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( ̄▽ ̄)統合失調症の話


(´;ω;`)題名:統合失調症の話

●特徴

①主として思春期に発病し、中年期以上の発病はきわめて稀である

②明確な原因はいまだ明らかではないが、脳の生化学的変化に原因を求める研究や、脳に構造的な変化があるとする学説が有力

③症状はきわめて複雑であるが、全体的にみると精神内界の不調和に基づく自己と外界との関係の障害が中心であり、妄想や幻覚などの精神症状、あるいは外の世界との接触が消失する自閉などを特徴とする

④このうち、幻覚や妄想が前面に立つか、あるきは意志発動を中心とする行為の以上が目立つか、さらには自閉ないし行為面における低下が中心になるかによって、古くから3病型に分けられていたが、もちろん重複する場合が多い

⑤近年の薬物療法や心理社会的治療法の進歩により、多くの患者が通院しながら地域で社会生活を送ることが可能になってきている

⑥その一方、今なお根本的な治癒は困難で、なんらかの人格変化をきたし、社会生活上の困難を有していたり、入治療を余儀なくされる場合も少なくない

⑦成因は諸説あるが、ドーパミン仮説、ストレス・脆弱性モデル、家族病因論、感情表出などさまざまである

 

●病型

妄想型

・初発年齢がやや高く、30~35歳

・幻覚妄想が主症状。妄想の内容は、実際の出来事を取り入れて体系化されていく

・病前性格は思考に柔軟性を欠く人が多い

・意欲低下、感情鈍麻、自閉などの陰性症状は比較的軽度にとどまるため、妄想を抱えながらも、ある程度の社会生活の維持が可能であるケースも多い

 

破瓜方

・緩徐発症

・陰性症

・慢性の経過をたどり、予後は不良

・人格崩壊、自閉、無為な生活になる

・思考障害も進行

・統合失調症の中核群

・発病初期には不登校の問題として受診する事もある

 

緊張型

・20~25歳の発病が多い。

・急激発症

・カタレプシーが特徴

・他の病型に比べて予後は良好(再発傾向あり、周期的に繰り返す)

・興奮と昏迷という精神運動症状を主軸とする

・緊張病性興奮時には、多動、衝動的に器物破損や自傷行為。強い不安、思考減裂、妄想、幻覚を伴う

・緊張病性昏迷時には、無言、拒絶的である

 

単純型

・陰性症状がゆっくりと進行する

・意欲低下、自閉などの陰性症状が中心

・陽性症状は破瓜型よりも少ない

・無気力、無感動など人格が貧困化

・人格の障害は破瓜型より軽度

・以上な言動が少ないため、家族が病気を気づかないこともある

 

●統合失調症の病型分類

病型 破瓜形 妄想型 緊張型
発病年齢 15~25歳 30歳代(ときに40歳代) 20歳前後が多い
発症状況 ・早くから生活行動の障害が目立つ・特別な理由がなく不登校や欠勤をしたり、学業や仕事の成績が低下したりすることで異常に気づかれることが多い ・幻覚妄想状態で急激に発症する ・急激に精神運動性興奮、指示や意図に対する動機のない抵抗、緊張病性姿勢保持などを示す・周囲への反応の著しい低下、自発運動や活動の減退を伴う昏迷を呈する
陽性症状 ・思考の障害が中心・幻覚・妄想はあるが、あまり目立たない ・幻覚・妄想が主体・妄想は体系化されることが多い ・昏迷状態の最中には幻覚・妄想は認められないが、その前後には妄想などがみられる場合がある
陰性症状 ・意欲、感情の障害が多い・周囲に無関心で、働きかけに対する応答は真剣さに欠ける印象を受ける・表情は乏しい ・感情、意欲の障害はほとんどない ・陽性症状同様、緊張病症状の前後に破瓜型でみられるような陰性症状を示す例もある
経過 ・陰性症状(特に感情の平板化と意欲の低下)が急速に進行する ・抗精神病薬が比較的よく効くため治療はすすめやすい・人格は保たれていることが多い ・症状は比較的短時間のうちに消失するが周期的経過をとることが多い
予後 ・不良・再発・再燃を繰り返し、欠陥状態に陥るケースが多い ・妄想が押さえられる程度に差があるため長期予後はさまざま・高年齢で発症するほど治療成績がよく特に中年女性の場合が予後は良好 ・若年発症の場合は残遺症状を示すケースもあるが一般的には再発を繰り返しても予後は不良
その他 ・DSM‐Ⅳにおいて「解体型」に分類される ・もっとも多い病型と考えられている ・わが国では比較的まれ

