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(o⌒∇⌒o)脳出血の話


(*´з`)題名:脳出血の話

脳出血の病態・生理・解剖について

脳出血

脳内の血管が切れて出血すること。原因および出血する場所によって脳内出血、くも膜下出血に分けられる。

 

急性期症状:血腫の影響により周囲の健常な脳組織は強い圧迫を受け、血行障害に陥り、また、血腫の周囲に脳浮腫が発生することによって内圧はさらに亢進し脳ヘルニアに発展する。

慢性期症状:血腫の形成による中枢神経組織の破壊が問題となり、局所神経症状を呈する。出血が停止するまでに血腫は脳組織を破壊しながら増大していくため、血腫が除去あるいは吸収されても脱落症状が残る。

 

脳病巣の局所診断

内包

外側をレンズ核、内側を尾状核と視床に囲まれている大きな投射線維束で、新皮質に対して遠心性と求心性の両方向の線維が通る。ここはヒトでは出血を起しやすく、臨床上重要な場所である。内包は水平断面上では“く”の字の形をしており、屈曲部を内包膝と呼ぶ。これより前方で尾状核とレンズ核に挟まれた部分を前脚と呼び、後方のレンズ核と視床に挟まれた部分を後脚と呼ぶ。

内包障害で認める症状

a)片麻痺

b)腱反射亢進

c)病的反射出現

d)腹壁反射消失

e)異常筋緊張

f)顔面神経、舌下神経の中枢性麻痺

g)半身感覚鈍麻

 

基底核

基底核とは、尾状核、比較、淡蒼球が主要なものである。基底核には前障、扁桃核も加えられる。

これらは錐体外路系の機能を司っており、視床、視床下部、赤核、黒質、中脳網様体などと密接な関係を有している(大脳核の病変では不随運動を示す。視床下核(ルイス体)も、その障害で不随運動を起こす。不随運動と、それに関係する病変部位は)。大脳核は脳血管疾患の好発部位であり、尾状核とレンズ核との間には内包前脚が、レンズ核と視床との間には内包後脚がある。

 

視床

a)病巣反対側の全感覚鈍麻

b)視床痛

c)運動失調

d)不随運動

e)視床手

f)失語:左視床後部の障害で、まれであるが視床性失語が起こる

g)視床性無視:右視床内側核群の障害で、左半側空間失認、病態失認、地誌的障害、相貌失認などが起こる。

h)視床性痴呆:両側性ないし優位側の、視床前内側部に限局性に病変を生じた時に痴呆を呈する。血管障害によるものが多い。記憶低下による健忘症候群が中核症状で、意欲や自発性の低下、失計算、失見当識などを伴う。

 

脳幹

脳幹は、その特異な構造に基ずいて、障害部位によりそれぞれ特有な症候群を示す。脳神経のうちⅢ~Ⅻまではすべて脳幹に核がある。したがってこれの神経が障害されているかどうか、侵されているとすれば、それが中枢性麻痺か末梢性麻痺かを知ることにより脳幹障害の高さを診断できる。

・発生機序

頭蓋内出血は、脳出血(Cerebral hemorrhage)とクモ膜下出血(Subarachnoid hemorrhage:SAH)に分類できる。脳出血とは脳実質内の血管が破綻して脳内に出血をきたしたものをいう。

臨床症状としては、突然発症し、急性期には頭痛、嘔吐、吐気、痙攣などがみられ、意識障害が現れることもある。発症後1~6時間で症状は完成することが多いが、その後の経過は出血部位、出血量などにより異なる。視床出血や被殼出血では反対側の片麻痺と感覚障害が現れ、失語症を伴うこともある。脳室穿破や脳幹出血が発生すると、患者の予後は極めて悪い。

病因的に①高血圧性脳出血(50~60%)②嚢状動脈破裂③血管腫破裂④出血性疾患⑤腫瘍内出血⑥動脈炎などの疾患を包括するが、一般的には高血圧性脳出血を示す。高血圧性脳内出血は、脳卒中の一因で高血圧症および動脈硬化の起こる年齢(50~60歳代)に好発。原因としては、高血圧が最も多いがそれ以外にも脳動脈瘤破綻、脳腫瘍、出血性疾患、炎症など様々な原因がある。高血圧による脳出血は、脳細動脈の動脈硬化病変が進行した為に血管壁が壊死し、それに伴って動脈が破綻すると考えられている。好発部位は大脳半球で被殻出血が60%、視床出血が25%、そのほか皮質下出血(10~20%)もある。頻度は低いが橋・延髄出血(10%)、小脳出血(10%)などもある。

