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( ̄∇ ̄*)ゞ放射線療法の話


(~o~)題名:放射線療法の話

放射線療法とは

 放射線療法は、正常細胞と腫瘍細胞では感受性が異なり、両者の間に放射線に対する障害と回復の程度に差異があることを基本としている。すなわち、一般に腫瘍細胞は放射線に対する感受性が高く、正常細胞より回復が少ないため、ある線量までは腫瘍細胞のダメージが大きく(効果が高く)、正常細胞のダメージは小さい。この生物学的な効果を利用して、形態と機能を温存して悪性腫瘍を主体とする種々の疾患を治療しようとするものである。以下の3つの目的で行なわれている。

 1.放射線で治癒をめざす治療(根治的照射)

早期咽頭癌、早期舌癌、子宮頚癌、頭蓋内胚芽腫、ホジキン病、など

 2.治癒は期待できないが症状の緩和を図る治療(対照的照射)

骨転移、脳転移、切除不能肺癌、など

 3.手術や化学療法などの他の治療との併用を行い、治癒率、奏功率、を高める治療(集学的照射)

術後照射(頭頚部癌、乳癌)、肺小細胞癌、非ホジキンリンパ腫、脳腫瘍、など

治療装置(リニアック)

 リニアックはX線と電子線での治療が可能である。X線には4~6MV、10MV以上の2種類がある。当院では、第一治療室と第二治療室があり、第一治療室では4MVのX線、4~15MeVの電子線の治療、第二治療室では10MVのX線、8~15MeVの電子線の治療が行なわれている。
10MV以上のX線では、入射表面に近い部分の線量が低いため、身体表面に近い病変を治療するのには不適当であり、躯幹部、肺、肝、食道、子宮などの身体深部の病変がよい適応となる。
4~6MVのX線では、表面、深部ともに線量が高いため、頭頚部、乳房などの比較的浅部を含めた病変がよい適応となる。
電子線は、表面に高い線量分布を示し、そのエネルギーに応じた深さにとどまるため、主に皮膚、あるいは皮下などごく身体の表面に近い部分だけを治療するときや、術中照射などに用いられることが多い。

照射計画

 目的とする領域にどのような照射を行なうか(ビームの角度、照射野、照射門数、線量など)を決めるため、治療計画室でX線撮影装置(シュミレーター)による外部照射のシュミレーション後、得られたCT像から線量計算機を使って、治療計画を行なう。
治療計画により作製された照射野を患者上に再現することが必要なため、一般には患者の皮膚の上に照射野輪郭や、照射野中心などを消えにくい特殊なインクや揮発性のペンなどを用いてマークする。また顔、頭など外からよく見える部位へのマークは、患者の精神的負担にもつながるためシェル上にマークする。
照射野の再現性が大切なため、照射マークの保存が必要となる。そのため、治療計画した当日には入浴できないことや入浴時など照射マークを消さないよう注意が必要である。

照射方法

 個々の疾患、症例で照射方法は変化する。照射方法としては、方法を固定して照射する固定照射と、ある軸を中心として回転して照射する運動照射などがある。固定照射には、患側一門照射、対向二門照射、斜入二門照射、他門照射などがある。運動照射には、回転照射、振子照射などがある。

照射線量

 一般に照射は分割してすることが多い。通常分割では、1回2~2.5Gy前後を週5回照射する。総線量は根治を目指す場合には60Gyを6週間前後で行なう。対症的症例ではより短期間(1~2週間前後)に照射を終了させることも多い。
放射線治療が分割して行なわれる理由は、一度に癌細胞を死滅させるのに必要な線量を照射すると、同時に正常細胞も大きくダメージを受けてしまう。しかし分割照射をすることで、正常細胞は照射と次の照射までの間に障害からの回復が行なわれるため、一度に照射するよりもダメージは小さくてすむ。癌細胞も同時に障害からの回復が行なわれているが、その程度は正常細胞よりも小さいため、繰り返し照射することで、正常細胞よりも先に死滅する。よって、正常細胞を残し、癌細胞だけを死滅させるために分割照射が行なわれている。

