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(^_^;)糖尿病の話


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●発生機序

膵臓のランゲルハンス島のβ細胞からのインスリン分泌の欠乏や、その作用の低下(感受性低下)によって、糖質・脂質・蛋白質の代謝が障害されて、利用されないブドウ糖が血中に増加して高血糖状態となり、尿に糖が排泄され、さまざまな合併症を併発してくる病態である。その発症には遺伝的要素と環境因子が関係する。環境因子には過食・肥満・ストレス・運動不足・感染・薬物・妊娠など、多くの因子が相乗的に関与する。

糖尿病はインスリンの量的・質的不足による疾患であるが、インスリンの作用不足の病態生理は三大栄養素の代謝に大きな乱れを生じる。糖代謝の乱れは結果として高血糖をきたし、脂質・蛋白質の代謝障害も肝での糖新生亢進、肝でのケトン体合成を亢進させる。高度な高血糖は多飲・多尿、高浸透圧性脱水症の急性兆候を示し、長期間の高血糖状態は糖尿病に特有な合併症を引き起こす。糖尿病はその病因、発症のし方、病状の進行、予後などから次のように分類される。

 

ⅰ)インスリン依存型糖尿病(Ⅰ型糖尿病、type1とも呼ばれる。)

発症は大部分急激で、ケトーシス傾向が強く、生命維持にインスリン注射を必須とする糖尿病で、特定のHLA抗原と相関し、膵島細胞抗体、膵島細胞膜抗体の出現などから自己免疫機序やウイルス感染との関連が推定される。この型の糖尿病は一般に急激に発症し重症であるが、発症以前から膵島細胞抗体が持続的に検出され、インスリン分泌能が徐々に低下し、ついにβ細胞機能が消失しインスリン依存型糖尿病に至る症例もある。

小児ないし若年者に多く、従来、小児糖尿病・小児発症糖尿病・若年型糖尿病・ケトーシス傾向糖尿病・不安定型糖尿病と呼ばれたいたものである。

 

1)インスリン依存型糖尿病と遺伝

インスリン依存型糖尿病が遺伝と関連している根拠として、次の3つのことが挙げられる。

①人種により発症頻度が異なること

②一卵性と二卵性双生児において発症の一致が異なること

③ヒト白血球抗原との関連性であること

である。

人種による発症頻度では白人に多く、国別では北欧諸国に多い。一卵性と二卵性双生児において発症の一致では一卵性双生児の一致率は45%であったが、二卵性では0%であったと報告されている。

これらの事実より、インスリン依存型糖尿病の発症が遺伝素因を背景としていることに疑いはないが、その遺伝形式に関しては現在のところ定説はない。

 

2)ヒト白血球抗原とインスリン依存型糖尿病

(1)インスリン依存型糖尿病の易罹患性とHLAタイプ

ヒト白血球抗原の頻度に関する研究の結果、白人のインスリン依存型糖尿病ではクラスⅠ抗原のB8、B15とクラスⅡ抗原のDR4が対照群に比して有意に頻度が増加し、DR2が減少していることが報告されている。日本人のインスリン依存型糖尿病ではBw54とDR4の頻度が増加し、DR2の頻度が減少していることが判明している。また、自己免疫疾患をもつものではBw54、DRw9が有意に多く、自己免疫疾患をもたないものではCw1,Bw35、Bw54、DR4が有意に高いことが報告されている。

このように、特定のHLA抗原の頻度が高いことは、インスリン依存型糖尿病に、第6染色体の上にある遺伝子が深く関与していることを示すことである。つまり、インスリン依存型糖尿病の発症には別の因子の関与が必要であり、複数の因子が関与することを示唆するといえる。

 

(2)HLAクラスⅡ抗原とインスリン依存型糖尿病

膵のβ細胞では通常はHLAのクラスⅡ抗原は発現していないが、糖尿病に易罹患性のある個体の膵のβ細胞ではDR抗原が発現し、リンパ球の活性化をもたらし、膵β細胞が攻撃され、破壊されるという機序が考えられている。このような現象は、最初は主として自己免疫性甲状腺疾患について論じられたが、その後、実験動物やヒトのインスリン依存型糖尿病患者の膵β細胞にDR抗原が発現していることが証明されるに至った。

 

インスリン依存型糖尿病とHLA-その関与の根拠-

①インスリン依存型糖尿病と特定のHLAタイプの発現頻度

白人:HLA-DR3、DR4

日本人:HLA-Bw54、DR4

②インスリン依存型糖尿病の膵島細胞でのHLAクラスⅡ抗原の発現

③インスリン依存型糖尿病におけるHLA-DQβ鎖57番目のアミノ酸の置換

④HLA-DQ、DR抗原をコードする遺伝子DNAフラグメントの多型性

 

3)自己免疫とインスリン依存型糖尿病

インスリン依存型糖尿病に自己免疫が関与していることは現在広く認められている。また、細胞性免疫の関与を示すものをして、キラーTリンパ球の数がインスリン依存型糖尿病で増加していることが認められている。

 

インスリン依存型糖尿病の発症と自己免疫-その関与と証拠-

①HLAクラスⅡ抗原との関連性

②自己免疫性内分泌疾患との合併

③家系における他の自己免疫疾患の罹患の高頻度

④リンパ球浸潤を伴う膵島炎の存在

⑤膵島細胞抗体の出現

⑥免疫抑制療法の効果

 

(1)膵島細胞抗体

膵島細胞抗体は膵島細胞質に対する自己抗体であり、ICAが直接に膵島細胞を破壊する証拠はほとんど認められないが、インスリン依存型糖尿病の発症に深く関与している。

 

(2)膵島細胞膜抗体

膵島細胞膜抗体は膵島細胞膜成分に対する自己抗体であり、インスリン依存型糖尿病の小児の約30%に見出され、その陽性率は健常対照群の8倍であったと報告がある。また、補体の作用が加わると膵β細胞を崩壊させることが証明されている。

 

(3)インスリン自己抗体

発症直後でインスリン未治療のインスリン依存型糖尿病患者の血中にインスリン自己抗体が検出され、その意義が問題となっている。5歳以下で100%陽性、16歳以下で31%であったと報告されている。依存型の家系者において陽性となっていることなどより、膵β細胞の自己免疫的な傷害の新たな血清学的指標となり得る可能性が考えられている。

 

(4)自己免疫からみた糖尿病の亜分類

インスリン依存型糖尿病の中に、自己免疫が深く関与している一群があることが知られていたが一次性自己免疫型の糖尿病の名称で、インスリン依存型糖尿病の1亜型として提唱された。

しかし、インスリン依存型糖尿病を亜分類することができるかどうかの問題は、HLA抗原のタイプ、あるいは発症過程における自己免疫機構やウイルス感染の関与をめぐっての、この病型の不均一性の問題とも関連し、未解決と言わざるを得ない。

 

一次性自己免疫型の糖尿病

①膵島抗体の持続的陽性

②自己免疫性甲状腺疾患合併

③女性に高頻度

④比較的高齢者における糖尿病の発症

⑤季節的変動の少ない糖尿病の発症

⑥インスリン依存型糖尿病を含む臓器特異性自己免疫疾患の濃厚な家族歴

⑦特定のHLAとの関連性

 

