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(^^)d筋ジストロフィーと運動療法の話


( 一一)題名:筋ジストロフィーと運動療法の話

●理学療法プログラム

1.DMDの障害に対する理学療法の目的

DMDに対する根本的な治療法はなく、病勢の進展による一次性機能低下は避けられず能力低下も重度となる。よって、その過程において現存する機能を最大限に使える状態を保つことが重要である。

DMDに対する理学療法の目的は、

①二次性機能障害がない場合はその発生を予防し動作能力を維持する,または低下を遅らせる。

②二次性機能障害が存在する場合はそれを治療し、動作能力の改善を図る。

③機能障害の維持・改善が難しい場合は適切な代償手段、すなわち身体機能に応じた補装具、自助具、車いすを処方する。成長が止まれば現存する機能を有効利用するために代償運動などを利用することで動作能力の維持・改善を図る。さらに自力での動作ができなくなった場合も介助量が少なくてすむ期間の延長を図る。

の3点に集約され、これらを通して生活の質を維持・改善することにあると言える。

DMD患者の理学療法実施にあたっては、障害進行の流れを踏まえた上で廃用症候群を防止し、残存機能を最大限に活用してADLや社会性の維持を図り、本人の自己決定を尊重しつつQOLの向上を目指していく必要がある。

基本的アプローチとしては、変形拘縮の予防および増悪防止、筋力維持・増大および廃用性萎縮の防止、機能障害の遅延および機能維持、呼吸機能の維持・増大、があげられる。

 

2.病期別理学療法ガイドラインの全体像

病態の進行に応じて、歩行能力の維持、起居動作、動作能力の維持、立位・座位保持能力の維持、車いすを利用した活動能力の維持、呼吸機能維持などを図る。これを4つの病期として捉えると以下の様に述べることができる.

 

DMDの病期別理学療法とその実施時期

障害度

病期1

歩行期

病期2

装具歩行・起立期

病期3

車いす.電動車いす期

病期4

呼吸管理適応期

PT種目

PT各項目の主な実施時期

ROM維持 下肢二関節筋伸張,股・膝関節伸展,足関節背屈上肢・手指,頸部,脊柱,胸郭のROM維持・変形防止
筋力維持

筋疲労に注意して有酸素運動を中心に

基本的動作訓練 床からの起立 階段昇降 台からの起立

立位・ 歩行

四つ這い ずり這い 座位保持
整外的アプローチとの連携

早期  手術後

下肢拘縮除去,腱移行術後

          脊柱側彎防止ope後

装具療法 歩行用長下肢装具起立用長下肢装具

体幹装具,座位保持装具

呼吸不全の防止 VCなどチェック,維持強化,深呼吸訓練咳の介助
呼吸不全への対応 MIPPV,NIPPV導入呼吸気搭載型電動車いす

 

3.病期別ガイドライン

1)歩行期:StageⅠ~Ⅳ

(1)PTの目的

・可能な限り長く、良い歩容で歩行可能な期間の延長を図る。

(2)PTの内容

①StageⅠ~Ⅱ(歩行期前半)

維持的な関節可動域運動、二関節筋の伸張運動、階段昇降や床からの起立などの基本的動作訓練、水泳・スポーツなどを利用して楽しい雰囲気の中で行う全身的な運動を通しての体力増強。

②StageⅢ~Ⅳ

・可能な限り下肢や体幹の拘縮・変形の防止を図る。特に歩行不能の原因となり易い股・膝関節屈曲拘縮、足部の内反・尖足変形に対して。

・急速な歩行能力の喪失につながる立位・歩行時の左右非対称性に対しても均等に対珠負荷がかかるようにアプローチする。

・ホームプログラムとして家族に下肢を中心としたROM運動や基本的動作訓練の実施を指導したり、介助は最低限度に留め家族が過保護にならぬよう、促すことも重要となる。

・転倒時の外傷予防の為に、膝サポーターや頭部保護帽の着用の指導。

・整形外科的アプローチとして、歩行可能な時期から腸脛靭帯、アキレス腱などの離断術を実施した場合の後療法として、早期からの立位・歩行訓練が必要な事もある。

 

2)装具歩行・起立期:StageⅢ~Ⅵ

(1)PTの目的

・装具を使用して律動的で左右対称性が保たれた歩行や、良いアライメントでの起立能力を可能な限り延長すること。

・下肢長管骨の骨萎縮防止、体幹筋群・骨盤帯筋群の二次的廃用性症候群による脊柱変形の防止、心肺機能低下の防止

(2) PTの内容

・ 歩行用装具導入時期の目安として,立位姿勢・歩容の非対称性の出現と転倒回数の増加(平地で日に3回以上)があげられる.

