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(ノ ̄- ̄)ノ関節リウマチと解剖生理からリハビリの話


(*・・)ノ題名:関節リウマチと解剖生理からリハビリの話

慢性関節リウマチとは、関節の痛み・腫れ・炎症が全身に広がり、これらの症状が続くと関節の変形・破壊が進み、最終的には身体障害にまで至る病気である。

原因は現在のところ解明されていませんが、ある特定の体質の人が内分泌系に変化をきたしたり、ウイルスに感染したりすることが引き金となって「免疫異常」が生じ、慢性的に全身の多くの関節が炎症を起こすのではないかと考えられています。

また、リウマチの語源はギリシャ語に由来します。古代ギリシャにおいて「ロイマ(Rheuma、流れの意)」という言葉から発生したもので、このころの人々は脳から体液が下のほうに流れ、うっ滞すると腫脹や発赤をきたすと考えられており、体の中の悪い液体が疾患を引き起こしているという考えに基づいたものである言われている。

 

発生機序

RAにおける最初の変化は、微小血管障害、滑膜下組織の浮腫、滑膜表層細胞の軽度の増殖などと考えられている。完成されたRAでは滑膜は非常に浮腫状で、細長い絨網突起として関節腔内に突出しており、滑膜表層細胞の過形成と肥厚がみられる。また、通常では細胞の存在しない滑膜下基質は単核球からなる濾胞が形成され、その周縁に形質細胞の外被がみられる。移行部はマクロファージ、リンパ球、形質細胞が混在しており、この移行部で2/3が芽球であることは、活性化されたリンパ球やマクロファージからの抗体そのほかの産物がここで作られていることを示唆している。以上の組織所見から、RAの発症を説明する機序として、①血管外免疫複合体仮説、②細胞性の過敏反応、の2つが考えられている。つまり、抗原(EB、ATL virusなどが考えられているが同定はされていない)の感染などがあると抗原提示細胞(単核貪食細胞、Macrophage)が可溶性伝達物質を放出し、T細胞を刺激する。T細胞の作用によりB細胞は形質細胞となり免疫グロブリンを産生する。抗原、抗体さらに活性化された補体が反応をおこすことにより免疫複合体が形成され、これが好中球、単球、M球滑膜細胞などにより貪食されるときに放出されるプロスタグラジン、ライソゾーム酵素、スーパーオキサイド、コラーゲナーゼなどが組織破壊をおこすという説と、抗原提示細胞からの情報がT細胞の過敏反応を惹起こし、伝達物質を介して直接的に抗原に対する貪食作用をひきおこすという説である。RAの炎症が滑膜組織である理由についてウイルス感染を考える場合には、担当ウイルスの好生細胞が滑膜にあるとするのが最も考えやすく、RAの炎症がいつまでも継続する理由としては、抗体の産生に対して抑制機構が力不足であることと、抗原に自己結合性があることがいわれている。組織破壊の因子として、リウマトイドパンヌス(関節表面を覆った布状に分布した滑膜)の占める割合の大きいことはいうまでもない。長期経過した症例では肉芽組織は癒着し、瘢痕して基質化すると線維性強直や骨性硬直となる。RAでは軟骨、骨、腱の破壊が特徴であり、関節嚢の瘢痕化や縮小で関節運動制限が、関節周囲の組織間の癒着と関節嚢や支持靭帯の脆弱化で関節構造の変化や機能の変化がおこり、時には腱の萎縮や断裂も生じる。上記、病理学的変化が重なり、荷重や筋の張力といった機械的な力と合いまってRAの特徴的な変形をもたらす。

 

疫学

人口の0.4~0.5%、30歳以上の人口の1%にあたる人がこの病気にかかっています。 患者は、男性より女性に多く認められます(約3倍)。

どの年齢の人にも起こりますが、30歳代から50歳代で発病する人が多く認められます。15歳以下で発病したときは、若年性関節リウマチとよばれます。

 

病因

不明です。微生物の関与などなんらかの原因により、関節腔の内面を覆っている滑膜細胞の増殖が起こります。

また、関節の血管が増加し、血管内から関節滑膜組織にリンパ球、マクロファージなどの白血球が遊走します。関節局所で免疫応答が起こり、リンパ球やマクロファージが産生するサイトカインの作用により炎症反応がひきおこされ、軟骨・骨の破壊が進行します。

 

1.関節の構造と機能

関節とは「骨と骨を結びつける器官」と定義され、線維関節(不動関節)、軟骨関節(半可動関節、または双軸関節)、滑膜関節(可動関節)に分類されている。炎症、または変性などの病的変化がみられるのは、ほとんどが滑膜関節である。

この滑膜関節の基本構造は、硝子軟骨と硝子軟骨が相対し、その周囲をある空間をもって滑膜組織と線維組織とからなる関節包で覆われている。なお、膝関節、尺骨手根関節、胸鎖関節では関節内に線維軟骨性の半月板がある。これら滑膜関節の安定性、関節形態、筋力、靭帯などによって得られている。なお、血管、リンパ管、神経などは軟骨以外の関節包、靭帯に広く分布している。

(1)滑膜

関節包の関節腔内面にある結合組織の分化したものが滑膜である。この組織は関節腔内にある靭帯、脂肪体の表面を覆っている。しかし、軟骨、半月板は覆われていない。関節を動かすとき滑膜のゆとりが得られるように、滑膜には多数の「ひだ」がみられる。滑膜は組織学的には最内面に2~3層からなる滑膜細胞と、その直下にある血管、神経、リンパ管が分布している粗の結合組織で構成されている。その直下にはより密な滑膜下組織がある。

 

(2)関節軟骨

関節軟骨は、軟骨細胞、全体重の65~80%を占める水分、乾燥重量の約50%を占めるコラーゲン線維、そしてプロテオグリカンで構成されている。

軟骨の栄養は主に可動時の関節液パンピング作用で得られているが、成長期ではこのほかに軟骨下骨からの拡散作用によって栄養を受けている。

軟骨が損傷されると、プロテオグリカンの合成は盛んになるが、硝子軟骨ではなく線維軟骨に比較し、弾性、磨耗、潤滑などの機能の面ではかなり劣る。

滑膜細胞は、長い細胞突起をもち、絡みあって結合している。なお、細胞同士は密には連続していない。ちょうど、すき間だらけの庭の敷石のように滑膜細胞があり、滑膜細胞下にある血管、リンパ管は直接関節腔内に露出している状態になっている。滑膜細胞には、主にA細胞とB細胞の2種類がある。A細胞はライソゾームを中心とした小体がみられ、貪食機能を有している。B細胞は小体は少なく、小胞体が豊富で、ヒアルロン酸の合成とその分泌が主な機能である。しかし、ときにはA細胞とB細胞の中間形であるC細胞もみられる。

 

(3)関節の機能

関節の機能は、理想的な潤滑機能をもち、運動空間を広げ、目的地または目的物へ迅速に反復性をもって正確に到着させることが可能である。一方、これら動作に伴う諸々のショックも同時に吸収する。

関節軟骨の適度の弾力性、荷重時に起きる変形と間質からの水分のしぼり出し、そしてヒアルロン蛋白複合体を含んだ粘稠度のある関節液などによって、関節は静水力学的、弾力、動水力学的、界面潤滑など多彩な潤滑機構がみられる。関節運動が低荷重・低速度時には静水力学的が主体になり、関節のおかれた状態で最もよい潤滑が選択できるようになっている。

また軟骨は荷重時に変形し、荷重面が広くなり安定性はむろんのこと、荷重分散も効率的に行われる。なお、これらの現象に付随して、軟骨下の海面骨構造も荷重分散の方向に沿って構成されている。

関節機能を最もよい状態に保つことは、すなわち硝子軟骨を温存することである。炎症、変性、外傷などでこの軟骨が損傷を受けると、効率のよい潤滑とショック吸収機構が破綻し、物理的には関節破壊、または変形性関節症へと進展していく。

また、RAの最終の病理学的事象は、滑膜の微小血管内皮細胞の活性化および/あるいは損傷と考えられている。このことから本疾患の誘発あるいは原因物質が血流によって滑膜に輸送されていることが示唆される。疾患が慢性期へ移行するにつれ滑膜は非常に広範囲に肥厚し、浮腫状変化をきたす。また滑膜組織の無数の絨毛突起が関節腔へ突出する。

パンヌスと呼ばれる非常に増殖性、侵襲性の高い肉芽組織は、積極的に関節周囲の骨や、滑膜と骨の結合部にある関節縁の軟骨を浸襲し破壊する。RAの羅病期間が長くなるにつれ関節周囲の骨および軟骨は徐々に浸食され破壊されていく。また関節包は膨張し破壊される。さらに軟骨下骨は、破骨活性の上昇がその一因となり徐々に消失する。こうした多用な過程により通常、連続的な疼痛、進行性変化に苛まれながら機能喪失にいたる。

 

(1)関節症状

RAはすべての可動関節(滑膜関節)におこりうるが、初発関節は手指関節(MCP関節、PIP関節)、手関節、膝関節、足趾関節(MTP関

節)が圧倒的に多く、特に手指関節と手関節を合わせると約半数を占める。多関節炎の型で発症するものが比較的多いが、単関節炎、多数関節炎の型でも、経過とともに徐々に左右対称の多関節炎型に変わってくることが多い。なお稀ではあるが、数年にもわたり、多関節炎(主に膝)または一側のみの偏側性関節炎にとどまっていることもある。疾患が完成されてくると、関節炎は肘、胸鎖、股、足、距骨下などの関節に及び、ときには顎関節とか、輪状披裂関節にも炎症がおきる。

①顎関節

罹患率はRA患者の70%と高く、咀嚼時の疼痛、開口制限、軋轢音、時に腫脹が認められる。

②輪状披裂関節(喉頭)

