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((o(^∇^)o))人工呼吸器と看護の話


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(*^。^*)題名:人工呼吸器と看護の話

人工呼吸器とは、なんらかの理由で自発的に十分な換気と酸素化ができなくなった患者に対し、人工的補助手段として用いられる治療法である。

呼吸停止、もしくは呼吸不全の状態や、麻酔時に筋弛緩薬によって呼吸が停止された患者に、機械により呼吸または補助呼吸を行う。

胸郭外に陰圧をかけて胸郭を広げる鉄の肺型のものと、気道に陽圧を加えて肺を押し広げる方式とがある(現在は、後者が一般的である)。

人工呼吸器を装着する患者には、次のような問題が生じることが考えられる。

(1)自然に呼吸ができないことによる生命への危機感、死への恐怖感をいだく。

(2)治療・処置に伴う苦痛・体動制限がある。

(3)コミュニケーション手段が制限され、不安・恐怖の表現がむずかしい。

(4)モニタや明るすぎる照明などに囲まれた非日常的な生活環境における苦痛・不安などによって、基本的欲求が障害された状態となる。

看護師は、患者のおかれた状況を理解し、不安・恐怖が軽減され、少しでも安楽に過ごせるように援助することが大切である。

 

1)人工呼吸器のメカニズム

●人工呼吸器の基本構造

最近の人工呼吸器は、気道内陽圧換気を行うものが一般的である。

また、装着の方式として侵襲型と非侵襲型(NPPV)とに分けられる。

侵襲型とは気管挿管や気管切開を行った際に用いる人工呼吸であり、非侵襲型とは挿管をせずに装着できる人工呼吸器をいう。

後者のほうが操作が簡便であり、積極的に用いられている。

在宅での長期人工呼吸や慢性呼吸不全状態の急性増悪時、侵襲型の人工呼吸からのウィーニングの促進などに適当である。

医用工学の進歩により多機能化された人工呼吸器が臨床に導入されているが、基本的な構造は、駆動源、送気装置、ガス流方向変換装置および呼吸回路から構成されている。

①駆動源:電気または高圧ガスを用いて、ガスの流れをつくるもとになる装置をいう。

②送気装置:酸素および圧縮空気が適切に注入されることにより、酸素・空気の混合比を自在に調整し、設定した酸素濃度のガスの流れをつくる。

③ガス流方向変換装置:送気装置から送られてきたガスの一定流量を吸気時にのみ患者の肺に送りこむため、ガスの流れの方向を一定間隔で周期的に変換させる。最新のものは精密に制御でき、さまざまなパターンの吸気流量波形をつくることができる。

④呼吸回路:ガス方向変換装置と患者を接続し、ガスを運ぶ。次のようなもので構成されている。

(1)呼気・吸気弁:呼吸回路内のガスが一定方向に流れるようにする一方向弁。

(2)加温・加湿器およびネブライザ:通常の呼吸では、吸入される空気は気道で加温・加湿され肺胞に達する。人工呼吸器を用いる場合、乾燥した空気が直接肺胞に到達すると、気道粘膜の線毛運動の低下や喀痰の粘稠化が生じ、喀痰の喀出が困難となり、無気肺や肺炎などの呼吸器合併症、気道抵抗の上昇、気管チューブの閉塞などの問題が生じる。加温・加湿器は人体本来の機能を代償するために必要なもので、いくつかのタイプがある。ネブライザは、気管支拡張薬などを吸入する場合に用いられ、人工呼吸器の回路に組み込まれる。

(3)ホース(蛇管):人工呼吸器本体と患者をつなぐ管のことをいう。圧縮などによって容量が変化しないしっかりとしたものが望ましい。

(4)各種モニタのセンサ:呼吸回路内の圧、酸素濃度、温度などを検知するためのセンサをいう。ここと機器本体はモニタラインなどで接続されている。この機能が機器本体に内蔵されている機種もある。

(5)Yピース:ホースと気管チューブを接続するときに使用するアダプタをいう。

(6)フィルタ:感染防止のため吸気側、呼気側に取り付けられる。

●陽圧呼吸による影響

通常の呼吸(自発呼吸)では、横隔膜と肋間筋のはたらきによって胸郭を広げることにより、胸腔内を陰圧にして肺に空気を送り込む。

人工呼吸による陽圧呼吸は、強制的に空気を送り込む非生埋的を呼吸である。

そのため、さまざまな合併症が生じやすくなる。

・循環器系から全身への影響:

陽圧呼吸が行われることにより、気道内圧、肺胞内圧が上昇し、平均胸腔内圧が上昇するため大静脈は圧迫され、静脈還流量が減少する。

しかし、肺の血管抵抗増大によって右心房圧が上昇し、心臓への血液循環が障害され、心拍出量は低下する。

心拍出量の低下は、重要臓器への血流量の低下、ひいては酸素供給量が低下し、各臓器の機能低下や障害をまねく(心機能障害、腎機能障害、肝機能障害など)。

また、胸腔内圧の上昇は中心静脈圧(上・下大静脈圧)を上昇させる。

上大静脈圧と頭蓋内圧はよく相関するため、頭蓋内庄亢進症状のある患者に人工呼吸を行うと重篤な神経系合併症をおこす可能性もある。

・呼吸器系への影響:

人工的な陽圧呼吸を続けることで肺コンプライアンスが低下し、進行した場合には無気肺となる。

肺胞が過膨張することにより、肺胞上皮や微小血管の透過性を亢進させ、肺胞に水分やタンパク質が漏出して肺胞性肺水腫や間質性肺水腫の状態となる。

高い1回換気量やPEEP(呼気終末陽圧)によって肺組織自体が損傷を受け、皮下気腫、肺胞破裂、緊張性気胸などが生じることもある。

また、人工呼吸療法中に罹患した呼吸器感染症が全身に及ぼす影響は大きく、全身状態が不良となることもある。

・その他の影響:

意識レベルが低下している患者などは空気を嚥下することが多く、胃拡張をおこすことがある。

膨満した胃は横隔膜を押し上げ、呼吸運動を妨げる。

したがって、人工呼吸器装着中の患者の看護では、呼吸状態だけでなく意識状態、循環動態など全身状態の観察がたいせつである。

 

2)アセスメント

・呼吸状態:

人工呼吸器を適応した理由、装着している人工呼吸器の種類と気道確保の方法(経鼻挿管、経口挿管、気管切開)、人工呼吸器の設定条件の確認をする。

以下の徴候の有無と程度についてアセスメントする。①呼吸回数・パターン・努力呼吸、②気道内分泌物の量と性状、喀出状況、③呼吸音、④非同調呼吸(ファイティング)

・低酸素血症:

人工呼吸器の効果が不十分な場合は、低酸素血症が生じる。次のような症状をアセスメントする。①意識状態、②傾眠・不穏・混乱、③頭痛、④不整脈・頻脈、⑤血圧低下、⑥チアノーゼ

・全身状態:

合併症などの有無および治療法(副腎皮質ステロイド薬、抗がん剤などによる副作用)について確認する。以下の症状の有無と程度についてアセスメントする。①バイタルサイン(血圧、脈拍、体温、尿量など)、②栄養状態、③感染徴候、④倦怠感・疲労感、⑤全身の皮膚(口腔粘膜を含む)の状態および挿管チューブが固定されている部位の皮膚の状態、⑥腹部膨満感、腸嬬動音、⑦浮腫、⑧冷汗、末梢冷感

・検査所見:

以下の点について、アセスメントする。①動脈血ガス分析による肺の酸素、換気、酸塩基平衡の状態、②動脈血酸素飽和度(SaO2)、③1回換気量、④胸部Ⅹ線検査

・その他:

以下の点について、アセスメントする。

①本人および家族の疾患、挿管・人工呼吸管理の受けとめ、②挿管・人工呼吸管理による苦痛・疼痛、③挿管・人工呼吸管理のためにコミュニケーション手段が制限されることによる不安の程度、④挿管・人工呼吸管理による精神的・心理的状態、⑤ベッド上に拘束されること(体動制限)に関する苦痛、⑥活動に対する意欲、⑦社会的役割、⑧発達課題の達成状況、⑨サポートシステム、⑩経済状況

 

3)看護目標

(1)呼吸状態が改善され、早期に人工呼吸器から離脱できる。

(2)自分の意思を伝達できる手段をもち、ニーズを表現できる。

(3)治療や処置に伴う苦痛が軽減する。

(4)不安が軽減され、不安の要因となっているできごとや環境を受容することができる。

(5)合併症をおこさない。

 

