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o(*⌒―⌒*)o人工関節置換術の話


(^o^)題名:人工関節置換術の話

関節の一部または全部を金属、セラミックス、超高分子ポリエチレン(UHMWPE)などの生体材料で置換し、関節機能の獲得をはかる手術である。置換をする部位により、部分置換術または半置換術と全置換術に分けられる。

 

人工関節の種類

部分置換術または半置換術:関節の一部を生体材料に置換することである。

①股関節:股関節では大腿骨頭を切除して、人工骨頭で置換する。この手術は大腿骨頚部骨折や大腿骨頭壊死などの症例で、寛骨臼に異常のない症例に適応される。股関節の人工骨頭には単ベアリング型と二重ベアリング型がある。後者では外側骨頭と内側骨頭との間に超高分子ポリエチレン(UHMWPE)が介在している構造をしており、股関節の運動は寛骨臼と外側骨頭、およびUHMWPEと内側骨頭との間で行われる。それで寛骨臼への侵襲が少ないとされている。

②その他の関節:膝関節では内側もしくは外側の破壊されたコンパートメントのみを置換し、単顆置換術とよぶ。この手術は早期の変形性関節症や大腿骨内側顆壊死などが良い適応になる。肩関節では上腕骨頭を切除して人工骨頭で置換する。

 

全置換術

相対する関節面双方を人工素材で置換するもので、上下肢および手指の関節に対し行われているが、股関節、膝関節が最も多い。人工関節を骨に固定する方法に、骨セメントを使用する方法と、しない方法とがある。骨セメント使用法では人工関節の骨への固定は容易であるが、骨セメント硬化時の重合熱(70~80で)、骨に固定する時の一過性の血圧低下、生体親和性、耐久性などに問題があるとされている。骨セメント非使用法は、人工関節の骨接触部が微細構造上凹凸不整となっており、その部に骨が侵入して人工関節を固定することになるので、骨侵入が完成するまでの数カ月間は関節の免荷が必要である。また荷重ストレスが負荷されない大腿骨近位部分に骨萎縮が起こることもあり、骨侵入の確実性や持続性に関してはいまだ十分結論が出ていない。いずれにしても全置換術は、関節の無痛性、支持性、可動性を獲得することができる、すぐれた治療として知られている。

 

人工関節の適応

一般的には非感染性の関節疾患で、疼痛や運動障害が著しく日常生活に大きな障害となっているもの、また骨切り術など関節面を温存した手術では機能の回復が望めないもので、原則的には60歳以上の高齢者が適応となる。末期の変形性関節症や、関節リウマチに対して行われることが最も多い。

 

セメント使用型,セメント非使用型の選択

セメント使用型、セメント非使用型の選択に関しては、一定の決まりはない。わが国においてもその使用頻度は約1:1である。若年者にTHAを行わざるをえない場合、将来弛みが生じて再置換術が行われ際に手術手技が容易であることから、セメント非使用型を用いることが多い。すなわち大腿側にセメント使用型で弛みが生じて再置換術が行われる場合、大腿骨髄腔内に埋められているセメントの除去に難渋することが多いことがその理由とされている。セメント注入テクニックの向上でステムの経年的弛みの発生は激減しており、良好な長期成績が得られるようになった。また、近年ソケットをセメント非使用型、ステムをセメント使用型を用いる方法、すなわちハイブリッド型THAが増えてきている。

 

人工関節の合併症

術中あるいは術後比較的短期間(1年以内)に発生する合併症:術中の血管損傷、神経損傷による出血や神経麻痺、術後脱臼異所性骨化などがある。これらは術中に細心の注意を行うことで避けることができる。血栓性静脈炎、動脈塞栓(肺塞栓)の発生はわが国では比較的少ないが、常に念頭に置くべき重要な合併症である。