耳介部への放散痛、嚥下時の喉頭異物感、嗄声、喘鳴、時には呼吸困難をきたすこともある

③頚椎

正中および外側環軸関節の滑膜性炎症により横靭帯が弛緩すると環軸関節前方亜脱臼が生じ、大後頭神経痛、項部痛、眩暈、呼吸困難、四肢麻痺など危篤な症状の出ることがある。亜脱臼の程度はADLが目安となり、3mm内を正常、3~5mmを軽度、6~9mm以上を高度としている。環椎が上下面より侵蝕され圧迫骨折をおこして潰れ、歯状突起が大後頭孔縁をこえて頭蓋内に陥入する中心性脱臼や下位頚椎で椎間関節のリウマチ性変化による動揺性頚椎、すべり、亜脱臼なども発生する。

④肩関節

上腕骨の上方亜脱臼forward shoulderがよく観察される。拘縮が発生しやすく、初期にはROM上回旋運動が制限される。また、三角筋萎縮、大胸筋スパズム短縮が出現しやすく、ADL面を考えると、屈曲制限は大きな阻害因子となる。

⑤肘関節

屈曲拘縮がおこるとともに、上腕二頭筋や上腕三頭筋の萎縮も発生しやすくADL上リーチの点で問題となる。回内・外運動を行う橈尺骨関節の近位部は回外制限が起こりやすくなる。遠位部は靭帯への炎症が及びやすく、尺骨の固定が不良となり茎状突起が外力により浮き沈みするような特有な症状を呈する。

⑥手部

最も罹患頻度が高く変形や骨破壊も多く発生する。主な変形は以下のとおりである。

a.尺側偏位:MP関節で尺側に屈曲。

b.スワンネック変形:PIP関節の過伸展、DIP関節の屈曲。

c.ボタン穴変形:PIP関節の屈曲、DIP関節の過伸展。

d.ダックネック変形:母指MP関節の屈曲、IP関節の過伸展。

e.槌指:DIP関節の屈曲変形。

f.ムチランス変形(オペラグラスの手):関節端の高度の骨吸収のため軟部組織が緩み、指が短縮し、外力によって指が望遠鏡のように伸び縮みをする。

⑦股関節

滑膜組織に乏しいため初期関節としての罹患頻度は低いが、急激に関節破壊が進むことがあるので注意を要する。血管炎、ステロイド剤の影響による骨頭壊死や、骨粗鬆症による臼蓋突出で破行や疼痛、高度の運動制限がおこり、ADL障害の原因となる。また屈筋スパズムや殿筋、特に中殿筋の筋萎縮がおこりやすく、ROMは伸展、外転制限が早期に出現しやすい。

⑧膝関節

罹患は約80%で、好発部位のひとつであり、機能障害も著名である。ROM制限は屈曲・伸展ともに制限されるが、徐々に屈曲拘縮に至る傾向が強い。骨破壊が高度になると、脛骨後方亜脱臼、関節の動揺、強直が生じる。筋萎縮としては特に内側広筋に著名で回復も遅滞する。日本人の生活洋式では膝にかかる負担が大きくなりがちなため、関節炎としては難治となりやすい。

⑨足部

病変の進行に伴い、手指と同様に変形が生じる。中足骨頭の亜脱臼、ハンマー爪変形またはかぎ爪変形、外反母趾変形などである。これらは、MTPおよびIP関節炎のため、関節包や靭帯が弛緩し、屈曲腱と伸展腱のバランスが乱れて生じる。中足骨頭の亜脱臼(足底部へ)では疼痛性胼胝が生じ、著しい歩行障害をきたすことが多い。また外反母趾では普通の靴を利用できず、履物に苦労する。

 

(2)関節外症状

RAの病像で主役を演じるのはあくまでも関節病変であるが、本症が全身性の炎症性疾患とされるゆえんは、患者の70%以上に関節外病変が観察されるからである。これらの病変は臨床的に前面にでることは少ないが、ときには関節炎そのものより患者の状態を左右したり、生命の予後にまで影響を及ぼすことがある。

①全身症状

発熱がRAの活動性が高まると生じる。その程度はまちまちであるが、微熱であることが多い。食欲不振、体重減少、易疲労性や全身倦怠感を伴うことも多い。“疲れやすい”とか“だるい”とかの症状はすべて患者が自覚しているもので、関節痛と同様に患者がつらいと訴える症状である。

②貧血

もっともよくみられる関節外症状で、多くは中等度の正球性正色素性貧血である。女性では低色素性貧血の傾向がみられる。一般的に貧血の程度はRA活動性の程度と比例し、RA活動性の消失とともに軽快する。大量の消化管出血でもない限り、貧血による臨床症状は出現しない。

③リウマトイド皮下結節とその他の皮膚症状

リウマトイド皮下結節はRAに非常に特徴的な所見で、RAの約1/4の症状で認められる。好発部位は肘頭部か前腕尺側部であるが、PIP関節、後頭部、仙骨部、脛骨前面、アキレス腱などの外力を受けやすい部位にも出現する。リウマトイド結節は深部皮下組織にでき、その多くは骨膜や腱鞘などと癒着しているため、移動性がなく、無痛性で固い、円形ないしは楕円形の腫瘤としてふれる。リウマトイド結節の中心の壊死巣が液化し嚢腫状になったり、そこに二次感染を起こして潰瘍化することもある。潰瘍を形成すると治癒が困難である。このようなリウマトイド結節が皮下のみならず、滑膜、関節周囲組織、さらには肺・胸膜・心・眼・硬膜などの内臓に生じることもある。リウマトイド結節は関節炎の激しいRAの症例やその他の重篤な関節外症状を有する症例にみられることから、リウマトイド結節を認めたら全身の内臓臓器の検索をするとともに、その後の経過観察は慎重を期せねばならない。

一般的に、RA患者の手掌は冷たく、汗ばんでいる。罹病期間の長い症例では母指球と小指球に紅斑を認めることもしばしばある。早期にはレイノー現象もまれではあるが出現する。晩期には皮膚は薄くなり光沢を呈する。とくに、副腎皮質ステロイド剤使用例に顕著であり、皮下出血を伴っていることが多い。爪郭、爪縁または指頭に出現する黒褐色の阻血性小斑点は、指動脈炎に基づく指動脈閉鎖により生ずる小梗塞性病変である。

④肺病変

RAでみられる主な肺病変は胸膜炎、間質性肺炎(ないし肺線維症)および結節性肺病変で、その多くは滑膜炎の活動性の高いときに合併するが、必ずしも並行して出現するとは限らない。ときに、RAの発症に先立って上述の肺病変がみられることもある。中年以降の男性患者に出現頻度が高い。その他の肺病変としては、細気管支炎による気道の閉塞性病変や肺高血圧症、さらには金製剤、D-ペニシラミンや免疫抑制剤などの薬剤による肺病変や肺感染症があげられる。一般的に羅患期間が長ければ長いほど種々の肺病変が出現しやすくなる。

⑤心病変

部検ではRAの40%に何らかの心病変がみられ、その障害部位は心外膜、心筋と心内膜とすべてに及ぶ、しかし、臨床的に所見を呈することは少ない。

⑥眼病変

RAに合併する主な眼病変は3つある。乾燥性角結膜炎はシェーグレン症候群の一症状で、早期のときは無症状のことが多い。紅彩炎や紅彩毛様体炎は若年性関節リウマチで問題になる合併症であるが、RAではとくに頻度が多いものではないことから、あまり重視されていない。

⑦神経症状

a.末梢神経障害

末梢知覚神経障害と混合性知覚・運動神経障害とに2大別される。前者は比較的頻度が高く、足のしびれで代表される四肢末端の知覚障害が主体である。通常左右対称で、軽度の痛覚鈍麻と振動覚の消失があるが、位置覚はよく保たれている。リウマトイド結節を有し、羅病期間は10~15年の比較的高齢者によくみられる。

後者は栄養血管の壊死性血管炎による末梢神経の虚血性病変に基づくものである。頻度は低いが、急性に発症し、進行性で、重篤である。単神経炎または多発性単神経炎の形をとる。尺骨神経、腓骨神経などをおかし、鷲爪手や下垂足などの完全運動神経麻痺と知覚脱失を起こす。生命に対する予後も悪い。

b.圧迫性神経障害

関節近傍の弾力性のない組織に炎症が波及したり、浮腫が生ずると、その部を通過している神経が圧迫されて神経障害が起こる。手根管で正中神経が圧迫されるのが手根管症候群である。肘関節病変で尺骨神経麻痺やまれではあるが橈骨神経麻痺とか、後骨間神経麻痺が起こる。膝部腓骨頭部の病変で前脛神経麻痺が起こり、下垂足を生じる。足根管の病変では後脛神経麻痺が起こる。

c.頚髄病変

環軸関節の前方亜脱臼は20~40%の患者に認められるが、無症状のことも多い。神経症状としては後頭神経領域の疼痛が多いが脊髄圧迫による重篤な症状をきたすこともある。

⑧血管炎

細小動脈の動脈炎は、重症RAで、血清RF値の高い、皮下結節をともなった例に多くみられ、臨床的には爪郭部の小出血、皮膚の難治性潰瘍を生じる。

RAの血管炎は皮膚以外にもいろいろな臓器に起こりますが、結節性多発動脈炎とは異なり、腎に血管炎が起こることはまれである。

⑨腱鞘炎

手、足の伸展腱によくみとめられている。腱鞘炎が長く続くと、橈骨のリスター結節あるいは尺骨末端の背側亜脱臼のよる磨耗現象と相まって、長母指伸筋腱や小指および環指伸筋腱の断裂をきたすことがある。

