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(`・ω・´)痴呆と評価スケールの話


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o(^▽^)o題名:痴呆と評価スケールの話

A.痴呆の診断基準について

痴呆の症状には中核症状といわれている見当識・知的機能障害と周辺症状と言われている異常行動、精神症状、性格変化に大別できる。前者は一定の方法をとって検査をしないと客観的には低下の程度が良く分からない。後者は周囲にいる人の観察で分かり、日常生活に支障が生ずる程度のものであるかどうかも周囲の人が判断できる。しかし、今日では一人暮らしの老人も多く周囲の判断を知りえないこともある。以下に正常と痴呆の判定、痴呆の重症度、痴呆の器質的種類の鑑別など、診断基準・スケールをあげる。これらは痴呆症状を把握する指標となる。

B.評価スケール

1.診断基準

1)DSM-Ⅲ-Rの痴呆の診断基準

2)DSM-Ⅲ-Rによるせん妄の診断基準

3)DSM-Ⅲ-Rによるアルツハイマー型一次性痴呆の診断基準

4)DSM-Ⅲ-Rによる多発梗塞性痴呆の診断基準

5)アルツハイマー病診断基準

6)Dementia Brhsvior Disturbance Scale(DBD)

2.検査法

(1)   ini-Mental State(MMS)

(2)   長谷川式―R

(3)   N式精神機能検査

(4)   国立精研式痴呆スクリーニングテスト

(5)   アルツハイマー型評価尺度(ADAS)

(6)   澤式スケール

(7)   GBSスケール

(8)   Functional Assessment Staging(FAST)

(9)   N式老年者用精神状態評価尺度

(10)       Clinical Dementia Rating(CDR)

(11)WAIS-R

(12)DSM-Ⅲ-Rによる痴呆の重症度

(13)浜松方式高次脳機能検査(前頭葉障害の高次脳機能検査)

(14)老人ボケの臨床的判定基準

(15)高次脳機能テスト

(16)阪大式メモリスケール

(17)Mental status questionnaire(MSQ精神症状評価質問表)

<DSM-Ⅲ-Rの痴呆の診断基準>

痴呆の診断のためには、A~Eの各項目が満足される必要がある。

A.短期あるいは長期記憶の障害の存在が明らかにされる。

1)短期記憶障害:新しい情報を覚える能力の障害であり、3品目を5分後に記憶しているか否かで示される。

2)長期記憶障害:過去に得た情報を覚えている能力の障害であり、昨日の出来事、出生地、職業などの個人的情報や、過去の大統領、よく知られた日付などの常識的な知識を記憶しているか否かで明らかにされる。

B.以下の項目のうち少なくとも1つが認められる。

1)抽象的思考の障害:これは、よく似た言葉の類似点や相違点を述ぺたり、言葉や概念の定義などをすることができないことで明らかとなる。

2)判断の障害:これは、対人的、家庭的、職業的な問題や課題を処理するための合理的な計画を行うことができないことで明らかとなる。

3)高次の大脳皮質機能の障害:つまり、失語(言語の障害)、失行(領解や運動機能の異常はないが運動の遂行が障害)、失認(感覚機能の障害はないが物体を認識し同定することが障害)、それにいわゆる構成機能(立体図形の模写、積み木課題、図形の作成)の障害がみられる。

4)人格の変化:例えば、病前性格の変化や強調など。

C.以上により、職業上、または日常の社会活動に、あるいは、人間関係に障害を生ずる。

D.せん妄において生じたものではない。

E.次の1)または2)に相当する。

1)病歴、身体的診察、臨床検査において、原因として関連があると思われる器質性要因が存在する。

2)もし、そのような要因が認められない場合でも、非器質的精神疾患によるとは考えられない。

<DSM‐Ⅲ-Rによるせん妄の診断基準>

A.外界の刺激に対する注意の持続能力の低下。

B.混乱した思考があり、さらに、以下の6項目のうちの2項目以上の症状がある。

1)意識レべルの低下

2)認識の障害(誤認、錯覚、幻覚)

3)睡眠一覚醒リズムの障書

4)精神運動性活動の昂進あるいは減退

5)時間、場所、人物に関する見当識障書

6)記憶障害

また、

C.短期間(数時間から数日のうち)に症状が現れ、症状の程度も変動しやすい。

<DSM‐Ⅲ-Rによるアルツハイマー型一次性変性痴呆の診断基準>

A.痴呆

B.緩徐な発症と進行性経過

C.病歴、身体的診察、臨床検査により他の特別な原因の痴呆を除外することができること。

<DSM‐Ⅲ-Rによる多発梗塞性痴呆の診断墓準>

A.痴呆

B.階段状の経過。初期には斑状の知的欠損がみられる。

C.巣性の神径徴侯あるいは症状

D.病歴、身体的診察、臨床検査により病因として脳血管障害性疾患があると考えられるもの。

<アルツハイマー病診断基準>

① 著名な記憶力障害を中心とした知的機能の障害のために日常生活に支障をきたす

② 潜伏性の発症と進行性の経過

③ 臨床症状、あるいは検査所見などによって、痴呆をきたす原因疾患(いわゆる二次性痴呆)