・ 起立用装具は装具歩行が困難となった症例に適用され,起立位保持により脊柱・骨盤帯筋群の能力と心肺機能の廃用性症候群の防止が期待される.

・ 整形外科的アプローチとして下肢屈曲拘縮に対する腱解離術と後脛骨筋移行術が実施される.この時期の手術後には長下肢装具を用いて歩行・起立能力の延長が図られる.また腱移行術後には筋再教育練習が必要になる.

・ 手術をせずに装具を工夫する事で歩行・立位保持を獲得することも可能であり,下肢関節拘縮に対応したターンバックル付きの起立用LLBなども存在する.

・ 歩行用装具については歩行可能な時期から適用を開始した方が実用レベル獲得しやすい.

 

3) 車いす.電動車いす期:StageⅣ~Ⅷ

(1) PTの目的

・移動能力の再獲得,座位保持能力を維持しよりよいQOLを獲得する.

(2) PTの内容

・ 歩行能力の低下に伴い生活の中で室内など短い移動距離は歩行とし,通学などの長距離は車いすでの移動を指導し,活動性維持と廃用性萎縮の防止を図る.

・ 車いす期に入ると股・膝関節の屈曲拘縮,足部内反変形,脊柱変形の増悪が急速に進行し,これにより生じる座位保持の困難性が大きな問題となる.

・ 重度の脊柱変形は重篤な急性胃拡張の原因ともなり生命予後にも影響する.

・ 体幹装具は側彎などの脊柱変形を矯正することは困難であるが症例にあった装具を用いて座位をより良い姿勢で保持できれば,座位での活動性の維持やQOLの向上につながる.

・ 上肢・手指の可動域の維持,代償動作を用いてのADLの維持,自立性保持の為の環境制御も重要である.

・ 整形外科的アプローチとして脊柱側彎防止の為の手術がある.

・ 患者の呼吸機能によっては車いすに人工呼吸器を搭載することもあり,その為の呼吸機能評価は重要となる.

 

4) 呼吸管理適応期:StageⅤ~Ⅷ

(1) PTの目的

・胸郭および肺の拡張性の維持・増強

・換気障害急性増悪期の改善

・有効な咳による痰排出能力の維持

・人工呼吸器など必要な機器へのスムーズな導入

(2) PTの内容

・ 呼吸筋の筋力低下による換気不全は必発であり,2~3ヶ月毎にMICとPCEFをチェックして経過を確認する.

・ 可能な限り呼吸筋力の維持が図られるが,同時に胸郭・肺の拡張性を維持または増強して人工呼吸器のスムーズな導入を図る.

・ NPPV導入前より肺と胸郭の柔軟性の維持・改善を図るために胸郭モビライゼーションの適用

4.理学療法訓練の実際

1) 運動機能訓練

(1) 下肢の訓練

初期のリハビリテーションは起立,歩行能力の維持に重点が置かれ,両親の理解と協力のもとに訓練を進める.機能障害が進行するにつれて積極的訓練を必要とする.DMDでは筋力低下は常に進行中であること,特に廃用性萎縮に陥りやすいことを念頭に置き,指導する.例えば,StageⅣで風邪による臥床,あるいは短期外泊での訓練中断などわずかな期間でも廃用性の萎縮や筋力低下が生じ,歩行不能になる因子となる.

