スポンサード・リンク

( ̄▽ ̄)虚血性心疾患の話


o(^▽^)o題名:虚血性心疾患の話

虚血性心疾患ischemic heart disease は冠状動脈のアテローム動脈硬化を素因にもつ疾患群であり、心筋が代謝に必要なだけの血液を受け取ることができずに酸素不足に陥り心機能が障害される疾患のことである。

心筋虚血をきたす疾患には冠塞栓、貧血、大動脈弁疾患等、動脈硬化に由来しないものもある。

欧米では冠動脈疾患coronary artery disease ともよばれている。

冠動脈疾患とは冠動脈に病変がある場合を意味しており、冠動脈に病変があっても必ずしも心筋の虚血をきたすとは限らないので、厳密な意味では冠動脈疾患は虚血性心疾患と区別されねばならない。

虚血性心疾患は欧米においては死因の第1位を占め、わが国においても第二次世界大戦後の経済の発展、それに伴う食生活の欧米化、車を中心とする交通機関の発達などのための運動不足、それに伴う肥満や糖尿病、社会の複雑化によるストレスの増大、などにより、増加の傾向をたどり、現在は癌に次いで死因の第2位を占めるに至っている。

更に、急速に進む人口の高齢化により、その出現頻度は衰えることはないと思われる。

代表的疾患は狭心症angina pectoris、心筋梗塞myocardial infarction、心臓突然死cardiac sudden death(sudden cardiac death)である。

 

●発生機序

虚血性心疾患は、心筋の虚血、つまり酸素欠乏によって発生する。

心筋の酸素欠乏は心筋の酸素需要に対して供給が追いつかないために生ずる。

したがって、心筋の酸素欠乏は心筋の酸素需要が増加するか、供給が減少するか、あるいはこの両方の機序の組み合わせによって生ずる。

原因としては冠血流の減少、心筋の酸素需要の増加があげられる。

冠血流の減少には太い冠動脈の器質的狭窄、太い冠動脈の収縮および攣縮、冠動脈の血栓による閉鎖、冠抵抗血管の狭窄がある。

 

●冠血流の減少

太い冠動脈の器質的狭窄

冠血流量の減少をもたらす原因のほとんどは心筋表面を走行する太い冠動脈の動脈硬化による器質的狭窄である。

太い冠動脈はアテローム性動脈硬化の好発部位であり、その内径が50%以上に狭窄されると冠血流量の予備能が低下し、80%以上に狭窄されると安静時においても冠血流量が減少する。

冠動脈硬化の発生には内皮の傷害が必須であると考えられ内皮の傷害に加えてマクロファージや血小板などの血液成分や平滑筋細胞の侵入とその増殖などが複雑に関係して動脈硬化巣が発生する。

動脈硬化のほかには、塞栓、冠動脈炎、川崎病、梅毒性冠動脈狭窄、大動脈弁閉鎖不全症やショックによる拡張期圧の低下、頻脈などによる拡張期の短縮が冠血流を減少させる。

太い冠動脈の収縮及び攣縮

心筋表面を走行する太い冠動脈は病的になると単なる導管ではなくなり、種々の機械的、神経、体液ならびに代謝因子に反応して収縮する。

動脈硬化などにより内皮が傷害されると、血管拡張因子の生成・放出が傷害され、血管収縮物質が内皮で増加して、種々の刺激に対して血管は収縮しやすくなる、太い冠動脈が異常に収縮して心筋の虚血をきたす状態が冠動脈攣縮であり、冠動脈攣縮は安静時に出現しやすく冠動脈を狭窄または閉鎖して冠血流量を急激に減少させて心筋の虚血をきたす。

冠動脈攣縮は器質的狭窄のない冠動脈にむしろ多く出現し、狭心症、心筋梗塞、不整脈、突然死の原因となる。

冠動脈の血栓による閉鎖

粥状硬化に伴う内皮の傷害部位や粥種の破裂部位には血小板の凝集やトロンビンの活性化がおこり、血液の凝固能が亢進して血栓が形成されやすくなる。

冠攣縮も内皮の傷害を引き起こして血栓を形成する。

血栓が冠動脈を完全に閉鎖すると急性心筋梗塞や突然死にいたる血栓が不完全閉塞をきたしたり、一過性である場合は冠血栓性狭心症の原因となり、急性心筋梗塞や突然死に移行しやすい。

