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(* ̄ー ̄)先天性股関節脱臼と先天股脱の話


( 一一)題名:先天性股関節脱臼と先天股脱の話

概念

出生前および出生後(出生時)に大腿骨頭が関節包の中で脱臼している状態(関節包内脱臼)を先天性股関節脱臼と称する。以前は先天股脱と称されていたが、奇形性脱臼位外は周産期および出生後の発育過程で脱臼が生じることが分かってきたため、現在では発育性股関節脱臼と称される傾向にある。この疾患概念には出生前・後の股関節脱臼はもちろん、亜脱臼や将来脱臼をきたす可能性を有する臼蓋形成不全やneonatal hip instabilityを含めた脱臼準備状態にある股関節がすべて含まれる。

発生率は出産1000に対して1~3の割合(0.1~0.3%)で、以前に比較するおと約10分の1に減少している。男女比は1:5~9と女子に多い。また初産時に多い。

病理

骨頭は骨盤に対して後方(後外側)に脱臼する。稀に骨盤に対して前方の閉鎖孔の方向に脱臼する(閉鎖孔脱臼)脱臼股における寛骨臼は浅く、臼蓋が急峻になる。処女歩行(体重負荷)後に骨頭は寛骨臼(原臼蓋)より後上方に移動し、偽寛骨臼、新臼蓋を形成する。頚体角、前捻角は増強する。偽寛骨臼は骨頭と腸骨間の関節包の軟骨化生により生じた線維軟骨で被われる。股関節脱臼が持続すると、関節包は骨頭の外上方移動に伴い伸展し、その前方で腸腰筋と交叉する部位で狭搾し砂時計様となる。骨頭靭帯は伸展・肥厚する。また関節唇は寛骨臼側に折れ曲がる。これらはすべて脱臼骨頭が寛骨臼内に整復するのを妨げる。整復障害因子にはこの他、腸腰筋の短縮・緊張、内転筋の短縮・緊張、関節内脂肪線維組織などがある。

先天股脱の予防

①出生児:出生児に下肢すなわち股関節、膝関節を強制的に伸展位としない。

②育児期:下肢伸展位を強制しない、児の自然肢位であり、股関節が最も安定する開排位(屈曲・外転位)を保持し、下肢の自然運動を阻害しない。

症状と診断

◆新生児期

①肢位異常

脱臼股は屈曲90°での外転制限(開排制限)があり、左右非対称である。生後すぐの新生児では両股に若干の拘縮があり、開排制限を伴っていることがあるので注意を要する。左右非対称であることが重要。

②click sign

新生児における関節弛緩および脱臼股の診断に最も重要な手技である。

③その他の検査法

ⅰ.Telescope sign:脱臼側の大腿の引き下げ、引き上げ操作を操作を行うと、大腿上端部の異常な上昇・下降を感じる。

ⅱ.寛骨臼の空虚:正常股関節ではスカルパ三角部に骨頭の骨性抵抗を触れるが、脱臼側ではこの部分が空虚である。

◆乳幼児期

①肢位異常

新生児に認められたと同様に脱臼側の股関節に開排制限が認められる。80°程度の開排が可能な場合でも左右差が存在するときには異常を疑い、エコー検査あるいはX線検査を行う必要がある。

②大腿皮膚溝の非対称

通常、脱臼側の皮膚溝は正常側と比較して、数が多く、深く、長い。

③下肢の短縮

仰臥位で両膝を屈曲させ、両下腿をそろえると、脱臼側で膝の位置が低くなる(Allis徴候)。

④大転子高位、大転子突出

股関節完全脱臼例では脱臼側の大転子の位置が高くなる。大転子の中枢端はRoser-Nelaton線より中枢側に位置する。また脱臼側の大転子は外方へ突出してみえる。また開排位において正常股関節では大転子と坐骨結節が同一平面上に触れるが、脱臼股においては坐骨結節と大転子との間に段差があり、かつ両者間の距離が離れている。

⑤その他

両側脱臼児では腰椎前彎の増強をみる。処女歩行後は著明な跛行を認め、Trendelenburg signは陽性である。

|д゚)参考文献

医療学習レポート.先天性股関節脱臼と先天股脱


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