関節リウマチの症状には、関節の症状と関節以外の症状があります。   手指(指の付け根=中手指節関節、指先から二番目=近位指節関節)、足趾、手首の関節の痛みと腫れが数週間から数か月の間に徐々に起こります。触れると熱感があることもあります。肘や膝の関節にも痛みと腫れがみられます。

関節の痛みは最初一つあるいは少数の関節から始まりますが、長い間には左右の同じ部位の関節にほぼ同じ時期に起こることが多い(左右対称性)のです。

関節の腫れは関節液が貯まったり、関節を包んでいる組織に炎症が起こるためで、圧すと柔らかい感じがあり痛みを感じるのが特徴です。

関節を動かし始めるときにこわばって、なんとなく動かしにくく、使っているうちにだんだん楽に動かせるようになります。朝、起きたときに最も強く感じるので「朝のこわばり」とよばれます。昼寝をしたり、長い時間椅子に坐っているなど関節を動かさないでおいた後にもこわばりはみられます。関節リウマチでは朝のこわばりは数時間続くことが多いのです。

関節痛は、よくなったり、悪くなったりを繰り返し慢性の経過をたどりますが、なかには、数か月で完全に治ってしまう人もいます。

症状は天候に左右されることが多く、暖く晴れた天気が続くときは軽く、天気が崩れ出す前や雨の日、寒い日には痛みが強くなります。また、エアコン冷房の風が直接関節部にあたると関節痛が強くなります。

病気が進行すると、関節の骨や軟骨が破壊されて関節の変形が起こり、関節を動かせる範囲が狭くなります。

手指が小指側に偏る尺側偏位、足の親指が外側に偏る外反母趾、膝や肘が十分に伸ばせなくなる屈曲拘縮がみられます。

頭を支えている頸の骨の関節がおかされてずれやすくなる(環軸関節亜脱臼)と後頭部が痛んだり、手の力が入りにくくなったりしびれたりします。

全身症状として、疲れやすさ、脱力感、体重減少、食欲低下がみられます。

肘の外側、後頭部、腰骨の上など圧迫が加わりやすい部位の皮下にしこりを生じることがあります。皮下結節とよばれています。

胸部エックス線写真をとると胸水が溜まったり、肺の下部に肺線維症の影がみられることがありますが、症状として表われることはまれです。

涙や唾液が出にくくなるシェーグレン症候群がみられることもあります。

心臓、肺、消化管、皮膚などに血管炎が起こり、発熱や心筋梗塞、肺臓炎、腸梗塞などの症状をひきおこす悪性関節リウマチは、厚生省の特定疾患の一つに指定されています。治療費の自己負担分が公費で補助されます。

関節リウマチの関節症状 ①朝のこわばり②疼痛③腫張④関節の不安定性⑤関節可動域制限⑥変形・拘縮

⑦筋力低下

 

 

 

 

関節リウマチの

関節外症状

1全身症状①発熱②全身性倦怠感・食欲不振・易疲労2貧血3リンパ節腫張・脾腫4皮膚

①皮下結節・リウマチ結節(テーブルやベット

と骨の間で皮膚が圧迫を受けやすい部位)

②皮膚腫瘍・皮膚壊死

③爪床小梗塞

5心症状

①心外膜炎 ②間質性心筋炎 ③心筋梗塞

④冠動脈炎・大動脈炎 ⑤伝導障害

6肺障害

①胸膜炎 ②結節性肺炎

③肺線維症、間質性性肺炎

④気道疾患

7神経障害

①多発性単神経炎

②環軸関節亜脱臼による根症状・脳底圧迫

③圧迫性神経障害

④腱鞘炎・腱炎・粘液包炎

8眼症状

①上強膜炎・強膜炎

②虹彩炎

③眼乾燥症状・角膜腫瘍

9その他

①腎障害

②筋炎

その他のリウマチ性疾患

若年性関節リウマチ ・15歳以下の小児RA・弛緩熱とリウマトイド疹という発疹が特徴・単関節炎(膝・手)・脾腫・虹彩毛様体炎合併・鎮痛剤・金療法・ステロイド・装具
悪性関節リウマチ ・RAに全身性血管炎を伴うもので予後不良・50歳以上で男性にやや多い。・高熱・末梢神経炎・皮下出血・指趾壊死・強膜炎・心のう炎
強直性脊椎炎 ・脊椎周辺の靭帯や関節の骨化→可動域制限・若い男性に好発・腰痛、背部痛から脊柱関節、四肢大関節の強直・不良姿勢の予防・矯正が大事
リウマチ熱 ・A群β型溶連菌の感染後に生じる炎症性疾患・5~15歳・年齢が若いと心炎が主、年齢が高いと関節炎が主・多発性関節炎・心炎・紅斑・皮下結節

 

経過および予後

RAの経過については多周期型(寛解と再熱を繰り返す)50%、単周期型(発症後一時増悪するも次第に軽減し再熱しない)35%、進行型(増悪傾向のみを示す)15%の3つの型があるとされており、過半数患者が重い障害を残すことになる。しかし個々の患者がどんな経過をたどるかについての判断する材料は皆無の状態である。また、RAは生命の予後の悪くない疾患であるのされているが、重篤の副作用の可能性のある薬物を治療上使わざるえないことや、合併症により推定余命より10~15年早く死亡することもあるといわれている。

関節変化の最終像についても、強直になるのか、融解してムチランスになるのか判断できない。経過および予後についての推察することは不可能である。

 

理学療法検査

評価には2つの立脚点があるRAは病気と機能障害が混在する進行性疾患であり、活動性が変化するということを考えれば、治療場面はすべて、炎症や構造的変化を観察しながら適切に治療方法を選択できるか否かを判断する状況下にあるというように考えれば治療そのものが評価である。また評価はその時点での患者の状態を明確に表現し、治療効果の判定材料となるものだという立脚点もある。そのためには簡便なチャートなどを用いるのも有効である。

関節リウマチの症状は、非常に多様で発病初期には個人差が大きく、また、関節リウマチ以外にも関節の痛みを伴う病気は沢山あります。

そこで、関節リウマチの診断には、アメリカリウマチ協会(ARA)(現 アメリカリウマチ学会(ACR))がつくった診断基準が使われています。

この診断基準は、

分類        解説
①朝のこわばり 朝のこわばりが少なくとも一時間以上維持すること。
②3関節領域以上の関節炎 少なくとも3関節の領域で軟部組織の腫張や関節液の貯蔵を医師が確認すること。左右のPIP関節、MCP関節、手関節肘関節、膝関節、足関節、そしてMTP関節の14関節の領域とする。
③手関節の関節炎 手関節、MCP関節、PIP関節の少なくとも1箇所に腫張があること。
④対称的な関節炎 対症的に関節炎が同時に認められること。MCP関節、PIP関節、MTP関節という小さな関節のグループは絶対的に対称性でなくてもよい。
⑤リウマチ結節 骨の突起した部分または関節周囲の伸側にみられる皮下結節を医師が確認すること。
⑥リウマチ因子 血清リウマトイド因子の異常値が、正常な対象者で5%未満となる方法ならどの方法によっても可。
⑦X線上の変化 手関節、手指の正面像で関節の侵蝕や関節を含む周辺の明確な骨の脱灰化が証明される。

この7項目からできています。

このうち4項目以上満たせば関節リウマチと診断します。

ただし、(1)から(4)までは6週間以上持続することが必要です。

ほかにもSteinbrockerのstageとclass分類がある。

stageはRAの病期をⅠからⅣまでに分類したものである。もっとも病状の進んだ関節をもってその患者のstageとすることになっている。classもRAをⅠからⅣの段階に分類したものである。

 

慢性関節リウマチの病期の分類(日本リウマチ学会による)

StageⅠ初期

#1.X線写真上に骨破壊像はない。

#2.X線学的骨粗鬆症はあってもよい。

StageⅡ中等期

#1.X線学的に軽度の軟骨下骨の破壊を伴う。あるいは伴わない骨粗鬆症がある。

軽度の骨破壊があってもよい。

#2.関節運動は制限されても良いが、関節変形はない。

#3.関節周囲の筋萎縮がある。

StageⅢ高度進行期

#1.骨粗鬆症に加えX線学的に軟骨および骨の破壊がある。

#2.亜脱臼、尺側偏位、あるいは過伸展のような関節変形がある。線維性または骨性強直を伴わない。

#3.強度の筋萎縮がある。

#4.結節および腱鞘炎のような関節外軟部組織の病変はあってもよい。

StageⅣ末期

#1.線維性あるいは骨性強直がある。

#2.それ以外はStageⅢの基準を満たす。

※#印のついている基準項目は、特にその病期あるいは進行度に患者を分類するためには必ずなければいけない項目である。

 

慢性リウマチの機能状態の分類のための改訂基準

―アメリカリウマチ学会提唱(日本リウマチ学会による)―

ClassⅠ:日常生活動作を完全にこなせる(日常の自分の身の回りの世話、職場での機能性、趣味、スポーツ、などの活動性)ClassⅡ:日常の自分の身の回りの世話および職場での機能性は果たせるが、趣味スポーツなどの活動性は限定される。ClassⅢ:日常の自分の身の回りの世話はできるが、職場での機能性および趣味、スポーツなどの活動は限定される。ClassⅣ:日常の自分の身の回りの世話、職場での機能性、趣味、スポーツなどの

活動性が限定される。

・Lansbury評価

慢性関節リウマチの諸症状のうち、活動期にはその程度とは無関係に常にみられ、かつ定量的に判定できる症状を選出し、これらを評価項目としている。これらの項目に関する数値を一定の表から指数に換算し、それらの総和から活動性を細かく数量化して表現する方法である。評価項目は