冠抵抗血管の狭窄

抵抗血管の器質的狭窄あるいは攣縮によって冠血流量の予備能が減少し心筋の虚血も発生しうる。

心筋の酸素需要の増加

心筋の酸素需要の増加の原因としては身体的労作、精神的興奮、過食、頻脈、血圧上昇、心筋肥大、甲状腺機能亢進症などがあり、これらの要因は労作狭心症の引き金となる。

臨床的にはこれらの因子が単独で心筋虚血をもたらすことは少なく、ほとんどが冠動脈硬化の基盤の上にいくつかの因子が重なって発生する。

狭心症

一定の酸素消費量下での心筋の血流量の減少(不十分な供給)、一定の心筋の血流量下での酸素消費量の増加(過度の需要)が一過性に起こることにより起きる。

狭心症の患者において基礎となる病理学的状態は、冠動脈の粥状硬化病変により、冠動脈腔が狭窄あるいは閉鎖し、冠血流量の減少が起こる。

冠動脈が正常であれば、運動時に起こるような酸素消費量の増加は冠血管拡張をもたらし冠血流量が増加する。

しかし、冠動脈に粥状硬化病変があれば冠血流量の増加は起こりえず、心筋の酸素需要の増加は心筋の血流量の増加では満たされず心筋の虚血は進行する。

また、軽度、中度の粥状硬化症の場合、交感神経による冠動脈攣縮を起こしやすく、冠動脈攣縮はほぼ完全な冠動脈の閉鎖をもたらし、結果として心筋虚血を起こす。

心筋梗塞

一般に広範な冠動脈の粥状硬化病変の上に血栓が付着することにより冠動脈硬化が起きる。

時には冠動脈平滑筋攣縮により完全閉鎖をきたし心筋梗塞を引き起こす場合もある。

虚血により心筋細胞機能は障害され、細胞内への酸素や栄養素の取り込みが障害され、細胞構築の維持、心筋の収縮能に障害をもたらす。

虚血が進行中のときは、嫌気性ATP合成だけでは本来の細胞機能の維持には不十分であり、細胞の代謝も停止し、その後細胞は壊死に至る。

病態

自覚症状

心筋虚血によって生じる自覚症状は胸心痛と呼ばれ、胸心痛は普通絞扼感、圧迫感、灼熱感として訴えられる。

自覚症状の出現部位としては全胸部が最も多く、歯、喉、肩、腕、背中、などに出現しその範囲は漠然としている。

発作の持続は狭心症では数分以内、心筋梗塞では数時間におよび、その程度も強い。

しかし、心筋虚血の場合自覚症状を伴わないことが多い。

心機能不全

心筋虚血の症状で真っ先に現れるのは虚血に陥った心筋部位の収縮能および拡張能の障害による壁運動の異常であり、このため左室拡張終期圧は上昇し、高度の場合には肺うっ血をきたして呼吸困難などの自覚症状を伴う。

虚血の範囲が広範な場合には左室駆出率さらには心拍出量の低下をきたす。

心筋代謝異常

心筋は主に遊離脂肪酸を酸化することによりATPを産生する好気性代謝を行っているが、虚血により酸素が不足するとグリコーゲンを利用する嫌気性代謝を用いざるをえなくなり、ATPの生成は不足し、乳酸、H+、K+、などの代謝物が蓄積し、またアデノシンなどの産生が増加する。

狭心症は病態により3つに分類される。

① 労作性狭心症

最も多いタイプであり、運動、精神興奮、排尿、排便などが誘因となる。

② 異型狭心症

安静時ほぼ一定した時間帯に発作が起こり、発作時の心電図でST上昇を伴う。普通の労作性狭心症よりも胸痛の持続が長く、程度も強い。

③ 不安定狭心症

労作時だけにおこっていた発作が安静時にもおこるようになったものである。不整脈がおこりやすく心筋梗塞に移行する危険性が大きいので、慎重に経過を観察する必要がある。

 

