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(/o\)小児期伝染性疾患の話


「小児期伝染性疾患」の画像検索結果

 感染症のうち、人から人へと病原・微生物が伝播していくものを伝染性疾患という。小児の疾病には伝染性のものが多く、成人は小児から感染を受けることは少ないが、小児どうしは互いに感染源となりうる。そこで、これらの疾病の伝播を防ぎ、また小児をこれらの感染から守ることが大切である。また、海外旅行者や輸入食品が感染源となる例も増加している。小児期の伝染性疾患では、同じ疾患でも年齢によって、症状の出現の仕方や病原体の頻度が異なるなどの年齢的な特性をもつ。
*のみ看護計画を以下に表示する。

1.細菌感染による伝染性疾患

  1. ジフテリア *
  2. 百日咳 *
  3. 猩紅熱
  4. ブドウ球菌感染症
  5. ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS) *
  6. 溶レン菌感染症
  7. 丹毒
  8. 細菌性赤痢
  9. 疫痢
  10. 腸チフス
  11. パラチフス
  12. 敗血症
  13. 破傷風
  14. 結核症

2.ウイルス感染による伝染性疾患

  1. 麻疹 *
  2. 風疹 *
  3. 伝染性紅斑
  4. 突発性発疹症
  5. 単純ヘルペス
  6. 水痘 *
  7. 痘瘡
  8. 帯状疱疹 *
  9. 手足口病
  10. 流行性耳下腺炎 *
  11. 感冒
  12. インフルエンザ *
  13. 伝染性単核症 *
  14. 咽頭結膜熱
  15. ヘルパンギーナ
  16. 急性灰白髄炎
  17. 多発神経炎
  18. 日本脳炎
  19. 狂犬病
  20. 急性出血性結膜炎

3.スピロヘータ感染による伝染性疾患

  1. 先天梅毒
  2. ワイル病

病態アセスメント

 感染症には、小児期に罹患して終生免疫を得る小児期特有のものが多く、それぞれの疾患には好発年齢がある。一般に生後6ヶ月ごろまでは母体から付与された先天免疫をもち、しかも1歳ごろまでは家庭内生活がほとんどで感染の機会が少ないことなどから乳児に少なく、幼児、学童期の罹患が多い。病原体の感染力、小児の免疫機能の発達と抵抗力が、疾病の予後に影響し、幼若なほど重篤になりやすい。流行期には予防接種などにより積極的に予防するとともに、感染経路を理解して隔離・消毒を十分に行い感染を防ぐ。抗生物質療法、および対症療法がおもに行われるが、2次感染、合併症の併発に注意して、順調に回復するよう援助する。一般状態が悪化しなければ入院せずに家庭で療養する疾患が多いので、母親が適切に介護できるように指導が必要である。看護上必要な情報は、病原体、感染の機会および時期、発症の時期と症状および疾病の経過、予防接種の有無についてである。

症状

 各疾患は定型的な経過をたどることが多く、特有な症状が現れる。この症状は診断の確定に欠くことができないため、観察を十分に行い、疑わしい症状がみられたときは、できるだけ早く隔離して他への感染を防ぐ。発熱はよくみられる症状であり、熱型、随伴症状に注意する。発疹を主要症状とする疾患も多く、発熱や前駆症状との関係、発疹の出現部位と状態、粘膜症状等を観察する。その他、咳、呼吸困難、下痢、嘔吐、意識障害、痙攣などの症状が見られる。感染症の前駆症状では感冒様症状を呈することが多いので、早期に発見するためには、感染性疾患の流行の状況、既往や予防接種の有無などについての情報をもとに観察を行うことが重要である。

検査

 血液一般検査、血液生化学検査、培養検査、X線撮影、必要に応じて、髄液検査など。診断確定のために原因菌の検出を行う。分泌物、尿、便、血液等の検体は、感染の危険があることを認識して取り扱いを慎重にする。

治療

 対症療法が主であるが、原因菌に対する抗生物質療法、および血清療法が行われる。必要時、急速な補液、電解質の補正を行う。痙攣に対しては、抗痙攣剤、筋弛緩剤の投与を行う。

経過と管理

 小児期に特有な感染症の予防は不可能であり、重症化させないためにも予防接種を受けるように指導する。流行期には人が多く集まる場所へ乳幼児を連れ出すことを避け、栄養状態を良好に保って体力の低下を防ぐ。通園児や通学児に疑わしい症状がみられるときは休ませ、診断が確定すれば届け出る。入院中の小児は、すでに何らかの疾患をもっており、抵抗力が低下しているので感染の機会を避けなければならず、院内感染予防が重要である。院内における感染症には、院内感染によって発症するものと潜伏期間中に入院してきて発症するものとがある。患児が入院する際は、伝染性疾患の既往、予防接種の状況、地域での流行や患者との接触の有無について聴取し、全身状態を注意深く観察してから受け入れる。流行の時期には疾患特有の症状を意識して、入院患児の観察を行うようにする。異常症状が認められれば医師に報告し、他の患児から隔離する。使用物品や排泄物は院内感染マニュアルに基づき、適切な方法で消毒する。感染性疾患が院内で発症した場合は、感染の疑われる患児は、発症の可能性がある期間は隔離する。症状が安定しており帰宅できる患児は一時退院させてよい。2次発症はやむをえない出来事としても、その後入院してくる未感染患児への感染を防ぐ努力をしなければならない。疾患によっては麻痺や知能障害などの後遺症を残すことがある。急性期から尖足予防などの良肢位保持に注意し、回復期は障害の程度と残存機能をよく見極めて訓練計画を立て、小児が自立できるように援助していく。回復に長期間を要することが多いので、母親が焦らずに小児を励ましていけるように指導する。また、隔離された環境の中では、心身ともにストレスを受け、小児の成長発達へも影響を与える可能性があるため、隔離された入院生活への援助もまた必要である。