出血の持続時間は、多くて60分以内で2時間を越えることはない。2時間を超える場合は多発出血を疑う。

脳出血のCTの特徴は、発症直後は好発部位である被殻、視床に血腫を認める場合には高吸収域(白い部分)を認める。しかし、時間経過と共に低吸収域(黒い部分)に変化する。脳出血の急性期には体動が激しく、意識状態が悪い為にMRIは撮影不可能になることが多く、急性期の診断には用いられないことが多い。全身状態が落ち着いた段階では出血原因を詳細に分析する為に役立つことが多い。

脳出血の生命予後は、血腫の発生部位と進展の方向と大きさによって様々である。血腫による圧迫、随伴する脳浮腫および頭蓋内圧亢進と脳ヘルニアなどによって生命予後が左右される。

 

<脳内出血の機序と発生>

脳内出血(Intracerebral hemorrhage:ICH)の機序と病因については古くから大変多くの説が唱えられている。原因を高血圧と結びつけた考えもかなりあり、高血圧性脳内出血と呼ばれることも多い。しかし、高血圧だけで健常な血管が破綻するものではないことは、健常な血管ではかりに500mmHgもの内圧をかけても破れない事を確認して以来、血管壁や血液に先行する何らかの異常(とくに細動脈壊死)が存在してこそ起こりえるものであり、高血圧は血管の病変の形成に役だったり、破綻して出血する際の引き金役をするものであることが知られるようになった。

また、血管破綻の原因が何であれ、血管壁の何らかの病変による脆弱な部分が破けるものである事は確かなことと考えられている。

脳血管の支持組織は脳外のものと比べると筋や腱が無いために、弱体で障害を受けやすい要因の一つになっている。

高血圧性血管病変として重視されているのは血管の壊死であり、その主体はこの中膜筋細胞の壊死と、内皮細胞間接合部から血漿成分が侵入してできる、血漿性動脈壊死によるものである。この血管壊死は100~500μm(その80%は100~300μm)の太さの部分に見られる特異的なもので、壊死部分は次第に拡張し、微小動脈瘤を形成し、これが破裂することで脳出血の発端となることが知られている。

まず、基本的必要条件として微小動脈瘤が多発して近接して存在していかなければならない。最初の動脈瘤からの出血は周辺の血管の攣縮を起こし、血行停止、血栓形成を起こし更に出血を誘起し、これらが相乗的に周辺の小動脈瘤の破綻をきたし、融合して大出血巣を形成するものと考えられている。

血腫は周辺の組織を圧迫しながら増大するので、その中心に脳組織を含まない点、梗塞出血に比して組織破壊が少なく、被殻の場合血腫が吸収された後、神経線維が合体し、色素の沈着した線状の嚢腫として残り、機能回復も比較的良好である。

 

<病理形態像>

微小動脈瘤の好発部位と脳内出血の好発部位は、大脳基底核領域である。視床を中心として、内包より内側に血腫ができる内側型出血(視床出血)と、被殻を中心に内包より外側に血腫ができる外側型出血(被殼出血)が区別される。小数例では大脳白質、小脳、橋などにも脳内出血が発生する。血腫は占拠性病変として周囲の脳実質を圧迫すると共に、周囲の白質には血管原性浮腫起こり、急性の脳腫脹が発生する。このため、脳室腔の圧迫変形、脳脊髄液の通過障害、脳ヘルニアなどが発生する。鈎ヘルニアの為、中脳の血管が引き伸ばされて破綻し、脳幹出血(Duret hemorrhage)を来たすことがある。これは遠隔出血とも呼ばれている。脳内血腫が脳室壁を破って脳室内に血液が貯留することもある。

 

障害部位と局所徴候

【内包障害】

内包を含む障害は、もっとも多くみられるものである。特徴的な症状は内包障害の反対側に出現する片麻痺で、一般の麻痺は下肢より高度である。上肢のうちでは遠位筋が強く障害され、手指の巧緻運動がもっとも強く侵される。古くなると、ウェルニッケ・マン肢位をとる。すなわち麻痺側の上肢は屈曲位を、下肢は伸展位および尖足をとる。内包障害では、片麻痺と同じ側に、顔面、舌下神経の中枢性麻痺が認められ、またしばしば顔面を含む半身の感覚鈍麻を伴う。