①朝のこわばりの持続時間

②筋疲労:起床後、疲労発生までの時間

③血沈1時間値:Westergren法

④疼痛を軽減させるのに必要としたアスピリンの錠数

⑤握力:初圧20mm水銀柱を片手で3回握り、最高値をとり左右を平均する。

⑥関節点数(関節指数)

であるが②、④は除外されることが多い。

・疼痛評価

・安静時や痛や運動時痛の有無を各関節について問診する。

痛みの程度の判定にはVASやフェイス・スケールを用いる。

・炎症反応

関節の炎症:関節ごとに発赤、熱感、腫張、疼痛を全身チェックする。

炎症を捉える指標として、赤沈、CRPがよく用いられる。

・MHAQ

リウマチの身体障害度を8項目で評価するもので、Friesによって考案された

HAQをPincusが改訂したもの。

・ADL

ADL評価RA患者のADL障害の特徴として以下のことがあげられ、そのことを踏まえたうえでADL評価を行うことが必要である。①RA患者のADLは痛みによって影響を受ける。しかも、日内変動があることを考慮しなければならない。②RA患者は関節変形によるさまざまな機能障害を持っている。しかしながら、変形の重症度と機能障害の重症度とは必ずしも平行しない。

③RAの病態は一様ではないので、一律に対処することは困難である。

④RAには女性患者が多いので、ADL項目の重要性に性差を考慮しなければならない。

日常診療には日本リウマチ財団薬効検定委員会によるADL評価法(表9)か、藤林らによるClass3、4を細分化した評価法が実用的であると思われる。

 

RAのリハビリテーションに焦点を合わせた評価法としてはLee-間変法によるADL評価がある。この法は専門技術者を必要とせず、評価に時間がかからない。0:困難なしにできる 1:可能であるが痛み、筋力低下、こわばりのため困難を伴う 2:まったく不可能、の3段階評価とし、その評価点総和をfunctional indexとする。この総和は最高0点、最低42点の細かな順序尺度であるが計測しやすく、再現性もよいのでリハビリテーションの効果判定に有用である。

またADL能力に影響するその他の因子として、一般的なADL動作にはリーチが重要となる。リーチには各関節のROM測定が基本となるが、いくつかの関節を総合した応用動作として評価される。肩関節のROMにある程度の制限があっても、肘関節に制限がなければ指先は頭頂まで十分到達可能となるように、個々の関節のROM測定では推測できない動作を、リーチによって把握することができる。またRA患者のつまみは、手指の変形によって障害を受ける。しかし手指に高度の変形があっても針を持つことが可能であるのに対し、変形がほとんどなくても、痛みが強いとピンチ力低下をきたすこともある。

 

*その他の評価項目

1医療面接:病歴聴取、自覚症状(痛み、全身倦怠感など)、ニーズ

2視診・触診:変形、関節の浮腫、熱感、皮膚の状態

3臨床検査所見:血液生化学検査値、X線像

4.検査・測定:筋力、ROM、四肢長、四肢周径、姿勢、変形観察、関節のアライメント

動作分析、立位バランス、10m歩行時間、QOLほか

*評価目的

1)総括的な情報の収集

・発症年度と発症部位

RAの羅患年数と発症部位は将来にわたっての課題であるところのRAの分類や経過、予後などを分析するための要因となる。

・入院目的、主訴

入院目的および主訴に対して理学療法士として対応可能か否かを検討し、治療目的や手段についての同意が患者との間に得れて初めて治療は成立する。

・現病歴、既往歴

薬歴や治療癧のチェックで患者の病歴、生活癧を認識する。

・現症

関節の浮腫、痛み、可動域制限、関節動揺性、水腫などについてのチェックをする。

・握力

RAの活動性と相関するといわれている点において有効である。握力には握力計

を使うが、手指の変形やランズバリーインデックスの判定の際には水銀柱血圧

計を用いて測定する。

・薬物、臨床検査データー

RA治療の難易度や炎症の活動性を推察する。

・X線所見

各関節のstageと関節の変態変化をチェックし、訓練時の注意すべき力学的ストレスを検討する。

2)ADLテスト

食事、排泄、整容動作は比較的温存されるが、入浴、更衣動作は障害される率が高い。

羅病期間の長い患者ではほとんどタオルが絞れなくなる。RAの末期状態で骨粗鬆症が進み脊椎病変も重度になると起居動作が著しく障害される。こういう症例の機能改善は困難である。

3)ROMテスト

獲得目標動作の一咀害因子として関節可動域制限がある。ROMテストは一般的に他動可動域の値を記載することが多いが、RAで特に関節破壊の強い症例や痛みの強いときには他動値と自動値との間に大きな隔たりがあることが多い。そのため必要に応じて自動可動域を記録することも必要である。ムチランス変化のある関節では他動値が治療目的角度になりにくい。目的動作を獲得するために可動域訓練でROM改善が期待できるのかあるいは自助具などの使用を考えるべきなのかといった検討も必要である。

4)筋力テスト

RAでは①可動域のなかでの疼痛域の存在、②痛みによる筋力の抑制、③発揮できる筋力の肢位による変動などが観察されることが多く徒手筋力テストでは、筋力の変化を表現しにくい。治療効果を説明する材料とするためには、より客観的な数量化が検討されなくてはならない。

MMTは関節運動に痛みを伴うことが多いため、brake test(制動テスト:関節運動の最終域に保持させて運動と反対方向に抵抗をかけるため、抵抗の量だけで筋力を評価できる)で行う。

 

関節リウマチの評価まとめ

構成要素 生活機能・障害 評価方法 備考
機能・構造障害 変形 視診単純X線 全身の関節
炎症 触診、血液検査
疼痛 VAS
関節可動域 関節可動域測定 全身の関節
筋力 MMT握力 brake test血圧計を用いる
肥満 BMI
活動制限 歩行 歩容の観察歩行速度・持久力10m歩行速度6分間歩行テスト機器測定応用歩行 杖や装具の使用状況床反力計、動作解折装置、階段、昇降方式、手すりの要否
ADL ステインブローカー障害度分類、FIMbarthel index,MMAQ
参加制約 就労・趣味 IADL 問診
環境因子 情報収集 家屋構造・周辺環境トイレ、寝具、身体障害者手帳
病期分類活動指数 ステインブロッカー・ステージ分類ランズバリーインデックス

 

医学検査

関節リウマチの診断をするときに役立つ検査に、血清のリウマチ反応、血沈、CRP、手のエックス線写真があります。

リウマチ反応(リウマトイド因子)は、関節リウマチの患者の80~90%で陽性となります。リウマチ患者でも陽性とならない人もあり、また、関節リウマチ以外の病気の人や健康な人でも陽性となることもあります。リウマチ反応陽性でもすぐ関節リウマチというわけではありません。

リウマチの進行や関節症状の進み方を知るための検査として、関節のエックス線写真、胸部のエックス線写真を定期的に撮影しています。

血沈やCRPもリウマチの炎症の程度を知る上で役に立つ検査です。

リウマチの病勢が強いときには貧血がみられますが、治療によって抑えられてくると貧血も軽くなるので参考になります。

リウマチは薬物療法を長期にわたって行うので、くすりの副作用に気をつけるための検査が必要です。尿検査(たんぱくや赤血球)、血液(貧血、白血球や血小板の減少)、血液生化学(肝機能、腎機能)を定期的に検査します

 

治療

関節リウマチの原因は不明なので、リウマチの原因をとりのぞく根治療法は今のところ期待できません。

リウマチの治療の目標は、

(1)関節の痛みを抑える

(2)リウマチ活動性や関節の炎症を抑える

(3)関節の変形を予防し、動かせる範囲を保つ

(4)破壊された関節の働きを再建することに主眼をおく

- 薬物療法 -

1.非ステロイド性抗炎症薬(消炎鎮痛薬)

関節の痛みや腫れを軽減する効果を持っています。病気自体の進行や骨や関節の破壊をおさえることはできませんが、服用後に速やかに効き目をあらわすことから、患者さんの日常生活を維持するのに有用で、関節リウマチの治療では一番最初に使う薬とされています。

この薬には炎症を抑える効果と裏腹に、胃潰瘍をおこしやすくしたり、腎臓の働きを低下させるなどの種々の副作用が認められます。このような問題を防ぐためにいろいろと工夫した薬が開発され販売されています。持続時間の違うもの、胃粘膜を荒らさないために特別な化学構造を持ったものや不活性型で吸収されて関節炎症の場で活性型に移行してはたらくものなどがあります。また、剤形も内服錠、坐剤、貼付剤などがあります。 医師はそれぞれの患者さんの症状の強さ、生活様式、さらに年齢に応じた薬を選択して治療に用います。

2.副腎皮質ステロイド薬(ステロイド)

この薬には非常に強力に炎症を抑える効果があります。あとで述べる抗リウマチ薬の効果が現れるまでの期間の炎症を抑えたり、何か特別な仕事や行事などのために具合を良くしなければならないときになどに有用な薬となります。しかし、大量に長期的に投与しても関節リウマチを完全に治してしまうことは出来ません。また、長期間用いると骨粗鬆症・骨折、胃潰瘍さらに高脂血症などの副作用がおきてきます。そこでプレドニゾロンという薬の量に換算して一日10mg以下のできるだけ少ない量を投与し、効果が現れたら症状が再び悪くならないようにゆっくり減量し、最終的には中止することを目指します。しかし、突然中止したりするとショックなどをおこしてしまう可能性もありますので医師の指示を守って的確に服薬することが大切です。

3.抗リウマチ薬

リウマチ活動性を抑えるくすりに、金製剤(シオゾール)の注射、メタルカ ターゼ、リドーラ、カルフェニール、リマチル、オークル(モーバー)などの抗リウマチ薬があります。服用を開始してから効果がみられるまでに数か月かかります。