●治療

治療は食事療法・薬物療法・理学療法・運動療法で1つとし、各項目でまとめた。

まず予防的にできるだけ動脈硬化の危険因子を減少させることが必要で、食事療法・運動療法を基に、各種の薬物療法・手術療法を行う。

食事療法

食事療法としては肥満度、運動量、高脂血症、高血圧、糖尿病、高尿酸血症の有無などを参考に必要カロリー、食料塩、その他を決定する。

ただし食事であれ、運動であれ、あまり神経質になるとかえって有害なこともあり、適度な制限を行う中で食事や運動の喜びを味わいつつ、リラックスして考えることが必要である。

薬物療法

虚血性心疾患の薬物療法として代表的疾患である狭心症と心筋梗塞について説明する。

 

狭心症:

狭心症の薬物は、①狭心痛の発作を治す薬、②狭心症発作を予防する薬、③狭心症の原因を治す薬のいずれかを指すのかさえ明瞭ではない。

狭心症の発作時にはニトログリセリン、あるいはニトロールと呼ばれる硝酸薬の舌下使用が有効で、時には他疾患との鑑別診断に利用されることもある。

舌下に入れ、速やかに溶解すれば、その効果は2~3分で発現する。

必要ならば10~15分おいて繰り返し用いることも出来るが、通常量でおさまらぬ強い胸痛の場合には直ちに医師に連絡相談することが必要である。

予防的に運動や入浴、食事の前などに用いてもよい。

狭心症の予防としては長時間作用性の硝酸薬が開発されており、これらの薬剤は1日2~3回の使用で有効である。

また各種の狭心症にカルシウム拮抗薬が使われる。

労作性狭心症に対してはβ受容体遮断薬が用いられる。

これらの薬剤の投与量やコンビネーションの方法は患者の重症度によって異なる。

狭心症から心筋梗塞への移行が考えられる時、あるいは梗塞が発症したと思われる時には、閉塞した血管を再開通させるための新しい方法が1979年以来検討されている。

ウロキナーゼのような薬剤を用いることによって早期に冠動脈の再開が可能であることは可能であることは明らかであるが、梗塞発症何時間までに投与すべきかなど、その適応についてはまだ明らかでない。

現在ウロキナーゼ以外の薬剤も検討されており、またこれらの薬剤が無効の場合に経皮的冠動脈形成術percutaneous transluminal coronary angioplasty(PTCA)が試みられる場合もあり、緊急バイパス手術が行われることもある。

同時に、不整脈の治療、血行動態の異常を正常化させるための血管拡張療法、利尿薬や強心薬による心不全に対する治療などが行われるが、これらの治療はCCU(冠動脈疾患治療室coronary care unit)において初めて適確に実施できる。

したがって、梗塞が発症すればできるだけ早くCCUを完備した病院に収容し、必要に応じてSwan-Ganzカテーテルによる肺動脈モニターと心拍出量の測定を行う。

梗塞が大きい場合には大動脈内バルーン・ポンプを挿入することにより心不全やショックを改善することができる。

※ 動脈硬化による冠動脈狭窄を治療する薬物は存在しない。

※ 硝酸薬(剤)・亜硝酸薬(剤)

ニトログリセリンは、血管の平滑筋を弛緩させて血管拡張をおこす。

動脈よりも静脈を拡張させる。

冠動脈スパズムによる狭心痛はニトログリセリンにより緩解させる。

冠動脈が狭窄しているため、冠動脈の細小動脈はすでに最大に拡張してしまっていて心筋酸素需要に対し冠血流量を増加させる冠血管抵抗を減少させられない状態で生じた狭心症の場合にはニトログリセリンは、静脈拡張による全身の血液のプールを起こし、静脈還流の減少、心室の縮小、心筋酸素消費量の減少をおこして心筋虚血を軽快させる。

