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(´・ω・`)失語と分類の話


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◆失語症とは

■Kerteszの失語の定義

大脳の損傷によって獲得された言語の障害が起き、発話における誤り(錯語)・話し言葉の理解障害・物品呼称の障害(失名詞)である。

構音器官の障害による麻痺性構音障害は含まない。

左半球障害例の3~4割に、右半球障害例の3%ほどに生じる。

失語障害があっても、非言語性の視覚認知障害が必ず認められるわけではない。

 

◆失語症の症状

■無言症:言語表出のない状態。発語の開始ができない状態。第3脳室周辺の中脳・視床移行部、前頭葉内側面の病巣。

■構音障害:構音器官の麻痺はないが、構音が減弱、不明瞭化。

■発語失行:構音器官の麻痺は無いのに、意図した音声をつくれない。

■反応の遅延:反応を開始するまでに数秒を要する場合、遅延反応。

■プロソディ障害:言葉のメロディであるプロソディ(正しい強勢、正しい速度、正しい高低の流れ)が失われたもの。

■流暢性・非流暢性:発語開始時の有無、構音の明瞭さ、発語量などから分類。

流暢性は、発語は途切れず、発語に努力を要さず、構音は明瞭で、発語量は多い。

非流暢性は、発語は途切れ、発語に努力を要し、構音は不明瞭で、発語量も少ない。

■錯語:音韻の選択に異常があり、目的音の代わりに別の音が産生。

●字性錯語・音韻性錯語…目的音の代わりに別の音が産生。

例;トケイ→タケイ

●語性錯語…目的の語の代わりに別の語が産生。

例;鉛筆→箸

●新造語…単語の形跡が失われた発語。

例;時計→らぱかぱや

■ジャルゴン:発語は多いが、錯語が多く意味のとれないもの。

患者は自分が誤った言葉をしゃべっていることを自覚しない。

■保続:一度発語されたものが、場面が変わったときにも繰り返される。

例;(検査者)これ(時計)は?

(患者)時計

(検査者)これ(眼鏡)は?

(患者)時計

■常同言語:重症失語例で、残っているいくつかの言葉が繰り返し発せられること。

例;(検査者)おはようございます。

(患者)あいた

(検査者)お名前は?

(患者)あいた

■復唱の障害:聞いた言葉を機能的にそのままの形で話すことができない。

音の受容→受容した音の表出はの転送→表出のいずれの過程でも復唱は困難。

例;(検査者)今日はよいお天気です。

(患者)きよう・・

■反響失語:聞いた言葉を意味理解を伴わずそのまましゃべってしまう。

例;(検査者)調子はよいですか?

(患者)調子はよいですか。

■失文法:名詞(主語、形動詞、目的語)の誤りはなく、助詞(てにをは)や助動詞の誤りや脱落、動詞の活用の誤りが多い。Broca失語。

例;今日 私 学校 行きます。

■錯文法:文法的な形式は整っているが、中核語彙との関係で文法的な誤りがある。

名詞的な語の選択障害が目立つ.Wernicke失語。

例;マッチが火遊びで子供です。(子供がマッチで火遊びをしている絵の説明。)

■統語障害(統語性失語障害):名詞、動詞、助詞などを用いて文法に従った文章を作ることが出来ない。

●失文法…単語の羅列、助詞・助動詞の省略、動詞の活用不可、電報の文章のようなもの、非流暢性失語、Broca失語

●錯文法…単語はつながっているが、文法的な誤りが多く、錯誤も加わり、言っていることが分からない。流暢性失語。Wernicke失語。

■喚語障害:語健忘。目標の言葉(提示された物品名、言いたい言葉)を思い出せない。

■迂回反応:迂言ともいう。目指す語の代わりに、その用途を言ったりする。

例;箸→ご飯を食べるときのあれ。

■失語性失書:失語症の主要症状、文字は書けないが文字の模写は可能。

書字障害には失語性失書のほかに、純粋失書、構成失書、鏡像文字などがある。

構成失書は漢字に多く現れ構成失行を伴う。鏡像書字は文字の左右が逆になったものである。

■失算:計算が出来ないこと。失語症の中核症状の1つ.計算には0~9までの数字と+-×÷の演算記号。繰上げ、繰り下げについての記憶と操作が必要である。

 

