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(ーー;)高齢者と疾患の話


(ーー;)題名:高齢者と疾患の話

●非骨傷性頸髄損傷

受傷機序

高齢者は頚椎症や脊柱管狭窄症を合併しているケースが多くそれらが基盤になりそこに外力が加わっと時に骨棘や黄色靱帯の膨隆による挟み込みが起こり発生する。

受傷機転 過伸展損傷 過屈曲損傷
打撲部位 前頭部 後頭部
損傷高位 C3/4 C5/6
靱帯の損傷 C3椎体が後方移動、C3/4で脊髄が挫滅される 脊髄が引伸ばされるときにヘルニアで圧迫
椎間板 前方繊維輪損傷 後方靱帯群(棘間、棘上)の断裂、後縦靱帯損傷
不安定性 C3椎体の後方すべり(脱臼には至らず) C5/6での異常可動性極めて不安定な状態、椎間関節脱臼の可能性もある。

特筆するべきはC3/4高位の過伸展による損傷は中心性損傷の臨床症状を呈することが多く、下肢よりも上肢の麻痺が重く手の巧緻運動障害が起こりやすい。

頚椎症状:骨、関節、靱帯症状であり、肩こり、頸肩背部痛、不良姿勢、可動域制限などをもたらす、

神経症状:上肢への放散痛の部位と程度、特に頸・肩の肢位による痛みの消長の有無、しびれなどの感覚異常の部位と程度を尋ねる。上肢への放散痛、限局性の感覚、運動麻痺は神経根症状が疑われる。

一方、手指全体に及ぶ感覚鈍麻、痺れ感、手指巧緻運動障害、特に食事、ボタンの着脱などの動作障害、内在筋の萎縮は脊髄症状と判断される。

下肢症状:平地歩行での躓き、歩行困難、ジャンプ困難、階段歩行での下降困難などは脊髄症状を示す

膀胱症状:頻尿、排尿遅延、尿勢低下、残尿感などの排尿、畜尿症状は頚椎部疾患では全て脊髄症状であるが、男性では前立腺疾患との鑑別も必要である。

また下肢症状、膀胱症状は胸椎、腰椎部での疾患で発生する可能性もあるので注意が必要である。

頸髄症の分類

1、central cord syndrome:脊髄中心部に障害があるもの、麻痺は下肢に比較して明らかに上肢が強い

2、transverse lesion syndrome:上肢、下肢の運動感覚障害が両側性にほぼ同程度に存在する。神経学的には脊髄の灰白質及び白質が、前方、後方、左右共に横断性に障害された形

3、Brown-Sequard syndrome:脊髄の片側障害による麻痺の形式、障害側の運動麻痺と反体側の温痛覚麻痺を生じる

4、Motor system syndrome:運動麻痺が主体で、感覚障害がほとんど見られない麻痺の形式、前角、あるいは前根の障害による

5、Brachialgia and cord syndrome:上肢の放散性疼痛と極軽度の下肢痙性麻痺を伴うもの

 

●前腕骨遠位端骨折

Colles骨折

転倒して手のひらをついた際に起こる骨折。橈骨遠位端骨折のなかでも、最も頻度の高い物のひとつであり、特に骨粗鬆症を有する老人には多発する。

典型的な骨折線は橈骨遠位側から1~3cmの所で掌側から斜め背側近位方向に向かい遠位骨片は背側に転移する

この骨折と同時に尺骨茎状突起骨折や手根骨の骨折を伴う場合もある。

また治療中に正中神経麻痺を招来したり、治療後に長母指伸筋腱の断裂や反射性交感神経性筋ジストロフィーを来たしたりする事もあるので注意が必要である。

合併症

尺骨(手根骨)突上げ症候群

新鮮時に修復がなされなかったり不十分な物は橈骨短縮、橈側偏移、背側偏移などを残して変形癒合する。相対的に尺骨が長くなったり尺骨頭が背側に脱臼すると前腕の回旋、手関節の尺屈に伴う尺骨頭の疼痛、クリック音、轢音を伴い機能障害を起こす事もある。これは尺骨頭と手根骨の間に存在する三角繊維軟骨複合体(TFCC)が尺骨の突上げによって損傷されるために生じる