4)ウイルス感染とインスリン依存型糖尿病

ウイルス感染がインスリン依存型糖尿病において果たす役割として、遺伝的素因のある例において、発症の引き金となっているものと考えられるが、ウイルス感染のみによる発症は稀と考えられている。

 

感染後にインスリン依存型糖尿病を発症させる可能性のあるウイルス

①ムンプスウイルス

②コクサッキーB群ウイルス

③エプスタインバールウイルス

④サイトメガロウイルス

⑤風疹ウイルス

⑥水痘-ヘルペスウイルス

⑦インフルエンザウイルス

 

ⅱ)インスリン非依存型糖尿病(Ⅱ型糖尿病、type2とも呼ばれる。)

発症は一般に緩徐でケトーシス傾向は乏しく、治療上必ずしもインスリンを必要とせず、他の疾患や病態に随伴したものでない糖尿病である。糖尿病の家族歴をもつものの頻度が高い。遺伝の実態は明らかでないが、ブドウ糖負荷に対する初期インスリン分泌不全が生物学的マーカーであろうとする考えが有力である。この型の糖尿病の中には、若年発症のMODYと呼ばれる特殊な病型も含まれる。

成人に多く発症し、糖尿病患者の大部分を占める。従来の成人発症糖尿病・成人型糖尿病・安定型糖尿病とよばれていたものである。

 

1)遺伝素因とインスリン非依存型糖尿病

インスリン非依存型糖尿病の発症に遺伝素因が関与していることは、濃厚な家族歴をみる場合が多いこと、また一卵性双生児におけるインスリン非依存型糖尿病の発症の一致率が100%に近いこと、さらに本症を多発する人種が存在することなどより明らかである。

インスリン非依存型糖尿病の遺伝マーカーとしてブトウ糖に対するインスリンの初期分泌反応の低下が挙げられている。

 

(1)大多数にインスリン非依存型糖尿病患者でインスリン分泌の初期反応の低下を認めること

(2)耐糖機能異常群の中でインスリン反応を認める群から糖尿病を発症するものが多いこと

(3)インスリン非依存型糖尿病の一卵性双生児のインスリン分泌能の検討において、耐糖能が正常もしくは軽度低下でインスリン低反応が認められること

(4)次のような群で、インスリン低反応を認める者が多いこと

i)両親にインスリン非依存型糖尿病を有するもの

ⅱ)妊娠糖尿病歴を有する者

ⅲ)インスリン非依存型糖尿病を親または同胞に有する者などを挙げることができる。しかし、このインスリン分泌低下をきたす機序については、いくつかの可能性が示唆されているが、未だ結論は得られていない。

また、インスリン感受性低下(インスリン抵抗性)にも遺伝の関与が考察されているが、遺伝子レベルの研究は近年緒についたばかりで、結論は出ていない。

なお、インスリン非依存型糖尿病において、インスリン分泌低下とインスリン抵抗性のいずれが病因の主体をなすかは多くの議論があるが、現在のところ、インスリン分泌不全が一次的原因であり、インスリン抵抗性は二次的なものとする成績が多い。

 

2)環境因子としての過食、肥満

インスリン非依存型糖尿病の発症前に肥満を経験することが多いこと、また肥満した糖尿病患者において、体重の是正により血糖コントロールが改善することなどにより、肥満と糖尿病は深い関係にあることはよく知られている。

肥満者におけるインスリン抵抗性をインスリン受容体レベルで検討すると、受容体の数および親和性のいずれも減少しており、また受容体後の障害の存在も報告されている。さらに、肥大増大した脂肪塊が脂肪分解率を上昇させ、その結果、血中遊離脂肪酸が増加することもインスリン抵抗性を増す原因と考えられる。

近年、肥満をさらに分類して、肥満のタイプと糖尿病との関連性を追求する研究がなされるようになった。現在、上半身肥満、または内臓脂肪蓄積型の肥満が糖尿病になりやすいことが見出されている。この場合、上半身肥満の患者の腹部より脂肪細胞を採取して検討すると、細胞のサイズが大であり、細胞1個当たりのインスリン受容体の数が減少していることが証明されているが、糖尿病発症との関連については今後の検討が必要である。

 

3)インスリン非依存型

インスリン非依存型糖尿病の膵島に高頻度にアミロイドが沈着していることがしられている。Westermarkらは、インスリノーマが産生するアミロイドを分析し、37個のアミノ酸より、分子量3,850のペプチドを同定し、LAPPと名づけた。同様の物質は、インスリン非依存型糖尿病の膵島にも見出され、インスリン非依存型糖尿病においては、何らかの原因でこのアミロイド・ポリペプチドが大量に合成、分泌され、膵島に沈着し、インスリン分泌低下をもたらすのではないかと考えられている。いずれにしても、この研究は緒についたばかりであり、膵アミロイドがインスリン非依存型糖尿病の病態にどの程度まで関与するかは今後の研究に待たねばならない。

 

●病態

インスリン分泌異常

(1)  インスリン依存型糖尿病におけるインスリン分泌

インスリン依存型糖尿病の主たる成因は膵β細胞の破壊であると考えられており、このためにインスリン分泌の絶対量の不足が生じてくる。インスリン依存型糖尿病の初期にはある程度インスリン分泌は保持されているが、膵β細胞の減少に伴い次第にインスリン分泌が低下し、内因性インスリンの予備能が正常の1/10以下になると著明な臨床症状を呈し、いわゆる急性発症として認識される。

インスリン依存型糖尿病患者がインスリン加療によって一時的にインスリン投与が必要でなくなったり(完全寛解)、あるいは非常に少量で良好なコントロールが得られることがある(不完全寛解)。このような寛解期は、ある程度膵β細胞の機能が残存している症例において十分なインスリン療法によって膵β細胞機能の疲弊を防ぎ、インスリン分泌能が回復するためと考えられている。しかし寛解期も一過性であり、再度高血糖状態となり遂には完全な膵β細胞機能喪失状態となり、外来性インスリン加療が必須になるのが普通である。

インスリン依存型糖尿病の経過

典型的なインスリン依存型糖尿病は15歳以下の小児に急激に発症し、その体型は痩せ型である。臨床症状は、口渇、多飲、多尿、体重減少、全身倦怠感、脱水などであり、インスリン治療を受けないで放置された場合に糖尿病性昏睡をきたし、ついには死に至る。遺伝的素因を有する固体が、何らかの引き金、例えばウイルス感染やアロキサン、ストレプトゾトシンやある種のニトロソ化合物などの化学物質によって、膵β細胞に障害をきたし、これが自己免疫機序を発現させ、この状態が続くと膵β細胞破壊によりインスリン分泌能が低下し始める。次いで感染症などを契機に臨床症状を伴う顕性糖尿病を発症、その後膵β細胞の完全破壊total diabetesといわれる状態になることを示している。

インスリン依存型糖尿病患者の死因は、10歳未満で急性合併症が多いのに対し、10~19歳では腎不全が増加し、20歳以上ではその半数は腎不全死である。また、心臓血管死は30歳を越えると急速に増加する。

 

