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(o⌒∇⌒o)関節リウマチの話


( 一一)題名:関節リウマチの話

概要

原因不明の全身性自己免疫疾患であり、慢性、進行性、対称性である。末梢関節のびらん性滑膜炎を主な特徴とし、大部分の患者で、血清リウマトイド因子値が上昇する。臨床像は非常に多彩である。慢性および持続性滑膜炎による軟骨および骨の破壊性侵蝕は、少なくても数ヶ月、一般的には1年以上経過してもX線写真に明らかに認められるようにはならない。一般的な終末像は関節破壊、変形骨粗髪症および筋萎縮を伴う機能廃失である。脊椎の圧迫骨折が特別な理由もなく起こるようになると離床が困難になり、ADLを遂行する能力が急激に低下する。

合併する関節外病変は、皮下結節、血管炎、肺リウマトイド結節、肺線維症、多発性単神経炎、上強膜炎などがある。Sjogren症候群及びFelty症候群は一般にRAに伴って発生する。

 

疫学

  1. 日本での発生率は全人口の0.3~0.5%(平均0.4%)とされている。
  2. 好発年齢は20~50歳である。
  3. 男女比は1:3~1:4で女性に多いとされている。
  4. 発症頻度は加齢とともに増加するが、男女比の差は縮まり、60歳代では男女はほぼ同数となる。

 

原因

原因不明。遺伝的要素と免疫異常の関与が大きな役割を持つとされる

 

病理

滑膜の微小血管内皮細胞の活性化及び損傷している状態と考えられている。本疾患の誘発あるいは原因物質が血流によって滑膜に輸送されることが示唆される。疾患が慢性期へ移行するにつれ滑膜は非常に広範囲に肥厚し、浮腫状変化をきたす。また滑膜組織の無数の絨毛突起が関節腔へ突出する。

パンヌスと呼ばれる非常に増殖性・侵襲性の高い肉芽組織は、積極的に関節周囲の骨や、滑膜と骨の結合部にある関節縁の軟骨を侵襲し破壊する。羅病期間が長くなるにつれて、関節周囲の骨および軟骨は徐々に侵蝕され破壊されていく。関節包は膨張し破壊され、軟骨下骨は破骨活性の上昇が一因となり徐々に消失する。

 

診断

  1. 1.       アメリカリウマチ学会分類基準は朝のこわばり、3ヵ所以上での関節炎、手関節炎、対称性関節炎、リウマトイド結節、血清リウマトイド因子、X線異常所見の7項目のうち少なくても4項目について該当している場合、慢性関節リウマチとみなす。
  2. 2.       SteinbrockerのstageはRAの病期をⅠ~Ⅳまでに分類したものである。ClassはRAの機能状態をⅠ~Ⅳまでに分類したものである。
  3. 3.       Lansbury評価は評価項目に関する数値を一定の表から指数に換算し、それらの総和から活動性を細かく数量化していく方法である。
  4. 4.       日本リウマチ学会の早期RA診断基準は3関節以上の圧痛または他動運動痛、2関節以上の腫脹、朝のこわばり、リウマトイド結節、赤沈20mm以上の高値またはCRP陽性、リウマトイド因子陽性の6項目のうち3項目以上を満たすものを慢性関節リウマチとみなす。

 

臨床検査

活動性炎症性RA患者で血沈値、CRPが正常であることはまれであり、一般に炎症の程度によって変化する。

30mm以下~RAの病勢がコントロールされている。

30~100mmの間~コントロールが不十分であり、薬剤の投与量を変えたり、組み合わせを再考する必要がある。

100mm以上~RA治療ができているとはいえず、薬剤を変えるとか、他の感染症の有無なども含めて精査を行うことも考える。

 

臨床症状

初期症状では対称性欠くことの方が多い。数週間以上にわたって潜行性に症状が進展していくパターンがもっとも一般的な発症様式である。単関節性の滑膜炎が短期間出現し、その時期を過ぎると症状が完全に消失する回帰性関節炎といわれるものはあるが、初期症状としては、急性の機能障害を残すことはまれである。

 

関節症状

朝のこわばり:起床時に関節がこわばり、指が動かしにくい症状を“朝のこわばり”という。体を動かし始めると,多くは消退し,その持続時間がRAの活動性の指標のひとつとなる。患者が“朝のこわばり”を理解しにくい場合は,「朝,手が普通に動くまでにどのくらいの時間がかかりますか?」と尋ねるとよい。