4.免疫抑制薬

抗リウマチ薬が無効の場合に、免疫抑制薬が用いられます。関節リウマチに して適応が認められている免疫抑制薬は、ブレディニンおよび平成11年8月から適応が承認されたメトトレキサート(商品名:リウマトレックス カプセル2mg)です。

メトトレキサートの低用量間欠投与法は関節リウマチに有効性が確認されて り、欧米で既に広く用いられています。その反面、間質性肺炎、骨髄抑制、肝障害等の副作用が発現する可能性があり、注意して用いる必要があります。十分な知識とリウマチ治療の経験を持つ医師の指導の下で定期的な診察と検査を受けながら治療するのがよいでしょう。

5. 生物学的製薬

生物学的製薬とは化学的に合成したものではなく、生きた細胞などが作るタ パク質などの物質を薬剤と使用するものです。現在関節リウマチに使用される生物学的製薬としては、TNFという分子と結合する抗TNF抗体(インフリキシマブ)と可溶性TNFレセプター(エタネルセプト)という2種類の薬剤がそれぞれレミケード、エンブレルという商品名で使用されています。他にもIL-1を抑えるアナキンラ(商品名キネレット)が欧米ではすでに使用されており、IL-6の作用を抑えるトシリズマブは日本でも治験中で期待されています。

レミケードもエンブレルは、今のところメトトレキサート(商品名リウマト ックス/メトレート)が無効ないし効果不十分な患者様に使用することになっています。通常開始して1-2週間で炎症反応(CRPなど)が改善し、痛みや関節の腫れも引いてきます。また長期に使用すれば骨破壊の進行も止めることが分かっており、将来の関節の変形を予防できることが期待できる画期的な薬剤です。しかし、レミケードは製剤中にマウスの蛋白を含みますのでアレルギー反応が起こることがあり注意が必要です。このアレルギーを抑えるという意味もありメトトレキサートとの併用が原則です。投与方法は点滴静注(2時間以上かかる)で、2回目は2週後、3回目はその4週後、4回目以降は8週毎になります。一方のエンブレルはヒトの蛋白のみでできているので、重篤なアレルギーは少ないようで(海外の成績)、メトトレキサートとの併用の必要はありませんが、併用した方が効果はあるといわれています。投与は週に2回皮下に注射します。はじめは医師が行うことになっており、週2回の通院が必要です。両薬剤とも副作用として感染症(特に結核)に対する注意が必要で、場合によっては抗結核薬をのみながらこの治療を受けることになります。最後に、残念ながら両薬剤とも大変高価で、レミケードは通常の体格(体重34?67kg)の方で1回あたりの費用が約22万円(3割負担の一般医療で約7万円)かかります。エンブレルも1回の注射の費用が15,000円で1ヶ月あたり8回として毎月12万円(3割負担で3.6万円)かかります。

 

- 理学療法 -

関節痛を和らげ、関節の動かせる範囲を保ち、筋力の低下を予防するのに理学療法が有効です。

1.物理療法

現在では物理療法より運動療法が主のように見えるが、RAは痛みが前面に出る疾患なので、物理療法で筋肉のこわばりをとり疼痛の軽減を図ることが極めて大切である。

RAの疼痛を軽減するためにはまず薬物療法があげられるが、薬だけに依存していると内服する量が増え、副作用が出現する頻度も増えてくる。そのためにも、物理療法を最大限に利用すべきである。

①温熱療法

温熱療法は、伝導、対流、輻射を利用し、疼痛のある関節を温めて循環を良くし、同時に疼痛の軽減や筋肉、関節こわばりを寛解させる。

a.ホットパック

ホットパックは血液循環を促進させ、身体の表在部保温力に優れている。治療はシリカゲルを入れた布袋を70~80℃の熱湯で加熱したものをタオルで包んで患部に当て、1日1回15~20分保温する。

b.パラフィン浴

固形パラフィンに流動パラフィンを加えて、45~52℃に加温して流動パラフィンとしたものを適用する方法である。主に前腕部以下をパラフィン浴槽内に10回程度出し入れしてパラフィン膜を作り、タオルで添包して15~20分保温する。ホットパック同様、表在部の保温力に優れている。

c.超短波療法

超短波は10~100MHzの高周波を利用して行う温熱療法で、患部に15分ほど照射する。主に皮下組織を加温し、RA患者にとって鎮痛と血流の改善に効果をもたらす。

d.極超短波療法

周波数300~3000MHzの高周波を利用して行う温熱療法で、電磁波を患部に15分ほど照射する。熱深達性に優れ、筋肉に対する熱吸収効果が大きいといわれている。

e.超音波療法

極超短波より深い筋深層と骨組織との境界で発熱が大であり、温熱効果のほかに機械効果もあるといわれる。

②寒冷療法

RAの寒冷療法は、一次的に新陳代謝の低下と知覚などの鈍化をもたらし、疼痛の軽減が図られる。二次的には身体の防衛反応としての血管拡張が起こり、温熱療法と同じ結果をもたらす。したがって、運動療法の導入に役立つ。

a.アイスマッサージ

氷に塩を加えたゴムまたはビニール袋を、関節を中心に2~3分間皮膚の発赤を見るまでこすると、関節の鎮痛効果と筋肉のこわばりの軽減が期待できる。

b.極低温療法

-100℃に冷却した空気を患部に曝射することによって、局所の血流改善が著明に見られる。ホットパックなどの温熱療法よりも優れており、痛みやこわばりの軽減が期待できる。

③水治療法

水治療法には、温度で分類すると冷水・温水・高温水療法、部位別には全身浴・局所浴法、その他、薬浴・温泉浴・渦流浴法などが挙げられる。RAでは全身過水浴が好まれ、温熱による疼痛の軽減と水による浮力抵抗を利用した全身筋力の改善、精神的リラックスをもたらす効果がある。

a.ハバードタンク

水中運動療法を簡単に行うために作られた個人用のもので、ひょうたん型の浴槽に患者を入れ、PTが水中に入る手間も要らず、患者も楽な姿勢で訓練を行うことが出来る。入浴時間は10~15分。

b.エレベートバス

浴槽が、上下に動くようになっていて機能の悪い患者には入りやすく、入浴時間は10~15分である。

c.気泡浴

浴水中に気泡を発生させ、温熱刺激と気泡によるマッサージ作用で血流の改善をもたらし、鎮痛効果も期待できる。温度は38~40℃で入浴時間は10~15分。

d.渦流浴

浴槽中に温水を注入し、噴出させて還流を起こし、局部のマッサージ効果を狙っている。主に上下肢に行うが、血流を改善し、特に手足の循環障害が高度の時や、リウマチ性の潰瘍が足指にあるときに効果がある。温度は40~42℃内外、入浴時間は10~15分である。

e.運動浴

運動浴は38℃前後の温水プールを用いて行われる。浴槽の中では体重が減少し、筋肉のこわばりや関節痛も減り、運動効果が見られる。特に手術後のリハビリテーションには、運動浴を積極的に利用すべきである。通常の入浴時間は10~15分である。

④温泉療法

Ⅰ.RAにおける温泉の利用価値

日本は世界有数の温泉国であり、様々な疾患の治療や予防に、また健康増進に、温泉は広く利用されている。RAにおいても、主に物理療法の中の水治療法として、あるいは後に述べる温熱療法として役立っている。また、温泉にはいろいろな化学成分が含有されており、種類によってはRAに効果がある。

2.運動療法

RA患者では運動と安静のバランスが大切であるといわれている。炎症期には運動療法などの訓練は休ませたほうがよいと考えられる傾向にあるが、全身の安静が必要な場合はまれである。局所では、急激な脱力や筋スパズムを伴った運動時痛のため、動かすことができない部分もある。この場合、軟部組織の被伸張性等をチェックし、2~3週間の安静で不可逆性の変化にいたるか否かを考えて、訓練内容を決定する。2~3週間の安静を指示しても、その間で不可逆性の拘縮が起こる心配はないと判断すれば安静を指示し、不可逆性変化の生じる可能性があると判断した場合には、ポイントになると思われる部分だけは動かしておかなければならない。炎症が強ければ無条件で安静ということにはならない。負荷量の調整が必要な場合には強度と回数でコントロールする。RA患者への運動負荷量については、「運動することによって加算された痛みが2~3時間後には和らぎ、翌日まで疲労が残らない程度」といわれている。全身の活動性が高い症例では触刺減退、発熱、腫れ、体重減少、座薬による鎮痛効果の低下、こわばり、易疲労性、ESR、CRPの高値などが見られることが多く訓練後に疲労感を訴えない程度に負荷量を調整する。運動療法を受けた経験の少ない患者では、RAの活動性には関係なく筋肉痛の起こることが多い。したがって1週間程度は運動療法自体に慣れさせる期間として、こわばりを経験させる程度にとどめたほうがよい。

 

RAにおけるリハビリテーションの基本的アプローチ

a 機能・形態障害に対し
1)関節の保護(変形予防と炎症の軽減)2)適度な運動(拘縮、廃用萎縮の予防)3)生活全体の活性化4)牽引(拘縮の治療)5)副子、自助具、杖、靴などによる上記1~3のサポート・1~3は生活指導(障害に関する説明)が重要
         b 能力障害に対し
1)靴、サポーター、杖などによる歩行能力の向上2)自助具によるADL、家事能力の向上
         c 社会的不利に対し
1)家族への説明・指導2)家屋構造の指導・援助3)各種社会制度の活用(年金、身障手帳など)
         d 心理的障害に対し
      上記の具体的援助と並行しての心理的サポート

 

注意事項

1)運動前に関節の痛みがある場合は暖めて行うとよい2)各運動は楽な姿勢でゆっくり休息を入れながら行う3)痛みが運動後2~3時間以上持続する場合は、翌日の運動量を減らす4)回数は徐々に増していく5)運動開始、1時間くらいで徐々に痛みが減少するようであれば、慣れないための痛みであり、運動を休む必要はない6)関節の運動は「少し痛いかな」と思うところまで行う