(2)インスリン非依存型糖尿病におけるインスリン分泌

インスリン非依存型糖尿病においてはその成因は不均一であり、様々なレベルでのインスリン分泌不全と、いわゆるインスリン抵抗性が混在した状態と考えられる。

一般的に、インスリン非依存型糖尿病患者では、基礎インスリン分泌は正常に維持されており、肥満を伴う場合にはむしろ増加していることもある。経口ブドウ糖負荷試験では、インスリン非依存型糖尿病ではインスリン分泌が頂値に達する時間の遅延がみられる。このインスリン初期分泌の遅延は、耐糖能異常においてもすでにみられる。このように、ブドウ糖に対するインスリンの初期分泌の不全はインスリン非依存型糖尿病のごく初期においてすぐに認められるが、この原因は未だ明らかではない。インスリン非依存型糖尿病が重症になるに従い、インスリンの後期分泌も障害されてくる。

このようにインスリン非依存型糖尿病においては、インスリン分泌異常と、インスリン作用異常の両者が存在して、代謝異常を促進すると考えられている。

インスリン非依存型糖尿病の経過

インスリン非依存型糖尿病において症状が起こることにつき、多くの糖尿病専門家は「発病」と呼ばずに「発症」と呼んでいる。これは、インスリン非依存型糖尿病が遺伝的体質を基礎に、これに誘因が加わって惹起されるからである。インスリン非依存型糖尿病の発症は、過食、肥満、運動不足、ストレスなどを誘因として、多くの場合自覚、無症状のうちに起こり、ケトーシスで発症することは稀である。インスリン非依存型糖尿病は中年以降の肥満者に好発するが、若年者あるいは非肥満者の発症もあり、このような場合には糖尿病の家族歴を認める例が多い。逆に遺伝的要素の関与が少ない例では最大に肥満した後に糖尿病症状が出現、以後体重は減少する。

 

●治療薬

insulinが最も有効な糖尿病薬であるが、NIDDMではスルフォニル尿素系薬物またはビグアニド系薬物も用いられる。

 

1.insulin

insulinは一本鎖のpreproinsulinとして膵臓β細胞において小胞体のポリゾームで合成され、切断proinsulinに変換される。これはゴルジ体に移され細胞内顆粒に濃縮される。ここで結合ペプチドと呼ばれる部位が撤去されてinsulinへの転換が起こる。insulinはアミノ酸21個より成るA鎖と、アミノ酸30個より成るB鎖が、2ヵ所のS-S結合で結合された構造を持つ。動物種によりアミノ酸残基が少し異なる。

insulinの作用機序

insulinを投与すると数分内に血糖降下作用がみられる。ブドウ糖がinsulin受容体のある肝細胞、脂肪細胞および筋肉により糖輸送体を介して、それぞれの細胞に取り込まれるからである。

insulinの生理・薬理作用

食後、血中では、ブドウ糖のみならず、アミノ酸や脂肪酸の濃度も上昇するが、インスリンはこれらを細胞内に取り込むように働く。ブドウ糖は肝臓でグリコーゲンとして、アミノ酸は筋肉で蛋白質として、脂肪酸は脂肪組織にトリグリセリドとして保存される。アミノ酸→ブドウ糖の変化は主に肝臓で起こる。insulinの欠乏により、肝臓のブドウ糖放出が増加し、脂肪・筋肉組織の糖の取り込みが減少することにより、高血糖がもたらされる。insulinの欠乏はこればかりでなく、脂肪組織より脂肪酸の放出をもたらすため、高脂血症を招く。肝臓ではさらにアセチル・CoAからの脂肪酸合成が低下し、ケトン体が産生され、ケトン血症を招く。ケトン体のうちアセト酢酸など比較的強い酸によりアシドーシスが生じる。

insulin製剤

ヒトinsulinはブタinsulinのB鎖30位アラニンをトレオニンに変換して合成するが、ポリペプチド性であることを利用し、組換えDNA法によりバクテリアに合成させることも可能である。protamineまたは亜鉛を加えるとinsulinは沈殿する。この浮遊液を皮下注射すると吸収が遅くなり持続時間が延長される。この性質を利用して速効性、中間型、持続型および混合型の製剤が作られ、血糖のコントロールが図られている。なお、insulinはスルフォニル尿素系薬物のような経口血糖下降薬と異なり、内服できない。

insulinの副作用

投与されたinsulinが過量であると、低血糖症が起こり、noradrenalineの代償分泌による発汗、頻脈、脱力体のふるえなどの症状がみられる。insulinがポリペプチド性であるため、insulin抗体によりinsulin抵抗性が現われたり、アレルギー反応を起こしたりする場合がある。insulinは皮下注射で投与する場合が多いが、投与部位の皮下脂肪が消失することがあり、リポジストロフィーと呼ばれている。

 

2.経口血糖下降薬

insulin分泌能のある成人型糖尿病(NIDDM)では、経口血糖下降薬が用いられる。食事療法と併用して血糖のコントロールにあたる。スルフォニル尿素系薬物とビグアニド系薬物がある。

  1. a.     スルフォニル尿素系薬物

化学構造と薬物動態

サルファ剤に低血糖を起こす性質のものがあり、膵臓を摘出した動物ではこれがみられないということをヒントにつくられたもので、arylsulfonylureaを基本化学構造とする。構造により作用時間が異なる。胃腸菅より良く吸収され、肝臓で代謝を受け、尿中に排泄される。血中ではほとんどが蛋白質結合型として存在するので、薬物相互作用による低血糖症に注意する必要がある。

作用機序

膵臓β細胞よりのinsulin分泌を促進し、血糖低下作用がもたらされる。従って、β細胞にinsulin分泌能が残っていない場合は無効である。

副作用

低血糖症がsulfonylureasの過量で生じるが、他の薬物との併用により薬理作用が増強され起こる場合もある。tolbitamideやdicumarolやphenylbutazoneが併用されると、肝臓での薬物代謝を阻害し、また血中での蛋白結合部位の競合により薬理効果が増強されることが知られている。他に消化管症状、血液学的異常、皮膚の異常、肝臓の異常がある。

  1. b.     ビグアニド系薬物

化学構造と薬物動態

guanideを基本化学構造に持つもので、内服により良く吸収される。血中半減期は数時間で、血糖を下げるには数週間の継続投与が必要である。代謝を受けずに尿中に排泄される。

作用機序

ビグアニド系薬物は膵臓β細胞には作用がない。insulin様の作用があり、肝臓の糖新生抑制、解糖作用の促進、腸管よりの糖吸収の抑制作用がある。

副作用

血糖下降作用は弱い。増量すると胃腸障害を起こすことがある。phenforminは重症の乳酸アシドーシスを起こすことがあるので、現在は使用されていない。

 

1.糖尿病の運動療法の目的

身体活動により、耐糖能やインスリン作用機構を改善し、糖尿病をコントロールすることが本来の目的である。また、運動が身体機能に及ぼす影響を利用して、糖尿病およびその合併症、高血圧症、などの関連疾患のリスクを軽減させることも重要である。書く対象者およびその家族のQOLを可能な限り高く維持することが最大の目的である。

 

