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(*^¬^*)頚髄損傷とADLの話


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(*´з`)題名:頚髄損傷とADLの話

1)食事動作

人間が生命を維持するための基本的動作であり、急性期より可能な限り早く自立をはからなくてはならない。たとえ箸の使用が困難なレベルであっても、特徴的な把持、自助具の使用などで自立度は高くなる。また水分の摂取、飲むという動作への対応も重要である。大きな湯呑みや取っ手のついているものであれば、指を差し込み引っかけるようにして、飲むことも可能である。脊髄の損傷が高位レベルになれば、むせるなど嚥下障害を生じる例もある。知覚麻痺のため、熱いものをこぼし熱傷に気がつかないこともあるので注意、指導を行なう。

 

2)排泄動作

失禁や集尿器の装着不備、蓄尿袋の破損や止め具の固定不十分、蓄尿袋が溢れズボンやシーツを濡らすことも少なくない。

尿失禁に対しては一般に集尿器が用いられるが、男性においてはペニック、ユニボン、フクミ型などの市販品とともにコンドーム型がよく使用されている。しかし女性用としては決定的なものはない。

集尿の使用は局所が不潔になりやすく、皮膚疾患を合併することもめずらしくない。

排便においては毎日でなくても2日に1回は排便をするように心がけたい。基本は①習慣的排便、②線維の多い食物をとる、③水分の補給、④運動する、などが日常生活の中で重要である。

排便には30分~2時間くらいかかるため、訓練開始にはトイレで坐位が30分以上とれることが必要である。

排便方法は腹部の叩打あるいはマッサージで反射を促し、最後は腹圧、手圧を加える。直腸まで便をおろすには下剤が必要なことが多い。肛門を指で刺激して排便反射を促す方法もある。直腸までおりていて出せない場合は座薬や浣腸を使い、最終的には摘便で出す。

脊髄損傷の排泄障害は、管理法を生活リズムの中に取り入れ、いかに自己管理していくかが重要である。こうした排泄動作の自立が社会参加を促していくことにもなる。

 

3)入浴動作

浴室の改造や機器の利用が問題となる。また四肢麻痺の場合、洗い場における姿勢保持も問題となる。壁などによりかかり身体を洗ったりすることも多いが石鹸などの使用で床も滑りやすくなり、上肢の支持が不安定になるので十分に注意をはらう必要がある。こうした場合、浴室用のリクライニングチェアーも有効である。風呂場は熱湯やその蛇口への接触により熱傷をおこしたり褥瘡をつくりやすい場所でもある。入浴後には褥瘡のできやすい部分を観察する習慣をつけ、皮膚に対する管理を忘れてはならない。

 

4)整容動作

歯磨きや洗顔などの衛生動作としての整容動作と髭剃りや整髪のようないわゆる身だしなみのための整容動作がある。道具の選択や工夫による対応が大切であり、市販されている日常用品に対してもスタッフがどの程度情報を提供できるかによって自立度も異なってくる。

男性の場合は衛生管理を含め頭髪は短くしたほうが手入れは容易である。女性の化粧に関しては市販されている道具を使用しC6レベルで十分に対応できる。

 

5)更衣動作

知覚障害や体温調節障害を呈する脊髄損傷にとって、衣服は身体の保護、保温はもとよりトイレや入浴動作などの自立にも大きく関連してくる。しかし、更衣場所がベッド上か車いす上か、姿勢は臥位か、坐位か、種類は上着か、下着か、靴下かなど、またボタン操作のなど細かい動作、さらには見えない部分の身づくろいなど様々な対応が必要であり、機能的には可能なレベルであっても時間や正確性から残存機能とは関係なく介助を受けていることが多い。変形や拘縮が自立への阻害因子となることはいうまでもないが、化学繊維などの生地によっては皮膚を刺激し、反射や痙性を誘発することがあるので注意する。素材の選択にあたっては伸縮性のあるものが望ましいが、障害レベル・症状にあわせて保温性や通気性なども考慮しなければならない。寒さ対策として高位損傷者ほど厚着の傾向が強く、更衣動作はもとより移動動作なども困難となる。着脱を容易にするためにファスナーやマジックテープを使用したり、上着ならば肩口や袖口に、ズボン類ならば腰や膝の部分にループを取り付けたりの工夫をする。また衣服の着脱にさいして傷の有無など皮膚のチェックを心がけるように指導する。

