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(*^_^*)大腿骨骨幹部骨折の話


“(-“”-)”題名:大腿骨骨幹部骨折の話

大腿骨骨幹部骨折とは

 骨折とは、骨に直達あるいは介達外力が働き、骨あるいは軟骨組織の連続性が断たれた状態をいう。完全に連続性が絶たれた場合を完全骨折といい、一部連続性が残っている場合を不完全骨折という。骨折の種類は、外傷性骨折、病的骨折、疲労骨折、Insufficient Fracture(骨粗鬆症、リウマチ、人工透析患者など、骨の強さが低下している状態でADL上の外力で骨折を起こす場合)、皮下骨折、開放骨折、関節内骨折などがある。

大腿骨骨幹部骨折は、多くの場合交通事故や労災事故など強大な外力で起こり、合併損傷も多く、骨癒合に長期間を要する。

病態アセスメント

 骨折のある患者が来院してきたら、手早く、いつ、どのようにして受傷したか受傷機転を的確に病歴とともに聴取することが重要である。患者本人に意識障害がない場合にはまず問題はないが、意識障害があるときは家族や付き添い、受傷事故の目撃者、警察官、救急隊員からできうる限り詳細に受傷に関する情報を聴取する。どのようにして事故が起こったか、どのような外力が作用して受傷したかの受傷機転がわかれば受傷部位の分布、その程度をかなり把握できる。また、ただ1ヵ所の一見明らかな外傷部位(例えば下肢の開放骨折)のみに気をとられて、全身状態のチェックを怠るようなことがあってはならない。

 このような手順を踏んでまずは全身的に、次いで局所的な症状を把握し、これに対する対応策を講ずることとなる。また骨癒合に長期間を要するため、治療上のみならず社会的、家庭的患者背景にも問題点の多い骨折である。適切、確実な治療により、早期機能訓練を可能にし、患者の一日も早い社会復帰を図ることが大切である。

症状

  • 疼痛、腫脹、変形、異常可動性、機能障害などを認める。

検査

  • 病歴
  • 理学的検査
  • Ⅹ線写真
  • CTスキャン
  • 生化学検査及び血液一般検査

治療

 大腿骨骨幹部骨折の治療は、牽引療法、創外固定法、観血的治療等があり、観血的治療が第一選択とされる。開放性骨折、合併損傷、患者の全身状態などの条件により、種々の方法が選択される。

 牽引療法は、手術待機期間に行われる。筋肉の強い緊張に打ち勝つため、多くの場合直達牽引法が行われる。脛骨結節、ときに大腿骨顆部にキルシュナー銅線を刺入して緊張弓をとりつけ、これにロープを締結し、滑車を利用し患肢を末梢方向へ牽引する方法である。

 創外固定法は、開放骨折で感染の恐れがある場合、すでに骨髄炎を起こしている場合、多発外傷で小さい侵襲の手術が望ましい場合等に適応となる。比較的早期から関節運動、部分荷重歩行が可能であるが、ピン刺入部の感染、入浴できないため保清などの問題点も多い。したがって骨髄炎を除き、可及的早期に内固定術に変更されることが多い。

 観血的治療においては、大腿骨骨幹部骨折の手術法は骨端部から骨髄腔に長い金属を入れて固定する方法が一般的である。使用される金属は各種髄内釘が多い。通常牽引手術台とⅩ線透視装置を使用し、骨折部を開かないで髄内固定を行う。牽引手術台で骨片の整復ができない場合には、骨折部を切開して直視下に整復を行う。

術後の経過と管理

 近年髄内釘横止螺子法が考案され、回旋や短縮に対する固定力が強いため骨幹端骨折のみならず粉砕の強い骨幹部骨折にも応用されている。術後は外固定を必要とせず、創部痛の減少に応じて早期に関節可動域訓練、筋力強化訓練等のリハビリが開始される。股・膝関節の拘縮がある場合は、術後1~2日目より創部痛の耐えられる範囲でCPM装置を用いて股・膝関節の可動域訓練を開始する。足趾・足関節、については積極的に自動運動を行う。歩行訓練については合併損傷がなければ術後1日目から松葉杖による免荷歩行が許可される。部分荷重歩行は、骨折の程度により術後3~6週目から骨癒合の進行を確認できたら許可される。以後、仮骨形成に合わせて荷重を漸増し、十分な仮骨形成をみれば全荷重歩行が許可される。