7)運動は根気よく続けて行う。とくに関節は1日1回は、動く範囲最大限動かす

 

1.拘縮予防

(1)関節可動域訓練

ROM障害の原因として①有痛性拘縮、②不動(廃用)性拘縮、3骨、関節破壊に伴う異常可動がある。

有痛性拘縮では、関節の急性、慢性炎症の病態かで、反射的に発生する伸筋弛緩と、筋力低下、屈筋群の緊張ならびに拘縮が起こり、次いで関節内変化の進行とともに、解剖学的形態変化を伴う関節内の拘縮に移行する。

この解剖学的形態変化を伴う前に、拘縮の予防を行うことが最も重要である。

局所炎症の強い時期には、関節固定を行うという意見もあるが、むしろ可動域を確保するために、急性炎症時にもその炎症を助長しない程度の運動を行うことが実際的であり、急性期を過ぎれば積極的可動域訓練が適応となる。

訓練方法には、自動、自動介助、他動運動があり、全可動域を動かすことのできる方法を選択するのがよい。また、必要に応じて徒手による伸張や、滑車などの各種運動器も使用する。この他、膝の屈曲拘縮には、腹臥位維持矯正、重錘による持続牽引、ターンバックル式膝装具による矯正が行われる。

異常可動のある関節においては筋力増強によって関節の安定をはかり、固定を目的とした装具、スプリントなどが適応となる。これは四肢関節ばかりではなく、頸椎をはじめとする脊柱においても見られる。頸椎では、前屈制限を目的としてネックカラーが使用される。

訓練前には、疼痛計減、軟部組織の伸展性を得る目的で、物理療法(温冷、寒冷)を併用し、痛みをコントロールして患者をリラックスさせる工夫や、関節運動学的見地よりのアプローチも必要となる。

RAに発生しやすい反射的な拘縮肢位

部位 拘縮肢位 付記
手指PIP,MCP前腕橈尺関節肘関節肩関節足関節膝関節

股関節

軽度屈曲回内屈曲軽度の屈曲・内転・内旋軽度屈曲屈曲

軽度の屈曲・内転

無痛性に現れることがある軽い場合には、内、外旋のみ制限される距骨下関節がおかされると外反位となりやすい

内・外旋も必ず制限されている

2.筋力強化訓練

筋力低下の原因は①炎症、疼痛に起因する反射性筋萎縮(伸筋の弛緩と萎縮),②廃用性筋萎縮(関節固定、不動性)、③骨、関節、筋アライメント異常による筋機能低下、④疼痛による見かけ上の筋力低下などである。

筋力強化運動は、低下した筋力を再建、強化する目的で、また、筋萎縮を予防する目的で行う。手術前後にも集中的に行う必要がある。

筋力の再建および強化は基本的に強い炎症反応がなくなった時点で開始するが、全身状態のわるい時期にも介助、可動域訓練とともに筋力維持を目的とした自動あるいは介助運動を行う。

主に伸筋が傷害されて臨床上問題となるのは、上肢で肘関節炎による上腕三頭筋、下肢で膝、股関節炎による大腿四頭筋、大殿筋、中殿筋の萎縮である。下肢筋群の萎縮は、起立、歩行の基本的なADL障害をきたす。

筋力強化訓練方法は、筋萎縮の条件により効果が異なる。RAでは、関節炎症を助長させずに筋収縮を十分得られる方法として、等尺性運動が一般的であるが、筋力強化、持久力強化、巧緻性向上など、治療目標に合わせた訓練法を選択すべきである。

実際の訓練方法として、下肢では等尺性運動による四頭筋のセッティング、また外転訓点、SLR訓練、ブリッジ訓練、徒手、重錘による抵抗訓練が、上肢では肩屈曲、肘伸展の等尺性運動と手指の把握訓練が行われる。この他、神経筋促通手技なども応用され、必要に応じて、頚、体幹筋の強化も行う。自主訓練として重錘バンド、鉄亜鈴や各種運動器(サイベックスⅡ)を使用した訓練も実施している。

動揺や脱臼のある関節においては、関節を徒手により整復固定して抵抗運動を行う。また、よく経験することであるが、関節の角度により痛みが変化するため、痛みの少ない関節角度での等尺性運動も1つの方法である。このように、いかにすれば少ない疼痛で運動しうるかを、個々の患者について検討する。

3.姿勢訓練

慢性関節リウマチには独特の姿勢があり、進行した症例では立っているのを遠方から見ただけで慢性関節リウマチらしいと想像がつくほどである。その特徴は①頸椎が前屈位となりやすい、②胸椎前弯が強くなりやすい(円背)、③肩関節軽度屈曲で肘関節も軽度屈曲位、④股関節および膝関節屈曲位である。この姿勢は、関節炎による反射的な筋の異常緊張と弛緩の組み合わせによるものである。このような姿勢で立ち歩いていることを患者は知っているが、そのそれによりどれほどのエネルギー・ロスがあって歩行耐性が低下し、疲労しやすく、しかも関節に負担が増し炎症を強めているかを知らない。これらの個々の拘縮に対しては、変形・拘縮に対する運動療法および装具、さらに寝具や就寝の姿勢までをも含めた生活指導などが必要であるが、その他に、きわめて実行しやすいものとして、毎日鏡の前で自分で姿勢を正しくするようにすることが大切である。すなわち、毎日の訓練のスタートとして、鏡に向かって頭をまっすぐにたて、背すじを伸ばし、股・膝関節では屈曲せずに直立するようにする。

4.ADL訓練

ADLは身の回り動作、移動動作、生活関連動作よりなるが、移動動作においてもっとも有効な手段は歩行である。

RAの歩行を阻害する因子として①股、膝、足関節の疼痛、②大腿四頭筋、大中殿筋など抗重力筋の筋力低下、③股、膝関節の屈曲拘縮、④距腿関節、距骨下関節、足趾、足の変形、などがあげられる。

拘縮と筋力低下については、前述した可動域訓練と筋力強化を合わせて行う。足、足趾の変形については、扁平足に対しアーチサポート、外反足に対して内側ウェッジ、脚長差に対しては補高するなど、装具療法や靴の工夫により問題を早期に解決する。また重度の外反拇趾や槌指などに対しては、手術も有効である。この他保存療法により改善が望めない場合、人工関節置換術が施行される。これらにより歩行機能は良好に保たれる。

歩容の改善には上記した歩行を阻害する因子のほか、代償運動をおさえるなど、神経・筋の再教育も必要となる。

杖、クラッチは、免荷と筋力低下を補う目的や、関節保護、安全面の配慮を考え使用されている。これらには、T杖のグッリプをファンクショナルグリップにしたものや、肘の屈曲拘縮に対応したプラットフォーム杖、ロフストランド杖、松葉杖などが、その障害の程度に合わせ処方される。しかし、上肢諸関節の機能障害を助長することもあり、注意を要する。上肢による体重支持(免荷)を目的とする場合は、松葉杖による腋窩支持をすすめる。

このほか、移動においては、歩行器、車椅子が使用される。車椅子の操作は、手指をはじめ上肢機能障害が強い場合、下肢にて駆動する方法をとることが多い。車椅子は、下肢にて駆動しやすく、しかも起立が容易であるという相反する二つの要素が要求される。また、手指変形に対し、ハンド・リムの改善、筋力低下、可動制限に対しタッグル式ブレーキ、ブレーキのエクステンションなども行っている。機能障害の程度によっては、電動式車椅子も使用される。

ベッド上の起き上がりや起立などの、基本動作確保も重要である。とくに起立においては、椅子、ベッド、便座など、その高さを考慮する必要がある。

また、RAでは、手指、上肢機能の障害により、身の回り動作や家事動作が困難となる。これらに対して、その自立を確保するために、自助具の使用や動作の工夫、家屋構造など、多方面よりのアプローチが必要となる。これらに加え、RA患者特有の依存心も見られることから、日常生活の動作をできるだけ独力できちんと行う指導や、家族教育による適切な介助を行うことも重要である。

ADL訓練

①衛生動作:入浴、トイレなど②指の動作:書字、はさみ、紐結び、爪切りなど③床上動作:寝返り、起き上がり、正座、いざり動作など④歩行動作:つたい歩き、階段昇降、杖、車椅子など⑤身仕度動作:衣服の着脱、ボタン、ホック、ソックス、髪の手入れ、洗面、ひげそりなど⑥食事動作:フォーク、箸、茶わん保持など

⑦家事動作:ドアの開閉、鍵、水道、包丁、食器洗い、選択、布団敷きなど

ADL訓練は、日常生活の1つ1つを再現することが訓練となる。患者のADLの状態を把握し、今何が不自由なのかを確認する

5.手軽に行える体操

一般に運動を続けている人ほど機能障害が少なくてすむといわれている。

急激な無理をしての運動は、かえって筋力を落とし関節を破壊する。急速につけた筋力は急速に低下し、期間をかけゆっくりと筋力をつけたものは、運動を中止しても筋力はなかなか落ちない。このようなことからも、毎日きちんと時間帯を決め、長期訓練を続けるよう心がけることが大切である。とくに、中高齢者では、低負荷で長期にわたる効果を期待する。この体操は、患者自身が手軽に行えるよう作成したものである。

①腹式呼吸訓練は筋肉のリラックス、精神のリラックスにより、心身両面のリラクセーションと呼吸機能の維持、改善を目的としている。

②関節運動訓練は血行改善、それによるこわばりの改善と関節拘縮の予防を目的としている。

③筋力強化訓練は、主に歩行に必要な、大腿四頭筋、大中殿筋など、抗重力筋の強化を目的としている。

④全身を伸ばす運動は、屈曲姿勢の予防を目的としている

6.起立・歩行訓練

(1)起立、歩行準備訓練

①膝、股関節の伸展(他動的)