疼痛:関節の自発痛,圧痛,運動時痛を訴える。疼痛は天候の影響を受ける場合かおる。疼痛の訴えは個人差が大きく,必ずしも関節の変形やX線所見と合致しない。

腫脹:炎症性の滑膜肥厚,関節包の肥厚および関節液の貯留による腫脹を認める。手指の

PIP関節では,特徴的な紡錘状の腫脹をきたす。手指や肘関節,膝関節では腫脹は触診で容易に診断できるが,股関節では触診で腫脹の診断が困難である。膝関節で膝窩部に滑液包炎を生じ膝窩嚢胞となることがある。

関節動揺性:関節周囲の支持組織の弛緩および関節破壊が進行すると,関節動揺性が生じ

る。関節端が著しく吸収され,骨欠損を生じるRAをムチランス型RAとよび,多くは関節外症状を合併し予後は不良である。

可動域制限:疼痛による反応性の可動域制限と,関節面の破壊および関節周囲の軟部組

織の拘縮による可動域制限がある。手関節では関節拘縮が進行して強直をきたすことも多い。

変形:手指や足趾の変形が著名である。詳しくは特定関節症状で述べる。

 

特定関節症状

顎関節:羅病患者の約70%。咀嚼時の疼痛、開口制限など

頚椎:全可動域に認められる首のこわばり。正中及び外側環軸関節の滑膜性炎症により、横靭帯が弛緩すると頚椎屈曲時に環軸関節前方亜脱臼が生じる。

肩関節:初期には外旋運動が制限される。三角筋の萎縮や大胸筋の短縮が起こると拘縮の改善は難しい。患者の症状は夜間に悪化することが多いが、これは睡眠中に起こる回旋運動により、固縮した関節包が伸展するためである。

肘関節:屈曲拘縮が起こるとともに、上腕二頭筋や上腕三頭筋の萎縮も発生しやすくADL上、リーチの点で問題となる。回内・外運動を行う橈尺関節近位部では回外制限が起こりやすくなる。遠位部は靭帯への炎症が及びやすく、尺骨の固定が不良となり、茎状突起が外力で浮き沈みするような特有の症状を呈する。

手部:下記の各種変形が著名である。

尺側偏位~MP関節で尺側に屈曲

スワンネック変形~PIP関節の過伸展、DIP関節の屈曲

ボタン穴変形~PIP関節の屈曲、DIP関節の過伸展

Z変形~母指MP関節の屈曲、IP関節の過伸展

ムチランス変形~オペラグラスの手ともいう。関節端の高度の骨吸収によって軟部組織が弛み、指が短縮し、外力によって指が望遠鏡のように伸び縮みする。

股関節:初期には無症候性であるが軟骨破壊が起こると、症状は他の関節よりも急速に悪化する。おかされた側の靴や靴下の着用が困難となり、疼痛は鼠径部あるいは大腿に好発するが、腰や膝にも認められることがある。ROMは伸展・内旋・外転制限が早期に出現しやすい。

膝関節:可動域は屈曲、伸展ともに制限されるが、徐々に屈曲拘縮に至る傾向が強い。骨破壊が高度になると、頚骨後方亜脱臼、関節の動揺性、強直が生じる。筋萎縮は特に内測広筋に著明で、回復も遅延する。膝関節の滲出液及び滑膜肥厚は簡単に触知できる。

足部:中足趾節間関節、距舟関節、足根間関節で機能障害の発見する頻度が高い。MTP関節炎が起こると、中足骨骨頭の亜脱臼と、たち趾変形が生じる。炎症による痛みや構造的変化によって、歩行時にかかる力の正常な伝導が阻害され機能障害が起こる。距舟関節が近位足根骨アーチの背側、内側に位置しており、上面には前脛骨筋の遠位部及び腱がある。したがってこの関節の炎症は隣接する筋の攣縮を引き起こし、回内、回外変形を惹起する。他に外反母趾やoverlapping toeがよくみられる。骨破壊や高度の変形は荷重時痛の原因となり、立位・歩行能力を低下される。足部に関しては、可動性より安定性の方に優先せざるをえないことが多い。

 

