スポンサード・リンク

o(^o^)o肝硬変の話


(´Д`)題名:肝硬変の話

概要

肝硬変は、肝細胞の変性・壊死と肝実質の結節性再生および小葉構造の改築を示す病態をいう。原因は、肝炎ウイルス、アルコール摂取、中毒などで起こるが、わが国ではB型またはC型肝炎ウイルス感染による慢性肝炎に由来するものが多い。

 

頻度

肝硬変は、普通にみられる疾患である。 1984年の総患者数は10万人である。 1976年度の特定疾患調査研究班の報告によると、全国に12万人の患者がいると推定されている。本症は40~60歳代に多くみられ、性比は2.5:1と男性に多い。 1985年の年間死亡数は15,417人(男10,757人,女4,660人)を数え、死亡率は人口10万対12.8であり、総死亡の2%を占めている。 2000年の本症の年間死亡数は9,849人(男6,406人,女3,443人)であり、死亡率は人口10万対7.8(男10.4,女5.4)である。

 

病態

1)肝・門脈血行動態

肝硬変では門脈圧が亢進する。

肝繊維化と結節形成のために肝内門限血管抵抗が増加して門脈圧が亢進する。門脈血流のうっ滞と大循環系への短絡形成により有効門脈血流量は減少する。

 

2)消化管病変

短絡路の1つとして発達した食道・胃静脈瘤が消化管出血の主因をなす。

発達した食道・胃静脈瘤は破裂出血をきたす危険がある。また、門脈圧亢進に基づく消化管のうっ血と微小循環障害のために、胃・腸粘膜病変(門脈圧亢進症性胃腸症)が生じ、消化管出血の原因となることがある。

 

3)全身循環動態,腎機能,腹水

全身循環動態、腎機能、神経性・液性因子の異常が腹水や肝腎症候群発生につながる。

心拍出量、循環血液量は増加するが、多くは皮膚,筋肉,諸臓器における動静脈吻合部に奪われ、有効循環血液量はむしろ減少する。これが交感神経系、血管作動性物質を介して、腎血流量低下、尿細管でのNa・水再吸収亢進の原因になると考えられる。また肝静脈枝、肝内門脈枝の圧迫により類洞内静水圧、門脈圧が上昇するが、これらが肝リンパ生成の亢進と腹腔内門脈末梢枝の透適性亢進を招き、低アルブミン血症による血漿膠質浸透圧の低下と相まって腹水発現につながる。

 

4)肝性脳症

腸管内昏睡誘発物質が脳に至り肝性脳症が起こる。

腸管内に由来するアンモニア、芳香族アミノ酸、低級脂肪酸、アミンなどが、肝細胞障害による除去能低下と門脈―大循環系短絡のために大循環血中に増加し、血液脳関門を越えて脳に作用して脳症が起こるとされている。その他、アミノ酸代謝異常、神経刺激伝達調節異常、糖・脂質代謝異常、酸塩基・電解質平衡障害、低酸素血症なども関連するといわれる。蛋白過剰摂取、便秘、消化管出血、利尿薬・鎮静薬投与、電解質異常(特に低K血症)、大量腹水穿刺、感染症、手術操作、低酸素血症などが誘因となる。

 

a. 身体所見

肝機能障害や循環異常などによるさまざまの症状がみられるが、代償期では無症状の例も多い。右葉萎縮・左葉肥大のため一般に心窩部に硬い肝を触れるが、アルコール性の場合は両葉腫大のため右季肋部に肝を触れることが多い。また、内分泌失調のため、手掌紅斑、くも状血管腫のほか、男性では体毛減少、性欲減退、睾丸萎縮、女性化乳房、女性では月経異常などがみられる。さらに、門脈圧亢進症状として消化管出血、腹壁静脈怒張、痔核、脾腫などを認める。進行例では、腹水、浮腫、黄疸、肝性脳症などの肝不全症状を呈する。

 

b.血液検査

1)一般肝機能検査

GOT優位の軽度のトランスアミナーゼ異常があり、肝予備能(コリンエステラーゼ、アルブミン、総コレステロール、ヘパプラスチンテスト、プロトロンビン時間など)の低下をみる。γ-グロブリン、膠質反応(ZTT、TTT)の上昇をみることが多い。また、ICG排泄率の異常(15分値25%以上)、分岐鎖アミノ酸(branched chain aminoacid ; BCAA)/芳香族アミノ酸(aromatic anlinoacid;AAA)比(フィッシャー比)の低下、血清総胆汁酸の上昇が診断の手がかりになる。

 

2)末梢血

進行例では一般に汎血球減少症(貧血、白血球減少症、血小板減少症)がみられる。重症度の判定にはChildスコアが有用である。

 

症候と病態生理

肝硬変の症候は、肝細胞の変性・壊死に伴う症候、門脈域の繊維化による門脈狭窄の症候、肝腫大による症候および肝機能障害の症候からなる。

肝細胞の変性・壊死により、発熱、倦怠感を訴え、肝酵素の逸脱によりGOT、GPT値が上きたす。その結果、食欲不振などの消化器症状、脾腫、腹水がみられ、また、門脈副血行路が発達し、腹壁静脈の怒張、メズサ頭、食道静脈瘤、胃静脈瘤、痔核などが生ずる。

肝は随伴する炎症のために、初期には腫大し、肝被膜緊張による上腹部疼痛を訴えるが、肝繊維化か進むと、肝は萎縮し、腹腔鏡検査では、肝表面全体にわたって大小不同の結節がみられるようになる。

本症における肝機能障害は、肝細胞性黄疸をはじめ、解毒障害や合成障害が起こる。肝細胞性黄疸により、黄疸、血清ビリルビン値の上昇、ウロビリノーゲン尿などがみられる。解毒排泄障害によってICGの排泄が遅延し、高アンモニア血症を起こす。高アンモニア血症となれば、口臭、肝性昏睡、羽ばたき振戦が現れる。肝の合成障害は蛋白、凝固因子、エストロゲン不活化因子の合成障害が主なものである。蛋白合成障害によって、低アルブミン血症を起こし、浮腫を生ずる。

本症における高度の腹水は、低アルブミン血症と門脈うっ血の二つの作用によって起こる。血液凝固因子の欠乏は、出血傾向をきたし、皮下出血がみられる。エストロゲン不感化因子合成障害によってエストロゲンが蓄積し、女性化乳房、くも状血管腫、手掌紅斑がみられるようになる。なお、血清コレステロール値は低下する。

 

診断

肝硬変の主要症状は黄疸、腹水、脾腫である。本症の疑いがあれば、肝機能検査、腹腔鏡検査、肝生検、門脈圧測定などを行う。腹腔鏡検査により、肝表面に多数の結節を認め、生検材料の組織診で小葉改築像が認められれば確診できる。

 

治療と予後

肝硬変の治療は、安静療法と食事療法を行い、腹水、吐血、肝不全が起これば、それらに対する療法を行う。腹水に対しては、利尿剤を投与、食道静脈瘤出血に対しては、内視鏡下の硬化療法を行う。肝不全に対しては、腸内のアンモニア産生を抑えるためにラクチュロース、ネオマイシンの経口投与を行い、また、特殊アミノ酸製剤(アミノレバン)の注射が行われる。肝硬変の予後は、腹水を有する群では、1年生存率74%、5年生存率21%であるのに対し、腹水のない群では1年生存率94%、5年生存率72%となっている。

( ´ ▽ ` )参考文献

医療学習レポート.肝硬変


スポンサード・リンク