②膝伸筋の増強

(2)起立訓練

①チルトテーブルまたは起立台による起立

まず30分が目標、1時間立てたら次の段階へ

②平行棒起立

最初は膝装具を使用したほうが安全

30分立てたら歩行は十分可能

(3)歩行訓練

①平行棒内歩行と車椅子訓練

②歩行器または杖歩行

③病棟内歩行

④屋外歩行

7.してはならないリハビリテーション

①頸椎環軸関節亜脱臼があるときの首の急な前屈運動

⇒脊髄の圧迫により神経麻痺を突然きたすことがある

②荷重関節破壊時の積極的歩行訓練

⇒関節破壊を増長

③手指変形の強い人の長時間連続的作業(裁縫、編み物など)

⇒変形や尺側偏位がさらに悪化する

④関節炎強いときの長時間関節可動域訓練

⇒関節に緩みをきたし変形しやすくなる

⑤関節水腫あるときや人工関節へのマイクロウェーブ

⇒加熱しすぎて組織を痛めることがある

⑥上肢の関節に破壊があり筋力も低下したときの松葉杖歩行

⇒腋窩で体重を支えてしまうので腋窩部の神経をいためてしまうことがある

8.補装具

RAに対する装具治療の目的

a関節痛の軽減

b関節変形の進行防止

c変形の矯正

d関節の動揺性に対する支持性の補助

e脊椎可動域制限による脊髄の保護

RAの関節変形は、骨破壊、関節包・靭帯の弛緩と拘縮、筋腱のバランス不良の結果であり、これらの原因が内在し持続していることから、装具による変形進行の完全な防止は困難である。また、皮膚を介しての外固定では、変形の完全な矯正は困難である。しかし、いったん関節変形が始まり、進行しても、関節変形の進行が途中停止する症例が存在する。このような症例の存在は、適切な装具の補助で、関節変形の進行をさらに少なくすることが出来る可能性を示している。全身的な炎症が制御されていて、骨が修復することの出来る病態であれば、装具でアライメントを保つことで、関節適合性の良い二次性変形性関節症に導き、関節機能を温存し、疼痛を軽減することが可能な症例が存在する。

一方、ムチランス型RAなどの骨吸収の著しいRAでは、その病勢に装具療法は太刀打ちできないことが多い。ムチランス型RAであると判断されたら、羅患関節を把握し、長期経過を予想し、人工関節や関節固定術を早めに行ったほうが機能を温存できる。

RAの装具は、いったん装着を始めれば長期にわたり続けることとなるので、装着感が良くなければならない。RA患者は手指の機能障害があるため、RAの装具は、軽量で、着脱が簡便であり、一人で着脱できなければならない。理論的には固定性の良い装具を処方しても、実際には患者が装着していないことを知らされることがある。強固な固定や過度の矯正は、結果として受け入れられないこともあるので、使い続けてもらえる装具の処方に留意すべきである。

(1)頚椎装具

RA頚椎病変には環軸椎亜脱臼(atlantoaxial;AAS)、垂直亜脱臼(vertical subluxation;VS)中下位頚椎亜脱臼(subaxial subluxation;SS)がある。上位頚椎病変は、整復可能なAASから整復不能なAASに進行し、さらにVSに至る。疼痛の緩和にはカラーは有用である。カラーは強固な固定力は持っていないので、カラーによる保存療法の効果は少なめに見積もらざるを得ない。カラーは高度のVSに対しては効果に乏しい。しかし、AASやSSで、痺れや腱反射の亢進を発現した場合でも、カラー装着によるこれらの症状徴候が消失する症例を経験する。AAS、SSに対しては、頚椎可動域に制限を加えることで亜脱臼や脊髄症を防止、遅延、改善できる症例が存在する。環椎が前方に亜脱臼した状態が持続すると、症例によっては環椎が下方に亜脱臼し、その結果かえって環軸椎間が安定し、(骨癒合が得られる症例も存在する)、上位頚椎部はクモ膜下腔が広いために、脊髄症状の発現に至らずにすむ症例が少なからず存在する。このような経過をたどる症例が存在することは、装具療法は完全な整復位が得られなくとも継続する価値があることを示唆している。環軸椎歯突起間距離(atlantdental interval;ADI)6mm程度の症例から経時的観察を行い、予防的な装具の装着を考慮する。

ポリネック・カラーと呼称される顎受けのないカラーが最も一般的である。頚椎の屈曲を制限するが、固定性は高くない。表面の素材を布地にすれば、外見が受け入れやすい。ベルクロマジックテープの位置を患者の手の届く側方か前方に作製すると、自分で着脱可能となる。痺れや腱反射の亢進を発現した症例に装具で対処する場合は、フィラデルフィア・カラーの方が固定力がある。ポリネック・カラーより上下全周性に延長されており、顎受けがついているが、長期的装着には不向きである。

(2)上肢装具

①肘

ムチランス型RAで、高度の骨吸収をきたし側方向の動揺性が強い症例で、肘継手を用いた装具の処方が考慮される。しかし、こうした症例は、痛みが少なく、可動域も保たれていることが多く、摂食、整容といった最低限のADLも保たれていることが多いので、かさばり、自己着脱の難しい装具は、患者に好まれないことが多い。

②手関節

手部を装具で把持するためには、装具の一部を手掌に置かざるを得ないが、そのために、指腹と手掌によるものの把持はどうしても行いにくくなる。手関節の痛みが強い症例、ムチランス型RAで高度の骨吸収をきたし、手部が下垂しflailな症例では手関節装具の使用が考慮されるが、上述の理由から患者に好まれないことが多い。ムチランス型RAで手関節がflailになる時期には、通常下肢に人工関節形成術が必要になる場合が多く、これらの手術と同時に、切除骨を移植骨として手関節固定術を行うことを推奨する。

手関節に対するサポーター   固定は理論的には固定性が不十分と考えられるが、愛用している患者も多く、試みる価値がある。

③MP関節

尺側偏位の頻度が高く、その矯正、進行予防を企図した装具を処方する場合がある。しかし、MP関節の変形に対する装具は、何らかの方法で基節を把持するためにMP屈曲が制限され、長期にわたり装着してくれる患者は少ない。MPが脱臼していて、パソコン、ワープロのタイピングを行いにくい場合には、示指基節を掌側、橈側、背側から固定すると、示指でのタイピングが行いやすくなる。

④指

スワンネック変形に対して3点固定法による指装具が有用である。母指IP過伸展変形、橈屈変形に対しても、この装具は、指腹でのピンチが可能である。とくに、ムチランス型RAで、高度の骨吸収を母指IPにきたしている場合、人工関節置換術、MTP関節切除関節形成術などの機会に、切除骨をブロック状にして骨移植し、母指IPを固定するとともに指の長さを回復すると良い。同時に、示指DIP関節固定術も考慮する。

(3)下肢装具

①膝

内外反変形や反張膝を生じている場合に、支柱を膝継手のついた装具が考慮されるが、こうした装具はRA患者には装着が難しく、変形進行を防止する効果も乏しい。人工膝関節形成術を考慮する。

②足関節

疼痛の軽減、変形の発生、変形の進行防止を企図して、足関節装具を用いる適応がある。内外反のみを制動したい場合は、内外側にプラスチックの支持部をつけた足関節靭帯損傷用装具をリウマチ治療に転用できる。内外反の制動を効果を高め底背屈も制動したい場合は、U字型装具とする。これらの装具は通常の靴の中に入れて使用できる。

③足底装具

MTP関節に亜脱臼を生じており中足骨骨頭部に有痛性胼胝を生じている場合、MTP関節形成術の適応があるが、装具でも対処は可能である。メタタザルサポート、アーチサポートをもった足底板を作製し、靴の中にいれて用いる。これらは室内用に作製することも出来る。

ムチランス型RAでは、しばしば足部の舟底変形を生じ、対処が困難である。舟底変形は通常の足底装具では対処できない。足底をモールドし、外縁を持ち足部全体を包み込む様式の足底装具を作製し、この装具にソールをつけそのまま歩行できるようにするか、あるいは、この足底装具を靴型装具の中に入れるようにする。

④靴型装具

足関節・後足部・足根部に複合変形があり、変形進行の防止を企図するには、果部上部まで覆う半長靴型装具を処方する。RAでは足関節・後足部に外反変形を生じることが多く、ムチランス型RAでは、これに縦アーチ・横アーチの減少や距骨頭の内側脱臼が加わる複合変形が多い。また内反尖足変形をきたす場合もある。これらの変形の発生を察知した場合、変形を矯正するというよりは、現状の足の形をホールドし、足底アーチを持った半長靴型装具をそうちゃくすることは、保存療法として試みる価値がある。しかし、靴が重いこと、屋内で履きにくいこと、皮膚のトラブルがあることから装着を放棄する患者もいる。底背屈制限が強い場合には着脱が容易な後ろ開き式を検討してみる。

⑤靴底の補正

2㎝以上の脚長差がある場合、補高すべきである。

足関節・後足部変形があり、内反を生じている場合は外側にフレア・ヒールを出すと歩行が安定する。

⑥着脱を容易にする工夫

RA患者は手指機能障害を持つことがほとんどで、なるべく一人で着脱できるための工夫が必要である。固定にはベルクロマジックテープが便利で、その末端をリング状にすると、手指機能障害があっても指を引っ掛けテープを牽引固定することが容易となる。