 

6)四肢麻痺の把持動作

四肢麻痺では把持機能の乏しさから従来より自助具や上肢装具の使用が考慮されてきた。食事動作などにおいては使用度もその効果も大きいがテノデーシス・アクションをはじめ両手動作、指間、口などを巧みに使用した代償動作によりself careを遂行しているケースも少なくない。

ⅰ、接触:小指側の手掌部や手関節背屈・MP関節伸展においてPIP関節の背側部での接触

ⅱ、押す:小指側や手関節掌側部、手関節背屈しながら背側部での動作が多い

車いす駆動やスイッチ操作など様々な動作の習得に必要

ⅲ、引く:母指をはじめ、各指(手関節背屈を伴う)手関節・肘関節などC6でいちばん多用する動作である。

ⅳ、すくう:前腕回外位で手関節を背屈すると各指が軽く屈曲し、引っ掛かりができる。これにより茶碗などを保持する。両手を使うことにより押しと拘束動作が同時に行なわれるようになり、固定度が増す。

ⅴ、握る:C6にみられるテノデーシス・アクションを利用したものが典型

この運動が次のつまみ動作とつながっていく。

ⅵ、つまみ:母指と示指・中指でのつまみ(三爪つまみ)、母指と示指のつまみ(指腹つまみ)に代表されるが、C6やC7では機械的把持装置や対立副子の適応により獲得。側副つまみや示指と中指、中指と環指の間にはさむという動作も多い。手袋の使用はつまみ動作を強固なものとするとともに指の保護にもなる。

ⅶ、つまんで回す:自動車のキー操作など。箸やあ鉛筆の使用もこれにあたりマニュピレーション(操作)と言われる。

四肢麻痺では困難であり、ノブをつけたり、面を広くしたりすることにより把持の変換を図ったり、口にくわえるなどの代償もある。

 

7)障害レベル別の筋、動作、ADL

●C3レベル以上

人工呼吸器を装着

 

●C4レベル

筋 :横隔膜

僧帽筋

動作:呼吸

肩甲骨の挙上

呼吸:呼吸機能障害がみられる。肺炎などの合併症を併発しやすいので、排痰訓練や呼吸管理が必要である。

食事:食べることはほとんど全介助であるが、飲むことは口が届く範囲にストローなどをもって来れば可能である。

起居・移動:全介助

車椅子:下顎コントロール式電動車椅子、リクライニング付き介助用車いす

排泄:大部分の動作が介助

C5以上では反射排尿(括約筋切開)、膀胱瘻、介助排尿、尿道留置、反射性排尿を獲得すると叩打で出せる。利尿筋括約筋強調不全(DSD)でうまく排尿できない場合は、括約筋を切開する。どうしても排尿できない場合は、膀胱嚢造設術を選択する。膀胱嚢の感染は避けられないが、介助量が少なくてすみ尿失禁のない生活が送れる。

更衣:全介助。

入浴:浴槽用の天井懸吊式リフトや床走行式リフト、あるいはエレベートバスの利用。

洗体は全介助。

整容:全介助

*主に頭と口を使用したADL動作

タッチセンサーを用いたナースコール、ECS(環境制御装置)の操作

チューブをセットしての飲水

ヘッドポインターやマウススティックを用いての読書、パソコンのキーボードの操作

口を用いての字や絵を描く

 