 

●陽性症状

クロウの分類による陽性症状とは、異常な運動や感覚・感情などの出現。急性期にみられる。

陽性症状は薬物の反応性が良好である。

陽性症状には以下のものがある。

①自我障害

②思考の障害(被害妄想・誇大妄想)

③思路障害

④知覚の障害

⑤行動の障害

 

①自我障害

自我障害

思考奪取 頭の中が空っぽになった様に感じる
思考吹入 外部から考えを押し付けられたり、自分の考えではない感じ
思考伝播 考えが周囲の人に伝わり、ばれてしまう
離人症状 自分が自分でない感じ
作為体験 させられ体験

 

②思考の障害

思考の障害(被害妄想・誇大妄想)
(A)被害妄想:他人が何らかの被害を加える。以下の種類がある。
①迫害妄想・・・迫害されたり、財産や生命を脅かされる②関係妄想・・・隣の人が咳ばらいをしたのは、私への嫌がらせ③注察妄想・・・みんながじろじろみる

④憑依妄想・・・キツネがのりうつった

(B)誇大妄想:自分を過大に評価
①血統妄想・・・高貴な家の出である②宗教妄想・・・自分は神だ③恋愛妄想・・・私は~さんと恋愛関係にある

 

妄想の仕方による分類(一次妄想・二次妄想
(A)一次妄想:妄想の発生が心理的に了解できないもの①妄想気分・・・何か異様なことが起こりつつあるという確信②妄想知覚・・・知覚に合理的に了解できない意味付けをする

③現実にそぐわない考えが浮かび、そのまま直感的に確信

 

(B)二次妄想:幻覚などを説明するための妄想

 

③思路障害

思路障害

思考滅裂 思考過程の論理的関連が失われ、全体としてまとまりのない状態を支離滅裂というが、これが意識清明時に現れる場合を思考滅裂という
連合弛緩 ある表象が別の表象を意識に呼び起こしたり、この過程を助けることによって要素的な精内容が統合することを連合という。このような意識内容の意味ある統合が障害されて弛緩した状態を連合弛緩という
言葉のサラダ 思考減裂の高度になったもので、言語形式がまったく崩壊し、単なる単文、単語の羅列に過ぎず、意味のまったく理解できないものをいう
言語新作 造語症ともいう。本人だけしか通用しない言葉をつくりだすこと
思考途絶 思考の進行が中途で突然停止してしまう思考の流れの障害をいう。主観的には「考えが突然消える」「頭の中が真っ白になった」などと体験される
常同思考 思考の持続的、機械的な繰り返しをいう
錯乱 対象の認知、周囲に対する注意、物事についての思考や了解、刺激に対する適せつな反応性などの全般的な精神活動が障害された状態

 

④知覚の障害

知覚の障害

会話性幻聴 頭の中で幻聴と会話する
思想化声思考化声 自分の考えが他人の声になって聴こえる
体感幻覚 異常体験

 

⑤行動の障害

行動の障害

緊張病型興奮 意志の発動が極端に亢進。周囲の状況と無関係に、了解不能な興奮を呈する。無意味な行動をとる
カタレプシー ある姿勢をとらせると自らは元に戻そうとせず、いつまでもその姿勢を保ち続ける
反響言語反響動作 相手の言葉や動作をオウム返しする
常同症 型にはまった同じ行動を長時間反復して繰り返す
衒奇症 わざとらしい芝居じみた挨拶や身振り

 

●陰性症状

クロウの分類による陰性症状とは、正常な精神の機能(運動・感情・感覚)の減少・欠如。

陰性症状には以下のようなものがある。

感情の障害

感情鈍麻 刺激に対して感情が湧かないこと。初期は鈍感で無神経な態度で現れ、進行すると感情が平板化し周囲に無関心となる
気分倒錯 その人がそのときどきにもつ快・不快の総合的な心の状態の入れ違い
多幸 内容のない自己満足しきった表情を伴う空虚な爽快気分をさしていう
両価性 アンビバレンスともいう。同一対象に対して、愛と憎しみ、行動しようとする意志と行動しまいとする意志のように相反する感情や意志が同時に起こることをいう
感情の不調和 感情が調和しないこと
感情の平板化 周囲に無関心となる状態
自閉性 現実の世界からはなれて自分の世界の中に生きること