※ 交感Nβ受容体遮断薬

β遮断薬は心拍数を低下させ、心筋収縮性を低下させる。

β遮断役は心臓の機能が亢まることブレーキをかける薬であるとすれば、全身の運動耐用能は増加していないのではないのかと考えられる。

※ Ca++(カルシウム)拮抗薬

冠動脈スパズムによる狭心症にはCa++拮抗薬は有効である。

副作用や過敏反応のため使用禁忌となる薬剤はあっても、薬物治療の禁忌自体は存在しない。

 

心筋梗塞:

心筋梗塞は血栓溶解療法によって死亡率と予後を改善している。

血栓溶解剤を冠動脈内注入しても約20~25%に再開通が得られない。

また、再開通が得られても5~25%に再閉塞が生じ予後を悪化させる。

血栓溶解療法が発症直後(早期)から開始できれば閉塞サイズを縮小し、不整脈を予防し、側副血行を供給して予後を改善する。

・ SK(streptokinase)

安価だが抗原性があるため反復使用困難。t‐PAに比べ溶解率低い。血栓特異性なし。

・ UK(urokinase)

血栓特異性なし。抗原性なし。

・ t‐PA(tissueplasminogen activator)

血栓特異性あり。溶解率高い。抗原性なし。臨床的に全身線溶能の亢進のため出血傾向あり。

血栓溶解療法の良い適応は70歳以下でST上昇を伴い、胸痛の持続する発症6時間以内の急性心筋梗塞とされる。

高血圧症・胃腸出血既注者は禁忌とする。

梗塞が完成した時期においては、各種の合併症に対する治療が主となり、また重篤な合併症がなければ直ちにリハビリテーションが開始され、早期離床、早期社会復帰が次の目標となる。

 

理学療法

虚血性心疾患などの心疾患などでは、運動療法などが中心に行われ、理学療法などはそれに併用して行われる。

運動療法などが病態によっては、患者自身で必ずしも効果的なリハビリとして体動ができない場合である。

物理エネルギーを用いた治療法で、そのエネルギーとしては以下のものが挙げられる。

温熱:鎮痛、筋緊張緩和、新陳代謝の亢進、温水によるマッサージ効果

寒冷:筋緊張緩和、鎮痛、消炎

電気(低周波):筋緊張緩和、鎮痛

(TENS):神経、筋活動促進

光線(紫外線):殺菌、滅菌、ビタミンD代謝促進

(レーザー):鎮痛

水治療:温熱効果、水流効果

牽引:整復、除圧、安静、固定

マッサージ:血行改善、癒着組織の軽減・弛緩

これらが単独に施行されることはなく、運動療法、作業療法などと並行して行われる。

 

運動療法

運動療法の禁忌

Ⅰ、心脈管系の異常

1. 不安定狭心症

2. 切迫性、または急性心筋梗塞

3. コントロールし難い虚血性心不全

4. コントロールし難い高血圧症

5. 不整脈

a.Ⅱ度ないしⅢ度房室ブロック

b.レート固定型ペースメーカー

c.心室性頻拍

d.コントロールし難い心房細動

e.頻発する心室性期外収縮で運動によって増悪する場合。

6.明らかな心拡大

7.心弁膜症、NYHAの機能分類でⅢ度以上

8.流出路閉塞性心疾患

9.新しい肺塞栓症

10.コントロールし難い糖尿病

Ⅱ、その他の異常

1. 骨・筋肉性の異常

2. 運動によって増悪する全身性疾患

3. 外科手術

4. 精神症状

5. 急性アルコール中毒

運動の一般的効果

① 筋線維が太くなり、筋力が増加し、均整のとれた体格を作る

② 毛細血管が増加し、血管循環がよくなり心臓病や血管の老化が抑制される

③ 肺活量が増加し、スタミナがつき疲れにくくなる

④ 関節、体が柔軟になり、体動の効率がよくなる

⑤ 脳細胞を賦活し、脳の衰えを抑制する

体力回復期のリハビリ・運動療法

リハビリ・運動を始める前に各人は体力がどれだけ低下しているかを知る必要がある。

一つの方法として体力テストがあり、一般疾患回復期におけるリハビリ・運動療法に先がけ各々の患者の体力を判断することができる。

① 息こらえテスト(持久力をみる)