◆失語の分類

■自発発話(話す)、話し言葉の理解(聞く)、復唱、書き言葉の理解と音読、自発書字と書き取りと写字(書く)の言語操作の障害度、パターンから、失語型を決定する。

●失語型から、脳の損傷部位が推定できる。

●標準的な失語症のテストは、脳血管障害の場合は、発症後3週間を過ぎた頃に行う。

…意識障害や精神状態の不安定さのため、正確な失語症状の把握が困難なため。

 

◎Broca失語(運動失語)

○自発発話…非流暢.発話量が少なく、韻律の障害があり、構音は貧弱。

句の長さが非常に短い、努力性の話し方。

特に話のはじめにみられる。

発話は名詞、動詞、重要な修飾語句から主に構成されており、前置詞を欠いている(電文体、失文法的)。

物品呼称の障害がみられるが、自発発話の少なさの割には良好。

音韻性錯語を呈し、自覚することはできるが訂正は困難。

高度の障害では無言状態に陥る。

○話し言葉の理解…話し言葉の表出より良好。

複雑な命令を正しく実行することは難しい。

○復唱…常に障害されているが、自発発話よりいくらか良好。

○音読…重度の音読障害。

○書き言葉の理解…多くは書き言葉を理解するが、読字困難、読解力の低下がある。

○書字…常に障害されている。綴りの誤りや文字の省略も起こす。

仮名文字の障害が漢字より目立つことが多い。

○その他…右片麻痺、顔面失行、構音障害を伴う。

・言語機能回復は比較的良好であるが、回復速度は遅い。

・まず呼称が回復するが、流暢性や複雑な構文は障害されたまま経過することが多い。

・障害部位:左下前頭回後半部分(Broca野)、三角部、島・中前頭回の一部など

中大脳動脈の上部の灌流領域

 

◎Wernicke失語(感覚失語)

○自発発話…流暢で、錯誤的発話。

構音の困難がなく、韻律も自然で、発語数は多い。

長い句も表出される。

過度に多弁で、まとまりが悪い。

多弁さに比べて伝達内容に乏しい。

ジャーゴン失語を呈する。

発話には実名詞が乏しく、錯語も混入。

錯語は不定で、変化しやすい。

迂遠な言い回しがみられ、同じ語が何回も出現。

語健忘、保続、錯文法、字性・語性の錯読がみられる。

○話し言葉・書き言葉の理解…障害あり。(理解の程度は様々)

○復唱…障害。

○書字…常に障害.錯書がある。

○その他…右同名性半盲を伴う。四肢の運動は保たれ、片麻痺は例外的。

興奮しやすく行動が粗暴になることが稀でない。

・予後:比較的速やかに言葉の理解は改善。

発話・書字の障害がいつまでも続く。

高度になるとジャルゴン失語を呈する。

・障害部位:左上側頭回後半部(Wernicke野)、左縁上回、左角回、左中側頭回

中大脳動脈の下半部の灌流域。

 

◎全失語 Global aphasia

○すべての言語機能が重度に障害されたもの。

○自発発話として数語話すことが可能。

○話し言葉の理解も数語可能なことが多い。

○片麻痺(右)、片側感覚障害(右)、同名性半盲(右)を伴うことがある。

○予後は不良で、長期間の言語療法が施行されても実用的言語機能を回復することは極めて稀。

○障害部位:左シルビウス裂を取り巻く、左前頭葉、頭頂葉、側頭葉

中大脳動脈の灌流域

 

◎伝導性失語症(中枢性失語)

○伝導性失語症 Conduction Aphasiaとは

○復唱に強い障害がある。

○自発発話における字性錯語の多いことと自己訂正がある。

・自発発話・音読…流暢.呼称において、字性の錯語とその自己修正が目立つ。

「鉛筆」を「えんぷつ、えんぴつし、えんぴつ」等といった具合に、音の自己修正を積極的に繰り返し、しばしば正しい語に至る。

・話し言葉・書き言葉の理解…日常会話においては問題がない。

・復唱…著しい障害。

離断というWernicke野で了解された言葉をBroca野に伝達することができないことのために復唱障害が生じる。

障害部位:左弓状束、島回皮質の最外方を通る経路

 