 

行動の障害

意欲の減退 欲求や意志が減少した状態
自閉 現実の世界からはなれて自分の世界の中に生きること
緊張病性昏迷 意志の発動性が極端に低下。意識は清明であるにも関わらず、一切の行動が停止

 

●ブロイラーの基本症状

ドイツの精神科医が統合失調症の本態と関連するものとして以下の4つを挙げた。

連合弛緩 ある表象が別の表象を意識に呼び起こしたり、この過程を助けることによって要素的な精内容が統合することを連合という。このような意識内容の意味ある統合が障害されて弛緩した状態を連合弛緩という
両価性 アンビバレンスともいう。同一対象に対して、愛と憎しみ、行動しようとする意志と行動しまいとする意志のように相反する感情や意志が同時に起こることをいう
感情表出の障害 個人の感情、常同、あるいは気分の外的な表出
自閉 現実の世界からはなれて自分の世界の中に生きること

 

●シュナイダーの1級症状

ドイツの精神科医シュナイダーが統合失調症の診断上重視すべきものとして以下のものを挙げた。

考想化声 自分自身の考えが声となって聞こえてくる言語幻聴の一種
対話性幻聴 対話(議論)の形をとる声が聞こえる
批判内容の幻聴 自己を批判する内容の声が聞こえる
作為体験 させらせ現象。健康人では自己の知覚、思考、意志および行為は自己がしているという意識があるが、これが消失して自分以外の外部のものによって押し付けられる、支配されると感じる病的な体験
思考伝播 考想伝播ともいう。自己が考えた瞬間にその考えが同時に他者に伝わり、知られてしまうという病的確信
思考奪取 考想奪取ともいう。自己の思考が突然に消失して考えが他人に抜き取られてしまうという体験のこと
妄想知覚 実際の知覚に異常な意味づけがなされ、なぜそのような意味づけがなされたのかを合理的にも感情的にも了解できない妄想形式をいう。例えば犬が足を上げるのをみて天の啓示に違いないと確信するような場合である

 

●急性期・慢性期

急性期 幻覚、妄想など1級症状がみられる
慢性期 感情鈍麻(急性症状後に多くみられる)、誇大妄想、血統妄想、つきもの妄想など

 

●薬物

統合失調症の代表的な薬物には以下のものがある。

ハロペリドール 抗幻覚作用、精神運動興奮の鎮静
クロロプロマジン 鎮静作用、興奮を鎮める、気分を穏やかにする
リスペリド 陰性症状に効果がある

 

●副作用

薬物による副作用には、眠気、ふらつき、便秘、口渇、起立性低血圧、光線過敏症などがあるが、他には以下のようなものがある。

悪性症候群 高熱、筋肉硬直、意識障害
錐体外路症状 運動系神経線維の錐体外路とよばれる部分の異常から発生
パーキンソニズム 無動、姿勢反射障害、固縮、振戦を主症状とする病態の総称
アタシジア 下肢がムズムズする
ジストニア 四肢、体幹の主として近位部をゆっくり捻り、あるいは捻った姿勢を一定時間保つ状態
ジスキネジア 顔面、舌、頸部、四肢などに出現し静止していることができず、絶えず顔をしかめたり、指をくねらせたりする比較的速く滑らかな運動

 

●抗精神薬の3つのタイプ

分類 薬剤名 効果 作用機序 副作用
定型抗精神病薬 クロルプロマジン、ハロペリドールが代表的 ・      幻覚・妄想などのいわゆる陽性症状に効果・      無関心や意欲、集中力の低下などの陰性症状には効果が弱い 神経細胞の末端から放出されたドーパミンを受容体が受け取るのを阻害 ・      強い・      眠気やだるさ、錐体外路症状、口渇や便秘、飲水量増加など
非定型抗精神病薬 リスペリドン、クエチアピン、オランザピン ・      陽性症状と、陰性症状の両方・      認知機能障害の改善の有効性が高い ドーパミンだけでなくセロトニンの受容体などの動きも阻害する ・      高血糖とそれによる昏睡に注意が必要・      過度な鎮静などの自覚的不快感はない
持効性抗精神病薬 アナテンゾールデポ、フルフェナジンなど 1回の注射で2~4週間以上効果が続く 定型抗精神病薬の効果が持続するように改良された注射薬