感染:多種類のしかも大型の人工素材を用いること、手術侵襲が大きいこと、高齢者であるが故の生体防御機構の低下などのために、術後感染の危険は常に存在している。術後間もなく発症する早期感染と、長期間を経て起こる遅発感染とがある。いったん感染が発症すれば、人工関節の抜去が多くの場合必要となる。この感染を防ぐ対策として、他部位の感染巣の治療、術中、術後の抗菌薬の投与、無菌手術室の使用などが行われている。虫歯の治療後からの細菌が血行性に人工関節部に伝播して遅発感染を起こす例も報告されている。人工関節患者が歯の治療を受ける時は予防的抗菌薬の使用が推奨されている。

破損および弛み:長期間経過するうちに金属コンポーネントの疲労による破損が発生したり、外傷により人工関節が破損することがある。しかし極端に不適切に設置された人工関節や高度な外傷例を除き、人工関節が破損する頻度は稀である。一方、骨と人工関節の間に弛みlooseningを生じ、疼痛をきたす例がある。 looseningの原因として、使用されているポリエチレンが摩耗することにより生じる摩耗粉、ポリエチレンを介して機能していた金属同士の接触摩耗により生じる金属摩耗粉、骨セメントの破砕細片などによる骨溶解、不適切な設置による偏った荷重、骨粗鬆症やストレス遮蔽による骨母床の劣化などが挙げられている。中でもポリエチレン摩耗粉は直径の小さな粒子として発生し、マクロファージに取りこまれ、炎症性メディエーターやサイトカインを作り出し、これが骨溶解を引き起こす原因として注目されている。

ROM不良:もともと高度に破壊され、可動域が制限されている関節に対する人工関節置換術の後には可動域の制限を生じやすい。特に膝関節では人工関節置換術後の可動域制限が問題となるため、人工関節のデザインを含め、近年種々の改良が試みられている。

脱臼:人工股関節の設置法の誤り、関節周囲筋の筋力低下などによって脱臼が発生することがある。麻酔下に徒手整復を行うが、整復不能であれば観血的整復が必要となる。

肺塞栓症:人工関節置換術後、深部静脈血栓症から遊離した血栓による肺塞栓症を生じることがあり、致死的な合併症となりうるため、近年注目されている。骨盤骨折などの後に生じる脂肪塞栓とは異なり、加齢や深部静脈血栓症の既往などが危険因子として挙げられている。

 

再置換術

弛みや金属コンポーネントの破損の場合には再置換術が必要となる。骨セメント使用の場合は人工関節と共に骨セメントを抜去し、骨欠損部には骨移植を行って、適切な人工関節にて再置換術を行う。再置換術は初回手術よりも感染の危険も増大するし、成績も劣る。

 

人口骨頭置換術(挿入)

大腿側のみの置換を行い、寛骨臼側は置換を行わず、既存の臼蓋軟骨と人工骨頭が接触するタイプである。人工骨頭置換術には単極型と双極型がある。従来はAustin Moore型などの単極型が用いられていたが、臼蓋軟骨への侵襲が強いことから、近年はbipolar型が用いられる。 bipolar型人工骨頭は、femoral component(ステム)、ポリエチレン製bearing

insertおよびouter head(金属カップ)からなる。股関節の動きは主としてfemoral component(骨頭) ―bearing insert間で行われouter head-臼豆軟骨間との間でも付加的に動べ構造になっている。すなわちベアリング面が二重にあるので、二重ベアリング(dual bearing)型人工骨頭とも称される。単極型と比較して臼蓋軟骨への侵襲が少ないとされている。しかし、このタイプもfemoral component―bearing insert間のポリエチレン摩耗が予想より大きく(通常のTHAの約30倍ともいわれている)、骨溶解発生の頻度も高いため、その使用には十分な注意が必要である。本法の最もよい適応は高齢者の大腿骨頸部骨折、大腿骨頭壊死症、末期股関節症などであるが、近年大腿骨頭壊死症、末期股関節症に対する適応範囲は狭くなっている。

(^ム^)参考文献

医療学習レポート.人工関節置換術


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