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d(⌒ー⌒)!切断と評価の話


(・_・;)題名:切断と評価の話

1.切断の術前評価の意義

リハビリテーションはチーム・アプローチであることは言うまでもなく、切断については医師、看護婦、PT、OT、義肢装具士、SWが初期から緊密なチーム・ワークが求められる。

医師は疾患の診断、治療方針の決定とその実地についてもっともよく知識をもち技術をもっている。しかし機能訓練はPT、OTの領域であり、義肢装具士と連携して義肢の作成・装着などに関わる。

末梢血管障害の切断が増加するにつれ、従来のように整形外科医による切断から血管外科医切断する機会が増え、義肢に関する十分な知識を持たない医師による切断が増えている。こうした欠陥を埋めて、合理的なリハビリテーション・プログラムを進めるためにはチーム・アプローチを行う以外に有効な手立てはない。

切断が予測される患者が入院してきたら、リハビリテーション科に連絡が行われる体制を確立する必要がある。

 

2.術前評価

a.一般的評価

①診断名(切断理由)

②現病歴

③既往歴

④合併症

末梢循環障害患者に多い糖尿病、動脈硬化による高血圧や心機能障害になどに対する治療内容を把握しておくと、術後の訓練場面における事故の予測に役立つ。

⑤年齢、性別

⑥リスク

高齢者の下肢切断者の場合に、心肺機能における重度な合併症のため、訓練プログラムの大幅な変更が必要となったり、義肢を軽量簡便なものとする必要が生じたり、あるいは義肢装着による歩行そのものが適応とならないことがある。

⑦精神機能、精神状態

高齢者の場合に高度な痴呆があったり、若年者でも精神病(例えばうつ病による自殺目的での事故などもある)によってリハビリテーション・プログラムへの理解や協力が得られなかったり、実際に義肢を装着しても日常生活上の効果が全くみられない事がある。

⑧切断術式および術後ドレッシング方に関する情報

・切断高位

・切断術式:皮膚切開線、骨・筋の処理法

⑨主訴、ニード

⑩病名告知の有無

悪性腫瘍の場合の問題となる。医師が病名を正確に告知していない状態で、切断と義肢に関する説明などを行うことは要注意である。

b.社会的評価

①家族構成

小児や高齢の切断者で、断端の衛生管理や義肢の管理、装着、ADL面での介助を要するような場合に「介助者」の有無とその能力が問題となる。

②経済状態

年収によっては義肢作成の費用の負担が生じる。

 

③職業

・作業内容

・職場環境・通勤状況

・年休、病気休暇、休業期間など、その企業の福利厚生制度

④家屋構造

下肢切断者の場合には、家屋が和式か洋式か、居住階、廊下の幅、段差、トイレや浴室の設備が問題となる可能性がある。

⑤生活環境

⑥趣味

趣味活動の有無とその具体的内容、要求される作業内容など。

c.身体的評価

①ROM-T

②MMT

③計測(体重、身長、周径、下肢長、足長)

④パッチテスト

切断術後用いられる絆創膏、弾包、消毒薬や義肢材料に対する皮膚の過敏性を知るテストである。このテストは手術前に、使用すると思われる材料の小片を下腹部に貼り、24時間後の皮膚の反応(発赤、かゆみなど)を観察して判定する。いうまでもなく皮膚炎を生じた材料は用いない。

⑤表在、深部感覚テスト

⑥ADLテスト

日常の活動内容で特に重要なものである。高齢者で長期間介助を受けていた人は、例えば機能的な義肢をつけてもADL上の利点は生まれないかもしれない。先天的な肢欠損の子供で過保護に育てられていた場合にも、義肢によって「失われたADL獲得」よりも発達的な視点から訓練が重視される必要が生じるかもしれない。

⑦姿勢のチェック

⑧歩行分析

⑨平衡感覚

⑩疼痛感覚

⑪皮膚の状態

皮膚の瘢痕や浮腫、その他の異常の有無。

d. 心理的評価、心理的アプローチ

ふつう「義肢に対する(心理的)受け入れ」と呼ばれるものであるが、この評価を正確に行いうるテストはなく、術前(あるいは術後の)患者との面談を通して概括的に知る以外に方法はない。

臨床上大切なことは、術前において切断に関する患者の不安をできる限り除いておくことである。

その不安の中身は次のようなことである。患者は切断という経験したことのない事態を前にして強い不安感を抱いている。その中心となるものは切断後の「外観」と「機能」にあると考えられる。患者が若く、また女性であれば、切断後の外観に対する不安は強いだろうし、仕事に価値を置く人では機能により強い不安をおぼえるだろう。こうした患者のおよその態度を面談の中から把握し、その不安を取り除く実際的なやり方として、義肢そのものを見せたり、それを装着して作業や歩行を行ったりしている患者の写真やVTRを見せるとよい。また切断を終えて訓練中の患者のフォローアップのために通院している患者と会わせることも不安の軽減に大いに役立つ。こうした経験を通して患者は切断後に失うものが意外に少ないことを知るようになる。

e.その他の状態

①障害者手帳の有無

②健康保険の種類

 

