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(^_-)耳鼻咽頭科とCT検査の話


「耳鼻咽喉科とCT検査」の画像検索結果

(・.・;)題名:耳鼻咽頭科とCT検査の話

コンピュータ断層撮影(CT)とは、X線とコンピュータを用いて、頭蓋内や各臓器をあらゆるレベルで断層像として得ることのできる検査である。造影剤を使用しない単純撮影と、造影剤を使用するダイナミックCT、アンギオCTなどがある。

 

(1)目的

領域にかかわらず、がんの進行度・進展範囲等を診断し、治療成績の向上につなげる。

 

(2)検査の実際

頭頚部は筋肉・脂肪などの軟部組織と骨・軟骨などの硬性組織が混在する解剖学的にきわめて複雑な部位である。また、部位・亜部位や隣接蔵器への進展の有無により治療方法が大きく異なるという特色がある。このため、軸位や冠状断撮影により病変の周囲への進展について診断可能である。

CT検査は欠かせない検査である。最近ではヘリカルCTの出現により様々な断層像が得られるようになり、3次元画像の構築も可能になった。特に微細な骨破壊の有無の評価はCT検査のほうがMR検査よりも優れている。また、CT検査は要する時間も比較的短時間であり、全身状態のあまりよくない症例についてもMR検査より患者に負担が少ない。

①側頭骨のCT検査

・CTによる検査では従来の断層写真よりはるかに詳細に深部の骨組織や軟部組織の状態を写し出すことができる。

・CTでは側頭骨の気胞化の状態、中耳真珠腫の大きさや形、骨破壊の範囲などを手術前に詳しく知ることができる。

・側頭骨のCTでは中耳癌の広がりや、聴神経腫瘍による内耳道の拡大の状態なども鮮明に写し出すことができる。

②副鼻腔

・CTを用いると鼻腔や副鼻腔の断面を詳細に写し出すことができる。これにより、鼻中隔の彎曲の程度、各鼻甲介の肥厚、各副鼻腔の大きさ、粘膜の肥厚の様子などを詳しく知ることができる。

・副鼻腔の悪性腫瘍では腫瘍の大きさ、浸潤の状態、骨破壊の様子などがわかり、放射線治療や手術に際して有用な情報を得ることができる。

③脳のCT検査

・聴神経腫瘍は聴神経または前庭神経に発生する腫瘍で主症状として難聴、耳鳴を示し、その後めまいが発現するため、耳科的検査により早期に発見が可能である。片側性の神経性難聴、耳鳴があればⅩ線断層写真やCTにより内耳道の拡大の有無を検査し、さらにエンハンスメントによる脳のCT検査を行う。

・聴神経腫瘍は良性で緩慢な経過を示すが、大きくなると脳の圧迫症状をきたすため、耳科的または脳外科的手術により摘出する。

 

(3)注意すべき所見

①口腔がん

たとえば舌がんや口腔底がんであれば下顎骨や口腔底筋群、内側翼突筋など周囲筋群への浸潤の有無に注意する。下顎骨への浸潤が疑われた場合には骨皮質の破壊にとどまるのか骨髄質への浸潤があるのかが治療上重要な所見となる。ただし、歯科治療材などがある場合はアーチファクトにより鮮明な画像が得られない場合が多い。

さらに静岡県立静岡がんセンターでは下歯肉がんや口腔底がんで下顎骨浸潤の程度を精密に評価するためにパントモグラフィー構築CTを施行している。通常のCTを画像処理により様々な角度で下顎の断面像を再構築し、微細な下顎骨皮質の変化などもとらえやすいことや、深達度の判断において下歯槽管への浸潤の有無などが把握しやすい。

②上顎がん

上顎がんは周囲を骨に囲まれているために、その骨破壊の有無や前後筋骨洞・蝶形洞、さらには頭蓋底への進展の有無の把握にCT検査は優れている。骨条件で観察すると微細な骨破壊などがわかりやすい。

③喉頭がん・咽頭がん

喉頭がんでは甲状軟骨や輪状軟骨の破壊の有無、中下咽頭がんならば甲状軟骨もしくは椎体への浸潤の有無など、いずれもCT検査での治療前の評価が必要になる。特に中咽頭側壁がんでは内側翼突筋への浸潤があれば、下顎骨を正中で離断しアプローチする必要性があるために、術前の正確な評価が必要とされる。

また中下咽頭がんでは咽頭後外側リンパ節(ルビエールリンパ節)の転移の有無に注意する。ルビエールリンパ節に転移がある場合、予後はきわめて不良であるとされる。

④甲状腺がん

甲状腺がんでは気管への浸潤や微小肺転移の有無が治療上重要な所見である。また頸部リンパ節転移の評価も重要である。頭頸部がんの予後評価においてリンパ節転移の有無は重要な因子とされており、治療方針も転移の状態に大きく左右される。手術適応がある際にはCT検査により郭清範囲が決められる。転移リンパ節は内部に壊死性の変化を伴うことが多く、low densityを有する場合には転移リンパ節である可能性が高い。

 

(4)検査に伴う看護

がんの進行度を判断するCT検査では造影剤の使用が必須であるため検査施行前に詳細な問診を行い、CT検査歴(造影剤使用歴)などを聴取するとともに、造影剤使用により皮疹や掻痒感が出現したり、呼吸困難感が出現した既往がないかどうかを確認する。

喘息・アレルギー・甲状腺中毒症・腎不全の既往の有無、妊娠の可能性などは特に重要な問診内容となる。CT検査ではヨード系造影剤を使用することが多く、胃排泄性なので、検査前から水分の十分な摂取を促しておく。実際の検査の手順としては造影剤注入のためのルート確保が検査の第一歩となる。造影剤注入時の漏れなどがないように確実なルート確保が必要である。

注入時に造影剤の血管外漏出による疼痛の訴えがあった場合には即刻注入を中止し、漏出部の観察・処置を行う。通常は造影剤が漏れた場合でも自然に吸収されるので問題はないが、皮膚症状が重篤な場合、皮膚科受診を考慮しステロイド軟膏塗布やリバノール湿布などで対処する。

また、CT検査前の採血検査の結果、腎機能の低下を認めた場合は、造影剤が腎排泄性であるために、より注意が必要となる。静岡県立静岡がんセンターでは検査前の採血でクレアチニン値1.5以上の場合、造影剤の使用の可否を検討し、主治医から了承を得られた場合のみ造影剤を使用している。

場合によっては検査後、点滴によりハイドレションをかける場合もある。また原則的にクレアチニン値2.0以上は造影剤の使用を控えることとしている。慢性腎不全が存在し、すでに透析が導入されている場合は透析により造影剤が体外に排泄されるため、検査翌日などに透析を施行すればよい。

検査後は皮膚症状、悪心、気分不快、頭痛、呼吸苦などの有害事象の出現に注意し観察をする。また造影剤アレルギーの既往が特になくとも、検査後強い有害事象の症状を認めた場合には、ステロイド薬の静脈内投与を行い、バイタルサインの頻回な測定、呼吸状態の観察などを行う。

「耳鼻咽喉科とCT検査」の画像検索結果

(@_@;)参考文献

橋本信也:新・検査マニュアル、照林社、1996

野村和弘:頭頸部がん・眼科領域のがん、メヂカルフレンド社、2007


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