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(#゚∀゚)ヘルニアと看護計画の話


(^○^)題名:ヘルニアと看護計画の話

 ヘルニアとは、臓器または組織が先天性あるいは後天性の欠損部もしくは裂隙から脱出した状態をいう。ヘルニアは、ヘルニア門、ヘルニア嚢、ヘルニア内容、ヘルニア被膜から構成されている。

■原因と分類

ヘルニアは、内ヘルニアと外ヘルニアに分類される。

●内ヘルニア

内ヘルニアとは、腹膜の陥凹部あるいは腹腔内の裂隙に腹腔内臓器が嵌入したものをいう。腸管が嵌入する部位によって呼び名が異なる。

●外ヘルニア

外ヘルニアとは、腹腔内臓器がヘルニア嚢に包まれた状態で、腹壁の間隙から皮下に脱出したものをいう。通常、ヘルニアといえば外ヘルニアをさす。①鼠径ヘルニア、②大腿ヘルニア、③臍ヘルニア、④腹壁ヘルニア、⑤腰ヘルニア、⑥閉鎖孔ヘルニア、⑦坐骨ヘルニア、⑧会陰ヘルニアなどがあるが、一般的なものは鼠径ヘルニアと大腿ヘルニアである。

①鼠径ヘルニア:外鼠径ヘルニアと内鼠径ヘルニアに分類される。外鼠径ヘルニアとは、先天的な腹膜鞘状突起の開存が原因で下腹壁動静脈の外側に発生するものをいう。2歳以下の小児に発生することが多く、男性でかつ右側に発生することが多い。なお、高齢になってからも発生することがある。高齢者では、腹壁を形成する筋肉や腱膜の脆弱化も発生の原因となる。

内鼠径ヘルニアとは、下腹壁動静脈の内側から発生するものをいう。40歳以上の男性に多い。先天的な要因はなく、筋肉や腱膜の脆弱化が原因である。

②大腿ヘルニア:大腿ヘルニアとは、大腿動静脈が走行する大腿管を通ってヘルニアが鼠径靭帯の下から脱出したもので、内鼠径ヘルニアの一亜型である。中年以降の経産婦に多く発生する。大腿管は短く、広がる余地が少ないため嵌頓をおこしやすいのが特徴である。

 

●症状

 軽度のヘルニアでは、まったく症状がない場合もある。また、ヘルニアの発生部位や内容によっても症状は異なるが、局所の膨隆・不快感・牽引痛・鈍痛などを訴える場合が多い。さらに便秘・吐き気・嘔吐・グル音の自覚が主訴になる場合もある。ヘルニア内容が腹腔内に還納されれば症状は消失する。

とくに重要なのはヘルニア嵌頓である。これはヘルニア内容が強い腹圧や努責によって狭いヘルニア門から脱出し、内容がヘルニア門によって絞扼された状態である。症状は激烈で強い痛みを訴える。血行障害を伴い、放置すると腸管壊死をきたすため危険である。

 

●診断

 内ヘルニアは、視診による診断は困難である。イレウス症状を呈した症例では、消化管造影などを行わないと確実診断は困難である。

外ヘルニアでは局所の膨隆が認められ、ヘルニア嚢を触知することによって診断できる。ヘルニア内容が小腸の場合には、還納するときにグル音を感知することができる。

鼠径ヘルニアの場合は、還納後に指診によってヘルニア門を触知する。乳幼児でヘルニアの膨隆が認められないときには、指先を精索上に軽く押し当てて横にこするようにするとヘルニア嚢のこすれを感じ取ることができる。大腿ヘルニアでは、鼠径靭帯よりも下に膨隆を触知する。鑑別すべき疾患としては、陰嚢水瘤(水腫)・精索水瘤(水腫)・停留精巣などがあげられる。

 

●治療

ヘルニアを還納した状態でヘルニアバンドを装着し、ヘルニア門を圧迫して脱出を防ぐ方法もあるが、ヘルニアの根治という意味ではまったく効果がない。局所を圧迫することによって皮膚の炎症をきたすことがあり、ヘルニアバンドは基本的には使用すべきではない。

ヘルニアの根治には、手術療法が必要である。嵌頓をおこしている場合は、嵌頓してから長時間が経過している場合には、緊急手術を行うべきである。

新生児の場合には、生後3ヶ月以降に行うほうが安全で、手技的にも容易である。小児や若年者では先天的な腹膜鞘状突起の開存が原因であるため、ヘルニア嚢の高位結紮だけで完治する。

後天的な要因でヘルニアが起こっている場合には、ヘルニア門(内鼠径輪)の縫縮や後壁の補強が必要である。後壁の補強は、以前は筋膜どうしを縫合していたが、高齢者などでは組織が脆弱なためその効果は十分ではない場合も多い。

最近では、ポリプロピレン製のメッシュを用いて補強を行うことが多い。使用する材料などによって、いくつかの手術方法がある(メッシュプラグ法、PHS法、クーゲルパッチ法など)。さらに、腹腔鏡を用いて経腹的あるいは腹膜外からメッシュをヘルニア門と脆弱な組織に固定して修復する場合もある。とくに再発ヘルニア、外鼠径ヘルニアと内鼠径ヘルニアが合併しているときやヘルニアが両側に存在しているようなときには、腹腔鏡下手術は非常に有効な手術手段である。

 

●看護計画(術前)

 ヘルニアで手術を受ける患者の入院日数は短縮されており、多くは1~3日間ほどである。短期間の入院で治療を終えるためには、患者が安全・安楽に手術に臨め、合併症などを予防できるように手術前から援助することが重要である。したがって、手術前は、過度の腹圧上昇を避けるように指導して、ヘルニアの悪化を防止し、安全に手術に臨めるようにする。

(1)疾患に伴う症状

①ヘルニアの部位と膨隆の大きさ

②ヘルニア還納の頻度

③患部の不快感の有無、疼痛の有無

(2)既往歴:ヘルニア手術既往の有無、前立腺肥大など

(3)生活習慣・生活像:排便習慣、便秘の有無、職業(腹圧がかかる製造業や立ち仕事)

(4)全身状態と栄養状態:バイタルサイン、TP、Alb、総リンパ球数

(5)術前検査データ:手術前の一般的検査、感染症の有無

(6)治療方針・手術に関する情報・麻酔法・予定術式:緊急手術の可能性の有無(嵌頓ヘルニア症状〔腹痛・吐き気・嘔吐・ショック状態〕があれば緊急手術)

(7)疾患・手術に対する患者と家族の認識:疾患や術式。治療方針・術前オリエンテーションに対する理解、疾患や手術に対する不安の程度など

 

●看護計画(術後)

 手術後は、再手術が必要となるような術後出血があれば早期発見し、早期対処に結び付けられるよう、創部の観察を十分に行う。また、経過が順調であれば、疼痛をコントロールし早期退院に向けて日常生活での注意点や再発防止について指導を行う。

(1)手術内容:麻酔(腰椎麻酔か局所麻酔か)、術式(メッシュ使用の有無)、手術時間、出血量

(2)全身状態と術後合併症

①バイタルサイン、水分出納バランス

②腰椎麻酔の覚醒状態、尿閉の有無

③手術創:出血の有無、皮膚の斑状出血、疼痛の程度

④術後血腫の有無:陰嚢部の腫脹の有無

(3)退院指導(異常時の対処、再発予防、日常生活)についての患者の理解と認識

( ̄д ̄)参考文献

医療学習レポート.ヘルニアと看護計画


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