看護計画(ジフテリア)

Ⅰ.病態アセスメント(ジフテリア)

ジフテリア菌の飛沫感染による。偽膜形成が主症状であり、偽膜部位によって狭窄症             状が強く窒息死することもある。また、菌体外毒素による心筋障害や後神経麻痺が起これば重篤な状態に陥る。治療は早期に開始されるほど予後がよい。乳児の鼻ジフテリアは、あまり症状がなく、また難治性の膿性・血性鼻汁が続くことがあるため、分泌物の取り扱いには十分注意する必要がある。感染源となるのは、偽膜などの病変のある期間である。近年、予防接種が有効であり発症は極めて少ない。看護上必要な情報は、予防接種の状況、発熱、咽頭痛、倦怠感等の前駆症状の発現時期、偽膜形成の部位、呼吸困難の状態についてである。

看護計画(百日咳)

Ⅰ.病態アセスメント

百日咳菌の飛沫感染による。百日咳菌は感染力が強く、2~5歳児に好発するが、母体からの免疫付与がないので新生児・乳児も罹患する。発症する例のほとんどが、百日咳ワクチンの接種を正しく受けていないものである。5~21日の潜伏期の後、カタル期と呼ばれる1~2週間続く上気道炎様の症状から始まり、痙咳期に入ると、特有の連続した咳込み、吸気時に笛音を伴う発作がみられるようになる。痙咳期は、2週間くらいで徐々に増強し、ピークが1週間続き、以後1~2週間で軽快し、回復期へと移行する。回復期に入っても運動後や夜間に特有な咳嗽発作をみる。このように全経過は非常に長く、体力の消耗が大きい。家庭での2次感染率は高く、幼若児ほど重篤になりやすいので新生児・乳児は、患児からできるだけ早く隔離する。一般に家庭療養が行われるが、乳児は無呼吸発作や肺炎を合併し重症化しやすいため入院することもある。感染源となるのは、カタル期とその後6~8週間である。看護上必要な情報は、予防接種の実施状況、カタル症状の発現時期及びその後の経過、合併症の有無である。

看護計画(ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群)

Ⅰ.病態アセスメント(ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群)

原因不明な点が多いが、黄色ブドウ球菌の産生する毒素によるものと考えられる。皮膚感染症のうちで、最も重篤な疾患である。10歳以下の児、ことに5歳以下の乳幼児に好発する。口囲および眼囲の発赤、頚部・腋窩・陰股部の紅斑と粃糠様あるいは膜様落屑で軽度の発熱、口囲の放射状亀裂などがある。ニコルスキー現象(皮膚を擦ると表皮が剥脱する)、扁桃炎もしばしばみとめられる。経過は2~3週間である。看護上必要な情報は、発熱、発赤、紅斑の発現時期、部位である。

看護計画(麻疹)

Ⅰ.病態アセスメント

麻疹ウイルスの飛沫感染によるが、時には、汚染した物品を介してからも感染する。麻疹ウイルスの伝染力は強く、多くは小児期に罹して終生免疫を得る。定型的な経過をとり一般的には予後はよいが、年齢、栄養状態、合併症、流行の状況に左右される。麻疹罹患時は抵抗力が減弱し2次感染を起こしやすい。患児は一般に家庭で療養するので他への感染を防ぐ。看護上必要な情報は、予防接種および麻疹患児接触後のγ―グロブリン筋注の有無、カタル症状の発現の時期および経過についてである。感染源となるのは、発病前後5~7日間であり、病期はカタル期、発疹期、回復期に分かれ、カタル期は、2~3日の発熱、鼻汁、くしゃみ、眼脂、羞明、咳嗽などの症状が出現する。この期の終わりに、コプリック斑(頬粘膜の臼歯に面する部位に出現する紅暈を伴う小さな白い斑点の集まり)が認められる。発疹期は3~4日、カタル期の終わりに一時熱が下降し、その熱の再上昇時に発疹が出現し、耳後部より顔面、体幹、四肢へと広がる。発疹は、小斑状丘疹性であり、融合し、大小不同の斑紋となるが、健康皮膚面を残す。39~40℃の高熱が続く。回復期は、熱は渙散または分利状に下降し、発疹は出現の順に消退し、後に褐色の色素沈着を残し、落屑する。

看護計画(風疹)