4)看護活動

●安楽な呼吸への援助

人工呼吸器を装着して安楽な呼吸をするためには、①効果的な分泌物の喀出、②十分な酸素化、③呼吸パターンの安定の3つが必要である。具体的には次のような援助を行う。

(1)挿管チューブが粘液や分泌物によりつまりやすいため、吸引時の挿入抵抗の変化をみながら閉塞の有無を確認する。

(2)人工呼吸器の加温・加湿器の水位や温度を定期的に確認する。

(3)定期的に全肺野の呼吸音を聴取し、また、胸郭の動きに左右差がないかを観察する。

(4)挿管中の患者は、鎮静薬を投与されて呼吸筋の機能が低下したり声門の動きが抑制されるために胸腔内圧を上昇させることができず、効果的なせきが困難である。そこで、適宜吸引を行い分泌物を除去する。必要があれば気管内洗浄を行う。

(5)肺に貯留した分泌物のドレナージと無気肺の予防のため、2時間ごとまたは適宜体位変換を行う。

(6)医師の指示に応じて気管支拡張薬、去痰薬などを投与する。

(7)排痰位に用手的呼吸介助を行う。

・十分な酸素化:

(1)せきやテープの再固定などによって挿管チューブの位置がずれたり、誤って固定されている場合は、低酸素血症を引きおこすことがある。挿管されているチューブが正しい位置にあることを定期的に確認する。

(2)人工呼吸器の設定を定期的に確認し、適正な酸素濃度や換気条件が維持されているか、呼吸回路や機器本体に異常がないかを点検する。

(3)パルスオキシメータを使用して酸素飽和度をモニタする。

(4)低酸素血症の症状の有無をモニタする。

(5)60%の酸素濃度下で7~10日経過後は、胸骨下部不快感、せき、吐きけや嘔吐、呼吸困難、肺コンプライアンスの低下、PaCO2の低下などの酸素中毒症状が出現する可能性があるため、症状・徴候をモニタする。

(6)腹腔内臓器による横隔膜圧迫を避け最大限の肺拡張を促すため、可能であるならば患者を定期的あるいは適宜ファウラ一位、あるいはセミファウラー位にする。

・呼吸パターンの安定:

(1)人工呼吸器の設定を定期的に確認し、適正な酸素濃度や換気条件が維持されているか、呼吸回路のリーク(もれ)や機器本体の異常がないかを点検する。

(2)気管チューブのカフ圧が低下すると換気のための十分な圧が得られないため、定期的にカフ圧を確認する。

(3)定期的に全肺野の呼吸音を聴取し、また胸郭の動きに左右差がないかを観察する。

(4)気管チューブの位置異常を示すような呼吸音や皮下気腫の有無を観察する。

(5)呼吸パターンを観察し、自発呼吸の有無を確認する。

(6)人工呼吸器との非同調呼吸(ファイティング)によって肺胞換気量が減少し、胸腔内圧が上昇するため、静脈還流量と心拍に量が低下することがある。そのため、非同調呼吸の有無と頻度を観察する。

(7)非同調呼吸が激しいときは、人工呼吸器との同調をはかり、安全で効果的に呼吸管理を行う目的で医師と相談し、鎮静薬などの投与を検討する。

(8)挿管中の患者は、鎮静されて呼吸筋の機能が低下したり、声門の動きが抑制されているため、胸腔内圧を上昇させることができず、効果的なせきが困難な状態にある。そこで、定期的あるいは適宜吸引を行い、分泌物を除去する。必要があれば吸引の前に生理食塩水を使って気管内洗浄を行う。

(9)鎮静中の患者や混乱している患者が偶発的に自己抜管するのを防ぎ生命の安全をまもるため、必要に応じて体動を抑制する。

●不安への援助と苦痛の緩和

・不安への援助:

緊急に人工呼吸器を装着しなければならない患者は、意識状態が低下している場合が多い。

事前に人工呼吸器を装着することを知らされなかった患者は、意識を回復したときや回復過程において、自分のおかれた状態が理解できずに、不安状態に陥りやすい。

また、手術後に予防的に人工呼吸器を装着する患者の場合は、術前にオリエンテーションを行い、術後に予測される状況が受け入れられるようにする。

それでも、患者は挿管による苦痛に加えて身体状況も不安定であるうえ、コミュニケーション手段が制限される欲求不満の状態となり、通常とはまったく異なる環境で過ごすことを余儀なくされる。

したがって、患者の不安を軽減するために以下の援助を行います。

(1)患者に不安感や恐怖感を表出するように促し、その原因を考え、それらを緩和できる情報を提供する。その際、看護師は患者の訴えが理解できずにいらいらしたりして、患者の感情表出を抑制しないように注意する。