1.精神的サポート

疼痛の不安、日常生活についての不安などがあると考えられ、それらの不安に対して精神的援助が必要である。また、骨癒合まで長期間を要するのでリハビリに対しての動機づけと励ましが必要である。

2.疼痛の管理

手術後の疼痛は、患者に我慢させず十分に和らげるべきである。移動時に痛みが増強することが多いため移動時の介助が必要となる。

3.創の処置

ガーゼ交換時に手術創をよく観察する。

4.患肢の観察

足趾・足関節の底背屈運動の可否、患肢の腫脹・知覚の異常の有無の観察を行い、異常があれば医師に報告する。特に術後の腓骨神経麻痺には注意を要する。

5.関節の拘縮予防

隣接する関節が拘縮しないように他動運動による予防が必要である。

6.筋力の低下防止

術後の疼痛、安静のため筋力の低下がみられる。筋力低下の防止、早期離床のためにセッティング運動、SLR、車椅子移乗、松葉杖歩行などの指導が必要である。

7.ADLについて

合併損傷の有無、程度によりADLの拡大には差があるが、慣れない車椅子への移乗、松葉杖使用により転倒の危険があり、そのケースに応じた介助が必要となる。

術後合併症

1.遷延治癒

4ヶ月で骨癒が合完成しない場合は遷延治癒が考えられる。原因としては、高度の軟部組織損傷、不適切な手術(整復位不良、固定性不良)、基礎疾患(糖尿病、貧血、低蛋白血症、甲状腺疾患など)の存在、不顕性感染などが考えられる。原因に応じた治療法が選択されなければならない。

2.偽関節

6ヶ月で骨癒が合完成しない場合は偽関節が考えられる。原因は遷延治癒とほぼ同じである。骨折部に骨新生能力が残っているものを増殖型、残っていないものを萎縮型という。増殖型はより強固な固定法に変更すれば骨癒合が得られるが、萎縮型は骨移植を追加する必要がある。感染例では、まず感染の沈静化が先決である。創外固定法、持続洗浄法などにより感染を沈静化させ、骨移植術が行われる。

3.脂肪塞栓症候群

骨髄腔の脂肪滴が血行性に全身に運ばれ、主として肺の細動脈に塞栓を起こすことにより発生すると考えられてきた。最近では科学的因子の関与が論じられている。呼吸器症状はほぼ100%、中枢神経症状は約80%、皮膚点状出血は約50%の出現頻度とされている。

低酸素血症と胸部単純Ⅹ線でsnow storm様のびまん性陰影、ときに血中脂肪滴が証明される。長骨骨折や骨盤骨折後あるいは骨関節手術後数時間から数日後に発症する。重症例では死亡したり、重大な脳障害を残すものもあり、早期発見、早期の適切な治療が大切である。

4.大腿動脈損傷

遠位骨幹端骨折に合併することがある。初診時見落とすことなく早急に血行再建をしなければならない。治療が遅れると、末梢部の壊死のため切断を要する例がある。

5.神経損傷

非常にまれに、腓骨神経完全断裂を起こすことがある。受傷時に中枢骨片の断端部で切断されるのである。ゴムが伸びきって切断するように切れるので、上下長い距離にわたって損傷される。損傷範囲が広く、多くの場合神経移植術を要する。

看護計画(術前)

Ⅰ.病態アセスメント(術前)

 大腿骨骨幹部骨折の治療は牽引療法、創外固定法、観血的治療等があり、観血的治療が第一選択とされる。手術待機期間に牽引療法が行われる。骨折部の安静と、なるべく早く整復位にもどすために入院したらすぐに牽引が行われる(牽引療法については看護技術マニュアル参照)。入院と同時に受傷による外傷の程度から局所・全身症状の観察を行い、牽引治療時の異常の早期発見と二次的合併症の予防に努めることが必要となる。

看護計画(術後)

Ⅰ.病態アセスメント(術後)

 手術は全身麻酔にて行われることが多い。術後は床上安静が必要であり、腓骨神経麻痺や脂肪塞栓等の合併症を引き起こす可能性がある。一般的にはドレーンが抜去されれば、車椅子移動が可能となり、合併損傷がなければ免荷にて松葉杖移動が可能となる。

(*´з`)参考文献

医療学習レポート.大腿骨骨幹部骨折


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