が除外される。

<長谷川式簡易知能評価スケール>

利点:看護婦その他でも容易に行い得ることができる

点数の平均により進行度が分かる

5分程度で行える

欠点:行動については触れていない

自発性低下、言語減少などで患者が十分答えない場合は実際以上に悪い点になる

軽度の意識障害がいの存在する場合、また失語症の存在する場合は実施が困難なことが多く慎重に行なわなくてはならない

<DSM‐Ⅲ-Rによる痴呆の重症度>

軽度(mild):職業上、社会生活上、明らかに障害があるが、自立して生活する能力は残っており、身の回りのことはでき、判断能力は比較的障害されないでいる。

中等度(moderate):自立して生活することに危険があり、某かの周囲からの介護が必要である。

重度(severe):日常生活の能力は障害され、絶えず、周囲からの介護が必要である。簡単な身の回りのことができず、まとまりのない言葉や緘黙がみられる。

<阪大式メモリスケール>

利点:病前の知的能力の評価が可能

長谷川式スケールよりはるかに難しい

痴呆の初期診断に有用

欠点:テストに時間がかかる

視力障害のある例ある程度以上の痴呆例では評価が難しい

① 知識:年齢、生年月日、首相名など9問

② 20~1までの逆唱、イロハの暗唱

③ 文の再生:文章の記銘、再生

④ 数唱:3行から8行までの暗唱、2行から7行までの逆唱

⑤ 視覚記銘:2つの図形の記銘、再生

⑥ 対語記銘、有関係5組、無関係5組の対試験、3回繰り返す

*これらの応答により正常、境界、痴呆の3つに分類される。

<Mental status questionnaire(MSQ精神症状評価質問表)>

特徴:ある程度以上の痴呆の推定される例に対応できる

① ここはどこか?

② ここの住所は何というか?

③ 今日は何月何日か?

④ 今は何月ですか?

⑤ 今月は何年ですか?

⑥ 年はいくつですか?

⑦ どこで生まれましたか?何月生れですか?

⑧ 何年生れですか?

⑨ 総理大臣は誰ですか?

⑩ その前の総理大臣は誰ですか?

*3個以上の誤りで中程度以上の痴呆

<MMS>

見当識・古い記憶・即時記憶・計算・構成行為・言語の扱いが含まれ30点満点で知的レベルに基準を設けている評価法である。

特徴:言語・動作・図形模写か組み込まれている

利点:言語性、動作性の両者を有している

比較的容易に検査できる

薬効調査に応用される

*20点以上の場合は、痴呆、せん妄、感情障害、などの可能性が高いとされ、20点が境界点である。また正常者はもちろん性格異常者などでは20点以下の場合は稀である

<痴呆の程度の評価(柄澤)>

(-):活発な精神活動(知的活動)のあることが認め得た場合

(±):日常生活における通常の会話が可能

・ぼけの徴候、例えば失見当、粗大な記憶障害、関心の低下、不潔などは認められていない

・手助けを必要とするほどの知的衰退がない

(+1):軽度のぼけ

・日常会話や理解は大体可能であるが内容に乏しく、あるいは不完全

・社会的な出来事への興味や関心の低下

・生活指導、時に介助を必要とする程度の知的衰退

(+2):中程度のぼけ

・簡単な日常会話がどうやら可能

・なれない環境での一次的失見当

・しばしば介助が必要、金銭の管理、投薬の管理が必要なことが多い

(+3):高度のぼけ

・簡単な日常会話すら困難

・施設内での失見当、さっき食事したことすら忘れる

・常時手助けが必要

(+4):非常に高度のぼけ

・自分の名前すら忘れる

・寸前のことも忘れる

・自分の部屋が分からない

・身近な家族のことも分からない

*原則として悪い症状を重視して判定する。

<高次脳機能テスト>

<浜松方式高次脳機能検査(前頭葉障害の高次脳機能スケール)>

特徴 ① 比較的短時間の検査で患者の知能レベルの概略を把握できる

② 検査方法に様々なものがあるために一般化しにくい前頭前野機能の評価にも役立つ

③ 利き手・利き足・効き目に関する質問、右頭頂葉障害のスクリーニングとして、図形模写・線の2等分線をあわせて高次脳機能スクリーニング検査としている

利点:数唱問題を順唱のみにすれば、即時記憶のみを評価できる

仮名拾い問題が手元にない時でも施行できる

欠点:類似問題では採点基準に多少の検者間の差が出る

a.5つの物品名の即時想起

b.5つの物品名の5分後即時想起

c.類似問題

d.7シリーズ

e.動物名想起

f.数唱問題

g.数唱学習

h.仮名拾いテスト(意味つづりと物語文)

