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(* ̄∇ ̄)ノ関節リウマチと住環境の話


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(・.・;)題名:関節リウマチと住環境の話

RA(慢性関節リウマチ)などの患者にとっては罹患関節への負荷をできるだけ少なくして日常生活を行うことが重要である。それは関節構造を保護し、疾患の悪化、進行の予防としても大切なことであると同時に痛みの軽減につながる。また、動作、作業をできるだけ簡素化するなど、エネルギー節約のための工夫も必要である。すなわち、生活行動をするうえで不必要な前屈、伸展、立位、昇降、歩行などは避けて正しい姿勢でできるだけ椅子坐位でできるようにする、限られた関節、筋肉に負担をかけないようにする、容易に手の届く範囲内で動作ができるようにるなどである。

 

①洋式生活への変換

畳上での和式生活では下肢の関節、特に膝関節には大きな負担がかかる。関節に過度な負担をかける動作を避け、関節をできるだけ長持ちさせるためには和式の生活から洋式の生活の生活様式に切り替えることが基本である。畳み上に布団を敷く代わりにベッドを使用する。畳に座る生活から椅子の生活に変える、暖房としてコタツの代わりに部屋全体を暖められるストーブやヒーターを使用するなどである。しかし、洋式の生活が下肢に負担がかからないからといってただちに部屋、あるいは家屋全体を洋式に改造しなければならないということではない。椅子の生活に馴染めない老人と一緒に暮らしているある例では家族の生活様式を大幅に変えなくても良いように居間には本人用の椅子を置くだけにしている。家族の暖かい思いやりがあれば疎外感を味わわなくてもすむ。また、この人は来客に立ったまま挨拶をしており、それを家族も容認している。客には率直に事情を説明して了解を得ればよい。本人と家族のおおらかさがあってはじめてできることである。

 

②段差への対象

家の中の凹凸をできるだけなくすことが基本である。ただし、最近の家の敷居は低めに作られているので、下肢の機能障害、疼痛が少なければ柱や戸につかまって何とか越えられる場合が多い。凹凸で特に問題となるのは浴室の入り口、玄関の上がりまち、庭先の出入り口などである。庭先へ出る時のためにブロックを利用して階段を作ると楽に出入りができる(図1)。スロープは急なものはかえって歩きにくいので無理なく歩ける傾斜にする。広いスペースがあればコンクリートで作ってもよいが木製の方が取り外すこともできるので便利である。大幅な家屋改造が可能な場合には車いす使用者には段差解消機のような装置の適応が考えられる。また2階への上がり、下がりが必要な場合には階段昇降機が利用できる。

 

③本人の居室(寝室)、病室

一般にはベッドの方が楽である。マットは硬めが望ましい。ベッドの高さは低すぎると立ち上がりが困難であるし、ベッドを整える作業のために負担も大きいので高めが良い。和式布団で生活する場合、布団の収納のために持ち上げる動作は避けたい。押入れの下段にキャスター付きの台を用いて行うと容易になる。移動能力が著しく低下している場合にはベッドの周りに本人が日常使うもの(鏡、本など)を使いやすいように配置におく。冷暖房の調整もベッド上から紐で操作できるようにしたり、リモコンを使うなどの工夫をする。可能ならばトイレも居室に近いところに設ける。

 

④居間

日住生活活動中に適切な休息を取り入れることはRAなどの全身性疾患の患者には大切だといわれている。完全に疲労をする前に休息を取る。その際、精神的にもリラックスできるような雰囲気、環境作りも大切であろう。椅子は軟らかいソファーは下肢関節への負担が大きくなる。肘掛けの付いた背もたれのまっすぐな高めの椅子がよい。腰背部を支持する振り子椅子は腰背部の緊張をやわらげるのでよい。なにか作業をするときにはテーブルも椅子に合わせて高さを合わせられるとよい。テレビ、ステレオなどは前述の通り操作しやすい場所に置き、ボタン式やリモコン操作ができるものを選ぶとよい。

 

⑤台所・食堂

調理台や流しの高さは疾患の程度、状態にもよるが椅子坐位でも仕事ができるものが良い。椅子は高めの長椅子はやキャスター付きの高さが調整可能な椅子がよい。作業台の下には膝が入るためのスペース、もしくは引き出しの台が必要である。上肢機能に応じた手の届く範囲内のレイアウトにする。ガス代、調理台、流し台、冷蔵庫を動作効率の良いように配置する。また、ガスレンジ上面、調理台間は鍋などをスライドさせてかけられるように同じ高さにする。ガスレンジや水栓を操作しやすい位置、高さにする。手指、手関節の変形、拘縮をきたしやすいRA患者では押して回す、つまむような動作はやりにくい。水道栓は操作の楽なシングルレバーを伸縮自在のシャワータイプがより使いやすい。ガス台のスイッチはプッシュ式やワンタッチ式がよい。ガス台のスイッチはプッシュ式やワンタッチ式がよい。調理道具は軽量のもの、そして自助具を必要に応じて用いる。調理道具、食器の収納については使用頻度を考慮した配列が大切であり(いかに取り出しやすく、しまいやすいか)、その高さにも配慮が必要である。できるだけスライド式、回転式、キャスターの付いたワゴンなどを用いると便利になる。また、縦割りにした棚は皿、盆、ポットなどの収納に便利であり、積み重ねて置くことを避けることができる。食器乾燥機は収納を兼ねることもでき便利である。近年、キッチンの高機能化、ビルトインタイプ化が進んでいるが、これからは大いに役立つものである。