神経損傷

正中神経の損傷が最も多く受傷時の衝撃や近位骨折端によるものもあるが、整復不良の骨折端による直接の圧迫、仮骨形成、瘢痕などにより遅発性に手根管症候群を起こす物もある。

健断裂

長母指伸筋腱断裂が最も多く断裂部位はLister結節部が多い、骨片による摩擦、局所循環障害が原因となる

反射性交換神経性筋ジストロフィー

受傷後の不完全な骨折の修復位、不必要に長い範囲の長期固定により浮腫、チアノーゼ、関節拘縮、皮膚萎縮、骨萎縮などをきたす運動などによって激しい疼痛を訴える。

これは反射性の血管運動神経障害によるものと考えられている。

Smith骨折

手関節を掌屈して手背をついて倒れた時などに発生する骨折で、骨折線はColles骨折と逆方向、つまり背側遠位から斜めに掌側近位方向に向かい、遠位骨片は掌側に転移する逆Colles骨折と言う場合もある。

合併症などはColles骨折と似かよう。

 

●上腕骨近位端骨折

受傷原因転倒して手を伸ばし手ついた場合あるいは直接肩外側を打った場合に起こるが、高齢者特に女性で骨粗鬆症ある例に頻発する。

骨折の分類

Neerの分類

上腕近位の骨構造を上腕骨骨頭、大結節、小結節、上腕骨幹部の4部位に分けその分離度によって分類するものである。骨片の転移が1cm以上あるいは45度以上あれば転移あり、それ以下は転移無しとして2~4骨片骨折に分けこれに関節面の圧潰型骨折を加える。

症状、診断

受傷直後からの各所の自発痛、運動痛が強く、上肢の挙上ができない。転移の少ない物には圧痛のみの場合もあるがいずれの場合も2~3日ごには皮下出血が患側肩から胸部、上腕に広がる。脱臼と骨折が合併した場合はどちらかの見落としに注意が必要である。

治療

肩関節の外傷後には、後遺症として肩関節拘縮がもっとも厄介な問題である、そのため最近は肩関節外転位での胸郭からのギプス固定は行われなくなった、三角巾や、hanging cast固定中の早期からの振り子運動などをで拘縮予防に努める。

転移の大きい外科頸骨折、や脱臼を伴う骨折は保存療法は難しく観血的整復が必要になる。内固定は技術的に難しく、整復の困難な物は人工骨頭置換術も行われる

 

●下位胸椎~腰椎移行部の圧迫骨折

屈曲外力による前方支柱の損傷である椎体前半分の椎体高が減少し、楔状変形を呈する。

第二腰椎の圧迫骨折

中位胸椎(T1~T10)は胸郭によって、腰仙椎部(L4~S)は腸腰靱帯によって可動性が抑えられている為に損傷の頻度が低い。両者の間にある胸腰椎移行部(T11~L2)は後弯から前弯への移行部にあたり、諸靱帯が細く薄い、第11、12肋骨が他の肋骨と異なり肋骨頭が上下2椎体に跨って関節を形成しない、肋骨弓に加わらないと言った解剖学的、生理学的特殊性から損傷の頻度が高い。

老人ではしりもちをついた場合などに発生しやすいが、骨粗鬆症などの合併により小さな外力でも発生することもあり、発生自体に気がつかない場合もある。

放置の結果、骨折部が偽関節となり椎体の圧潰が漸増する。また残存椎体が後方に突出して脊髄を圧迫することもある。

また、骨粗鬆症の進行と共に生じる椎体圧迫骨折が原因の円背(亀背)に発展することもあり、この場合代償的にバランスを取るために頚椎や腰椎の前弯は増強するため腰痛の原因となることも多い。

(^-^)参考文献

医療学習レポート.高齢者に多い疾患


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