具体的には筋力維持と関節拘縮の防止を目的とした起立・歩行と伸張運動(ストレッチ)が最も重要な訓練方法である.両親にも徒手的ストレッチの手技を十分に指導し,会得させる.初期にはできれば斜面起立台の使用を進める(手造りのものでも可).自転車や水泳などのスポーツや遊びなどは体力維持からみても有効である.起立・歩行などで外傷の危険性もあるが介助は最小限度にし,過保護は避ける.依存心を少なくし自発的意欲を持たせるようにし,訓練を毎日習慣付けることが重要となる.

起立動作も練習と努力でかなりの期間にわたって維持され,起立に介助を要しても歩行能力のある期間は介助起立,歩行を継続する.このような場合,下肢のストレッチ(徒手的,起立台)を事前に行う必要がある.

四つ這い,ずり這い動作などは体幹運動,上肢のストレッチも兼ね合わせているので訓練項目として重要であり,並行して四肢の自動抵抗運動,自動介助運動,他動運動などを徒手や滑車を利用して行う.

 

(2) 上肢の訓練

上肢に対する訓練は歩行不能になった頃から機器を用いて,肩・肘・手関節,上腕・前腕などの自動抵抗運動,自動介助運動,他動運動,徒手的ストレッチを実施し,拘縮予防,筋力維持を図る.上肢のADL遂行には起立および座位姿勢の安定性が重要であり,机・椅子などの工夫,装具あるいは生活観関連のリハビリテーション機器,用具なども障害の進行につれて適宜用いる.

手指動作は最終段階まで有効に機能するよう,維持を図る.手先作業としての巧緻動作はintrinsic muscle(手内在筋)の活用を重視し,筋力低下や萎縮が生じぬようこれも並行して訓練する.

 

(3) 装具療法ならびに車いす処方

10歳前後に歩行不能になると装具療法か車いすかの選択になる.車いすを用いるのは容易であるが歩行能力の再獲得を考慮して,装具療法を試すことが望ましい.DMDは進行性の筋疾患である為,装具適応の時機を逸することのないように注意する.装具療法では筋力特に関節拘縮が問題となり,長下肢装具の適応の目安としては平地歩行での速度が極めて遅く,5m以内または頻回にわたる転倒がみられたら装具歩行を考える.この時期の筋力としては,股屈筋力2(+),膝屈筋力3,膝伸筋力2(-)がおおよその目安である.さらに関節拘縮については,股関節屈曲-30°以上,膝関節屈曲-15°以上,足関節背屈-30°以上の場合で股関節屈曲外転位で腸脛靭帯の短縮あるいは尖足が強い時,また拘縮の左右差の著しい場合には手術的矯正(主に,腸頚靭帯切離,アキレス腱延長)が装具装着を前提として行われる.装具起立・歩行は筋力維持(廃用性萎縮防止),下肢,体幹の拘縮・変形の防止に役立つ最良の治療手段である.

移動手段としての車いすは操作,安全,姿勢保持を検討した上で作製される.なるべく自力での操作を原則とし,電動式車いすの処方は手動操作が困難になってからとする.重症化が進むと,リクライニング機構の付いた車いすとなり日常生活の維持を図る.足部変形を伴う場合には短下肢装具の適用で,車いす上での姿勢の安定化,介助の容易化が図れる.

歩行不能になる時期と一致して筋力低下も著しくなり,生活上座位姿勢を長くとるようになると脊柱の変形が生じ,大きな問題となる.Collapse spineとしての前弯位は緊張した抗重力姿勢で側弯を伴うことは少ない.習慣的な不良姿勢としてよくみられる後弯位は,側方への支持性も失われ側弯を伴う,後側弯になり易く,12~13歳頃に急速に進展することがある.この高度側弯は,胸郭変形を伴い呼吸障害を増悪する為,早くから呼吸不全を招来し寿命の短縮の原因となる.

また,脊柱変形による頸椎の過度の伸展拘縮は気管を圧排し換気不良,さらに人工呼吸時の挿管による危険性と致命的な合併症を起こすので確認が必要である.一度,構築性となった側弯の矯正は不可能に近く,非構築性の時期に体幹ストレッチや予防的な意味での装具適用が好ましい.この装具としては長下肢装具のほかに,座位での骨盤傾斜および脊柱変形の予防・矯正,姿勢保持を目的とした座位保持システム(バケットシート),コルセット型(座いす式)などが,変形の形態・程度によって合目的に3点固定の原理に基づいて処方される.