◎超皮質性失語

復唱が保たれている失語の総称。

○超皮質性運動失語 Transcortial Motor Aphasia

・自発発話…量が著明に減少、発話開始の困難と努力性が認められる。

話し始めると次の区切りまでは構音は滑らかに話すことが可能。

呼称も障害.ただし系列語は開始するとスムーズで初頭音のヒントが大きい。

・話し言葉・書き言葉の理解…比較的良好。日常会話レベルでは問題ない。

・復唱…良好

・音読…重度の障害

・書字…著しい障害

障害部位:前頭葉の外側やや背側部の大きな病変

 

○超皮質性感覚失語 Transcortial Sensory Aphasia

・自発発話…流暢だが、障害あり。

語や句を繰り返す反響言語がある。

呼称にも著しい障害。錯語あり。

・話し言葉・書き言葉の理解…著しい障害あり。錯読あり。

漢字の読み、書きが特に障害されている。

・復唱…よく保たれているが、理解を伴っていない。

補完現象が強い。

「犬も歩けば」というと、その復唱ではなく「棒に当たる」と答えてしまうこと。

・書字…著しい障害。錯読あり。

ウェルニッケ失語からの回復時になることが多い。

障害部位:左中側頭回から下側頭回の病変

 

○混合型超皮質性失語(言語領の孤立症候群 Syndrome of Isolation of Language Area)

・自発発話…減少している。

・話し言葉・書き言葉の理解…障害あり。

・復唱…よく保たれている

質問されたそのままの言葉を自動的に繰り返す傾向がある。

障害部位:両側の動脈のborderzoneの虚血

 

◎失名辞失語 Anomic aphasia

○自発発話…スムーズで、韻律も正常。

換語困難が著明、名詞の想起が困難。

換語できない場合迂回的な表現を行い、非特異的な語(もの、それ)を多用する。

話す量に比べると内容に乏しい。

呼称障害が著明…換語が悪い。

○話し言葉・書き言葉の理解…比較的良好。

○復唱…良好。多くの名詞を含む文章は必ずしも良好ではない。

○書字…障害

障害部位:不明

 

◎ジャルゴン失語

○錯語が著しく、意味の分からない音の系列を流暢に口走る状態。

○自分の発話が相手に通じていないことに気づかないことが多い。

○言語の了解も障害。

○Wernicke失語に分類されることが多い。

 

◎純粋語唖 Pure Word Deafness(純粋感覚性失語)

○正常な点:話し言葉の理解、書き言葉の理解、自発書字、書き取り、写字

○障害されている点:話し言葉の表出障害が顕著。復唱障害。

○ブローカ失語の回復時になることが多い。

障害部位:左中心前回の下半分、左帯状回の深部、左島の背部

 

◎健忘性失語 Amnestic Aphasia

○自発言語は流暢であり、復唱、言語や文字の了解、音読は良好である。

○語想起の障害を主体とした失語で、錯語や遠回りな言い回し(迂回操作)が混じる。

○物品の呼称の障害が著しい。

 

◎視床性失語 Thalamic Aphasia

○超皮質性失語と似て、自発言語の減少、音量の減衰、語句の省略傾向、口頭言語の加速傾向などが特徴である。

○復唱は良好。

○言語テストには注意を持続させる努力を必要とする。

○視床、内包、被殻の障害で失語症が発生することもある。

 

◎左利き者の失語

○左利き者の80%は言語機能が両側半球に分散するため、脳損傷により失語性言語障害を呈する頻度が高い。

○失語症は軽度のことが多く、回復速度も速く、予後も良好。

○聴覚理解の重度障害を呈するものは稀で、復唱障害も軽度のものが多い。

○左半球あるいは両側に病変を有する場合は、換語困難を伴う失名詞失語は多い。

 

◎交叉性失語

○右利き者の右半球のみの病変。

○失文法が目立ち、理解の低下、良好な呼称を呈する。読字・書字障害は稀。

○軽症例が多く、予後は比較的良好。

 

◆失語症の経過

失語症の病態は必ずしも固定したものではなく、1つの病型から他の病型へ移行するものもある。

 

 

◆失読とは

大脳の損傷によって生じる、後天的な読字の障害。

字の輪郭はわかるが、その意味を理解しない症状。

失読は、失語症に伴うことが多い。

半側空間無視、視覚失認も読みに障害をきたす。

視力が極端に低下している場合は、失読と呼ばない。

錯書は漢字や仮名の書字での誤りである。

 

