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(ノ・_・)ノ卵巣癌と看護計画の話


(+_+)題名:卵巣癌と看護計画の話

 卵巣に発生する悪性腫瘍は臨床病理学的に、1.表層上皮性・間質性腫瘍、2.性腺間質性腫瘍、3.胚細胞腫瘍、4.その他に分類され、そのうち卵巣癌とは、1の表層上皮性・間質性腫瘍の悪性型のものを指す。癌の進行は、病変が卵巣に限局している状態から血液・リンパの流れに乗って遠隔転移を起こすこともある。卵巣癌は早期発見が難しい上に、転移が早い。治療成績も悪く、婦人科悪性疾患の中では最も予後不良である。
また、消化器系の癌、特に胃癌からの転移性卵巣癌ではしばしばクルケンベルグ腫瘍とよばれる特徴的な組織像を持った卵巣癌が形成される。この腫瘍は印環細胞という独特な形の細胞を有している。ほとんどが両側性におかされ、腫瘍の大きさも一般に大きく成人頭大を越えるものもある。したがって、原発巣である消化器系の癌よりも転移巣であるクルケンベルグ腫瘍のほうが目立ち、クルケンベルグ腫瘍が存在することから逆に消化器系癌の潜在していることがわかる場合もある。

 卵巣は骨盤内深くに位置する臓器であり、病状がかなり進行した状態でないと症状が出現しないことが多い。そのため、卵巣癌は早期診断が難しく、腹水の貯留により腹部膨満感を訴えて受診することが多く、約80%が3期の状態で発見される。
卵巣癌は初期には症状がなく、病態の進行に伴い徐々に腹部膨満による苦痛や呼吸困難が出現してくる。

●症状

 1.腹部症状

腹部膨満感、下腹部不快感、腹部腫瘤触知、腹痛、腹水

 2.全身症状

倦怠感、呼吸障害

 3.圧迫症状

頻尿、便秘

 4.性器出血

●検査

  • 内診
  • 画像診断: 超音波検査、CT検査、MRI検査
  • 血液検査(腫瘍マ-カ-): CA-125、CEA、TPA、CA-19-9、AFP

●治療

 1.手術療法

(1)卵巣腫瘍摘出術

(2)付属器摘出術(片側、両側)

・大網部分切除

・腸管部分切除

・子宮全摘

・傍大動脈リンパ節郭清

・骨盤内リンパ節郭清

・腹腔内抗癌剤散布

(3)骨盤内臓器全摘術

 2.化学療法

●術後の経過と管理

 1.精神的サポ-ト

 進行度により身体への侵襲は異なるが、患者は、手術そのものへの不安のみならず女性性喪失感に対する悲嘆、仕事の中断、経済面、そして主婦の場合は家庭での生活の他者への依頼や不安も加わる。女性性喪失感は性欲減退や性交渉忌避などを引き起こし、夫婦生活に障害をきたす可能性も考えられる。手術に関する情報のみならず、年代に適応した指導が重要となってくる。また進行度によっては手術後の予期的不安も強い場合がある。

 こうした問題に対し、不安の内容や程度、表出の仕方など個人によって異なるが、手術前や手術後回復期から機会をとらえてカウンセリング的態度で接し、身体的・精神的・社会的側面から統合した情報を得て各人の訴えを判断することが大切である。そして家族、特に夫の理解と思いやりを求めることが必要である。また手術のみならず手術後の長期間にわたる治療に対してもしっかりとしたサポ-トシステムを作っておく必要がある。

 2.疼痛の管理

 手術後の疼痛は手術形式や麻酔法によって異なり、また個人差も大きいが患者に我慢させずに十分に除痛を図ることが大切である。とくに高齢者の場合、疼痛は心血管系に負担をかけ血圧の上昇や不整脈を誘発することもあり十分な除痛がのぞまれる。最近では、手術後に硬膜外カテーテルから持続的に麻酔薬を注入することにより効果的な除痛が図られている。

 3.呼吸系の管理

 疼痛による呼吸運動の抑制、麻酔による痰の喀出不良などが原因で術後無気肺を引き起こすことがある。原因の除去と吸入により痰の喀出をスム-ズにすることも必要である。

 4.循環器系の管理

 心血管系に負担がかからないように十分な除痛がのぞまれる。麻酔法にもよるが酸素マスク(経口、経鼻)、アクアサ-ムなどによる効果的な酸素吸入も必要である。

 5.輸液・輸血の管理

 手術の侵襲により異なるが、1.水分とNaイオンの貯留傾向、2.循環血液量の低下、3.細胞内Kイオンの低下により手術直後は尿量が減少する。血圧の低下に注意する。術後 1~ 2日で利尿期に入る。輸液オ-バ-は高齢者では肺水腫、心不全になりやすいため注意が必要である。

 6.腹腔内ドレ-ンの処置

 ドレ-ンからの排液の管理には自然流出、SBバックによる吸引、低圧持続吸引などがある。いずれの場合も排液の性状の観察とドレ-ン内腔の閉塞を防止し、死腔炎を予防することが大切である。またドレ-ン挿入部からの感染を防止することが必要である。

 7.創の処置

 手術創をよく観察する(癒合状態、発赤、テ-プかぶれの有無など)。 1日 1回はガ-ゼ交換を行うので十分に観察の機会とする。

 8.出血

 癌で組織がもろくなっている時もあるので腹腔内、創部、性器出血の観察が必要になる。腹腔内ドレ-ンが入っている場合は特にその性状の観察が重要となる。

 9.経口摂取の開始

 手術の侵襲が腸にまで及ぶ場合は別として、腸蠕動状態を確認の上、手術後 2日目より流動食から開始され、順次常食まで可能となる。

 10.卵巣欠落症状の管理(看護)

 卵巣摘出による急激なホルモン失調から無月経、性器萎縮、頭重感、のぼせ、肩こり、感情変化などの更年期様症状があらわれることがあり、状態によってはホルモン投与がなされる。更年期様症状は患者に「女性性喪失感」などの不安を起こさせることもあるため、精神的サポ-トも重要となる。

●看護計画(術前)

 卵巣癌は、婦人科疾患の中では最も予後不良な疾患であり、その事実を伝えられた時の精神的動揺はかなり大きいものと考えられる。患者はひとつひとつの処置に対して不安があり、身体的苦痛や精神的不安を早期に軽減する必要性がある。

●看護計画(術後)

 手術直後は、全身状態の変化を注意深く観察し、異常の早期発見や合併症の予防に努める。また術後には、疾患からくる予後の不安に加え、卵巣欠落症状や女性性の喪失感、性生活への不安も高まるため、本人、家族へのサポート体制を整える必要がある。ほとんどの場合に化学療法が行われ長期にわたることが多いため、心身両面の援助が必要である。

( ̄ー ̄)参考文献

医療学習レポート.卵巣癌と看護計画


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