発作直後には弛緩性麻痺を呈し、後に痙性片麻痺に移行するものが多いが、終始弛緩性のこともある。片麻痺が軽度で回復傾向に営んでいるときは、内包前脚または後脚の前2/3の障害によるものが多い。重度な片麻痺で、回復傾向に乏しく、日常の用もたせないものは、内包後脚の後1/3の障害によるものが多い。内包後脚後1/3の障害によるものでは筋緊張は痙縮を示すものが多く、病的反射はバビンスキー反射を認めることが多い。

 

【脳幹障害】

反対側の片麻痺と、同側の脳神経麻痺を起こすのは脳幹障害である。これを交叉性片麻痺といい、種々症な候名がつけられている。

脳幹障害では、その徴候を分析することによって、病巣の高さや、拡がりをも診断することができる。しかし、、逆に交叉性麻痺がないからといって、脳幹障害を否定することはできない。ことに脳幹外側の障害は、ワルテンベルグ症候群など、片麻痺を呈さず特異な症候群を示す。

【視床障害】

視床は、視床痛に代表されるごとく、感覚の中継点であることはよく知られている。視床外側腹側核の障害では、いわゆる視床症候群が知られている。

 

1.感覚障害

視床の後腹側核は、中心後回の皮質への中継点であり、ここの病巣により、表在・深部感覚が重度に障害を受ける。重度の感覚障害はなかなか回復しないことが多く、半年~年単位でわずかずつ変化していくようである。また、視床痛と称する半身に持続的に生じる絶え難い痛み、しびれが出現するこがあるが、まだ特効薬は見つからない。感覚障害が重度で運動麻痺が軽くても実用性はほとんどないので、使用を強制しないことが重要である。

※視床痛

耐えられない激しい自発痛。痛覚が鈍麻にもかかわらず、刺激で激しい疼痛が起こる。こを

ヒペルパチーという。ヒペルパチーというのは痛覚域値は上昇し痛覚は鈍麻しているが、その域値を過ぎると異常に強い不快な痛みは感ずるものである。その痛みは放散しやすいので痛みの起こっている場所を、患者自身が正しく指摘すことも難しい。ヒペルパチーは視床障害によっておこることが多い。

 

2.覚醒―注意障害

視床の髄板内核群は脳幹網様体と連絡し、背内側核は前頭前野と連絡があり、この部位の病巣により覚醒―注意障害が生じる。

われわれの経験した患者の中に、発症後3~6ヶ月以上経験しても日中覚醒し続けるのが困難で、よく眠っていたり、ぼーっとした表情がなかなかとれず、注意力が低下していたケースがある。またそれほど重度でなくても、注意障害により転倒の危険性を有する場合がある。

 

3.運動障害

内包に近いということもあり、出血が影響すれば運動麻痺も生じる。前腹側核、外側腹側核は、小脳、大脳基底核、運動野、運動前野と連絡があり、失調症状、不随運動が生じる。ただ、感覚障害が運動障害が重度な視床患者の経験はあまりなく、逆の場合が多い。

脳幹は、中脳、橋、延髄が含まれるが、脳卒中で損傷されるのは主に橋である。

橋には、12脳神経のうち外転神経、三叉神経、顔面神経の脳神経核があり、病巣によるが、

眼球運動障害による閉眼不可、重度の口角下垂等による流涎、構音・嚥下障害が出現する。

脳幹網様体の病巣で、意識・覚醒レベルの低下、注意力の低下、小脳脚の病巣で、失調症状(四肢・体幹の失調による歩行困難、構音障害等)、錐体路の病巣により片麻痺の症状が出現する。

このように脳幹は、大脳と小脳・脊髄の連絡路が密集する拠点であり、損傷により多彩な症状が出現する。CT上病巣が判然としなかったり、病巣の大きさに比例して症状が軽い印象はあることもあり、CTはあくまでも参考にとどめ、患者の症状を評価し、予後等を考えていくことが重要である。

失調症が重度の評価し、1年以上経過してから室内レベルで伝い歩きが可能になることがある。中~軽度の場合、3~6ヶ月で室内レベルが実用的となり、外出の可能性もでてくる。

 

錐体路徴候

錐体路は、延髄錐体路を通り脊髄へ下行する伝道路で、皮質脊髄路と皮質核路を含んでいる。錐体路徴候とは、皮質脊髄路の障害による徴候である。

・筋萎縮を伴わない痙性麻痺

・深部腱反射の亢進

・病的反射の陽性

・表在反射の消失:腹壁反射

 