2.身体が及ぼす影響

①呼吸・循環器への影響…トレーニングにより、呼吸・循環器機能の増強効果が得られる。

②内分泌、代謝系への影響…糖尿病のコントロールとして重要な影響は主にトレーニング効果によるものである。

③筋肉への影響…トレーニング効果により、筋における血中遊離脂肪酸(FAA)の利用率は増大し、筋のグリコーゲン消費量は低下するので、筋組織の代謝効率が改善し筋持久性は高くなる。これらは筋による筋重量の増加、インスリンレセプターの結合性の変化、インスリントランスポーターのどの変化が、インスリン感受性を向上させて、糖・脂質代謝を改善すると想定されている。

④体力への影響…身体的要素と精神的要素がある。適切な運動刺激の反復により、筋力、持久力、柔軟性、敏捷性、協調性、平行性、などの行動体力を向上させ、内外のストレスに抵抗するための防衛体力も向上させることが出来る。

 

3.運動処方の原則

①運動の種類…歩行は有酸素運動の基本であり、最もライフスタイルに取り込みやすい。患者の運動能力を正しく把握して処方しなければ、かえって代謝を乱す危険性がある。可能な限り、運動負荷テストを施行し、具体的な指標を用いて運動処方を行うべきである。

②体操…身体の柔軟性・強調力を維持するためには、四肢体幹全体の動きを含む体操がよい。体操は体作りの基本であり、あらゆる運動のウォーミングアップとクーリングダウンにも応用できる。標準的な負荷強度を確認した体操をセルフストレッチと合わせて糖尿病体操として処方される。

③静的運動…重心の移動を伴わないもので、等尺性運動が中心である。日ごろ使用しない筋組織の機能を向上させ、有酸素運動に必要な抗重力筋群を鍛えることができる。

運動強度

①代謝改善が主な目的…運動によって糖代謝コントロール改善を目的とした運動を処方する際には、年齢ごとの絶対値で強度を決めるより、ここに相対的強度で運動強度を設定することが望ましい。

②脂質代謝改善が主な目的…脂質代謝改善には40~50VO2Maxの強度の運動が奨められている。継続時間は糖代謝コントロール改善が目的の場合により長めに処方するほうがよい。

③消費エネルギー量充足が目的…運動によるエネルギー量の計算は、絶対強度(毎分あたりの消費エネルギー;kcal/kg/min)×運動時間である。食事による摂取エネルギー量とタイムスタディ法による摂取エネルギー量の調査が必要である。

④運動強度の管理方法…入院中医療スタッフが管理する場合、運動負荷テストなどにより至適運動強度の測定、テレメータ心電計などにより心電図あるいは心拍数で管理する。運動施設での管理は、病態によっては、入院に準じた管理が望ましい。医療機関と運動施設の連携が必要で、チェックリストが必要である。患者自身による管理は、出来るだけ患者に触診法をマスターさせるべきである。運動直後の脈拍数を参考に管理する。運動強度の修正は、運動療法開始当初は2~4週間後と、それ以降は3ヶ月、6ヶ月、1年ほどで再評価、再処方する必要がある。

運動時間…運動の目的が主に糖・脂質代謝改善である場合、少なくとも10分以上適切な強度の運動負荷が必要とされている。中等度の運動強度で有酸素的な運動を行った場合には、定常状態になるためには3分を要する。負荷時間はある程度長いほうが効果があるとされているが、疲労の要素を考慮しなければならない。ウォーミングアップとクーリングダウンの必要性を考えると、主運動となる有酸素的運動は1階20分が適当と考えられる。

運動時間帯…食後30~60分経過後、血糖値やインスリン値がピークに達したときに施行することが望ましい。しかし、日常生活のなかでは必ずしもこの時間帯に運動できるとは限らない。Ⅱ型の場合は極端な空腹や食事直後を避ければ、ライフスタイルに取り込みやすい時間帯を指導するほうがよい。Ⅰ型の場合は、インスリン注射、食事時間を考慮して運動時間帯を厳格に守らなければならない。

運動強度…運動の生理学的研究によれば、急性代謝効果は数時間~1日持続し、トレーニング効果は3~4日しか持続しない。したがって可能な限り1日に2回、週3回以上実施するべきである。

 

4.運動療法の適応と禁忌

①積極的に運動を奨めるべき例…Ⅰ型糖尿病(学童期)、Ⅱ型糖尿病(軽度の糖代謝異常のみ、軽・中等度の肥満例、合併症を有さない例、軽度な高血圧症)

②注意して奨める例…Ⅰ型糖尿病(基本的にすべて)、Ⅱ型糖尿病(中等度異常の肥満例、明らかな代謝異常を有する例、高齢糖尿病)、軽度の合併症を有する例(糖尿病性末梢神経障害、単純性網膜症、腎症初期、動脈硬化性血管障害合併症例、軽~中等度の高血圧症)

③運動療法は禁忌とすべき例…ケトアドーシス、重篤な血管障害合併症例、重篤な自律神経障害、出血の危険のある網膜症、進行した腎症、活動期感染症。

 

5.運動療法に必要な評価

1)初回評価

①メディカルチェック

運動系疾患、中枢神経疾患に理学療法と同様に、運動療法を開始する前に、他部門からの情報を十分に把握する。特に糖尿病の種類、糖・脂質代謝異常のコントロール状態、合併症の有無・程度に関するメディカルチェックの結果を初期評価時に記録する。

②問診、患者観察、基本評価

家族歴:糖尿病の血縁の有無。家系のなかに脳血管障害、冠状動脈疾患、腎臓病を有する。あるいはこれらが原因で亡くなったものの有無を確認する。

現病歴:過去に糖尿病と診断された、あるいは糖尿病が強く疑われたことがあったか。また、そのきっかけを正確に聴取する。

既往歴:通常の既往歴の確認。同時に糖尿病の合併症に関する疾患の有無を確認する。

運動歴:核のスポーツ歴、運動奇形の障害、現在の運動習慣を把握する。

体重:過去の最大体重、健康時、の体重を確かめておく。変化があれば、いつ、どれほどの期間で、どの程度の体重増減があったかを確認する。

 

運動器のチェック:骨、関節、筋肉の障害の有無・程度をスクリーニングする。

③生活活動調査と消費エネルギーの把握

適切な運動処方を行うには、個々の患者の現在の生活習慣や摂取・消費エネルギー量をあらかじめ把握しておく必要がある。

生活活動・消費エネルギーの把握

カロリーカウンター

年齢、体重などを入力すると、経時的に基礎代謝量とエネルギー消費量を算出する。中等度の強度の運動までは、呼気ガス分析による消費エネルギーとの相関もよく、生活活動調査により消費エネルギーとの相関もよい。