 

⑥浴槽の出入り

他の障害と同じであるが、入浴動作は水場のため滑りやすく、また気温や湿度の変化があり、身体的な負担が大きいので細部への配慮が必要である。必要な道具、設備を利用しやすい位置に無理なく使えるように配置する。更衣場所、洗い場には、座って動作を行えるように浴槽の外の腰掛け台(あるいは椅子)、浴槽内の腰掛け台(あるいは椅子)、脱衣所-浴室内の移動や浴槽内の移動時のために壁に簡易手すりを利用させると動作が安全に行える。木製の腰掛け台を浴槽の渡し板(バスボード)手すりを設けた風呂場の例である。家族が入浴するときは台と板は隅に片付けられる。浴室用椅子やバスボードは市販品もある。必要に応じて滑り止めマットや手の機能障害を考慮した、使いやすい水栓具やシャワー(サーモスタット、ミキシングバルブ式水栓、スライド型シャワーヘッド掛けなど)を用いる。浴槽の高さ(埋込み式、半埋込み式、据え置き式)や大きさ(和式、洋式、和洋折衷)は使いやすいタイプ、改造可能なタイプを選択する。浴槽への出入り動作が困難な場合でシャワーのみでは保温の点で不十分だったり、物足りないと感じるような場合には経済的に許されるならば入浴用のリフターの利用が考えられる。現在、入浴用のリフターはいろいろなタイプの機種が販売されている。その人の機能や浴室の構造などを考慮して機種を選定する必要がある。

 

⑦トイレ

洋式便器を用いる方が良いのは言うまでもないが、立ち上がり動作が困難なときや下肢の関節可動域(特に股・膝関節)の制限がある場合には、便座は立ち上がりやすい高さに補高したり、便器をかさ上げする。また、つかまったり、寄りかかるための手すりの設置が望ましい。排泄の後始末が不自由な場合は保温、洗浄、乾燥機能などの清拭機能つき便座を使用するとよい。

 

⑧書斎、仕事場

坐位で作業をするとき、頸・背部に正しいアライメントを保てるように椅子、作業台に注意する。例えば、読書、書字を行うときは机を高くして(頸部の過度の屈曲を避けるため)仕事を行ったり、書見台を使うとよい。

 

⑨玄関、廊下

玄関などの出入り口は段差の少ない方がよい。玄関でも靴の着脱時も椅子(台)があると安全かつ楽である。玄関廊下などの移動には障害の程度に応じて手すりが必要である。手すりは握ったり、手をついて用いるのが困難なこともある。そういう時には前腕をのせて支えられる形、高さのものがよい(フラットバー)。ドアノブの開閉は手指の変形や疼痛が強い場合や変形が強い場合には困難である。両手を使用させて回転させる例もあるがレバー式の回転用自助具を利用すると便利である。ドアの取っ手にはいろいろなデザインのものがあるので取替えが可能ならば手にあったものを選ぶべきである。

 

⑩その他

窓、スイッチ、コンセントなどについても上肢、手機能の障害に応じて使いやすさ、高さ、形状への配慮が必要である。ブラインドの紐を引っ張る際につまみ動作を補うためにスプリント材などで作った輪を輪ゴムなどで紐にとめると便利である。手を蛇口の下に持っていくだけで水が出る自動栓も徐々に普及してきている。洗面台は許されれば取り替えることも考慮しなければならない。RAなどの多関節障害の場合、対象者に女性が多いので掃除、選択などの家事動作も多い。これらを容易にするためにシンプルな内装、家具にするのがよい。重いもはキャスター付きで移動しやすくする、汚れにくいものを使う、物干しを低いところにする、種々の電化製品の利用などでの工夫も必要である。また、日常生活の中にいかに使いやすく、簡単で便利な自助具を利用していくか、生活環境に合わせて適切な自助具の選択が必要である。RAなどの慢性疾患の患者には特有の心理状況をきたしやすいといわれる。基本的生活環境の中で楽しく、心地よい雰囲気を作れるように適当な照明、壁、カーテン、家具、食器類、その他の色彩、および調和などについての配慮も必要である。

 

留意事項

①疼痛の状態をしっかり把握したうえで無理のない範囲(疼痛を増大させたり、誘発をさせたりしない範囲内)でADLが行えるように留意する。(疼痛への配慮は関節保護上最も基本的なものである。また。疼痛に対する理解なしにはいかなる指導も効をそうさない。)

②関節に急激な外力や継続的に過度な負荷が加わらないように注意する。また、変形を助長させるような姿肢位や動きを避けるように指導し、関節の保護に努める。

③不必要な体力の消耗や精神的疲労を防ぐための工夫、諸活動の合理化をはかり、心身のエネルギー保存に努めることが大切である。

④日頃から家族にRAという病期に対する理解を深めてもらい、家庭生活が無理なく長続きできるように協力する習慣をつけてもらうことが肝要である。このことが結局は本人と家族の双方の負担を軽くすることにつながる。

ADL能力の向上のためには病状に合わせた十分な練習の機会と時間が必要である。焦らず、根気強く本人の意見を十分に聞きながら一緒に工夫をすることが基本となる。

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((+_+))参考文献

医療学習レポート.関節リウマチと住環境


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