スポンサード・リンク

(* ̄ー ̄)褥瘡の話


「褥瘡」の画像検索結果

(^◇^)題名:褥瘡の話

体の接触面から受ける局所(特に骨突起部位)の圧迫により組織の末梢血管が閉塞し壊死を起こす病態である。

症状

創のアセスメントには深さと創傷治癒過程における分類が重要である。

Ⅰ、深達度分類(NPUAP分類)

1)ステージⅠ

圧迫が関連した(表皮が欠損していない)皮膚の変性である。周囲皮膚または反対側皮膚と比較して示される、以下の1つ以上の変化である。

(1) 皮膚温(暖かい、または冷たい)

(2) 組織の密度(硬い、または泥のような感じ)

(3) 知覚(痛み、掻痒)

ステージⅠの褥瘡は、皮膚の色によって異なるので、白い皮膚の場合は持続する赤色の、黒い皮膚の場合は、持続する赤色、青、または紫色の色調

2)ステージⅡ

部分層創傷で皮膚の損傷は表面的である。表皮剥離、水疱、浅い潰瘍の状態。

3)ステージⅢ

筋膜まで及ぶが筋膜を超えない皮下組織に至る全層創傷で、組織の壊死や損傷を含む。深さのあるクレーター上でポケットがみられることもある。

4)ステージⅣ

皮膚全層の欠損に加え、広範な組織損傷、壊死、さらに筋肉、骨、支持組織に及ぶ。ポケットの形成や広範囲な空洞がみられる。

Ⅱ、創傷治癒過程

1)炎症期

損傷によって生じた自己の壊死組織、細菌など侵入してきた異物などを分解、排除する時期である。好中球、単球、マクロファージなどの様々な白血球が創内に出現し、炎症反応を進行させる。この間、組織の新生はまだ行われていない。炎症期をすみやかに終了させるためには細菌感染を予防し、壊死組織を除去するケアを行う。

2)肉芽形成期

肉芽形成期では、欠損した組織の修復のために、血管が新生し繊維芽細胞の増殖が起こり肉芽組織が増生する。肉芽増殖を促進させるために、最も血流を必要とする時期であり褥瘡部の圧迫を避け、湿潤環境を維持する。

3)表皮形成期

表皮形成期では、細胞遊走により、創辺縁から基底細胞が肉芽組織の上を這うように表皮化が始まる。細胞遊走を妨げないために湿潤環境を保持するケアを行う。また、表皮形成直後は、脆弱であるために摩擦などの機械的刺激から保護する。

4)成熟期

外見上治癒したように見える成熟期において、未熟なⅢ型コラーゲンがⅠ型コラーゲンに成熟する。創傷治癒の観点からみると、毛細血管は消退し、白色の瘢痕組織への転換が行われる。

検査

体圧測定、感染の有無(培養)、深度判定(通常壊死組織が除去されてから判定するがエコーを用いる場合もある)、下腿潰瘍との鑑別(動脈の触知、ドップラー血流計による足関節/上腕部動脈血圧比(ABI)の測定、 サーモグラフィー)

治療

体圧管理、局所管理、栄養状態の改善、原疾患の改善

Ⅰ.体圧分散寝具とケアの選択方法

1.自力体位変換が可能で、骨突出がある

1)ギャッジアップ45度以上または端座位の姿勢をとる場合は交換ウレタンフォ-ムマットレス、上敷二層式エアセルマットレスを使用する。

2)ギャッジアップ45度以上または端座位の姿勢をとらない場合は上敷ウレタンフォームマットレス、リバーシブルマットレス、上敷エアマットレス(リハビリ用)を使用する。