④運動機能の把握

効果的な運動療法を行うために、各患者の呼吸・循環機能、内分泌・代謝系の反応性、筋力、柔軟性などを評価しておく。

ROM,MMTテスト

出来れば下肢筋力、握力なども評価する。

体力テスト

健康・体力づくり事業団の体力テストなどがあるが、対象者が高齢の場合には注意を要する。

肺機能検査

運動処方の際には、肺機能障害の有無・程度も必要な情報である。対象者が呼吸機能障害を有する場合にはHugh-Jonesの分類も活用できる。

運動負荷テスト

メディカルチェックで実施されている場合もあるが、通常は循環器系の反応性に心機能の検査である。糖尿病の運動療法では、内分泌・代謝系の運動に対する反応性の検査も必要である。テストプロトコールはトレッドミル、自転車エルゴメーターを用いた多段階負荷、あるいはランプ負荷テストが望ましい。運動負荷時の心拍数、血圧、酸素摂取量の変化や負荷時間、もしくはATポイントさらに負荷テスト時の代謝動態から運動強度を決定する。

2)再評価

効果的な糖尿病に運動療法を行うためには、運動を「至的運動強度」で継続する必要がある。トレーニング効果により、運動効率や体力が向上すれば、運動の相対的強度が不足してくる。この状況で運動療法を継続しても、糖尿病の代謝改善効果は減少するので定期的な再評価が必要である。運動療法開始当初は、2~4週間でトレーニング効果が現れるので、最初は2週間、以後4週間程度で再評価する必要がある。長期的には、半年もしくは1年毎に再評価で十分であろう。糖尿病にコントロール基準を参考に、運動療法の効果を判定し、運動負荷テストなどによって「至的運動強度」をはじめとした運動処方内容を定期的に修正する必要がある。糖尿病の運動療法は、継続できなければ意義がなくなるので、反復教育は不可欠である。このとき、糖尿病のコントロール状況、ライフスタイルの改善のみならず、身体機能面や生活能力面での向上を患者と治療スタッフで確認することは、コンプライアンスの確保に不可欠である。

①糖尿病のコントロール状況

特に糖・脂質代謝の面で変化や合併症関係の情報を正確に把握する。

②生活行動と摂取・消費エネルギーの変化

この面で変化がなければ、運動療法の継続的な効果は期待出来ない。わかりやすいように、万歩計やカロリーカウンターなどを活用する。

③体力、運動能力の変化

たとえば、安静時、一定運動時の心拍数、自覚的運動強度などの経時的な自己測定・記録などを元に評価する。

④自覚的変化その他

最終的には、日常生活の質が改善あるいは維持されなければならない。コントロール状況が良好であっても、本人および家族の満足感に配慮しなければ運動療法を継続することは難しい。

2.基本運動処方

1)運動の組み合わせ

リズミカルな有酸素運動を中心に、体操、静的エネルギーが240~320kcalとなるようにする。入院時以外は、ライフスタイルに合わせた運動内容を考慮する。

①有酸素運動

糖尿病運動療法の中核となる運動である。糖・脂質代謝および全身持久性の改善を主な目的とする。

運動の種類

歩行、ジョギング、自転車(サイクリング)、縄跳びなど、個々の患者が継続しやすい物を選ぶ。過度の競争を避ければゴルフ、テニス、水泳、スキー、スケートなどの組み合わせも考えられる。野球などの団体競技は運動処方は困難であるが、ゲームあたりの総心拍数などで運動量を予測すればなじみのあるスポーツとして運動療法に利用できる。

運動強度

合併症のないⅡ型では30~80%VO2Max、肥満を伴うⅡ型では30~60%VO2Max、合併症を有する場合には30~40%VO2Max程度から始めるとよい。Ⅰ型ではSMBGなどによる血糖チェックが必要であるが、基本的には積極的に行う。まず運動によるエネルギー消費の目標を一定期間内に1日摂取エネルギーの10%以上とする。次に毎日160~240カロリーのエネルギー消費を目標とする。万歩計を用いる場合には1日1万歩以上を目標とする。高齢者に対して有効である。

継続時間

継続的な疲労を生じない程度でライフスタイルへの影響が少ない範囲とする。主運動となる有酸素運動については、合併症のないものでは1回15~20分、肥満を伴うものは運動強度を1段下げて1回20~30分を目安とする。IDDMではインスリン量、補食を考慮して20分程度とする。

実施時間

食後1~2時間が理想である。コントロールのよいⅡ型の場合には特に制限はない。ただし、極端な空腹時と食事摂取後30~60分は避ける。多忙で運動する時間をさけないときは通勤の工夫などを相談する。Ⅰ型の場合は、低血糖が起こりにくい時間に運動する。SMBGなどで、最もよい血糖コントロールが得られる時刻を決めて定期的に行う。

運動強度

基本は1日2回、週3回以上、中2日以上の運動の少ない日を作らない。運動療法開始当初は毎日、慣れれば週休2日、習慣となれば週3日以上訓練としての運動を行う。

②体操

全身の調整力、運動機系の機能を維持・改善に必要なプログラムを選ぶ。歩行などの有酸素運動や筋強化訓練のウォーミングアップ(5分)、クーリングダウン(3~5分)として取り込むとよい。

一般のラジオ、ビデオ体操

音楽、テープなどが活用できるものを選ぶとよい。

スウェーデン体操

古くから行われている治療体操は、運動強度などの資料が公表されているものがあり、運動処方に組み込みやすい。

③静的運動

有酸素運動の基礎となる筋力・持久力を維持改善する。糖消費を効果的に行うためには筋持久力の増加も必要である。

エネルギー消費

エネルギー消費は直接の目的ではないが、目安として10分間で20~40kcal程度までの運動量とする。事前の評価に基づき筋力に合わせた負荷を設定する。

呼吸に合わせた運動を指導する

息を止め、循環器系への負荷を増す(血圧上昇)のような筋力トレーニングは合併症のリスクを高める。

 

3.病方別運動処方のポイント

1)  インスリン依存型糖尿病(Ⅰ型)

①よりコントロールが得られている限り制限は少ない。

②運動は食後1~2時間に行うのが原則。

③運動に際して、補食の指導をする。

④低血糖の前兆を理解させ、対処法を習得させておく。

⑤低血糖対策:スポーツドリンクなどの吸収の早い糖質を常時携帯させる。

 

2)インスリン非依存型糖尿病(Ⅱ型)

①ケトアシドーシス、重篤な血管合併症、感染症の急性期を除き、適切な処方を行えば運動可能。

②FBSが250㎎/dl以上の場合には、食事、薬物療法でコントロール(FBS≦140㎎/dl、食後血糖≦200㎎/dl~FBS≦160㎎/dl、食後血糖≦250㎎/dl)してから積極的な運動療法を行う。

③特別に医師からの指示がない限り、日常生活レベル程度の身体活動は制限すべきではない

④中高年の糖尿病患者、あるいはmorbidity歴の長い症例では、合併症に対する情報を的確に運動処方に反映させる。

 

4.治療法別運動処方のポイント

1)食事療法のみ

①食事療法が基本

②運動療法

 

2)経口血糖降下剤

①基本療法

食事療法と運動療法がまず行われなければならない。

②運動療法

低血糖に注意して運動の郷土・継続時間・実施時刻を適切に処方する。

 

3)インスリン療法

①低血糖

運動中あるいは運動後の低血糖は出来る限り避ける。したがって、どのような運動をしたときに血糖値が、いつどの程度変化するかチェックしておく必要がある。そのためには運動前後のSMBGも必要な場合もある。運動時間帯も一般的に運動時間帯は食後少なくとも1時間とされている。