Ⅰ.病態アセスメント

風疹ウイルスの飛沫感染による。潜伏期は2~3週間であり、発熱と発疹で始まる。発疹はまず顔、耳の後ろなどにあらわれ、すみやかに体幹・四肢へと広がる。麻疹に似た発疹であるが、小さく、数も少なく、融合することもない。3日前後で消失し、色素沈着を残さない。後頭部および頚部・耳の後ろ・腋窩などのリンパ節が腫脹する。妊娠早期の妊婦が風疹にかかると、産児に心臓奇形・白内障・聾・血小板減少症などの異常をみる場合が多い。合併症には、脳炎・血小板減少性紫斑病・関節炎などがまれにある。看護上必要な情報は、予防接種および風疹患児との接触の時期、発疹の発現時期と経過、一般状態などである。感染源となるのは、発病後3~4日間である。

看護計画(水痘・帯状疱疹)

Ⅰ.病態アセスメント

 水痘は、ウイルスの飛沫感染および接触感染による。予後は一般に良好であり、経過中の一般状態は安定しているため家庭療養を行うが、発疹は全身にあらわれ、粘膜にまでもみられ、強いかゆみを伴うため不快感があり、不機嫌、不眠になることが多い。伝染力は非常に強く発疹出現1日前から感染源となるので、他児への伝染を防ぐことは難しく家庭での隔離は不要である。しかし、入院中の患児はただちに隔離して伝播を防ぐ。看護上必要な情報は、水痘患児との接触の時期、発疹の出現時期と経過、一般状態などである。感染源となるのは、発疹前の1日~発疹後7日後までである。

 帯状疱疹は、水痘―帯状疱疹ウイルスの回帰発症に基づく疾患である。神経の走行に沿って皮膚に小丘疹や小水疱が群生する。発疹の好発部位は、胸部・顔面・腰部・仙骨部で、つねに片側にあらわれ、激しい神経痛を伴う。帯状疱疹免疫グロブリンを潜伏期の初期に用いれば発病ないし軽症化に有効とされている。看護上必要な情報は、発疹の出現時期と経過、一般状態である。

看護計画(流行性耳下腺炎)

Ⅰ.病態アセスメント

俗にいう“おたふく風邪”で、病原体はムンプスウイルスである。飛沫感染により、鼻腔から侵入する。潜伏期は14~21日である。潜伏期の後、感冒症状に続いて耳下腺が腫脹する。70~80%は両側がおかされ、片側が腫れ出してから1~2日の間に他側もはれはじめる。部位は耳介の前・下・後で、境界ははっきりせず、発赤もない。押さえるとリンパ節の腫脹よりもやわらかい感じがする。しだいに増大し、圧痛があり、口を開くと痛い。この時期には38~39℃の発熱がある。腫脹の多くは3~7日で消失する。数日後に治癒する。合併症は、髄膜炎・脳炎が最も多く、髄膜炎の合併率は20%に及ぶといわれている。この予後はよい。精巣(睾丸)炎は成人では25~35%に合併するが、小児ではまれである。ウイルスは、患者の唾液より排泄され、感染源となるのは、耳下腺腫脹する5~6日前~腫脹のある間である。感染力は、水痘や麻疹ほどではない。

看護計画(インフルエンザ)

Ⅰ.病態アセスメント

秋から冬にかけてインフルエンザウイルスA、B、Cの飛沫感染により、鼻腔から侵入しておこる。1~3日の潜伏期の後、急に39~40℃の発熱、咽頭痛、頭痛をもって始まる。咳嗽、鼻汁、嘔吐、下痢の胃腸症状や筋肉痛を伴うことがある。合併症として、肺炎・気管支炎・中耳炎・心筋炎・脳炎などを伴うこともある。予防として流行を予測し、予防接種が行われ、伝染力が強いので、入院患児には、他児に感染しないよう隔離が必要である。感染源となるのは、発病直前~発病後7日であるが、発症初期の3日間が最も感染性が強い。

看護計画(伝染性単核症)

Ⅰ.病態アセスメント

伝染性単核症ヘルペスウイルスに属するDNAウイルスであるEBウイルスの感染によって、EBVに対する抗体のない者に起こり、潜伏期は2~6週と考えられている。ウイルスは、急性期の患者や保菌者の唾液中に排泄され、濃厚接触によって感染する。輸血によって感染する場合もある。症状として、1~3週間持続する発熱、咽頭痛、全身倦怠感、リンパ節腫脹、約半数に脾腫があらわれ、10~20%に発疹をみる。また、肝機能障害が80%に認められ、黄疸を伴うものもある。その他、頭痛、頚部硬直、意識障害などの中枢神経系の症状を伴うものもある。検査所見では白血球・単核球が増加し、ポール-バンネル反応(異種血球凝集抗体)が陽性に出る。まれに、合併症として、脾破裂・髄膜炎・心筋炎・溶血性貧血・血小板減少性紫斑病などがある。わが国では、90%が乳幼児期に初感染を受け、無症状に経過する。青年期の初感染が、しばしば伝染性単核症として発症し、重症といわれている。

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