<5分間簡易法>

特徴:薬効評価に用いられる

<WAIS-R>

特徴:言語性検査と動作性検査とに分かれ、それぞれの知能指数を算出できる。11種の下位検査にもとづいた知的能力の構造を知ることができる

利点:どの項目のテストがどの程度良いのか悪いのかがプロフィールで把握できる

それぞれの知能指数を把握できる

欠点:検査の時間が40分以上かかる

検査手技が複雑なため手馴れていない人には行ないづらい

<アルツハイマー病評価尺度(ADAS)>

利点:軽度から中等度の患者まででのみ全部の項目をテストできる

欠点:重度の患者群では設問を理解できないために急速に得点が低下する

手技にも一定の知識を必要とするため簡易テストとは言い難い

色々な品物や複数の単語カードセットが必要である

<DBD>

特徴:28項目からなり、得点は0~112点に分布し、得点が高いほど問題行動による介護者の負担が大きいことを示す

<CDR>

特徴:記憶、見当識、判断力と問題解決能力、社会的活動、家庭の日常生活動作など6項目を総合的に判断し決める。若し各項目の評価レベルの異なる場合は記憶の項目の評価によって判定する。痴呆の重症度は3段階に分けてある。

利点:老年者に直接面接して、質問を行ったり、観察できない場合においても同居人あるいは親密な関係を有している人からの情報で判定が可能

<国立精研式痴呆スクリーニング・テスト>

特徴:一般老人の中から痴呆の疑いのある老人をスクリーニングすることを目的とする。総得点20点を満点とし、0~10:問題あり 11~15:境界群 16~20:正常の3段階に分けることができる。テストの時間は約10分程度でできる

<老人ぼけの臨床的判定基準>

特徴:日常生活における言動、態度および作業遂行能力などに着目して、知能衰退の有無や程度を判断しようとするものである。

利点:本人に直接、問診やテストを実施することがせきない場合でも判定が可能

欠点:本人の日常生活を良く知っている人がいなければならないため、一人暮らしの老人には不向き。

判定をする人が家族などから情報を正しく聞き出す技術を持っていなければならない。

<G.B.Sスケール>

運動機能6項目、知的機能11項目、感情機能3項目、痴呆に共通なその他の症状6項目の計26項目を各7段階で評価するもの。

特長:①痴呆の量的測定のみでなく、プロフィールを評価できる

②治療効果の評価ができる

③専門用語をできるだけ避けることによって、看護婦など精神科医以外の人にも容易に評価できる

④アルツハイマー型老年期痴呆にたいする薬効評価に際して使用される

⑤各7段階で評価する形となっており、中間の値をとる

利点:知能検査などの能力測定に比較して、被験者の負担ははるかに軽くてすむ

行動観察や会話から評価しえるので、検査状況を改まって設定する必要もない

複数の観察者によって同時に評価しうるので、観察者観の一致度を見ることができる

痴呆症状の多面的な様態を評価するようにできている

該当する薬物が痴呆症状のどのような面に効果を持つかという薬効のプロフィールを見ることができる

痴呆のフロフィールを評価し得ることや具体的な状態を述べており、ある程度量的な測定が可能

医師以外のスタッフにも容易に行ない得る

被験者の負担が少ない

客観的な観察から評価しうることから観察者の評価の臨床観察からかなり評価が可能である

欠点:動作性の知的機能の評価ができない

明確な痴呆のスケールではない

*G.B.Sスケールに簡易知能テスト等を組み合わせて、薬効判定のスケールとして用いていけば、より正確で妥当な薬効評価に近づける

<G.B.Sスケール変法>

特徴:痴呆老人の行動の変化を評価しうると考えられる項目を中心として構成されている

<アルツハイマー病患者機能評価段階FAST>

特徴:7つの段階付けなっており、各段階に具体的な色々な事柄を記述している

<N式老年者用精神機能の評価尺度>

特徴:家事、身辺生理、関心・意欲・交流、会話、記銘・記憶、見当識の5項目からなり、7段階に分けて評価する形となっている

利点:言語性の応答なしで老年病の全体像の評価に役立つ

一般老年者の痴呆の有無のスクリーニングに役立つ

言語性のテストの不可能な重症痴呆例についても段階付けが客観的になしうることと共に、複数の観察者の差の検討にも役立つ

重症度:0~16点:重症度痴呆、17~30中等度痴呆、31~42軽度痴呆、

43~47境界領域、48~50正常

<N式精神機能テスト>

特徴:記憶、見当識、計算のほかに、概念構成、図形模写、空間認知、運動構成機能などに関する課題があり、口頭のみでなく、動作面でのチェックもできる

軽度から重度まで幅広い範囲に応用できる

(;_;)参考文献

医療学習レポート.痴呆と評価スケール


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