3.術後評価

術後評価は実際的に切断を受けた患者に対して、義肢の装着を目指して行う。

精神機能を含む医学的な評価、全身の身体的な評価など術前に比べて変化があるようであれば再評価を必要とする。また、疼痛や一般的状態がよくなかったり、その他の理由で術前評価にかけているものがあれば術後評価の中で行うこともある。

術後評価の目的は大別すると、①義肢装着して日常生活が可能な患者か否かの判定、②義肢の処方と装着訓練のための基本情報を得ること、である。後者はふつう断端評価とよばれるものである。

a.義肢が適応とならない患者

①精神機能の障害(痴呆または精神薄弱)

②精神障害があって、訓練や義肢の操作など理解や協力が得られない者。

③老化による著しい体力の低下。入院前の生活が家屋内に制限されていたり、ADLに介助を必要としていたような者。

④重症の心機能低下あるいは低肺機能者

⑤片麻痺などの中枢神経障害のため義肢のコントロールが不可能な者。

⑥骨・関節疾患のため疼痛や高度の変形を有する者。

b.断端評価

断端評価義肢の処方に不可欠であるとともに、術後の成熟過程を知る重要な手がかりとなる。

断端評価の開始時期は、術直後義肢装着法、早期義肢装着法では手術室で最初に巻かれたギプスソケットをはずしたときに、ソフトドレッシング法では抜糸の時期にそれぞれ第1回の評価を行う。この後は、とくに周径の計測を毎日、一定の時間あるいは一定の状況のもとで行って経過を観察していく。

①形状の評価

断端は適度な緊張をもつ筋肉と軟部組織におおわれた丸みのある円錘状が理想的である。

骨の先端の軟部組織が多く、しかも骨から遊離して不安定なカウ・ベル状の断端や、十分な軟部組織のおおいがなく骨の先端が皮膚の直下に触れるよな断端は、いずれもソケットとの適合に問題を生じやすく、ソケットそのものの形状を変えなければならないことがある。

 

②断端部皮膚の評価

手術瘢痕の位置、皮膚の過敏性、皮膚障害(皮膚炎、湿疹など)について評価する。これらは断端のスケッチに詳しく描いておく。

③疼痛の有無

断端を圧迫したり、指先で叩いて疼痛の有無を検査し、その部位、痛みの性状を記載しておく。

④幻肢および幻肢痛の有無と状態

切断されたはずの肢があたかも残存しているかのように感じられるものを幻肢といい、これに痛みが加わったものを幻肢痛という。

幻肢の原因には末梢説と、脳に記憶された身体図式が切断後も作用をもつとする身体図式説があり、現在では後者が有力とされている。

6歳以下の小児では幻肢を見ることがないが、これは身体図式が未熟なためといわれている。

幻肢痛の原因は、断端部の癒着や瘢痕、神経腫などによる末梢説のほか、切断者の心理状態に原因があるとする説など様々である。

幻肢は6歳以下の小児を除けば、ほとんどすべての切断者に一次的あるいは永久的に、また様々な形態をとって現れる。これに対して幻肢痛を訴える患者は少なく、病的な現象といえる。

⑤ROM-T、MMT

⑥下肢切断の計測

・断端長、機能的断端長

下肢の切断の断端長は機能的断端長をさす。また端断端、長断端などの呼称は上肢切断ほど厳密に区分されたものではない。

断端長の計測点はふつうの肢長計測部位(上前腸骨棘あるいは膝関節裂隙など)とは異なって、大腿切断では坐骨結節、下腿切断では膝蓋骨下端から断端末までである。

・周径計測

断端の成熟を知る重要な情報であると同時に、ソケットの適合を左右するものでもある。軟部組織で覆われた断端の周径計測は技術的にやさしいものではなく、メジャーの締め付け具合によって値は大きく変化して評価のデータとして全く無意味なものになりかねない。各セラピストが常に一定の計り方をするようにし、一人の患者についていつも決まったセラピストが測定するようにする。下肢切断は大腿切断では坐骨結節から5cmごとに計測を行い、下腿切断では膝外側関節裂隙から5cmごとに計測を行う。

 

⑦その他

大腿切断では四辺形ソケットを用いるため、周径のほかに坐骨結節までの高さで断端の前後径、左右径などの計測を行う。

(~o~)参考文献

医療学習レポート.切断と評価


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