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q(^-^q)痴呆の話


(--〆)題名:痴呆の話

 脳に器質性変化が生じ、理解、記憶、計算、抽象思考、判断、言語能力、注意力(集中力)といった脳の高次機能に障害をきたし、徐々に運動機能にも障害を起こし人格を喪失してしまう状態をいう。老年期の痴呆症状を呈する疾患にはアルツハイマー型痴呆や血管性痴呆が代表してよく知られている。

 1.アルツハイマー型痴呆

発病は40~60歳に多く、女性にやや多い。大脳のびまん性萎縮がみられ、萎縮は前頭葉で強い。病理組織学的には大脳皮質全般に神経細胞の萎縮、脱落があり老人斑、アルツハイマー神経原線維変化が認められ、特に海馬とその周辺で著明である。顆粒空胞変性が海馬の大型神経細胞にみられる。高度の痴呆にもかかわらず人格は比較的保持されており、進行性の記憶障害を主とし、失語、失読、失書、失行等の巣症状がみられる。特徴的なものとして視空間失認がある。神経症状として筋緊張亢進、筋拘縮が生じることが多い。

 2.脳血管性痴呆

発病年齢は50歳以上に多く、男性に多い。まだら痴呆で、老年痴呆でみられる全般的な痴呆と区別されることが多い。進行は、階段状で人格変化が少なく、病識は保たれ感情失禁をしばしば呈し、頭痛、眩暈、しびれ、片麻痺、卒中発作、巣症状等の神経学的症状が多い。

病態アセスメント

 痴呆を装飾する形で譫妄が併発して現れる場合もあり、痴呆なのか、譫妄なのか判断が困難な場合もある。それぞれの症状の特徴から、患者にいま起こっている症状を正確に判断することは適切な看護を提供するうえで重要である。また、病気の経過を知るうえでも重要となる。
譫妄は、急激に精神動揺が起こり、多くの場合、睡眠-覚醒リズムが障害される。痴呆のように、徐々に会話はできるが物忘れをする、単語が出てこないといった状態なしに、急激に会話も成り立たないような状況が生ずる。
痴呆は徐々に進行し、不可逆的であるが、譫妄は看護者の対応によって一時的に収まってしまうものである。この譫妄を適切に処理しなければ、暴れたり、食事、飲水や睡眠といった生理的ニーズの充足が不十分となり、危険な状態に陥る。

症状

 出来事全体を忘れる高度な物忘れから始まり、判断ができなくなり、徐々に周りの状況を認知できなくなる。
行動の多くは、たくさんの動作が組み合わさせたものであるために、衣服の着脱、洗面、排泄等の動作を部分的に忘れ始め日常動作も援助なしにはできにくくなってしまう。さらに重度の痴呆に移行すると、言葉が出てこない、相手の言うことが認識できない状況が生じ、運動機能の低下と共に寝たきりに移行する。

検査

  • 生化学、血液一般検査
  • CTスキャン
  • MRI
  • EEG
  • SPECT
  • ECG
  • 長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)
  • WAIS-R

治療

 中核症状である知的機能を改善させることは困難だが、脳の老化が少しでも遅くなることを期待して脳代謝改善薬を長期的に投与する。また脳血管障害がこれ以上進まないようにするため、脳循環改善薬や血小板凝集抑制薬も併用する。その他、意欲減退、うつ状態、行動異常等、痴呆に伴って起こる症状を改善するために抗うつ薬、抗不安薬、抗精神病薬を使うこともある。
知的機能は改善できなくても、副次的な症状の一部を改善することは、人間らしく生きるために必要であり、本人、家族にとっても意義のあることである。
作業療法は、患者の人間性と自由を尊重し、自発性と役割を高めることにより、患者に残された健康な部分の能力を強化できるため、社会性の回復や新たな獲得を目標とする手段として用いられることがある。作業活動はあまり変化を持たせずに、固定化、パターン化し繰り返すほうがよい。過去の経験を生かした簡単で予測性の容易なものが適している。もっとも、音楽等は古いなじみのあるものだけでなく、リズム等の影響が大きいため新しいものもよい刺激になることが多い。

経過と管理

 痴呆は一般的に3つのステージに分けることができる。

1.健忘期

 健忘期は何度も同じことを聞くようになる。また、言葉が出てこなくなる。特に名詞が出てこないので「それとって」、「あれね」といった会話が目立つようになる。そしてその欠損を補うように自然と作話が出てくる。

2.混乱期

 混乱期は判断力も著しく低下するために、衣服の着脱も困難になる。どこに足を通してよいのか、ボタンをどうするのか分からなくなるのである。トイレにもたどり着くことができず、誘導されても迷って戻れなくなる。感情抑制能力が失われ、人格の喪失を起こし認知能力や集中力が極端に障害されてくるので、同じ言動を繰り返し、暴力や徘徊といった問題行動や精神症状等が現れてくる。

3.痴呆期

 痴呆期は自分の名前、親しい人の名前、家族さえも分からなくなってしまう。尿・便失禁が起こり、身体の自由がきかなくなって寝たきりになる。

看護計画

Ⅰ.病態アセスメント

 譫妄や痴呆・認知障害を起こしている高齢者と接する時は、偏見や先入観を持たず問題行動に直面しても決して大騒ぎせず、ありのままを受け入れ、状態を正しくアセスメントし適切な援助を行うことが重要である。
痴呆老人は知的能力の低下はあっても、感情・情緒は変わりないので、自尊心を傷つけないように否定・説得・叱責はしないようにする。柔軟な対応で相手の世界に合わせる、1つの行動ごとに指示を与える、老人のペースで、ゆっくりと行動する、温かみのある言葉をかける、スキンシップを十分に行うなど痴呆老人の接し方の原則をあらゆる場面で心がける。
看護計画のポイントは、1)好転しうる痴呆状況を見極め、痴呆状態の改善に向けての計画をたてること、2)状態と暮らしの全体像を把握し、安らかさとその人らしい暮らしに向けての計画をたてることの2点である。

(^ム^)参考文献

医療学習レポート.痴呆


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