②摂取エネルギーおよびインスリン量の調節

摂取エネルギー調節

Ⅰ型糖尿病のコントロールが良好であれば、運動前のインスリン量を調節し、エネルギー摂取量を増やすほうがよい。

運動強度とインスリン調整

体重が理想に近ければ、30分以内の低~中等度の運動のためにインスリン量を減らす症例は少ない。

運動と捕食

もしものためにすばやく血糖を上げる炭水化物を携帯する必要がある。

水分補給

運動中、運動後の発汗により体内水分が減少することがあるので、十分な水分摂取を心がける。

 

合併症と運動療法

1.糖尿病性網膜症

単純性では特別な制限はないが、年数の長い症例では注意を有する。前増殖期になれば運動の制限が必要になり、前増殖性網膜症になると、大きな眼底出血を起こす危険性があるので、運動強度、時間を加減する。多い眼底出血後2~3日は安静を有するが、安静臥床は短期間であっても代謝異常を悪化させるので早期にゆったりと散歩などをするほうがよい。眼底出血のリスクを高める頭を下げる運動や、強い等尺性運動は避ける。

 

2.糖尿病性腎症

腎症初期には合併症がない場合と同様に積極的に運動療法を行う。蛋白尿が出現してもCcrが正常の場合、運動は制限されず、趣味の範囲であればスポーツも可能である。腎機能が低下し、Ccrが50%低下したら、運動も通常の50%に制限する。中等度以上の運動はCcrを低下させる。腎不全期は原則的には訓練としての運動は禁止する。腎不全が増悪して、人工透析を受けている患者でも週3回程度の1回20~30分中等度(%HRmaxで50~60%程度)の運動を行ったほうが、全く運動しないよりも心機能の保持、血圧の安定、社会復帰率の増加が見られるので積極的に運動をするほうがよいが、本人、医師とのインフォームドコンセントの下に運動療法を行う必要がある。

 

3.糖尿病性神経症

1)末梢神経障害

自覚症状のない時期には、合併症のない場合と同様に運動療法を行う。下肢の疼痛、痺れ感には歩行が有効である。

2)自律神経障害

原則として運動は制限される。心拍数も運動強度の指標としての活用は出来ない。運動療法を行う際は、運動負荷テストで評価したうえで、運動強度・時間を医師・理学療法士の経験的判断とボルグスケールなどを用いて設定し、注意深い観察のもとに行われなければならない。

 

4.高血圧症

糖尿病と高血圧症はしばしば共存し、年齢と共に増加する。特にほかの合併症を伴わない本態性高血圧症では、40~60%VO2max強度の歩行、その他の有酸素運動を行う。等張性運動は迷走神経を抑制し、末梢血管抵抗を増加させるので選択しない。

 

5.動脈硬化、高脂血症

30~40%の割合で高中性脂肪血症がみられる。この病態に対し、有酸素運動療法を行うと血中TGが低下しHDLコレステロールが上昇することが認められている。週3~4週間以上、40~70%VO2maxの強度歩行・ジョギングを1回20~30分奨めている。動脈硬化が進行すると、冠動脈疾患・脳梗塞を合併するようになる。このときの運動療法はそれぞれのリハビリテーションプログラムを考慮して行う。

 

6.糖尿病性足病変(壊疽)

バージャー体操が有効とされている。循環器・末梢神経障害の配慮も必要。

 

7.肥満

1)肥満の成因

①脂肪細胞増殖:増殖型と肥大型がある

②過食:食欲中枢の欠落、満腹感の変位、ホルモン異常、ストレス

③摂食パターン異常

④運動不足:消費エネルギーの減少

2)肥満の治療

①食事療法

肥満:減量が最も大きなポイントとなり、普段の3/4程度のエネルギー摂取制限から1日200~600kcalの反飢餓療法がある。

Ⅱ型:代謝動態を見極め栄養素のバランスを考慮して減食する。

②運動療法

肥満:基礎代謝を上昇させ、除脂肪体量の消耗を防ぎながら脂肪代謝を活性化し減量する。

Ⅱ型:糖・脂質代謝を改善し、基礎体力を養成する。40~70%VO2maxの強度の有酸素運動を1回15~20分1日2回160~240kcalを目標とする。

③行動療法

基本治療は継続させなければその効果はなくなる。初めに問題となる行動を分析し、環境因子による緩衝作用を評価する。行動分析には、過食などを助長する刺激を除去する。

その上で、過食刺激などに対する患者の反応と行動様式を明らかにして矯正を図る。

最後に患者の行動に対する周囲の反応などを明らかにする。

④その他

薬物療法・手術療法が試みられる。

3)減量

①肥満の判定:標準体重表、Broka 指数、体格指数(BMI)、皮下脂肪測定

②減量の目標

まず1~2ヶ月で2~3㎏、次に5kg、長期的には標準体重+10%を目標とする。

 

運動療法の管理

1.患者教育

運動療法の目的・効果(メリット)、食事療法・薬物療法との注意を分かりやすく、十分に反復教育する。

1)運動のメリット

①一過性の血糖降下

②糖質代謝のコントロール

③脂質代謝のコントロール

④高血圧の予防・改善

⑤スタイルをよくする

⑥ストレスの解消

2)注意点

①食事療法だけでは得られない効果があるが、食事療法を併用しなければ効果が少ない

②食事・薬物療法にあわせた運動をおこなう

③適切な運動を行わなければかえって代謝を悪化させる

④体調・環境に合わせた運動を行う

⑤継続させなければ運動による効果はなくなる

⑥合併症の発現・進行によっては運動を見直す

3)その他

①運動に際しての準備

②運動強度、量のチェック

③ウォーミングアップとクーリングダウン

④運動のライフスタイルへの取り込み

⑤再処方の必要性の理解

 

運動療法の効果

一過性の効果(急性効果)

糖尿病患者が運動を行ったときの急性代謝効果は、病型、コントロールの良否、治療法によって健常者とは異なる場合がある。

コントロールの良いⅡ型では、運動によってグルコースの利用が亢進し、運動後もグリコーゲン生合成が亢進し、その結果血糖値は低下する。FFA、ケトン体も健常者と同様である。

Ⅰ型では、運動による代謝改善に必要なインスリン供給が不可能であり、ケトーシスを伴う場合は、血糖、FFA、ケトン体の高値を招き、代謝状態はかえって悪化する。コントロールの比較的良い場合は、健常者に近い反応が得られ、糖忍容力が改善するが、血中ケトン体レベルは、運動中のみならず運動後も上昇傾向にある。また、低血糖が誘発されることがある。

2.トレーニング効果

1)トレーニングと食事療法

食事療法と運動療法は糖尿病コントロールの基本療法で、ライフスタイルへの取り込みが不可欠である。また、それぞれ単独では最大の効果は得がたいと考えられ、特に、運動療法は食事療法がその根底にあるべきとされている。しかし、肥満型糖尿病に対する脂質・糖質代謝および体重コントロールを目的とする場合には、食事療法のみでは、除脂肪体重(LBM)の喪失を抑えたコントロールは困難である。さらに、極端な食事制限はインスリン感受性を低下させることになる。その他、生活習慣病予防・治療につながる体力の向上や運動器系の機能維持・改善、そして爽快感などは食事療法単独では得難い効果である。食事療法単独群と食事・運動療法併用群を比較すると、耐糖能の改善率は併用群の方がより大きい。