放射線治療による障害

 放射線治療による副作用は、全身的なものと局所的なものとに分けられる。さらにそれぞれ急性期(照射中を主とし改善する)、晩期(照射終了後6ヵ月以上に出現する)に分けられる。

 急性期の全身的副作用

・放射線宿酔

 放射線による化学反応の過程で、過酸化物質が多量に発生し、肝臓で処理される。肝臓自体が疲弊に伴い、宿酔症状を呈する。さらに血液中に存在する炎症細胞(白血球)よりヒスタミン系物質の遊離によりアレルギー性症状を呈する。放射線宿酔には過酸化物質の蓄積とヒスタミン系物質の両者が関与するといわれている。照射開始早期に生じ、10日前後で消失することが多い。これは、炎症細胞が枯渇するためと考えられている。特に広範囲の照射野や、腹部の照射の際に起こりやすい。放射線に対する不安感が強い人も起こりやすい。

・造血器障害

 照射野に造血盛んな胸髄が含まれる場合、骨髄は最も放射線感受性が高い臓器であり、骨髄抑制が起こりやすい。一般に全身照射のような大照射野を除けば、放射線単独療法では、問題になるほどの障害の発症をみることはない。しかし化学療法と併用した場合、化学療法による造血器障害は避けられない。

 一般に、WBC 1500/立方ミリメートル、Plt 50000/立方ミリメートルまでは注意をしながら治療を続け、さらに減少するようであれば照射を休止し回復を待つ。

 急性期の局所的障害

・皮膚障害

 皮膚組織で基底細胞は細胞分裂、再生能力が旺盛なため放射線に影響されやすい。皮膚には、付属器官として毛、爪、汗腺、および皮脂腺がある。毛胞も細胞分裂、再生能力が旺盛なため放射線の影響を受け脱毛が起きる。皮膚汗腺も、放射線の影響を受けやすいので皮膚が乾燥するため乾燥感を感じる。さらに、微小血管も、放射線の影響を受けやすいため、血管内皮細胞の崩壊と血管透過性の亢進が生じ、浮腫と炎症がおき、発赤や疼痛を生じる。軽い発赤、掻痒感から始まり、照射線量の増加にしたがって、強い発赤、びらんへと移行する。こするなど刺激で症状は悪化する。

 晩期障害

 幹細胞の形成不全による上皮組織や実質組織の萎縮、間質組織の繊維化、ならびに微小血管系の障害があげられている。しかし障害の起こり方には各臓器ごとの特異性があり、耐容線量も臓器により異なる。

病態アセスメント

 放射線療法は癌治療を支える大きな柱の一つであるが、多くの人の放射線治療法の理解は誤解と偏見に満ちたものであることも少なくない。そのため、患者は放射線療法を受けるとき、さまざまな不安、恐怖を持つ。患者が放射線療法や、副作用についても、どう受けとめているかを知り、積極的に放射線療法が受けとめられるようにする必要がある。また、誰でもがさまざまな情報、知識を容易に得ることが可能であり、患者にとっては放射線療法を行なうことは間接的な病名告知につながるものであり、照射の説明にあたり病名がどのように説明されているか把握が必要で、その説明にそい対応を考慮することが必要である。
放射線療法において、放射線の細胞や組織に対する影響は、その細胞や組織の種類、あるいは、その細胞のおかれている状態によって異なり、放射線に対する感受性が違う。放射線の感受性の違いが副作用の発現時期に影響する。また、照射された組織には、その線量に応じ一過性または永久性の変化が全身的あるいは局所的におこり、種々の症状が出現することが予測される。最後まで無事、照射治療をのりきることができるために、照射開始から、照射による副作用を予測、早期に対処し、副作用を最小限に押さえることが大切である。一方、照射終了後も副作用が残存している場合は、引き続き照射野を刺激せず保護し、放射線療法による体力の消耗の早期回復を図ることが大切である。
放射線療法の効果は照射終了後、数週間から数か月を要し、治療の効果を正確に評価するには、少なくとも1年の経過観察が必要である。また、定期検診を受けることで、放射線療法後の晩期障害に対する適切な処置と予防対策が必要である。

(^_-)参考文献

医療学習レポート.放射線療法


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