●C5レベル

筋 :上腕二頭筋

上腕筋

腕橈骨筋

回外筋

棘下筋

三角筋

動作:肘屈曲、回外

肩外旋

肩外転80°~90°まで

呼吸:呼吸機能障害がみられる。肺炎などの合併症を併発しやすいので、排痰訓練や呼吸管理が必要である。

食事:手関節の自動運動が困難なため、手関節を固定するために長対立副子や手関節背屈装具を使用する。

BFO、自助具付きカックアップや長対立副子などの適応。

前腕回外位で手掌面にポケット付きカフベルトを装着し、L字型のスプーンやフォークを取り付ければ、特別なスプリントなしでも自立できることが多い。

起居・移動:前腕をベッド柵に引っかけて寝返りできることもある。起き上がりは電動ベッドを利用する。車椅子-ベッド間の移乗は介助になる。車椅子手袋とノブ付きリムがあれば手動式車いすを短距離操作できる

車椅子:手コントロール式電動車いす、リクライニング付き介助用車椅子(ノブ付き手動式車椅子)。

排泄:便器は埋め込み式、トランスファーは天井吊懸式ホイストを使う。

完全な自立はできないが反射性排尿を獲得すると叩打で出せる。

更衣:上半身の衣服の着脱を手伝うことができる

入浴:浴槽用の天井懸吊式リフトや床走行式リフト、あるいはエレベートバスの利用

洗体は全介助

整容:部分的に介助を要する

万能カフをつかって、洗面、整髪、歯磨きができる

装具の装着には、介助を要することが多い

歯磨きは歯ブラシを手関節固定装具や手部のホルダーに差し込み、両手ではさみながら行なう。細かいところは介助が必要。

*肩の動きと肘の屈曲を利用したADL

ポケット付き手関節伸展位保持装具に歯ブラシやスプーンを装着

カフやホルダーを取り付けた髭そりや整髪用具

コントロール、筋力を補うものとしてスプリングバランサーやBFO、これに加えスケートボードやヘルプアームは残存筋の過剰活動や痙性からくる短縮、変形を防ぐためのリラクゼーションに有効である。

書字には手関節の固定力がないため手関節固定型装具とペンホルダーを併用

する。

 

●C6レベル

筋 :大胸筋

前鋸筋

広背筋

円回内筋

橈側手根伸筋

動作:肩屈曲

前方へのリーチ

肩内旋および伸展

肩内転

回内

手関節伸展(テノデーシス握り)

呼吸:より良くなる

食事:万能カフが必要。熟練すればテノデーシス・アクションを利用して指間に直接スプーンやフォークを挟んで使用できるようになる。

RIC(rehabilitation institute of Chicago)やflexor hinge splintなどの適応

前腕回内位で手掌面にポケット付きカフベルトを装着し、普通のスプーンやフォークを取り付ければ、ほとんど自立可能。

皿はスプーンですくい易くするために深めで縁が垂直に近いものを選び、さらに食器が動かないように滑り止めシートを使用する。

起居・移動:このレベルは肩甲帯の固定性が高まり、肩甲骨の下制、肩関節の内転が弱いながら可能となる。前腕回外位で肘を伸展位にロックすると両上肢の支持で自分の体を少しは持ち上げられる。

寝返りは頚部屈筋、大胸筋、三角筋前部などの筋力、体幹の柔軟性があれば可能である。起き上がりは手関節背屈が可能になので、手背にループや服を引っかけて操作する。プッシュアップ動作は上腕三頭筋がほとんど機能しないため、肘を伸展位にロックした位置から押し上げ動作を行なう。ベッド-車椅子間の移乗には高さをそろえたり間隙をなくしたりなどの調整が必要なことが多い。ベッドに乗り移ることができるが、移乗をやりとげるのは稀である。前後方向および滑り坂を使用しての横滑りを練習する。ゆるい上り坂なら車椅子で上れる。

車椅子:ハンドリム、アームレスト、ブレーキ、姿勢保持、トランスファーを考慮した自操式車いす。C6Aレベルで社会参加を考えるなら電動車いすを使用。電動でない場合はハンドリムとの摩擦をよくし、手指を保護するためにも手袋が必要。ゴムや皮製のものを装着しやすいように改良する。

排泄:便器は埋め込み式で前方移動。自助具により集尿器の装着と操作が可能になる。C6Bレベルになれば自助具により自己導尿が可能になる。他に叩打、TUR、膀胱瘻がある。

 