関節外症状

全身倦怠感や易疲労性は共通した症状であり、炎症の活動期には大多数の患者が経験する。しかしその他の臓器に起こる炎症は血清中にリウマトイド因子を有する患者に限定される傾向があり、リウマトイド結節が出るような活動性の高い患者にみられやすい。

皮膚症状:リウマトイド結節は滑液嚢内及び腱鞘に沿って皮下に形成される。後頭部、肘頭、前腕の伸筋側、アキレス腱及び仙骨部など日常の生活のなかで圧迫を受けやすい部位に発生することが多いが、肺などにも出現する。非ステロイド抗炎症薬による血小板機能障害やステロイドによる毛細血管脆弱化の結果として、わじかな外力ですぐに班状出血が起こることも多い。金製剤、ペニシラミン、サルファサラジンによる血小板減少に続発する点状出血もみられる。

眼症状:Sjogren症候群では症候性乾燥性角結膜炎が合併する。上強膜炎の出現することは多いが通常、良性である。しかし強膜炎は予後不良であり、穿孔性強膜軟化症となり、重大な障害及び視力喪失を引き起こす。

呼吸器症状:輪状披裂関節の炎症は一般的にみられる。喉頭部の疼痛、発声障害が起こるが、嚥下時の疼痛が認められることがある。肺線維症も20~40%に合併すると報告されている。年齢の高い男性で、5~10年の羅病歴のある高力価のリウマトイド因子を有する患者に発声しやすく、進行は徐々であることが多いが、急性発症例は注意を要する・

心症状:全身的憎悪に伴って心膜炎の発生することある。他に弁膜病変や大動脈炎、冠動脈炎などもおこる。弁膜病変ではリウマトイド結節と類似した炎症性病変が大動脈弁や僧帽弁にみられる

消化器症状:比ステロイド性抗炎症剤の合併症である胃炎や消化性潰瘍には注意を払う必要がある。

腎症状:金やペニシラミンなど薬物毒性や、アミロイドーシスで蛋白尿が出現することがある。

神経症状:頚椎不安定性によるミエロパチ-がおこるが、疑わしい場合には両手の感覚異常や巧緻動作の低下などについてよく問診することが大切である。滑膜炎や腱滑膜炎により末梢神経(後骨間神経・大腿神経・腓骨神経・指間神経)が圧迫されることでニューロパチ-が起こることもある。他にも血管炎による虚血性ニューロパチ-も発生する。

血液学的症状:低色素小赤血球性貧血は活動期にほぼみられる。免疫抑制剤による骨髄抑制などに起因する血小板減少症も起こりうる。

 

合併症

血管炎:重篤なリウマトイド結節を有する、羅病期間の長い患者は壊死性血管炎を合併する可能性がある。高用量のコルチコステロイドによる積極的な治療がなされる。

Felty症候群:重篤でリウマトイド因子陽性の患者に合併し、膵腫、顆粒球減少、下肢潰瘍及び再発性感染症を主徴とする。

Sjogren症候群:自己免疫疾患に共通する症候群であり、25~35%に合併する。男女比は1:9で女性に多く口と目の乾燥症状を呈する。唾液腺造影でアップルツリー像が見られる。

アミロイド-シス:肝でつくられるアミロイドという類蛋白が消化器、腎などの重要な臓器に沈着する生命予後の悪い合併症であり、難治性である。下痢と便秘の繰り返し、嘔吐を初期症状とすることが多い。一日に10~30回という下痢が1~2ヶ月続くことがある。

 

手術療法

リウマチ手術の目的

滑膜の炎症を抑え,進行を防ぐことを目的に滑膜切除術を行う。滑膜は血管・神経に富んだ組織であるため、炎症が起きると痛みが発生する.これを解決するために滑膜切除術が行われる.関節破壊が進行すると,人工関節などの関節形成術が行われる。

これらは関節の不安定性や可動制限を解決し、患者の自立を図るものである。

 

滑膜炎外科処置:関節内徹底洗浄もしくわ鏡視下および関節開放下での滑膜切除術がある。関節洗浄とステロイドの注入を行っても繰り返関節の炎症が持続する場合には,生食で徹底的に洗浄を行い,ステロイドの注入も実施する.これによって一時的に炎症を抑えることができるし、ときには炎症が鎮静化してしまうこともある。関節を開放して滑膜切除術を行うと他の組織まで傷めてしまい,術後の可動域訓練での痛みも大きく、人工関節置換術と同じような後療法が必要となる。最近では鏡視下での手術が多く,増殖した滑膜のびらん状突起物を刈り取っていく要領で行う。他の組織を傷つけることもほとんどなく滑膜炎の進行を止めることができる.下肢関節の場合でも翌日から歩行可能であり,可動域訓練に苦労こともない。