椅子に掛け、深呼吸の後に息を止め、止めていられる時間を測定する

② 片足閉眼起立テスト(調整力をみる)

片目を閉じて片足で静止起立ができる時間を測定する

③ 腕立て伏せテスト(筋力をみる)

腕立て伏せが何回出来るか回数を測定する

④ 立ち幅跳びテスト(瞬発力テスト)

起立して前にどれだけ跳べるか測定する

長期にわたる臥床例では、あせらず休まず根気よく、まず臥床前の体力を目標にリハビリ、運動を開始する。

心疾患患者の回復期では心臓および四肢の両者に均等に比重がかけられた形でのリハビリが計画されなければならない。

著しい体力、筋力低下に対して関節を対象に他動的訓練、介助自動関節域訓練、自動関節可動域訓練を行っていく。

筋力回復、増強訓練として

・ 等張性筋力増強訓練

・ 等尺性筋力増加訓練

・ ストレッチング:自動的ないし他動的に短縮した組織を伸ばす

などがアプローチとして挙げられる。

院内では運動耐容能の評価可能な

・ マスター二段階負荷(Master double two‐step test)

・ トレッドミル(treadmill)

・ 自転車負荷(ergometer)

による運動負荷が汎用されている。

運動量、強度を的確に示すには以下のものがよく用いられる。

・・VO2max(1分間あたりの酸素消費量)

・METS(metabolic eqivalent)

・RMR(relative metabolic rate):運動により使用される酸素が基礎代謝の何倍に相当するかを示すもの。

・心拍数(heat rate)

・運動時間(execise duration):運動強度により差異はあるが、15~60分の運動の持続 が理想的だが初めは15分から漸次延ばしていく。

50%・VO2maxの軽い運動 - 30~45分

60%・VO2maxのやや強い運動 - 20~30分

70%・VO2maxの強い運動 - 15~20分

・運動頻度:

運動能力3METS以下なら1回5分、1日数回

3~5METSなら1日1~2回

5~8METSなら週3~6回

の頻度での運動が理想的である。

循環器疾患診断的運動負荷

・ 冠動脈疾患など心疾患の発見、その重症度の判定。

・ 体力的運動能力をみる目的の他に薬剤有効性の判定。

・ 開心術後のADL指導。

・ 体力増進のための運動負荷範囲の判定。

などの目的で。

運動負荷の方法

・ 2段階方式(two-step-test)

・ ergometer

・ トレッドミル方式

・ ハンドグリップ方式(hand grip)

◎ two-step-testのシングルテスト

ちょうどADLの負荷量に相当するとも言われており、それが可能であれば温和な家庭生活は可能であると判定される。

◎ トレッドミル方式

トレッドミル負荷試験(Kattus)

運動負荷中止点

症状

1)狭心症の増悪

2)呼吸困難出現

3)下肢疲労、めまい、全身倦怠感出現

4)心拍数、目標心拍数到達、低下

5)血圧、収縮期血圧の著明な上昇(≧250mmHg)血圧低下

心電図

1)ST変化の増悪

2)心室性不整脈の増悪

3)心房粗・細動、上室性頻拍出現

4)房室伝導障害の出現心室内伝導障害の出現

血圧が低下したら虚血性心疾患、心筋症、運動負荷過剰を考える必要あり。

◎ ハンドグリップ運動負荷は最大握力の70-75%の負荷を15秒かけるもので、血圧上昇、脈拍数の増加、血圧、脈拍数プロダクトの増加を惹起することから、単純なテストとして利用される。