 

●作業療法のプロセス

OTの一般的なプロセスは・・・、

①対象者の受け入れ

②初期評価と方針の決定(インフォームドコンセント含む)

③作業療法実施と効果検討

④必要に応じて再評価と方針の修正

⑤終了・中止・中断の判断

⑥アフターフォロー

 

●面接

面接は患者とのラポール形成の確立や、作業療法の説明・導入が良好にできるかどうか、さらにはその後の作業療法の経過に大きくかかわってくる。特に導入時のインテーク面接は注意が必要である。

面接の実施は、一度で必要な事を聞こうとせず何回かに分けて聞く心積もりやゆとりが必要である。

 

●治療の上で欲しい情報

・入院生活の感想

・入院する前の生活状況

・現在困っている事

・家族に対する気持ち

・趣味・特技などの好み、あるいは反対に不得意なものについて

・今、一番してみたい事、将来の希望

 

●留意点

事前の注意点

・目的を明確にする

・ 基本的な情報は収集しておく

・ 場所、時間、目的を伝える

・ 対象者から同意を得る

 

初回面接における注意点

・自己紹介を行う

・作業療法のオリエンテーションを行う

・病状など関係ができるまで聞かない

・次回の取り決めをしておく

 

面接中の注意点

・話された内容に対して秘密が守られることを伝える

・対象者の気持ちを受容する(傾聴する)支持的な対応

・対象者の話を理解することを目的をする

・安易案保障、約束をしない

・セラピストの感想や意見は控える

・質問は対象者の意見の確認、明確化、整理を目的に行う

・病的体験に関する内容はある程度聞いても自分からは聞かないようにする

・病的体験については、否定も肯定もせず、苦しさへの共感を示す

 

●作業療法導入時の面接の目的

導入時の面接では、作業療法士が患者を評価するのと同時に、患者も作業療法士を評価している。

「この人はわたしのことを的確にわかってくれそうな人だと患者が感じたとき、作業療法士は患者との真の信頼関係を築きはじめる。

・患者と作業療法士のラポールを確立する

・患者の作業療法を受ける意思を確認する

・患者に作業療法の説明を行い、作業療法に導入する

・治療に必要な情報の収集と確認を行う

 

●導入時面接で聴取する内容と順序

初対面の作業療法士から主訴や現病歴をいきなり尋ねられることに抵抗を示す患者もいる。その場合は、(導入時面接後)信頼関係を形成していく過程のなかで、それらを聞くようにする場合がある。

作業療法に関する確認 「精神科作業療法処方箋」を提示して、以下のような順序で話しかけをする
2.家族歴 家族と本人との関係がどういう状態なのか、家族の経済的背景や社会的地位などを知る
3.生活癧 患者の生活史のテーマをつかむことは、患者のパーソナリティや対人的反応パターンを理解することにつながる
4.既往歴 他職種のカルテ・記録などから確認できるため、簡単に病気や大きな怪我、入院癧や手術の経験があるか、それがいつごろのことなのかなどを聞く(自殺企図を有無を伺い知る)
5.現病歴 患者が自分の病気をどのように認識しどのくらい客観視できているかを聞く
6.受診理由・主訴 主訴は丁寧に聞くほどよい。できれば受診の経緯をきく
7.その他の情報 薬物療法への認識・気質・性格・趣味・嗜好
8.現在の生活 現在の生活の話しに戻し、最近(ここ2,3日)の生活にしぼって、どのような1日を送ることができているのかを把握する
9.将来の生活について 作業療法利用後の生活について尋ねる。1日の過ごし方、就労先、家庭生活、経済的背景などを具体的に話してもらう(「夢物語であってもよい)。長期目標設定のさいに参考にする
10.作業療法プログラムの説明 各プログラムの活動時間・曜日・場所・内用について説明する。集団活動の場合、参加者の層(年齢・状態象・性別)について補足することもある
11.プログラムの設定 患者のデマンドを聞く。COPMも利用できることがある
12.患者への確認 今後の作業療法スケジュール。作業療法の目標。次回の作業療法の日時・場所などを説明し、確認する
13.終わりの挨拶 「今日はいろいろとお話しいただいてありがとうございました。何かわからないことがあったら、いつでも聞いてください」