(2)患者の年齢や理解度にあわせ、おかれている状況(たとえば、挿管チューブのために声が出ないなど)が理解できるように具体的に説明する。

(3)ストレスや不安のレベルを知るために、バイタルサインの変化、不穏状態などをアセスメントする。

(4)人工呼吸器のアラーム(警報装置)や緊急時の安全装置について説明し、非常事態への対応を理解してもらうとともに、安心感を与える。

(5)治療や処置・ケアの前には、必ずこれから行われることについて説明する。

(6)いつでも看護師を呼ぶ方法(ナースコールなど)があること、またそれが患者の手もとにあることを説明する。

(7)家族の不安が患者に伝わり不安を増強させることがあるため、家族を支援して不安や恐怖に対処できるように援助する。

(8)患者の周囲での会話は、患者の病状に関することや誤解を生じやすい内容を避け、不安を増強させないように配慮する。

(9)ストレスや不安を緩和するリラクセーションの方法を説明する。また、患者の好きな音楽やラジオを聴けるようにするなど、リラックスできる環境を提供する。

(10)今後の治療・回復への見通し、呼吸状態が安定したら抜管できることなどを説明し、目標を与える。

(11)不安が軽減されずストレスが強い場合は、患者の安静を保ちストレスからまもるため、医師と相談のうえ、鎮静薬の投与などを検討する。

(12)鎮静後は、客観的な指標などを用いて鎮静状態をアセスメントする。

・苦痛の緩和:

呼吸管理をされている患者は、処置に伴う疼痛、人工呼吸にいたった基礎疾患や外傷、人工呼吸器装着に伴う疼痛などを体験する。

それらに対しては、十分な鎮痛を行うことにより発熱・血圧・脈拍を低下させ、心臓への負担を軽減させることによって酸素消費量を低下させる。

その結果、鎮静薬の減量も可能であるといわれています。

患者の表情やバイタルサインを観察し、必要以上に我慢することがないようにはたらきかける。

疼痛が強い場合は医師に相談し、鎮痛薬の投与を検討します。

●コミュニケーションへの援助

コミュニケーションは、困難な状況のなかで信頼関係を形成していくためには欠かせないものである。

看護師は、不自由な状態のなかで発せられる患者のメッセージをくみとる姿勢(誠意)を大切にしたい。

人工呼吸器装着前に患者と確認していたコミュニケーション手段がある場合は、その方法を再確認し、患者に看護師間の連携がはかられていることを伝え、安心感を与える。

いずれの場合も疲労感が少なく患者にあった方法を選択する。

(1)患者には、声によるコミュニケーション以外の手段(身振りや筆談)があり、これらを使えば自分のニーズを伝えられることを説明する。

(2)ホワイトボードや紙を用いて筆談を行う場合は、筆圧が軽くて疲労感を与えない筆記具を選択する。腕を持ちあげて書くことは、各種の点滴やモニタを装着している場合は困難であり体力を要する。また、臥床しなから字を書くのはむずかしいため、患者の望む位置にボードやノートをもっていき、支える。

(3)指文字という、看護師の手のひらやシーツなどに一文字ずつ書く方法を説明する。単語を伝える場合には簡単にゆっくりと書くように説明する。

(4)声は出ないが、口唇をゆっくりと動かしてもらい看護師が読みとる方法があることを説明する。指文字と同様に単語を伝えるには簡単である。

(5)あらかじめ訴えの多い単文(息が苦しい、のどが渇いた、のどが痛い、暑い、寒い、眠いなど)をカードにしておき、患者にさし示してもらう方法があることを説明する。患者のニーズが表現されている場合は、すみやかに意思の疎通をはかることができる。

(6)大きな文字で50音を書いた表を用いて、患者にさし示してもらう方法があることを説明する。ただし、この方法の場合は文字を探すのに時間がかかったり、文字をさし示すのに腕を上げることで疲労することもある。

(7)看護師は患者の細かな動作に注目し、患者の身体言語(表情、ジェスチャー、アイコンタクトなど)により意思が伝わっていることを示します。

(8)患者のそばを離れる場合は、看護師を呼ぶ方法(ナースコールなど)を手もとに置き、患者に説明する。

(9)コミュニケーションをとっている間に、患者は必要以上に努力をしていることがある。患者の状態を観察し、バイタルサインの変化に注意する。

●日常生活サイクルの確保

ICUにいる患者や呼吸管理をされている患者の生活環境は、多くのモニタ類に囲まれ、機械音や周囲の人達の会話が聞こえるために落ち着かないことが多い。

夜間もバイタルサインの測定や気管内吸引などの処置のために、睡眠が障害されやすい。

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(^◇^)参考文献

医療学習レポート.人工呼吸器と看護


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