一般的には、運動療法施行時の食事療法遵守の重要性が強調されている。運動指導の際には食事療法のチェックも重要である。

2)トレーニング効果の発現と消失

トレーニング効果の発現時期は、トレーニング開始後約1ヶ月とされているが、1週間という報告もある。食事療法と併用ではあるが、2週間FBS、一日血糖、血中脂質の改善を認めた。トレーニング効果は運動を中止すれば3~4日、遅くとも10日で消失する。しかし、トレーニング効果が低下しても1回の運動でほぼ元に戻ったという報告や、トレーニング効果が2ヶ月持続するという循環器領域の報告もあり、トレーニング効果発現にはおよそ1ヶ月を要し、その効果維持には週3回程度の運動頻度が必要と考えるべきであろう。個体差を考慮すればやはり個別の対応となることは間違いない。

 

運動療法の効果   UP TO DATE

糖尿病コントロールの目的は、血糖コントロールのみならず脂質コントロール、血圧、体重を可能な限り正常化することにより糖尿病の合併症を予防・治療することである。運動療法の目的もこれに沿うものでなければならない。

1.期待される効果

①血糖低下作用:インスリン感受性低下を改善し運動筋組織の糖輸送能に関係するGLUT4(糖輸送胆体)の数を増やしてブドウ糖取り込みを促進する。

②糖質代謝の改善:血清コレステロール、血清中性脂肪を低下させ、HDL-コレステロールを増やす

③体重調節:除脂肪体重の減少を伴わない体重調節とその維持。また、内臓脂肪蓄積量を減少させて、代謝異常の改善に結びつける。

④中等度までの高血圧の改善

⑤身体活動能力の向上

⑥ストレスの解消

 

2.Ⅰ型糖尿病と運動療法の効果

1)Ⅰ型糖尿病と運動

合併症のないコントロール良好なⅠ型糖尿病の患者は、レクリエーション、プロスポーツなどを含むすべての運動が可能でさる。安全で充実した活動を考慮したプランを整えることがⅠ型糖尿病患者に対する管理・治療計画上重視されている。

2)運動による効果的な血糖降下

糖尿病症状のコントロール状態、運動前の血糖値やインスリン療法の内容などを考慮せず、運動の強度と持続時間のみから炭水化物摂取量を計算すると、Ⅰ型糖尿病患者に対する運動の血糖降下作用を無効にしてしまう。

3)運動と低血糖

SMBGにより、運動に対する血糖反応を確認したうえで適切な運動を行うべきである。低血糖は運動中、運動直後さらに運動後長時間経過後にも起こりうるが、避けることは可能である。

低血糖を避けるには、患者が運動時における代謝・内分泌性反応の十分な知識と、自己管理技術をもつことが必要である。

4)Ⅰ型糖尿病の運動効果

運動が動脈硬化の既知のリスクファクターを減少させることは評価されている。運動によりリポ蛋白の代謝が改善され血圧が下がり心血管系の状態が改善することは事実である。しかし、Ⅰ型糖尿病の患者では、血糖コントロールをHbAlcでみた場合運動は効果がないという報告もある。いずれにしても最近の研究では、運動が血糖のコントロールのためだけでなく、日常生活のなかでの価値ある生活習慣としてとらえられるようになった意味は深い。

 

3.Ⅱ型糖尿病と運動療法の効果

1)血糖コントロール

耐糖能障害もしくは合併症のないⅡ型糖尿病の患者に限れば長期にわたり運動プログラムを厳格に実行することは可能である。

2)心血管病変の予防

インスリン抵抗性症候群が存在するⅡ型糖尿病患者は、活動レベルが同じでも対象群と比較してごく軽い運動しか行っておらず、これが多くの心血管性リスクファクターと関係があるということが証明されている。これらのリスクファクターの改善は、血中インスリン濃度の低下と関連が認められ、心血管系リスクに対する運動の効果は、インスリン感受性の改善と関係があると考えられる。

3)高脂血症

定期的な運動は、VLDLのレベルを下げる効果があるが、LDLコレステロールのレベルを低下させるかどうかは明確でない。

4)高血圧

インスリン抵抗性と高血圧の関係は証明されている。運動の降圧効果は、高インスリン血症の患者でもっとも著明である。

5)繊維素溶解系

Ⅱ型糖尿病の患者の多くに線溶系活性の異常が見られる。有酸素運動と、凝固系との関係はすでに報告されている。

6)肥満

運動が減量に効果的で、食事療法を併用した場合、体重維持にも有効という研究結果は多い。

7)Ⅱ型糖尿病の予防

運動療法がⅡ型糖尿病の発症の遅延あるいは予防に有効であるということは多くの事実から証明されている。

 

糖尿病者に勧められる運動内容とプログラム

基本としては、“いつでも、どこでも、一人でもできる運動”である。運動療法の代謝効果、すなわち筋肉へのブドウ糖、脂肪酸の取り込みは活動筋にだけ認められ、トレーニング効果は3~4日しか持続しない。したがって、全身運動に近く毎日実施できるものがよい。

実際、運動療法は普段着でも十分実施できるものも少なくなく、むしろ特別な器具や施設が必要なものは長期間継続させることに困難をきたす場合さえある。長期的に継続させていくためにも日常生活の中に組み入れて、生活習慣の一つとして実施させることが望ましい。そのための基本プログラムは等張性でかつ有酸素運動である歩行と体操が中心となるが、ややもすれば単調になりやすい運動であり、指導者が種々の工夫をこらす必要がある。

 

食事療法

1)食事療法の意義

糖尿病の食事療法の基本は、①適正な摂取エネルギー、②蛋白質、糖質、脂質の適正な補給、③ビタミンおよびミネラルの適正な補給である。

摂取エネルギーの制限と三大栄養素の適正な補給は、インスリンの過剰分泌を軽減し、インスリン感受性を改善する。即ち、摂取エネルギーの制限は、インスリン需要量を節減し、膵B細胞の負担を軽減することになる。またブトウ糖のみならず、アミノ酸や脂肪酸もインスリン分泌を促すため、三大栄養素の適正な配分と必要最小限の摂取が重要である。一方、エネルギー過剰摂取に伴う肥満がインスリン感受性を低下させる。

 

2)食事療法の実際

(1)1日の摂取エネルギーの決め方

1日当たりの摂取エネルギーは、標準体重の1kg当たり30kcalを目安とし、日常生活、運動、年齢、現在の体重などを加味して調節する。下記に示す量は、目安であり、途中で治療効果を観察して、修正を加える必要もある。

肥満者、高齢者 25~30kcal/kg
軽度肥満、事務的労作の者 30~33kcal/kg
普通ないしやや重い労働をしている者 33~35kcal/kg
重労働の者、若年者 35~40kcal/kg

 

(2)標準体重の求め方

糖尿病のコントロール指標の一つとして、肥満の是正と適正な体重の維持がある。1日当たりの摂取エネルギーを決める際に、標準体重を基本にして行うのは、これらの指標に沿うためである。