 

(4) 呼吸訓練

呼吸訓練については初期段階では特に必要ないが,歩行不能になり障害が進むと横隔膜,肋間筋,腹筋など呼吸筋力の維持,胸郭可動性を目的にした訓練が順次必要になる.定期的な肺機能検査の成績に基づいて訓練が実施されるが,主な項目としては深呼吸,発声,口すぼめ,吸気,腹式呼吸などの一般的なものの他に,抵抗呼吸訓練,徒手胸郭伸張法,舌咽呼吸法などが有効である.呼吸機能低下は進行につれて必発となるので,適宜早めに訓練プログラムに取り入れる.

 

胸郭の可動性改善の為に胸郭を構成している関節の関節包内運動および骨運動の改善,呼吸筋の伸張運動などを実施する.また,痰の喀出の為に排痰を実施する.また,舌咽呼吸(GPB)を習得する事で肺活量の増大が期待できる.胸郭変形は気道の偏位をきたし,換気仕事量を増大させる.よって胸郭を構成する関節の拘縮や筋短縮を予防し,呼吸筋力の維持に努める.

  呼吸不全末期には人工呼吸が行われ,最近では非侵襲的方法としてNIPPV(鼻マスク式間欠陽圧呼吸)が広く用いられており,換気を機械的に補助する.また,痰の喀出力の低下により気道内分泌物が貯留しやすく,痰喀出に体位排痰,呼吸介助法やカフマシーンを用いるなどの方法がある.変形・拘縮が強度な症例では体位排痰法の各肢位をとることが困難であり,その場合座位,側臥位,背臥位が基本姿勢となる.痰喀出は貯留部位を確認した上で基本姿勢をとり,tapping,vibration,squeezing,compressionなどのテクニックを用いて行う.Tappingの後にsqueezingを行うと痰の喀出が容易になるとの報告もある.

5.リスク管理

1) 過用または過労

筋の過用(overuse)または過労(overwork)は筋力低下を引き起こす.疲労は患者本人の主張だけに頼らず,あくまで他覚的所見から判断すべき.

 

※過用を起こさない為の方法

(1) 回数の設定を考慮

1セットの回数を少なくし,吸息を十分に取りながら疲労の徴候が出現した時点で中止し,回復を待つ.

(2) 1日の総運動量を考慮

理学療法・作業療法時間の設定,病棟や家庭での運動量の配慮

(3) 患者と家族の教育

 

Stageが軽く日常生活が実用的に行えている段階(Ⅰ~Ⅱ)や,逆にstageが重く動作がほとんど出来なくなった状態(Ⅶ~Ⅷ)では過用は起こりにくい.両者の間の動作の実用性が乏しくなり,時間と努力を要する段階で過用を起こす危険性が高くなる.

 

2) 過伸張

筋を解剖学的な長さ異常に伸張すると筋力低下を引き起こす.DMD患者は筋力低下によって侵害刺激に応じた十分な防御的収縮が出来ないため,過伸張(overstretching)となって筋に損傷を引き起こす危険性が高い.

※過伸張を起こさない為の注意

(1) 関節可動域運動において正常関節可動域を越えて筋・腱を伸張しない

(2) 基本的動作訓練において転倒などによる過伸張を起こさない

(3) 移乗・体位変換などが全介助の場合は介助時に誤って四肢を器具などに引っ掛けて過伸張を起こさせないように

(4) 患者や家族の教育

 

3) 成長期の左右非対称な動作・姿勢

成長期の左右非対称な動作・姿勢は関節可動域制限を引き起こす.この関節可動域制限の発生と増悪が原因となって,動作能力低下を引き起こす危険性がある.例えば,立位時の一側下肢への体重負荷(休めの姿勢)は反対側の足関節背屈制限や股関節伸展制限を生じ,跛行や骨盤傾斜を引き起こす.これが機能的側弯の要因となり放置すれば構造的側弯に移行することがある.したがって左右非対称な日常生活動作・姿勢を早期から発見しその予防に努めなければならない.

