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(*゚ー゚)前立腺肥大症と看護計画の話


(/_;)題名:前立腺肥大症と看護計画の話

 前立腺の内腺、筋、繊維組織が増殖し結節を形成した状態。発生原因は不明だが男性ホルモンと女性ホルモンのバランスの関係等下垂体・精巣系を中心とした内分泌異常が考えられる。50歳以上の男性に見られ、排尿障害を伴う場合が治療対象となる。

 前立腺肥大症は、遷延性、苒延性排尿、及び頻尿(特に夜間頻尿)といった排尿困難を主症状とする。排尿障害の強い場合や腎機能障害が見られる場合は手術療法が行われるが、保存的療法では規則正しい生活を指導し、薬物療法を行う。
腎機能障害を防ぐため、残尿の多い時や尿閉のある時は導尿や尿道バルンカテーテルの留置が行われるが、感染に注意し、家庭で留置のまま過ごす場合は管理の方法を指導する。
また高齢者に多いことから、排尿状態や尿量を観察するとともに合併症にも注意し、心身の特性を理解した老人看護も必要である。

●症状

 結節の増大に従って症状は進行性に変化し、通常3期に分ける。

 1)第1病期(刺激症状期)

 結節による膀胱頚部や尿道への刺激のため、尿意頻数や膀胱部または会陰部の不快感圧迫感がある。特に夜間の尿意頻数が起こる。

 2)第2病期(残尿発生期)

 排尿障害が次第に高度となり、排尿時に怒責を必要とするようになる。膀胱内の尿が全部排泄できなくなると残尿となり、次第に残尿量が増加してきて残尿感が出現し、1回の排尿量も減少する。この時期に会陰部の刺激が加わり前立腺の充血が起こる排尿困難となる。悪化すると急性完全尿閉となる。

 3)第3病期(膀胱拡張を伴う慢性尿閉期)

 症状がさらに悪化し、残尿量が増すと膀胱の過伸展状態となり、膀胱利尿筋は萎縮し、膀胱が拡張する。従って、膀胱容量は増大するが残尿量は増え、1回の排尿量は少なくなって排尿の効率は低下する。さらに進行すると膀胱の収縮力は失われ尿を絶えず失禁するようになる。

●検査

  • 直腸指診
  • 超音波検査
  • 逆行性尿道膀胱造影
  • 排尿時尿道膀胱造影
  • クレアチニン・クリアランス
  • 尿細菌培養
  • 前立腺性酸性ホスファターゼ、前立腺特異抗原(癌との鑑別)
  • 残尿量測定、尿流量測定

●治療

 第2病期で残尿量の増加(50ml以上)した時期や第3病期は手術療法の適応となる。腎機能障害があるときには留置カテーテルや膀胱瘻を設置して、腎機能の回復を待ってから手術をする。その他の病期では、保存療法を行う。

 1)保存療法

(1)薬物療法

(2)尿道バルンカテーテル留置:手術不能と判断され、尿閉を繰り返す場合には尿道バルンカテーテル留置を続ける

 2)手術療法

(1)TUR-P(経尿道的前立腺切除術)

TVP(経尿道的前立腺蒸散術)

VLAP(経尿道的直視下レーザー切除術)

(2)恥骨後前立腺被膜下摘除術あるいは、恥骨上前立腺被膜下摘除術

(3)会陰式前立腺摘出術

●術後の経過と管理

 1.全身状態

 高齢者や、術前より貧血、心疾患を有することが多いため出血による血圧降下でショックを起こしやすい。従ってバイタルサイン、意識レベルの観察を十分に行う。

 2.血尿の観察と尿流の確保

 術後は膀胱内にカテーテルが留置されるが、特に手術直後はカテーテル内を流出する血尿に注意する。尿流が悪いと下腹部膨満感と尿意があり、尿道口のカテーテル周囲からの尿の溢出が見られ、血圧の上昇、腹部膨満感、創部離開を引き起こすことがある。凝血塊によりカテーテルが閉塞するときは、膀胱洗浄を行いタンポナーデを予防する。また術後膀胱内出血の著明な時は持続膀胱洗浄(灌流)を行う。

 3.術後合併症の予防

 高齢であるため呼吸器や循環器の合併症を起こしやすい。術後の状態が落ち着いていれば、深呼吸の励行や徐々に体位変換を行い早期離床をすすめる。

 4.尿道バルンカテーテル抜去の援助

 血尿が薄くなれば抜去術後3~7日目で尿道バルンカテーテルは抜去される。抜去後は排尿状態、1回の排尿量、性状などを観察する。また一時的に尿失禁があっても心配の無いことを説明し、歩行や肛門括約筋を意識的に収縮させる運動を励行し回復を図る。

●術後合併症

 1.後出血

 通常1~5日で肉眼的血尿は消失する。鮮血色の血尿が続く時は凝血で尿道バルンカテーテルが閉塞する恐れがある。後出血は術後7~10日前後に止血凝固組織が剥離して突然強い出血が起こることがある。

 2.低Na血症(TUR症候群)

 手術中に使用する灌流液の吸収による体液電解質の平衡異常が起こりやすい。

 3.尿路感染

 尿道バルンカテーテル挿入中の患者は尿路感染症を起こしやすい。カテーテルは3~7日前後留置されるが水分を十分に摂取し清潔に注意して尿路感染を予防する。

 4.疼痛

 膀胱刺激症状は尿道バルンカテーテル留置による刺激と凝血塊による強い緊満感によって起こるが、血圧の上昇や出血を誘発するので薬剤による鎮痙を図り尿流を保ち緩和する。

 5.尿失禁

 尿道バルンカテーテル留置のため括約筋が弛緩して、抜去後に尿失禁の見られることがある。

●看護計画(術前)

 排尿障害による腎機能障害や尿路感染がある場合がある。また、高齢者に多いことから他の合併症を持っていることが多い。検査、治療の必要性が理解されその改善を図り、体調を整える必要がある。術前は入院生活に適応し、心理的にも不安なく手術が受けられるように配慮する。

●看護計画(術後)

 手術は従来、恥骨上、恥骨後被膜下前立腺摘出術が行われていたが、最近では、侵襲の少ない経尿道的前立腺切除術が一般に行われている。前立腺とその周囲の組織は血管に富んでおり術中術後に大量の出血をみることがある。特に手術直後はカテーテル内を流出する血尿に注意する。
尿道バルンカテーテル抜去後は、排尿状態、1回の排尿量、性状など観察する。抜去当初は頻尿であることが多く、ときに尿失禁となる。その際は清潔保持やプライバシーに配慮しながら失禁ケアを行う必要がある。

(/▽\)参考文献

医療学習レポート.前立腺肥大症と看護計画


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