・ 心電図上著しい頻拍

・ 0.1~0.2mV以上のST・Tの変化

・ 心室性期外収縮の発生

・ 徐脈・房室ブロック

・ 著しいR波高の変動

・ 血圧上昇

が認められれば、陽性、異常と診断される。

・ 高齢者は各種実質臓器の老化現象、動脈硬化が基盤にあり、血圧調節、水電解質調節機能が不全状態にあり、高齢者のNYHA機能分類を考慮した検査を行う。

NYHAⅢ°群:10%傾斜にて第1ステージ20m/分、第2ステージ30m/分、第3ステージ40m/分

NYHAⅡ°群:10%傾斜にて第1ステージ30m/分、第2ステージ50m/分、第3ステージ70m/分

NYHAⅠ°群:10%傾斜にて第1ステージ50m/分、第2ステージ70m/分、第3ステージ90m/分

以上を各4分とし、最後の1分間でのメディカルチェックする方式提案している。

運動負荷合併症

Rochmisによれば、17,000回のマスター2段階試験、トレッドミルないしエルゴメーターの各種運動負荷試験において、合併症の合併率は0,04%、死亡率0,01%であったと述べている。

合併症には、心筋梗塞、重症不整脈、心室頻拍、心室細動などがある。

リハビリ中の突然死の多くが最大心拍数の85%以上の強度であったことを考慮すると、過負荷については厳密な注意が必要である。

運動療法の効果判定

判定項目 ・AT:AT前後が運動負荷の安全限界として用いられる。

・Maximal・VO2:運動療法で増加する好気的運動能力を示す最大酸素摂取量(・VO2max)で、肺機能、心拍出量、動静脈酸素較差により左右される。

・△・VO2/△WR:一定の仕事を行うに要する酸素摂取量の割合を示すもので、有気的エネルギーの割合を示すものとされている。

いずれにしても、運動効果の判定は、好気的運動能力の改善の有無、心筋潅流改善の有無について検査する必要がある。

虚血性心疾患患者において重要なことは最大酸素摂取量(運動能力)の増大であり、一定負荷(亜最大運動時)におけるdouble product(心拍数×収縮期血圧、DPまたはRPP)の低下であるとし、また、4週毎定期的に運動負荷判定を行うのが理想的である。

運動療法の目的は、QOLの拡大が目標とされ、このことは患者自身、家族もよく認識しておかなければならないところである。

リハビリ、運動療法に際しての注意事項

最も基本的に注意すべきポイント

①ウォーミングアップ・スロークールダウン

一般的にウォーミングアップは3~5分、実際の運動負荷を20~60分かけ、また終了時も急止せず緩徐に体を休ませる。3~5分かけてスロークールダウンする。

②栄養補給

汗を流すほどの運動負荷をかける場合はそれなりにエネルギー補給、水分、電解質補給が必要である。

③筋肉痛

運動した翌日に、筋肉痛を訴えることがあるが、これは筋肉の損傷、出血によるもので、このようなことを繰り返していると筋肉量は減少していくこともなりかねず、過度の筋肉痛を感じない範囲の運動量とする。

常日頃、日常生活の中で筋肉を使う習慣をつけておくことが勧められる。

④ゴルフ

熱が入りすぎるとストレス蓄積につながり、ゴルフ競技中に発作性頻拍を発症し救急車で来院、稀に突然死というケースもある。

すなわち、リハビリ、運動療法が精神的ストレスの源となってはならない。

⑤オールウェザー

ランニング、縄跳びなど、コンクリート上で続けていると膝を痛めるので、土の上での運動が勧められる。

予防と治療

虚血性心疾患の生活指導を中心とした予防活動はきわめて重要である。

食事指導については心疾患の予防だけではなく、癌、骨粗鬆症、糖尿病をも予防することを目的とした新しいガイドラインが提唱されている。

運動についても虚血性心疾患の予防に有効であることが認められている。

本疾患の治療は生活指導、薬物療法、カテーテルインターベンション、CABGに分かれるが、それぞれの分野の進歩は著しく、手法や種類はきわめて豊富であり、その有用性も大規模臨床試験によって厳密に評価されている。

(>_<)参考文献

医療学習レポート.虚血性心疾患


スポンサード・リンク