 

4) 転倒

動作が不安定になり安全性に欠ける時期,例えば歩行や座位保持が不安定になる時期や長下肢装具による歩行時には,転倒による骨折や捻挫,打撲を生じる危険性が高くなる.その為,適切な介助量や監視距離の判断が必要である.また保護帽の着用やサポーターの使用も考慮する.

 

5) 心機能維持

心機能障害を合併している患者については運動量の調節は心エコーなどの検査結果に基づき,主治医と相談しながら行わなければならない.

 

●その他の病型の理学療法プログラム

1.肢帯型

1) 目的

本症の経過の特徴から,可能なかぎり筋力低下,ROM制限,ADL障害の進行を防止するとともに,障害段階が一段階低下したときに,身体的状態や,社会的ニーズに対して,どのように対処すべきかを考慮した上,再三の生活環境の調整を行い,自立性をできるかぎり維持し,介助の負担を軽減させ,意義のある生活が送れるよう援助する.

2) プログラム

(1) 運動機能訓練

筋の廃用性萎縮を予防するためには,日常生活を最大限に維持することが最も効果的であるが,筋力維持のためには,罹患筋の筋力に応じた抵抗運動,自動運動,等尺運動などが適応となる.なおMMTで筋力3以上の筋は効果が大きく,一時的ではあるが筋力強化につながるとされている.さらに抗重力筋の筋力維持には,少なくとも1日3時間の立位歩行が必要とされている.

筋の短縮はハムストリングスや,腸脛靭帯,腓腹筋などの2関節筋に起こりやすいため,これらの筋群に対する筋伸張法や,各関節に対するROM訓練が重要.

そのほか,心肺機能についてはDuchenne型と同様,定期検診をおろそかにしてはならない.本症が軽微な時期から,軽いスポーツや趣味を通じて胸郭の可動性に注意し,心肺機能障害が出現した場合は,呼吸訓練の指導を行う.

また体重の増加は,ADL能力に直接影響するため,カロリー調整などの栄養指導を受けるとともに,規律正しい生活を送ることが大切である.なお,本症患者は,家庭で療養,またはちりょうしつつ就業している場合が多いため,家庭や職場での訓練が重要.

(2) ホームエクササイズ

介助者がいる場合は,上記のプログラムを介助者に十分指導し,介助者がいない場合は患者自身で行なえるプログラム(図1)を指導する.そしてすくなくとも,6ヶ月に1回の頻度でホームエクササイズの状況(患者状態含む)を定期的に点検し,プログラムの適切な修正と指導を行なうことが重要.

 

2.顔面肩甲上腕型

本症に特徴的な顔面,肩甲帯,上腕部の障害に留意し,肢帯型に準じた訓練を行なう.

顔面筋弱化による顔面のこわばりに対しては,表情筋への筋伸張法や,自動介助運動が効果的な場合がある.また,閉眼困難のために生じやすい角結膜炎を防止するために,点眼や,風防グラスを利用するのも効果的であり,夜間睡眠中は湿布眼帯がよい.前脛骨筋弱化による下垂足に対しては,短下肢装具が適応になる場合もある.

 

3.筋緊張型

肢帯型に準じた評価・訓練を行なう.

本症も特異的な筋力低下を示し,それらに対するアプローチが大切であるが,易疲労性のため,訓練効果があらわれない場合がある.

拘縮に関しては,股関節伸展制限や,肘屈曲拘縮をきたしやすく,各関節に対するROM訓練は重要である.また本症の特徴である筋強直症状に対しては,課題運動を行なう前に,主動作筋収縮と,弛緩をすみやかに反復することにより,動作がうまく遂行できる場合がある.そのほか多彩な症状や,易疲労性のため,訓練や生活動作に対してっ自信を欠き,すべてに対して無気力になる場合がる.したがって周囲からの注意ぶかい激励や,集団生活,および作業を提供するなどして,動機付けを行なうことも大切.

心肺機能については,心筋や呼吸筋の変性および,喉頭筋の弱化などにより傷害されるため早期からの心肺機能の管理と指導が重要.


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