 

人工関節置換術:人工関節手術の時期は関節破壊が進行してしまった場合でも対応できることが多いので,急ぐことはない.しかし早い時期に行った方が手術も簡単で,機能の改善も早い.他方,遅い場合には,手術が複雑になり機能改善にも時間がかかる.この場合考えておくべきことに,1つの関節障害が他に影響するということがある.たとえば下肢関節に障害があれば,歩行時に杖など歩行補助具を使用する.これが上肢関節の障害を助長することもある.したがって手術の時期に関しては,対象としている関節の状態

のみでなく,その関節の状態が全身の他の関節にいかなる影響を及ぼすかについての検討も必要になる.

l         人工股関節置換術:股関節ではかなり骨破壊が進むまで痛みが出にくいことが多い.その理由としては小転子部にある滑膜包の突出部や内閉鎖筋包,転子包などの滑液包には痛みの受容器があるものの関節面内方部には痛みの受容器が少ないことが考えられる.関節破壊が進むと股関節屈曲で鼠径部に痛みが出るようになることで股関節の障害を疑うことができる.内旋制限や開排制限あるいは歩容の異常などで障害に気がつくことも多い.股関節は中心性に脱臼する方向に骨破壊が進行するため,臼蓋底があまり薄くならないうちに手術する方が望ましい.  Charnley式が多く使用されているが,  wireのトラブルやnon-unionといった問題に対応するために大転子を外さない術式も使用されている.早期離床,早期歩行を優先するグループはセメント固定を選択しているようである.

l         人工膝関節置換術:最近の人工関節はロールバック機構を備えており,大腿部品は金属,脛骨部品はHDPで膝蓋骨も置換するものが多い.屈曲目標角度として130゜程度が考えられている.

l         足関節形成術:人口足関節の荷重面積やRAのosteoporosisなどを考慮して手術件数の少なかった人工足関節置換術も最近は増加傾向にある.足関節の破壊が進み,歩行障害が顕著になれば,固定術が行われることもある.

l         足趾形成術:胼胝や外兵反母趾,claw toeなどの変形で歩行が困難になった場合にはClayton法などの手術が行われる.手術により外観も整えられ,痛みも解消されて歩行は楽になるが,足趾の屈筋力が低下し,踏み返しが困難となる.屈筋力をつけるために母趾を固定する手段もあるが,固定をすれば母趾腹側末梢部に脱脂が再発することが多いなど問題もある.

l         人工肩関節置換術:肩関節は股関節と同じ球関節であるが,股関節では痛みが出にくいのに対し,肩関節では非常に痛みが出やすく,しかも拘縮を起こしやすいという点でかなり特徴を異にする.したがって肩関節については積極的な可動域訓練が必要と思われる.肩はbare areaから骨侵蝕が始まり,最終的には骨頭が融解してしまうことが多い.肩で腫れが強いようなときに滑膜切除術が行われることもまれにはあるが,傷んだ肩に対しては人工関節置換術の行われることが多い.しかし人工関節も肩では問題が残る,その理由として,傷んだrotator cuffの損傷を補うすべがないということと上腕骨と肩甲骨を結んでいる筋群の短縮が強度であるということが挙げられる.bipolar型の人工関節は,  outer headにrotatorcuffの機能をもたせ,  inner headを動かそうという優れたアイデアをもっているものだが,肩甲骨と上腕骨を連結している大円筋などに短縮のある症例では,よい結果が得られにくい.

l         人工肘関節置換術:肘は日常生活においてリーチ動作のkey joint となる関節であり,Aでは屈曲135、伸展マイナス30°の可動範囲は維持したい.肘関節の病変が進行しpainful instability,  painful stiffness、ankylosisの状態になると人工関節置換術の適応となる.

 

手の手術:手では尺骨頭の炎症が頻繁に認められる.この部は伸筋腱が走行しているため,長期にわたって腫脹が続けば伸筋腱の断裂が起こる.断裂は小指に初発することが多く,次いで環指,中指の順であり,この3本に多い.断裂に対しては腱移行術が行われる.腱移殖術も行われるが,移殖の場合は長期の固定期間が必要となるため,RAでは拘縮を引き起こしやすく問題が多い.人工指関節置換術も行われる.