更衣:C6Bレベル以下であれば自立。かぶり型やボタン操作のないものであれば自立可能。手指の把持能力は期待できないので止め具にはベルクロ、ループを利用したり、ファスナーにはリングをつける。紐、ボタン、フックはベルクロで対応する。ズボン、靴下の両がわにループを付け引き上げやすいようにする。

入浴:姿勢確保が困難。洗体用自助具の使用度が高い。

洗い場と浴槽を同じ高さにする

プッシュアップが不十分なため、移動での擦過することが多い。

整容:万能カフや専用ホルダーの利用し車いす坐位で整容動作が可能となる。

①歯磨き 歯磨き粉をブラシにつける動作、口をすすぐために水を運ぶ動作が困難となる。歯ブラシの保持はポケット付きカフベルトを使用する。

②洗顔  両手の手背でタオルを押え、顔を拭く。

 

*肘の伸展が可能になり母指、示指の感覚が出現することがC5レベルと大きく有利。テノデーシス効果の有効利用

手関節背屈把持装具スプリントやRICスプリントを装着してつまみ、離しの訓練を行なう。書字は母指の固定性が弱い場合には短対立スプリント型自助具を使う。

 

●C7レベル

筋 :上腕三頭筋

伸筋の手外筋

橈側手根屈筋

動作:肘伸展

能動的手指伸展(テノデーシス握り)

手関節屈曲

食事:短対立副子などの適応

スプーンの柄を太くするなどの工夫をすれば訓練によって装具なしで自立が可能である

起居・移動:自立

肩関節の運動は力強くなり、上腕三頭筋の活動も確実になるので、上肢の運動、支持性は高まる。寝返りは完全自立レベルである。起き上がりは両肘を同時に伸展し、背臥位より起きあがることが可能となる。ベッド-車椅子間の移乗は肘関節伸展が可能となりプッシュアップができるので自立となる。

*手動式運転装置を使って運転が可能になる

車椅子:機動性のある自操式車いす

排泄:身体障害者用の便器使用可能。前方、もしくは側方移動で自立。

集尿器の装着や洗浄、自己導入による排尿動作が実用可能になる。

他は叩打、手圧、腹圧がある。座薬の挿入は自助具の使用によって可能。

 

更衣:スピード性、確実性も増し実用的となる

入浴:全動作が自立。洗い場と浴槽を同じ高さにする

整容:テノデーシス・アクションでの把持が強力になり、肘関節伸展も可能になる

①歯磨き 両手の母指を歯ブラシに十字に絡ませ独自の把持による歯磨きが可能となる

②洗顔 両手の手背でタオルを押え、顔を拭く

③髭剃り 握りが大きければ自助具の使用なくても行なえる

*手指の伸筋が機能し屈筋、手内筋が働かないため、MP関節の過伸展や手指の伸展拘縮、変形を起こしやすく注意が必要。防止のためにBoxing globeスプリントやナックルベンダーも有用。

把持能力を向上させるためにはMPストップ付き短対立副子を用いてテノデーシス・アクションを利用したつまみの訓練を行なう。

書字はMP関節の過伸展傾向が見られる時には、MPストップ付き短対立スプリント型自助具を

いる。

 

●C8レベル

筋 :尺側手根伸筋および屈筋

手指と母指の手外屈筋

母指の手外屈筋

動作:上肢の全面的なコントロール

食事:自立 手指の屈曲が弱いため、最初は柄の太いスプーンを使用したほうがよい

起居・移動:自立

車椅子:機動性のある自操式車椅子

排泄:洋式便器、側方移動で可能。集尿器の装着や洗浄、自己導入による排尿動作が実用可能になる。

更衣:自立

入浴:全動作が自立。半埋込み式浴槽などにも対応。

整容:つまみ動作などは不完全である

両手動作が可能になる

洗顔 一側上肢で洗面台を支えて上体を安定させ、片手での洗顔

*つまみ動作に若干の障害が生ずるもののADL遂行上ではほとんど支障がない。自助具、装具も必要がなくなる。

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( ^)o(^ )参考文献

医療学習レポート.頚髄損傷とADL


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