3)1)2)で除圧が不可能な場合は低圧保持マットレスに交換し、2時間毎の体位変換を行う。

2.自力体位変換が可能で、骨突出がない

1)体位変換時の安定性を優先し、体圧分散寝具は使用しない。定期的に要因のアセスメントを行う。

3.自力体位変換が不可能で、骨突出がある

1)上敷二層式エアセルマットレスを使用し、2時間毎の体位変換を行う。

2)上記で除圧が不可能な場合は、低圧保持マットレスへ変更する。

4.自力体位変換が不可能で、骨突出がない

1)ギャッジアップ45度以上または端座位の姿勢をとる場合は上敷二層式エアセルマットレスを使用し、2時間毎の体位変換を行う。

2)ギャッジアップ45度以上または端座位の姿勢をとらない場合は上敷きエアマットレスを使用し、2時間毎の体位変換を行う。

3)上記で除圧が不可能な場合は、上敷二層式エアセルマットレスへ変更する。

体圧分散寝具使用時の注意点

1.底づきの有無の確認

1)体圧分散寝具の真下に手の甲を下にして腕を挿入し、骨突出部まで伸ばす。

2)中指又は人指し指を上に曲げてみる

3)(1)曲げる余地がない、すぐに骨突起に触れる場合は底づき状態であるためマット内圧を高くする。

  (2)指を約2.5cm曲げると骨突起に触れる場合は、適切なマット内圧である。

  (3)どれだけ曲げても骨突起に触れない場合は、空気の入れすぎ状態のためマット内圧を低くする。

2.マットが膨らんでいるか否かの確認。

3.電源が入っているか否かの確認。

踵部の除圧方法

1.下腿後全体にクッションを使用し、踵部を浮かす。

摩擦・ずれの予防方法

1.椅子(車椅子)の使用中にずれの可能性がある場合はクッションを使用する。

1)クッションの種類(商品名)

エアクッション(ロホクッション)、ウレタンフォームクッション(ソフトナース)、ハイブリッド型クッション(コキュー君)

2)椅子(車椅子)使用中に姿勢の崩れによりずれが生じる場合は90度座位姿勢に整える。また、15分毎に臀部の虚血を防ぐため腰を浮かす。

3)リハビリ中もしくは体動によりずれの生じる可能性がある場合はリハビリプログラムを変更する。また、骨突起部を半透過性フィルムを使用し保護する。

2.ベッド(リクライニング車)のギャッジアップ中にずれの可能性がある場合はギャッジアップしてもずれないベッド(リクライニング車)、マットレスを使用する。

1)体がずれないように膝関節を屈曲・挙上するようにととのえてから頭部のギャッジを上げる。

2)ギャッジアップしてもずれないベッド(楽匠)

ギャッジアップしてもずれないリクライニング車(フルリクライニング車椅子)、ギャッジアップしてもずれないマットレス(トライセル)

各種体圧分散寝具など(商品名)

1.上敷二層式エアセルマットレス(トライセル)

2.リバーシブルマットレス(アルサーフリー)

3.上敷きウレタンフォームマットレス(ソフトナース)

4.リハビリ用上敷エアマットレス(アクティ)

5.上敷きエアマットレス(エアドクター、コスモエア、プライムDX)

6.低圧保持エアマットレス(ビックセル)

Ⅱ.局所管理

1.ケア手順

1)創周囲皮膚を石鹸(弱酸性皮膚洗浄剤が望ましい)をよく泡立て、優しく洗浄し、微温湯で洗い流す

2)創内と創周囲を温めた生理食塩水で洗浄する

・ポケット内も洗浄する。創口が小さい時はエクステンションチューブやキャップをつけたままの翼状針を使用し、くまなく洗う

3)洗浄が終わったら清潔なガーゼで水分を拭き取る

4)サイズ測定

5)写真撮影

6)薬剤、被覆剤の選択(下記参照)

7)必要時カバードレッシング

2.薬剤、被覆剤の選択

1)ステージⅠ(不可逆な発赤):摩擦、ずれによる外的刺激の軽減

使用被覆剤:半透過性フィルム(テガダーム、バイオクルーシブ)

2)ステージⅡ

(1)水疱:水疱内の最適治癒環境保持(原則として水疱は破らない)

使用被覆剤:半透過性フィルム、皮膚が非常に脆弱な場合は非固着性フィルム付のドレッシング材(シルキーポア、キューティプラスト)の絆創膏部分を切り取りドレッシング材を低刺激性絆創膏(スキナゲート)にて固定

水疱内の浸出液が吸収されず腫脹が強くなる場合は水疱を破る場合もある。以後(2)へ

(2)糜爛、浅い潰瘍:

炎症期:壊死組織の除去、炎症に伴う浸出液のドレナージ、感染予防

使用薬剤

・感染のリスクが高く浸出液が多い場合:カデキソマーヨウ素(カデックス軟膏)

精製白糖ポピドンヨード(ユーパスタ)

・感染のリスクが高く浸出液が少ない場合:スルファジン銀(ゲーベンクリーム)

使用被覆剤

・感染のリスクが低く浸出液が多い場合:

 アルギン酸塩(アルゴダーム、カルトスタット、ソーブサン)

 ハイドロファイバー(アクアセル)

 ウレタンフォーム(ハイドロサイト)

 ハイドロポリマー(ティエール)

表皮形成期:表皮の再生を促すために適切な湿潤環境を保てる閉鎖環境

・浸出液が少ない時

 薄いハイドロコロイド(ビジダーム)

 ブクラデシンナトリウム(アクトシン軟膏)

・浸出液が多い時

 厚いハイドロコロイド(デュオアクティブ、コムフィール)

 ウレタンフォーム(ハイドロサイト)

 ハイドロポリマー(ティエール)

・周囲の表皮剥離が起こりそうなとき

 ハイドロジェル(グラニュゲル、イントラサイトゲル)

 ウレタンフォーム(ハイドロサイト)

 ハイドロポリマー(ティエール)

3)ステージⅢ、Ⅳ(ポケット無し)

(1)炎症期:壊死組織の除去、炎症に伴う浸出液のドレナージ、感染予防

使用薬剤

・感染のリスクが高く浸出液が多い場合:カデキソマーヨウ素(カデックス軟膏)

 精製白糖ポピドンヨード(ユーパスタ)

・感染のリスクが高く浸出液が少ない場合:スルファジン銀(ゲーベンクリーム)

・黒色壊死組織がある場合:医師による外科的デブリードメント

             WETtoDRY、ゲルガーゼ(イントラサイト)

・黄色壊死組織がある場合:

 創面が乾燥している:ハイドロジェル、ブロメライン

 創面が湿潤している:デキストラノーマ(デブリサン)、カデキソマーヨウ素(カデックス軟膏)、アルギン酸塩(アルゴダーム、カルトスタット、ソーブサン)、精製白糖ポピドンヨード(ユーパスタ)

(2)肉芽増殖期:繊維芽細胞を増殖させるために細胞遊走ができる最適な湿潤環境

アルギン酸塩(アルゴダーム、カルトスタット、ソーブサン)、ハイドロファイバー

(アクアセル)、トレチノイントコフェリル(オルセノン軟膏)、トラフェルミン(フィブラストスプレー)、プロスタグランディン(プロスタグランディン軟膏)

(3)表皮形成期:創縁の皮膚から表皮細胞の遊走が起こるように周囲の皮膚を浸軟させない湿潤環境

ハイドロコロイド(デュオアクティブ、コムフィール)、ハイドロジェル(グラニュゲル、イントラサイトゲル)、ウレタンフォーム(ハイドロサイト)、ブクラデシンナトリウム(アクトシン軟膏)

4)ステージⅢ、Ⅳ(ポケット有り)

(1)炎症期:壊死組織の除去、炎症に伴う浸出液のドレナージ、感染予防

使用薬剤

・感染のリスクが高く浸出液が多い場合:カデキソマーヨウ素(カデックス軟膏)

 精製白糖ポピドンヨード(ユーパスタ)

・感染のリスクが高く浸出液が少ない場合:スルファジン銀(ゲーベンクリーム)

・黄色壊死組織がある場合:医師による外科的デブリードメント

 カデキソマーヨウ素(カデックス軟膏)

 精製白糖ポピドンヨード(ユーパスタ)

 ハイドロジェル、ゲルガーゼ(イントラサイト)

(2)肉芽増殖期:繊維芽細胞を増殖させるために細胞遊走ができる最適な湿潤環境

 アルギン酸塩(アルゴダーム、カルトスタット、ソーブサン)、ハイドロファイバー(アクアセル)

(3)表皮形成期:生理食塩水で洗浄のみ

Ⅲ.湿潤予防ケア

1.失禁のタイプの判断

2.タイプに合わせて、排泄ケア用具の選択をする

1)尿・便失禁のある場合:オムツ、カテーテルを使用

2)尿失禁のみの場合:陰茎固定型収尿器の使用

(プロシスサメックスLA:プリストルマイヤーズスクイブ)

3)便失禁のみの場合:肛門用装具の使用

(フレックステンドフィーカル:ホリスター)

4)臀部に排泄物が付着している場合:

(1)肛門部・臀部は弱酸性の洗浄剤で洗浄を行う

(2)肛門・臀部に撥水性剤の塗布を行う

 →撥水性スプレー剤:サニーナ(花王)、キャビロン(SM)

  撥水性クリーム:ユニサルブ(ゼオン)、亜鉛華単軟膏

5)皮膚障害があり感染の可能性がある場合:ハイドロコロイドドレッシング材の貼布、ストーマ用粉状皮膚保護材の散布

6)発汗があり湿潤がある場合:ラバーシーツやバスタオルの使用をやめ、吸水性があり熱放散性のあるずれしわ予防体位変換マットの使用

  →エアマット・テンピュール

Ⅳ.栄養ケア

1.栄養状態の評価を行う

 栄養状態が悪いとは、以下の基準を下回ることを指す

TP 6.0g/?、Alb 3.0g/?、Hb 11g/?、TCL 160mg/?