出血部位の診断

被殻出血

脳出血の内、もっとも頻度の多いもので、血腫は隣接する内包を障害し、片麻痺は始め痙性のこともあるが、内包後脚が破壊されると弛緩性になる。血腫が脳室に穿破すれば意識障害も次第に進行し、昏睡状態に陥ることが多い。眼球共同偏倚は、病巣に向くものが多いが初期には病巣と反対側を向くものもある。

そのほか感覚障害、同名性半盲、優位半球では失語、劣位半球では失行・失認をみとめることがある。血腫がレンズ核部に限局するものは、意識障害はないかあっても軽度で、生命および片麻痺の予後は良好であるが、伸展し内包を破壊し、脳室に穿破したものでは昏睡に陥り、2次的な脳幹障害を伴い、片麻痺の予後は悪く、生命の危険性も大である。意識障害が軽度であれば、外科的治療の適応を検討する。

尾状核頭部の出血では、対側の片麻痺が主症状であり被殻出血に似るが、側脳室へ脳室穿破を起こしやすく髄膜刺激症状がみられることが多い。

 

視床出血

発症時には意識障害はないか軽いことが多いが、急速に昏睡に陥ることもある。内包を障害して片麻痺を呈することが多い。一般に被殻出血との鑑別は困難なことが多いが、発症当初に半身にしびれ感のみが起こり、遅れて片麻痺を呈してきたとき、病巣側に縮瞳、眼瞼下垂(ホルネル症候群)を認めるときには視床出血である。

さらに視床出血では上方注視麻痺、昏睡時の下方眼球共同偏倚、あるいは鼻先をみつめるような視床の眼などが特異的である。また病巣への眼球共同偏倚が出現することもある。下方眼球共同偏倚、視床の眼では両側縮瞳、対光反射消失などを伴う。本症も血腫が限局性なら予後はよいが、進展して脳室に穿破したり、視床下部に波及すると予後は悪い。

 

橋出血

典型例では数分で深い昏睡に陥り、四肢麻痺、除脳硬直を呈する。眼球は正中位にあり、著しい縮瞳を示すが、対光反射は保持されている。病巣反対側への眼球共同偏倚、斜偏倚呈することもある。頭位変換眼球反射(OCR)は消失する。眼球浮き運動

 

小脳出血

激しい嘔吐・後頭部痛・めまいで発症し、くも膜下出血と似ている。しかし、発症時いは意識障害はなく、四肢に麻痺はないのに起立、歩行が不能なことが特徴である。眼球は病巣と反対側に偏倚したり、病巣側への共同注視麻痺などを示す。瞳孔は両側縮小していることが多くが、対光反射は保たれている。頭の偏倚(頭の先が病巣側に、顎の先が病巣の反対側に傾く)も特徴的である。

 

皮質下出血

皮質下出血を臨床症候から診断することは困難な場合が多い。本症は老年者に多く、アミロイド血管性、高血圧が原因となる。60歳以下では出血の原因は血管奇形、腫瘍、出血性素因などである。頭痛で発症し、血腫部位と大きさにより、次第に片麻痺、失語、半盲、異常言動などの精神神経症候を呈してくる。

 

リスク管理

1.血圧

術前は正常血圧(収縮期血圧160mmHg以下100mmHg以上、拡張期血圧は90mmHg以下)に保つ。ただし、脳梗塞の場合はやや高め(最高血圧160mmHg以上)に保持する。脳動脈瘤や脳出血などの出血性病変の場合は低め(最高血圧160mmHg以下)に保つ。術後は後出血防止のため血圧を低めに保つ。ただし、くも膜下出血術後例で脳血管攣縮の時期には血圧は高めに保持する。リハ中止の目安は、収縮期血圧30mmHg以上の上昇、または20mmHg以下の低下が一般的である。

脳血管には自動調節能があり、脳灌流圧が60~160mmHgの間のあれば脳血流量が一定に保たれる。しかし、これを超えた血圧やこれ以下の血圧では脳血流量は保たれない。高血圧の人や、脳損傷の状況下では自己調節能範囲が変化している。術後管理上最も安全な所は濃圧治療室である(血圧・体温・脈拍・呼吸数などのモニターを見ながらリハを行うと極めて安全に行える)。

(‘ω’)ノ参考文献

医療学習レポート.脳出血


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