、対称性知覚優位の遠位部多発ニューロパチー、非対称性運動優位の近位部ニューロパチー(しばしば疼痛を伴い単ニューロパチーの形をとる)、自律神経ニューロパチー、第Ⅲ、Ⅳ神経を主とする脳神経ニューロパチーなどに分けられる。

下肢の方が強く障害されることが多く、無汗症・起立性低血圧・下痢・陰萎などの自律神経症状を起こしやすい。

ⅱ)アルコール性神経炎[alcoholic neuropathy]

飲 酒によるビタミンB1欠乏で起こり、大径有髄線維の軸索変性が主である。

臨床的には四肢遠位部、特に下肢に強い感覚障害と脱力を示す。

病理学的には、ウェルニッケ脳症(外眼筋麻痺、運動失調、痴呆様症状を示す場合)では、乳頭体、中脳水道、第3脳室壁、第4脳室壁に出血性病変をみる。

小脳萎縮をみることもある。

ⅲ)砒素中毒ニューロパチー[arsenic poisoning neuropathy]

砒素化合物としては3価と5価の砒素があり、3価の方が有毒性が強い。

血管壁の変性、肝実質の増殖性炎症、皮膚粘膜などの刺激症状、胃腸症状(食欲不振、頑固な嘔吐、下痢)、呼吸中枢麻痺、鼻中隔穿孔などを呈する。

皮膚癌や肺癌の合併が高率である。

ⅳ)癌性ニューロパチー[carcinomatous neuromyopathy]

主として肺がん、特に未熟系や燕麦細胞型に合併してくるもので、知覚障害、あるいは運動知覚麻痺をきたす。

前者では、後根より脊髄後索に変性がみられる。

骨格筋の変性を伴うことは少なくない。

約半数に髄液の蛋白質の上昇をみ、リンパ球の浸潤を認めることも稀ではない。

2)遅延型アレルギーによる感染後ニューロパチー[post-infections neuropathy]

Guillan-Barre症候群[Guillan-Barre syndrome]

上気道や腸管などの汗腺に引き続いておこることが多い。

急性に発症し、四肢の運動麻痺を示す。

顔面神経麻痺、嚥下障害、言語障害などの脳神経麻痺を伴うことが多い。

四肢の腱反射は消失し、発汗異常、頻脈などの自律神経症状を示すことが多いが、感覚障害はあまり著明ではない。

6ヶ月以内に自然寛解することが多い。

髄液検査では蛋白質-細胞解離現象が認められる。

運動神経伝導速度は著明な低下をみるが、臨床症状の回復とともに改善される。

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