 

●面接後

他職種にも正確な状況が伝えられるように、会話内容や面接中の行動などの客観的情報を中心に記録する。また患者に対して感じたことや印象など、主観的なことも記録する。特に精神症状には、行動や減動だけではとらえることのできない主観的なものが多いが、できるだけわかるように記述する。

 

●観察

最も基本的で重要な評価。対象者を客観的に捉えることができる。観察もセラピストの技術によって得られる情報に大きく差が生まれるため、トレーニングを行っておく必要がある。特に慣れないうちはセラピストの主観性の影響を受けてしまう。

観察には以下の表の種類がある。

自然観察 対象者の生活全般の行為を観察するもので、日常的に行っている活動の観察に向いている
実験観察 観察者が特定の評価項目に対して設定した作業活動を、対象者の了解を得て行ってもらい観察するもの
直接観察 観察者の感覚を媒介に行うもの
間接観察 間接観察とは視聴覚機材などによる記録を媒体として行う
関与観察 対象者との関わりを持ちながら行う観察
非関与観察 交流を持たずに行う観察

 

●バイアスについて

適正な観察をするにはバイアスを抑えることが必要である。

観察者がおかしやすいバイアスを以下に示す。

簡略化 記録をつけるとき観察者が予期するものの方向へ、また見慣れたものの方向へ偏りやすい。観察する事象が長いプロセスの場合は、特に中間部分のデータが抜けやすい傾向がある。
光背効果 対象者についての一般的・全体的印象の方向に観察が偏ることをいう。例えば、性咳の優れた子供の行動観察では、どの項目も高く評価されやすくなる。
論理的な誤り 観察者が個人的な経験に基づいて相互に論理的県警があると思っている観察項目には、類似した観察結果が生じやすい。例えば「CVAによる左hemiは左側無視のため着衣ができない」などと、勝手に思い込むことがある。
寛大効果 よく熟知しているもの、接触の多いものには、有利で過大な観察結果を試みる傾向がある
対比効果 観察者自身がある行動特性を顕著にもつ場合は、当該する行動に対して、他者を常に劣ると評価しやすい。例えば、多弁で活動的な観察者が、ごく一般的な会話反応を示す対象者をきわめて低い対話能力と評価すること。
中心化傾向 観察項目が十分に理解されていないと、評価が平均の方向に流れやすくなる。
同化 記録は典型的な方向へ、また規則的な方向へ偏る傾向がある。典型的な事象が観察者の記憶の中で最も顕著であるような場合、予期した方向へ同化が現れやすい。
観察基準の誤り 観察者の性格や価値観の違いによって、観察基準の設定に差異が生じてくる。そのため、観察結果に観察者の歪みが現れることになる。
判断解釈の誤り 観察した事実のなかに、そこから推論したものを無意識に混入してしまう誤りである。限られた観察結果であるにもかかわらず一般化したり、概括化してしまうことになる。

 

●急性期

急性期は、幻覚・妄想などの陽性症状が強く、精神機能も安定していない時期である。この時期は患者自身の生命や安全を脅かすと同時に周囲も混乱をまねくので注意を要する。

混乱しやすい状態であるために、無理を強いることはしない、させない。Schwing的赤筋が後の治療関係を結ぶ意味でも有効である。安心できる居場所を提供し、対象者のペースを守りながら、受容的に関わり、現実へと移行していく。

この時期に選択する作業は、作業療法への導入時期でもあるため、誇示作業療法で対象者の興味・関心があるもので、単純・構成的で繰り返しのリズムがあるのもが望ましい。

 

リハビリ目的 作業療法の役割
急性期 ・病的状態からの早期離脱・二次的障害の防止 安全・安心の保障症状の軽減無意識的欲求の充足

衝動の発散

休息基本的生活リズムの回復

現実への移行の準備

鎮静と賦活

 

●作業療法

・個別

・オープン

・(パラレル)

 