 

頚椎の手術:RAで罹病期間が長くなるとRAの最終像である頚椎障害の出現することが多い.RAの頚椎病変の本態は不安定性であり,上位頚椎では環軸関節前方亜脱臼が多く,上位頚椎が固定している場合には下位頚椎の亜脱臼がみられる.ADI(atlanto-dental interval) で10mm以上,SAC(space available for the spinal cord),脊柱管の横径,  Ranawat値の計側値で13 mm 以下が危険ラインとなるが,脊髄症状と照らし合わせて手術は行われる.

RAの麻痺は動的圧迫によるものであるため、強固な外固定により改善することが期待できるhalo vestを装着して術前に神経回復を確認し,装着下で環軸関節亜脱臼に対して整復可能なものは後方から椎弓をwiringで固定する.整復が困難であったり,  wireを通すことが危険だと考えられる症例では後方固定術をするなどの手術が行われる.

 

保存療法

患者指導

まずRAの経過と治療について十分に説明し患者の不安を軽減させることが治療の第一歩となる。RAは全身性,進行性の場合が多いため、患者のquality of life(QOL)を改善するためには、家族や医療従事者が病状について十分に理解し、支援することが必要である。疼痛を緩和させるためには,十分な睡眠,適度な体操,鉄分やカルシウムが豊富でバランスのとれた食事が大切である。関節の腫脹や疼痛の強いときには局所安静と保温につとめ,腫脹や疼痛が軽減しているときには関節の可動域訓練やADLの改善訓練を積極的に行う。

 

薬物療法

非ステロイド性抗炎症薬NSAID[s]:関節の疼痛や腫脹を軽減させる目的でNSAID[s]が投与される。NSAID[s]には多くの種類かあり,それぞれの特徴を理解して使用する必要がある。頻度の高い副作用として胃十二指腸潰瘍かあり,高齢者,潰瘍の既往のある患者,副腎皮質ステロイド薬投与中および複数のNSAID[s]を投与する場合には注意が必要である。 NSAID[s]の主な作用はブロスタグランジン合成酵素であるシクロオキ

シゲナーゼ(COX)の抑制にあるが,そのサブタイプとしてCOX-1とCOX-2がある。 COX-2を選択的に阻害する薬剤が開発され,消化器系の副作用は軽減している。

 

疾患修飾性抗リウマチ薬DMARD[s]:RAの炎症の沈静化と関節破壊の抑制を目的にDMARD[s]が使用される。持続する滑膜炎と関節破壊を認めた場合には,可及的早期に投与を行ぃ,効果が得られない場合には別のDMARD[s]に変更する。サラゾスルファピリジン,メトトレキサート(MTX),レフルノミド,金製剤,D-ペニシラミン,ブシラミンなどがあり,それぞれ異なった特徴をもつ。RAの薬物療法の基本は,できるだけ早期に最適なDMARD[s]の投与を行い,疾患活動性のコントロールをすることである。 DMARD[s]の併用療法も行われているが,その有益性に関してはいまだ明らかではない。

 

生物学的製剤:本邦でも炎症性サイトカインの阻害作用をもつ生物学的製剤の使用が開始された。現在インフリキシマブ(抗TNF-α抗体)が用いられている。非常に強い抗炎症作用と,関節破壊の抑制効果が報告されているが,アナフィラキシーショックや日和見感染(結核など)の顕性化といった副作用かおる。この他,多くの種類の生物学的製剤が開発されており,RAの薬物療法は今後大きく変化していくことが予想される。

 

副腎皮質ステロイド薬:低用量の経口副腎皮質ステロイド薬の投与は強い抗炎症効果かあり,愁訴の改善に高い有効性をもつ。全身性の炎症所見が強い場合,関節外症状を有する場合,多関節炎でADLが著しく制限されている場合,およびDMARD[s]の効果が得にくい場合などに使用される。関節内や腱鞘内に直接副腎皮質ステロイド薬を注射投与する方法も用いられる。副作用として易感染性,骨の脆弱化,耐糖能低下,高血圧,体重増加,むくみ,高脂血症,白内障などがある。副腎皮質ステロイド薬の継続投与を行っている患者では,骨密度の定期的評価が必要である。


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