標準体重の定義に関して定説はないが、単に集団の平均体重をもって標準体重とするのではなく、最低死亡率の体重を理想体重とするとか、長命で充分働けること、病気になることが少ないことなどの条件を満たすものを理想体重とするなどの考え方がある。

以上のことから、糖尿病の1日当たりの摂取エネルギーを決める際に用いられる標準体重の算出法として種々のものが提唱されている。

最もよく使われているのは、Brocaの変法で、〔身長(cm)-100〕×0.9(kg)で計算するが、150cm未満の者では、(身長-105)を用いることがある。

1986年、厚生省(現厚生労働省)は、現在の日本成人の性別、年齢階級別、身長別の体重の分布に検討を加えて、肥満とやせの判定基準を作成しているが、他の計算法のよるものと大差ない。

最近、死亡率に基づく最低死亡率標準体重表が発表された。大部分の体格で、従来の標準体重の+10%くらいがこの最低死亡率標準体重表とはほぼ一致している。しかし、この標準体重は、糖尿病の食事療法の基準として用いるには多少大き過ぎると考えられる。

肥満のある患者においては、いわゆる標準体重を最初から目標とするのではなく、患者ごとに具体的な目標を設定し、これに近づくよう減量を指導する必要がある。

 

(3)三大栄養素の配分

ⅰ)糖質摂取量

糖質は少な過ぎるとケトーシスを助長するのでエネルギー比で50~60%必要であると同時に、絶対量として約120gは摂取しておくべきとされている。

ⅱ)蛋白質摂取量

蛋白質は体構造の維持のために体重1kg当たり約1g必要であるが、蛋白質過剰摂取に伴う腎臓の負担や、動物性脂肪が一緒に過剰に摂取されることを考え、蛋白質の摂取を0.8g/標準体重1kgとするのがよいという考えもある。

ⅲ)脂肪摂取量

脂肪の割合は、動脈硬化の防止という面から、エネルギー比で20~30%がよい。

 糖 質:50~60%(50%)蛋白質:15~20%(20%)

脂 質:20~30%(30%)

ⅳ)新しい配分法(食品の構成比)

三大栄養素の一般的な配分法のほかに、構成比を変えた食事療法の試みもなされている。

 

(4)ビタミン、ミネラルの補給

糖尿病食は、三大栄養素のバランスのとれた食事であり、1200kcal/日の糖尿病基礎食でも充分にビタミンおよびミネラルの補給はできるといわれている。具体的には、野菜を充分に摂取することと牛乳または乳製品を一定量摂取することが重要である。

日本人平均1人1日当たりの所要量

カルシウム (mg)

燐   (mg)

  鉄   (mg)

ナトリウム (mg)

カリウム  (mg)

600

600

男9.5、女12.0

3,900以下

2,000~4,000

ビタミンA (IU)

ビタミンB1 (mg)

ビタミンB2 (mg)

ナイアシン (mg)

ビタミンC (mg)

1,800

0.8

1.1

13

50

 

3)栄養素の質の問題

(1)食物繊維

食物線維とは、経口投与されて消化液で消化され難いデンプンを除いた多糖類とリグニンを指す。食物繊維は長期的にみた場合、人間の健康に必要と考えられて来ている。即ち、食物繊維の胃腸管における生理作用と疫学的データから、食物繊維の欠乏が糖尿病、動脈硬化症、大腸癌、虫垂炎、深部静脈血栓症など諸種の疾患と深い関係にあることが示唆されてきた

糖尿病では、満腹感を高めることにより食欲を抑制すること、血中脂質を下降させること、食後の血糖上昇を抑制すること、など好ましい作用が期待できる。

食物繊維は、1日の摂取エネルギーの50%以上が炭水化物で占められているときに、血中コレステロールを低下させ、血糖コントロールを容易にするといわれる。量としては、1日40g、または1,000kcal当たり25gが必要である。

 

(2)Glycemic Index

Glycemic Indexはブトウ糖を50g摂取したときの血糖値の上昇を100%として、等カロリーの糖質を含む食品を摂取したときの血糖値の上昇比を示したものをいう。その後、ブトウ糖よりもパンを用いるほうがより生理的であるとしてパンを摂取したときの血糖値上昇に対する各食品摂取時の血糖値上昇の%をもってGlycemic Indexとする方法も発表された。留意すべきことは、糖質として等カロリーを含む食品を比較しているのであって、その食品に含まれる脂肪や蛋白質の割合は異なっているということである。なお、各食品のGlycemic Indexとして発表されているものは、健常人において調べられた値である。

当初、Glycemic Indexは、食品摂取後の血糖上昇度を示す指標として、糖尿病患者の食事療法上有用と考えられた。その例として、Glycemic Indexを取り入れ、朝、昼、夕の食事の配分を行うと血糖値の日内変動がより安定するのではないか、あるいは、豆類のGlycemic Indexが低いことより、主食の米やパンに換えて豆類を主食にするとよいのではないか、などの考え方がとり挙げられた。

しかしその後、いくつかの問題点が指摘されている。①単独の食品としてではなく、mixed mealの形で摂取された場合、Glycemic Indexは必ずしも食後の血糖反応と相談しないこと、②健常人における反応から糖尿病患者における反応を必ずしも推定することはできないこと、③Glycemic Indexの応用はインスリン依存型と非依存型糖尿病とで異なるべきであること、などの指摘がなされている。

いずれにしても、Glycemic Indexは、臨床的にはあまり活用されていないのが現状であり、今後も、より多方面からの検討が必要であると考えられる。

 

(3)三大栄養素の食品の選択

糖尿病の食事療法の目的を全うするためには、三大栄養素の配分のみならず、各栄養素を含む食品の種類についても注意を払う必要がある。

ⅰ)糖質

糖質に関しては、複合糖質を主体とし、単純糖質を制限するべきである。単純糖質は吸収が速いことから血糖上昇をきたしやすく、疫学的にも、単純糖質の過剰摂取は糖尿病の発症・増悪因子であることが示唆されている。砂糖の摂取は1日6g以下が理想である。

ⅱ)蛋白質

蛋白性食品して、必須アミノ酸の不足が起こらないように1/3以上を動物性蛋白質で摂るようにすすめられている。しかし、動物性蛋白質の過剰摂取は、単独の因子として作用するか否かは不明であるが、糖尿病の促進因子であるともいわれているので注意が必要である。

ⅲ)脂質

脂肪食品については、飽和脂肪酸を少量にすることが望ましい、即ち、多価不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸の比を1.0以上とするのがよい。コレステロール摂取量は300~600mg/日が好ましいので、食品交換表で1単位に100mg以上のコレステロールを含む食品については気をつける。さらに、魚油に多いエイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸は、血小板凝集を抑制し、動脈硬化性疾患の予防につながるので、これらのものの摂取が勧められる。特に、最近の研究では、食用油に多いリノール酸を多く摂取することは、血小板凝集を高めるので、リノール酸を減らして魚介類に多いエイコサペンタエン酸の摂取の比率を増すべきだとの意見もみられる。

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