●作業療法に必要な要素

①刺激の調整を蜜に行えること

②非言語的コミュニケーションを基本的にできるもの

③単純な作業

④高い巧緻性を必要としないこと

⑤中断しても再開しやすいもの

⑥作業活動に“閉じこもれる”こと

⑦枠の設定を蜜に行えること

 

●作業療法の強み

作業を媒介と関わりを保てるので非侵襲的である。

テニスを例にとるなら、「テニスを介して対象者と関わること」になる。これにより人と人がと直接的に関わるのではなく、テニスを介することによりワンクッション間に挟むことになり、直接的な対人刺激が避けられ病的反応出現を抑制することができる。

 

●急性期の特徴的な臨床像

睡眠 ①入眠困難、中途覚醒、不眠、昼夜逆転、浅眠など ①眠りたいという欲求そのものがなくなる。臥床したとしても、妄想などの病的世界に浸り、ぐっすり眠ることができず、過渡の覚醒状態が続く
②睡眠時間の延長 ②まとまって睡眠をとれるようになるが、今度は「早寝・遅起き」になる。なにもせず1日を臥床して過ごすなど、生活リズムはいぜんとして乱れがちである
ADL 摂食の障害 ①「食べるなと言われる」「毒が入っている」などの幻覚・妄想から拒食する。落ち着いて食べられない。昏迷などのために食事をとれないなど②身体感覚が回復し、空腹を感じ、食事をおいしく感じられるようになり、食欲は亢進す

清潔保持の障害 ①幻覚・妄想などに左右され、うまく清潔を保てない入浴や洗面、更衣を自分で適切に行えなかったり、看護師に促されても行うことを拒否したりする

②疲労感や眠気、薬物の副作用の倦怠感のため、身辺処理行動はおっくうな状態にある。そのため自分では適切に行えないことが多い

自己管理能力 衝動行為(他者への暴力、器物破損など) ①精神症状により欲求や意志が混乱する。そのため自分自身の行動を統制することが困難になり、興奮状態に陥るなどして他者とのトラブル、社会的に問題となる行動が生じることもある②上記のような興奮状態は治まってくる。しかし易刺激性があり、外界の刺激によって幻覚・妄想が誘因されることにより、衝動的な行動をとることもあり得る
自己の身体的危機への対処困難 ①自分の身体的、精神的苦痛を適切に表現することができないため、必要な治療・処置を受けられないまま経過してしまうことがある②病識に欠けるが、病感はもつようになる人もいる
現実との関わり 現実検討の障害 ①自分は病気だと思っていないため治療を拒否する。自分の置かれている状況が理解できておらず、医療スタッフをはじめとする他者に対し、「自分を脅かす人」「おとしめようとする人」などという不安や恐怖を抱く②入院の必要性までは認識できていない場合が多いが、「ここは病院だ」などということはわかる。依然として幻覚・妄想が強い場合は、周囲の他者に対し、正確な認識をできない人もいる
他者との交流 ①他者から話しかけられても病的世界に浸っていて応答しない、あるいは妄想などに左右され適切なコミュニケーションがとれない、応答までに時間がかかる、など言語的交流は困難である②言語的交流は多少回復してくるが、依然として困難な状態であることが多い。退行がみられることもある
身体的側面 薬物の副作用 ①急激に大量の薬物を投与されることがあり、急激で重篤な副作用が出現しやすい②薬物の副作用の一過性増強がみられることがある
その他 十分な睡眠。栄養をとれないことによる、身体的衰弱栄養状態は回復してくるが、逆に体重過多の傾向になる自律神経症状、易疲労性、

 

●回復期(前期・後期)

作業療法士とある程度関係ができ、現実的な活動に関心が向くようになった時期から退院や社会生活に向けて現実検討や生活適応技能の指導・訓練を行う時期をいう。

回復前期は急性期から抜け出した後の疲れや乱れ、低下した心身の基本的な機能、生活のリズムなどを回復することが必要な時期にあたる。症状は徐々に安定化しつつあり、さらに活動性も高まりつつある。しかし、易刺激により症状が再燃しやすい時期でもあり注意を要する。支持的に関わりながら受容体験を通し、ラポール形成へとつなげていく。この関係を基盤とし作業療法を実施していく。この時期は、個人作業療法、パラレルな場を利用した個人作業療法から集団作業療法へ移行する時期でもある。選択する作業は対象者の適応水準を考慮しながら、また対象者が多少努力しながら行えるような作業が望ましい。