■表層失読 Surface dyslexia

規則性のある語の読みが、不規則な語に比較してはるかに良好な症例。

不規則な語を規則的に発音する。

Pint(/paint/)を(/pint/)と発音する。

音律性失読は無意味の音読が、単語の音読に比べて非常に障害されている症例である。

 

■深層失読 Deep dyslexia

読み誤りのうち5%以上が意味性錯読である症例。

意味性錯読は読もうとする語を,意味的に類似した語との読み誤りである。

形態的、音律的に類似した語との読み誤りではない。

 

◆失読失書の分類

■純粋失読 Alexia without Agraphia,Pure Alexia

自発発話、復唱、話し言葉の理解、自発書字、書き取りは正常であるにも関わらず、読字の理解だけが障害されること。

読みの障害が、書字の障害よりも重度、ということがポイント。

書字障害を伴うことが多い。

特に漢字の書字障害。

読字障害より程度は軽い。

自分で文は書けるが、書いた文を後で読み返しても、読むことができない。

体性感覚を用いた、なぞり読み Schreibendes lesenが可能なことが多い。

本当に字の輪郭が捉えられているかは疑問。

色名の呼称障害、視覚失認、記名力障害、語健忘を伴うことがある。

相貌失認では、通常失読を伴う。

原因は離断説disconnection theory、角回と左右視覚野との連絡が断たれることである。

左の後頭葉の視覚野の障害⇒右同名半盲⇒右視野からの視覚情報消失である。

脳梁膨大部の損傷⇒左視野からの視覚情報が,左半球への言語野へ到達できない。

 

●障害部位

◎半盲を伴う脳梁膨大部後頭葉型

◎半盲を伴わない脳梁膨大部後頭葉型

舌状回、紡錘状回、脳梁膨大部の損傷、鳥距皮質と視放線は保たれている。

◎後頭葉型(優位半球)…後頭葉の切除によって一過性におきる。

◎下角回性失読

 

■失語性失書 Aphasic agraphia

Broca失語、伝導失語、Wernicke失語、超皮質性感覚失語を伴う。

書字衝動が低下し、求められてもなかなか書こうとしない。

自発書字は、自分の名前だけは保たれることが多い。

字形は保たれる。

省略や全く別の字への置き換え(錯書)も多い。

写字は保たれる。

一字ずつ書かれた文字カードを配列させて、正しい単語を配列することができない。

 

■純粋失書 Pure agraphia

他の言語機能に顕著な障害が認められないにも関わらず、失書だけが認められる。

他の高次精神機能の部分症状や二次症状に由来する失書ではない場合。

障害部位は左上頭頂小葉である。

 

■空間性失書 Spatial agraphia

水平に書くことが困難である。

紙の右側だけに書き、文字と文字の間に空白を挿入する。

障害部位は劣位半球の頭頂葉である。

 

■構成失書 Constructional agraphia

どのような文字を実現すればよいか理解しているが、構成線分を文字という熟知の形態に構成できない状態。

構成線分のそれぞれは一応書き出されているが、空間布置が悪く、形態としてはまとまらない。

錯書はない。

自発書字、書き取り、写字で障害。

構成障害を合併する。

 

■失読を伴う失書(失読失書 Alexia with Agraphia)

読み書きができないが、自発発語、話し言葉の理解、復唱などには問題がない障害。

仮名の読みは不良でも、漢字の読みは可能なことが多い。

書字は、仮名・漢字ともに障害される。

写字は正常に保たれる。

失算や構成失行を伴うことが多い。

障害部位は左角回であり、文字の視覚記憶痕跡と語の聴覚記憶痕跡との連合作用、語の聴覚記憶痕跡と書字動作の運動感覚痕跡との連合作用がある。

左側頭葉後下部、この部の障害は文字図形の想起障害を引き起こし、漢字に限局した失読失書へ。

角回は、異種感覚記憶痕跡間の連合を営む領域(Geschwind)である。

 

■Gerstmann症候群

手指失認、失書、左右定位障害、失算となる。

失語症で、これらの4症状が出現した場合はGerstmann症候群とは呼ばない。

障害部位は、左半球の角回、第二後頭回の内の移行部である。

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