Ht (男)40~48% (女)34~42%、WBC 4000~9000、CRP 0~0.9

BMI 18.5、体重減少 ?5,0%/月、皮膚 ハンカチーフ現象あり

腸骨骨突出度 40mm

2.栄養状態が悪い場合:栄養補助食品の追加を行い創傷治癒に必要な栄養素の確保を行う(院内NSTへ相談)。

1)院内採用栄養補助食品:アミノレバンEN、エレンタール、エンテルード、エンシュア・リキッド、ヘパンED、ラコール、グルセルナ、リーナレン、MA-8、ファイブレンYH、人参末、アイソカル、インパクト、メディエフ)

2)創傷治癒に必要な栄養素

エネルギー 25~35kcal/kg/日

褥瘡があるだけで必要量が増大する

たんぱく質 1.5~2.0g/kg/日

コラーゲンを作る繊維芽細胞の増殖・新生ならびに褥瘡創面からの大量のたんぱく質喪失分を補給するため

水分 25ml/kg/日

脱水が生じ易いので注意が必要であるが、過剰水分の補給は浮腫を招き、組織耐久性の低下につながる

鉄 15mg

ヘモグロビンの鉄として酸素の取りこみ、エネルギー代謝に関与

亜鉛 30mg

肉芽組織で繊維芽細胞がコラーゲンを作るときに必要

銅 1.3~2.5mg

肉芽形成に関与

カルシウム 600mg以上

コラーゲンの形成に必要

ビタミンA 600~1500RE

皮膚・粘膜を健康に保ち、コラーゲンの合成や再構築、上皮形成に必要

ビタミンC 500mg以上

コラーゲンの生成時必要

食塩 10g以下

患者様の状態に応じて補給が必要

経過と管理

Ⅰ.ステージⅠ

 炎症期の終了をもって治癒は完了する。皮膚損傷を起こさないよう圧迫、摩擦、ずれによる外的刺激の軽減が重要。

Ⅱ.ステージⅡ

 炎症期と表皮形成期の2つの時期に分けられる。真皮層の神経末端が残存しているため、疼痛が強いことがある。また深い褥瘡へ進行する可能性がある。治癒過程から見ると肉芽形成はあまり行われず、真皮層にある付属器から表皮が伸び、創面を覆い治癒する。炎症期は壊死組織の除去、炎症に伴う浸出液のドレナージ、感染の予防を行う。表皮形成期は表皮の再生を促すために、適切な湿潤環境を整える。

Ⅲ.ステージⅢ、Ⅳ

 炎症期、肉芽形成期、表皮形成期の3つの時期に分けられる。壊死組織や感染の影響を受けて炎症期が遅延しやすい。感染やずれなどの影響を受けて、ポケットが形成されやすい。創が治癒しても瘢痕によって修復される。皮膚の付属器である皮脂腺や毛嚢ならびに皮下脂肪などの皮下組織は修復しないので、皮膚のバリア機能および圧力やずれに対する抵抗力が低下し、再発しやすい。炎症期は壊死組織の除去、炎症に伴う浸出液のドレナージ、感染の予防を行う。肉芽形成期は繊維芽細胞を増殖させるために細胞遊走ができる最適な湿潤環境を整えるための浸出液の管理が主になってくる。表皮形成期は表皮の再生を促すために、適切な湿潤環境を整える。

看護計画

Ⅰ.病態アセスメント

予防が最も大切なケアである。発生した場合は局所管理に目を向けがちであるが体圧管理、栄養状態の改善、失禁の管理が不可欠。また、発生要因や創傷治癒過程のアセスメントとケア、患者個々の全身状態に沿った目標の設定が重要。

「褥瘡」の画像検索結果

(´・ω・`)参考文献

医療学習レポート.褥瘡


スポンサード・リンク