関節局所の鎮痛、関節変形発生の防止、関節変形の 進行防止、変形の矯正によるADLの改善、関節動揺性に対する支持の補助に、装具はある程度有効である。しかし、装具で関節破壊、関節変形を完全に防止することは出来ない。RAは均一な疾患ではないので、その病型、病態に応じて、装具療法の有効性を見積もる方が良い。全身的炎症が制御されていて、骨に修復性の変化がある場合は装具療法が有効な場合が多いが、骨吸収性の強い関節では装具療法が余り有効ではない。有効でない装具療法を続けることで、関節破壊が進行し、手術の適期を逃すことの内容に留意すべきである。

 

- 手術療法 -

1.手術療法の必要性

RAは全身の疾患である。貧血やγグロブリン血症はそのことを裏付けるものであり、実際に全身性の血管炎を呈することがあるのがよく知られた事実である。したがって、本来内科的に治療すべき疾患であるが、残念ながらその効果は不完全かつ不十分であり、現在の治療法をもってしては病変の進行を止めることは不可能であるといってよい。したがって多くの患者は早晩関節機能に異常が起こり、いろいろな程度の身体障害者になるというのが実状である。このような患者に対しては各種理学療法やリハビリテーションを行い、機能回復をはかるのはもちろんであるがその効果にも限界があり、すべての患者が機能を回復するわけではない。ここで外科的アプローチの必要性が生まれてくる。日本リウマチ友の会が行ったアンケート調査によると身体障害者手帳を有するRA患者は全体の55.6%に達し、そのうち1、2級の重度障害者が61%を占めている事実はRA患者にとって身体障害がいかに重大であるかを物語っている。上記のような場合少なくとも機能再建のために手術が必要な症例といってよいがこの他にも手術を薦める場合がある。予防手術ないし消炎手術として滑膜切除術がある。その対象いかなる内科的疾患よっても持続性の疼痛が軽減しない場合、滑膜の肥厚が持続する場合である。すなわち、この場合も内科的には万策尽きてお手上げの状体であることであるが、ただ最近は新しい薬剤が数多く開発されてきてこのような症例は少なくなってきている。さらにRAの自然経過は実にまちまちでいかなる薬剤も無効でどうしようもないと思った症例でもいつのまにか好転してくることもあり、どのくらいの期間をみて手術に踏み切る判断をすべきか難しいところである。ともあれ、強力な内科的治療にも関わらず全然それに反応しない例が少数ながらあることは事実でこれも手術の適応になる。

2.外科的療法の適応

外科療法の適応は痛みの原因が炎症ではなく主として機械的破損である場合となる。今日では多種の人工関節が考案され、患者のADL改善に貢献しているが、長期的にみれば、感染、弛みなどの合併症も少なく、よい結果が約束される期間の判定には今しばらく時間が必要である。外科療法の適応のあるような患者では1ヶ所の関節だけではなく多関節に障害があることが多く、また、当初の小関節の障害だけのようでも疾病の経過とともに他の関節にも破壊が拡大することが普通なので適応決定にあたっては慎重に患者の将来像を予測することが肝要である。患者の将来像の見通しについては確実な方法がないが患者の薬剤に対する反応性、患者の年齢、体力、合併症、患者の置かれた家族的・社会的環境などを参考にする。なお、外科的療法に踏み切る前に際して最も大事な留意点はその関節の機能改善が最終目的なのではなく、その患者のADL改善が目的であるという点にある。

(1)関節リウマチの手術適応

関節リウマチの適応

絶対的適応
A:絶対的適応患者の生命敵予後に危険を及ぼす状態①     頸椎不安定に伴う脱臼・亜脱臼②     顎関節の強直(食事摂取不能)B:変形のためにADL上介助が必要な場合①     股関節の高度な内転変形②     膝関節の高度な屈曲変形

③     両肘関節の伸展位強直(拘縮)

C:滑膜炎により恒久的に損傷された関節、神経、腱などに対する場合などの場合である

相対的適応
A:保存治療に抵抗性の軟部の炎症(関節滑膜炎、腱鞘滑膜炎、粘液包炎)B:保存的療法に抵抗性の持続する疼痛C:関節の可動域制限がる。関節に動揺性があるD:非機能的肢位での関節拘縮(強直)などの場合である

(2)関節リウマチの手術の非適応

RAの場合一般に貧血があったり長期にステロイドを使用したりしていたりしているので術前に十分な全身のチェックが必要である。しかし、貧血があっても輸血などで補正すれば十分に手術は可能である。RA患者の非適応は以下の通りであるが手術の規模や侵襲の程度により考慮すればよいと思われる。

関節リウマチの手術の非適応

重篤な合併症
心循環系に重大な病変、肺線維症などの重篤な肺疾患、重症糖尿病、中枢神経系に重大な血管や病変、高度のるい痩などことに後療法の遂行に非協力的なもの、重症ステロイド中毒、高齢者、一定のlife expectancyのないものなど重篤な合併症がある症例に対して無理に手術療法を行う必要性のないのは当然である。
B:協調性の欠如
手術療法を選択する以上術後の後療法が必要になる。関節機能の再建は手術だけでなく術後の機能訓練を行ってこそ可能である。したがって患者の意欲や医師、理学療法士などとの意志疎通が大切である。
C:全身性の炎症活動性の亢進
隣接する関節の炎症が強い場合、術後の訓練が十分にできなければ手術を行ってもその効果が十分に得られないことがありうる。
D:感染、化膿創の存在
既往歴に感染があたり、他の部位に化膿巣がある場合は人工関節置換術は慎重に行うべきである。
E:高度のmutilans型
高度のmutilans型は手術成績も良くないし、また変形が著名でもそれなりに日常生活を送っているので手術の適応となる場合が少ない。
F:高度の骨粗鬆症
高度の骨粗鬆症は外傷と同じく手術療法が禁忌となる場合が多い。しかし、長時間の臥床などで廃用性萎縮となっているものに人工関節置換術を行って起立歩行を可能にすると骨変化が改善する場合もある。
G:変形が著名でもその機能が十分に発揮されているもの

関節の炎症を防止する目的や破壊された関節機能を再建するために行なわれます。

(1)滑膜切除術

リウマチは関節を包んでいる滑膜が強い炎症をおこして増殖し、軟骨や骨の破壊をひきおこします。炎症が強い場合に、病的な滑膜を切除する手術を行って関節破壊を防止しようとする手術です。

最近では、関節鏡で関節内をみながら滑膜を切除する関節鏡下滑膜切除術が行なわれています。

(2)人工関節置換術

関節が破壊されて関節可動域が低下し、体重を支える安定性など関節の機能が失われた場合に、人工の関節と取り替えて関節機能を再建しようとする手術です。

股関節と膝関節では、よい結果が得られるようになり、さかんに行なわれています。

 

具体的な治療例

Ⅰ.評価

a痛みの程度(visual analog scaleなど)

b関節可動域テスト

cランスバリー、ESR(血沈)CRP

dADL評価

eアメリカリウマチ協会のコアスコア

 

<徒手療法・物理療法>(治療時間 40~60分)

a朝のこわばりの強い関節(手指・手関節に多い)にホットパックによる温熱療法(5~10分)

b関節痛の認められる関節周囲(筋や靭帯)に刺鍼(5~10分)、その後軽いマッサージ(10分)を行い、痛みの軽減が認められたかチェック

c頚肩部の凝り感や倦怠感に対して局所の刺鍼と、その後の軽いマッサージ(10分)

d運動時痛の軽減が見られた段階でリウマチ体操(自動運動)を行わせる(10~15分)

※a~cは1日おきに行い、リウマチ体操は毎日行う。

※リウマチ体操については毎日1回が基本だが、痛みの軽減とともに回数を増やし、朝昼晩の1日3回を予定。

※症状の軽快因子・増悪因子を確認し、温熱療法の適否を判断する。

 

生活の注意

(1)安静

リウマチの活動性が高いときは、微熱があり、疲れやすくなります。

炎症の強い部位の関節は腫れや熱感があり、安静にしても痛み(自発痛)、関節を動かすと一層痛みが強くなります(運動時痛)。

リウマチは関節だけでなく、全身が消耗する病気です。そのため、全身と関節の安静が必要です。睡眠を十分にとるとともに、昼間も疲れたら昼寝をとることが大切です。

リウマチ患者は、30~50歳代の女性に多く、患者がおおむね主婦であることから、午前中の家事が片づいたときや夕食の支度に取りかかる前に臥床して休息を取るとよいでしょう。

何時頃に疲れを感じるかがリウマチ活動性の一つの目安にもなります。

関節の腫れと痛みがつよいときには、関節の安静を保ち、変形を防止する意味で、補装具で関節を固定することもあります。その場合でも1日に1回は関節可動域を十分に動かすことが大切です。

リウマチの活動性が治まり、関節痛が軽いときは、できる範囲で普通に日常生活を送ってよいのですが、その場合でも、疲れがつよくなる、あるいは関節痛がつよくなる一歩手前で休養を取るようにします。

 

(2)保温

関節を冷やすと関節痛が強くなることがあります。寒い季節はもとより、夏も冷房の風が直接あたるのを避けて、長袖や長ズボン、ブランケットなどで関節部位の保温に気をつけましょう。

 

禁忌・リスク管理

RAの主訴は、関節のこわばりや痛みである。そのため、評価中は痛みの変化に十分に注意し特にADL能力把握のため種々の動作を行う場合に留意する。

またRAの活動性や全身状態を把握するため、赤血球数、白血球数、ヘモグロビン値血沈値(ESR値)、CRP値(C反応性蛋白)などの血液生化学検査をあらかじめ確認しておくことが望ましい。炎症状態や貧血が強い時期は、かえって状態を悪化させることがあるため注意が必要である。さらに、その他の合併症などがないかも確認しておくようにする。

(ノ・_・)参考文献

医療学習レポート.RA(関節リウマチ)と解剖生理からリハビリ


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