回復後期は社会性生活に向けて現実検討や生活適応技能の指導、訓練を行う時期にあたる。統合失調症は認知的な障害を伴うため、具体的な作業活動による作業遂行能力の評価、共同作業を通した他者からの是認、注意、激励を通して自己概念を明確にする、といった実際に経験したことを通して当人が気づいていくという過程が有用である。

症状の安定化が進み、退院や社会生活に向けて具体的な準備を行っていく。この時期になると、支持的に関わっていた作業療法士も対象者が自力で考えたり、行動したりできるように関わっていく必要がある。

また、対象者の生活に焦点を当て、生きていくために必要な知識や技術の習得・改善を行っていく。主に集団作業療法やSSTで具体的な問題に対処していきながら、家族へのアプローチ、退院後の環境整備も重要となる。

リハビリ目的 作業療法の役割
回復期前期 現実への移行の援助心身の基本的機能の回復 身体感覚の回復基本的生活リズムの回復楽しむ体験

基礎体力の回復

身辺処理能力の回復

自己のペースの理解

自己コントロール能力改善

退院指導・援助

回復期後期 自律と適応の援助 生活管理技能の改善・習得対人交流技能の改善・習得役割遂行能力の改善・習得

自己能力や限界の確認

達成感の獲得

自信の回復

社会性の獲得

職業準備訓練

家族調整・環境整備

社会資源利用の援助

障害との折り合い・受容

 

●作業療法

・パラレル

・集団

 

●維持期(社会内・施設内)

長期入院によるホスピタリズムや陰性症状、現実的への関わりの低下などにより慢性に経過した対象者の生活は、作業療法士の関わりがなければその生活はさらに歪んだまま狭小化していく。性急な変化は見られないが、QOLの視点から作業療法の非言語的特性を充分に生かし、安心・安全を保障しながら、現実的な関わりを維持していく事が必要である。

 

リハビリ目的 作業療法の役割
社会内維持期 生活の質の維持・向上社会生活・社会参加の援助 社会生活リズムの習得社会生活技能の習得病気とのつきあい方

仲間づくり

地域社会との交流

生活の自己管理

余暇の利用

環境調整

相互支援ネットワークづくり

就労援助

適切な危険介入

施設内維持期 生活の質の維持・向上施設内生活の援助 生活の自己管理病気とのつきあい方仲間づくり

役割・働く体験

楽しむ体験

趣味を広げる

基礎体力の維持

他者との生活上の交流

環境整備

 

●作業療法

・個別

・集団

・訪問作業療法

 

●長期入院患者に多くみられる状態像

精神症状 ・ほぼ安定・陽性症状は治まっているが、あってもあまり目立たない・因性症状が主体
日常生活行動 生活リズム ・だいたい安定してくるが、日中でも臥床しがちだったり、夜寝つけない、中途覚醒があるなど、規則正しい生活とはいえないことが多い
セルフケア ・介助なしで行えることが多くなってくる。しかし自ら適切なタイミングや頻度で行えるかどうかには、問題を残していることが多い・促されればできるが、促しがないと洗面や整容、更衣、洗濯を行わなかったり、行ったとしても不十分だったりする
現実とのかかわり 見当識・現実検討 ・時間・空間の見当識は回復し、目の前にある事態に関しては、だいたい正しく認識できる。ただし未来についての検討は不十分であることが多い・「自分は精神病なんです」などと言う患者もいるが、しっかりした病識がある人は多くない・治療に対する拒否もほとんどない場合が多いが、副作用を理由に服薬を渋る人もいる
他者との交流 ・言語的コミュニケーションはほぼ可能となってくるが、自分から他者と積極的に交流しようとする姿はあまりみられない人もいる・職員に対してはセルフケアなどに関してやや依存的な態度(やってもらうという受け身の態度)で接することがある
身体的側面 薬物の利用 ・遅発性ジスキネジア、パーキンソン症状など、薬物の副作用が続いていることがある
その他 ・疲労、空腹を感じるなど、身体感覚は回復してくる・長期の入院による運動不足の結果、体力の低下や肥満がみられる傾向がある

(ーー;)参考文献

医療学習レポート.統合失調症


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