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(@_@。腎移植の話


(・.・;)題名:腎移植の話

●状況

2003年度の腎移植総数は859件でそのうち生体腎が721件、献腎が138件であり、最近は生体腎数が増加しているが、献腎数は伸び悩んでいる。

15,134例腎移植を行っている欧米に比べて著しく少なく、人口がわが国より少ない米国以外のG7の先進国と比較しても最低である。

今後のドナーアクションによる献腎移植の増加が望まれる。

 

●腎移植成績

腎移植患者の場合、移植腎が生着しなくても透析により生存が可能であるため、生着率、生存率の2つによって成績を表す。

腎移植患者の1年、5年、10年生存率はそれぞれ生体腎(7619例)94.5%、89.1%、82.7%で、献腎(2972例)90.3%、83.3%、70.4%で透析患者の生存率85.4%、58.8%、39.2%と比較し、常に良好である。

 

●適応

A.腎移植希望者(レシピエント)の適応基準

1)慢性腎不全

透析を続けなければ生命維持が困難であるか、または短期間に透析に導入する必要に迫られる慢性腎不全の場合である。

最近は生体腎移植で未透析の腎移植が行われ、透析を長期間行った後の移植より好成績を挙げている。

2)全身感染症がないこと

移植後免疫抑制療法を行うため、全身感染症がある場合はすぐに敗血症となる危険があり、適応から除かれる。

3)悪性腫瘍がないこと

悪性腫瘍がないことが原則であるが、悪性腫瘍がある場合は完治したことが条件ある。

臓器移植ネットワーク東日本支部では治療から1年経過し、再発や転移がない場合、主治医の判断で献腎移植登録可能である。

4)Tリンパ球交叉試験が陰性であること

Tリンパ球クロスマッチが陽性である場合超急性拒絶反応を生じるため禁忌である。

5)他の臓器不全がないこと

心不全や肝不全があり全身麻酔に耐えられない場合は適応にはならない。

6)その他

移植腎に再発する可能性が高い腎疾患として巣状糸球体硬化症、膜性増殖性腎炎があるが、絶対禁忌ではない。

全身性エリテマトーデスはよい適応でむしろ再発は少ない。

B.腎臓、臓器提供者(ドナー)の適応基準

1)以下の疾患または状態を伴わないこととする

・全身性の活動性感染症

・HIV抗体、T細胞白血病ウイルス抗体、B型肝炎S抗原などが陽性

・クロイツフェルト-ヤコブ病およびその疑い

・悪性腫瘍(原発性脳腫瘍および治療したと考えられるものを除く)

2)以下の疾患または状態が存在する場合は、慎重に適応を決定する

・血液生化学、尿所見などによる器質的腎疾患の存在

・C型肝炎(HCV)抗体陽性

・70歳以下が望ましい

 

●献腎移植の登録

移植希望施設を選択

移植希望施設を受診

申込書に記載

血液型、組織適合抗体検査、感染症(肝炎ウイルス<HBV、HCV>、HIV、ワッセルマン反応)検査

交叉試験用血清を採血

登録費用(3万円)を振り込む

登録完了

 

●献腎移植の選択基準

A.前提条件

(1)ABO式血液型の一致

(2)リンパ球直接交叉試験(全リンパ球またはTリンパ球)陰性

B.優先順位

(1)搬送時間(阻血時間)

同一都道府県内 12点

同一ブロック内  6点

移植希望者の登録地域は移植希望施設の所在地(都道府県)とする。

(2)組織適合抗原の適合度0~14点

(3)待機日数(N)

4,014日以下の場合はN/365点で4,014日より長い場合は10+log(N/365.9)で待機日数のポイントを計算する。

 

●腎移植の実際

下腹部を中心にポピドンヨードにて清拭し、外陰部を消毒後18~22Frフォーレイカテーテルを尿道から挿入し、5~10mlの蒸留水を入れてバルーンを膨らませ固定する。

成人では上前腸骨棘より2横指内側から恥骨結合1横指上まで切開を加え、外腹斜筋腱膜、外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋を電気メスにて切開する。

下腹壁動静脈は結紮切開するが、動脈は少し長めに残し、腎動脈が複数の場合、下極動脈と端々吻合をする可能性を残しておく。

腹膜は内側に剥離して、外腸骨動脈、内腸骨動脈、外腸骨静脈の周囲のリンパ管を結紮切開して剥離する。

内腸骨静脈は結紮切開して外腸骨静脈に自由を与え、静脈吻合を容易にする。

献腎移植の場合は腎動脈に大動脈壁がついているため(パッチ)、外腸骨動脈に穴をあけ端側吻合する。

生体腎移植の場合は通常内腸骨動脈と端々吻合する。

腎静脈は外腸骨静脈に端側吻合する。吻合終了後に血流を再開し、温生理食塩液で移植腎を温める。

尿管膀胱吻合部は膀胱内と膀胱外アプローチの2種類ある。

膀胱内アプローチでは膀胱をやや正中の外側で縦切開し、固有尿道口上外側にメスで粘膜を横切開し新尿管口を作製する。

同部より強彎ケリーを入れ広げるとともに粘膜下トンネルを作製する。

さらに弱彎ケリーに変更し粘膜下トンネルを約2.5cmの長さで作製し、膀胱壁を貫いて尿管を精索または円靭帯の下を通した後、外から誘導する。

余った尿管は切除して、血管を吸収糸で結紮する。

尿管断端は膀胱粘膜に4-0吸収糸で4~5点縫合する。

膀胱の切開創の粘膜は3-0吸収糸で連続縫合し、筋層は2-0吸収糸で結節縫合するが、膀胱頂部では埋没縫合する。

膀胱外吻合では筋創に縦切開を加え、尿管を吻合する。

その後尿管が閉塞されないように余裕を持って筋層を閉じる。

血流再開1時間後に移植腎生検を行い、移植腎背部に閉鎖式ドレーンを置き閉鎖する。

(*^。^*)参考文献

医療学習レポート.腎移植


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