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(*T▽T*)脳卒中と肺炎の話


(^0_0^)題名:脳卒中と肺炎の話

脳卒中に関連した肺炎(stroke-associated pneumonia;SAP)は、意識障害や嚥下障害に伴って脳卒中急性期に12~23%にみられる。

SAP 発症のリスク因子は意識障害、嚥下障害、重度運動麻痺、年齢、認知症などが挙げられており、ひとたび肺炎を発症すると死亡率の増加や在院日数の長期化、入院費用の増大だけではなく機能的予後の悪化を招く。

FIMは順序尺度であるがその点数を間隔尺度的に用いても大きな問題がないとされている。

SIASに関して、その合計点数は機能全体を見る指標となるが、間隔尺度的に扱えるという根拠が明確ではない。

SAP は意識障害や嚥下障害に伴い、誤嚥という偶発的な要素が介在して発症する。

SAP 発症率は脳卒中急性期に12~23%といわれ、脳卒中発症から5日以内に多いと報告される。

 

脳卒中治療ガイドラインは廃用症候群を予防し、早期のADL向上と社会復帰を図るために、十分なリスク管理のもとにできるだけ発症後早期から積極的なリハビリテーションを行うことが強く勧められている。

脳卒中急性期のリハビリテーションは学習された不使用を予防するために、麻痺側をいかにADLに参加させていくかといった視点が重要であると報告される。

脳卒中急性期リハビリテーションの質量の差異と効果について調査した無作為化比較試験の結果では、ROM訓練だけではなく動作訓練とADL 訓練を付加した強化群は下肢の片麻痺グレードが有意に向上し、早期から十分な質と量のリハビリテーションを開始することが必要であるとも報告される。

ひとたび肺炎を発症するとリハビリテーション中断の原因となると報告される。

脳卒中後の比較的早い時期に劇的に運動機能の回復するものの多くは、脳浮腫による錘体路の圧迫改善や diaschisis の回復によると報告される。

リハ科入院時(発症から27.7±16.6 日)の motor FIMが 33点以上のグループは良好な予後が期待できるが、15 点以下のグループは能力改善を期待できず、16 点から 32 点のグループは年齢、発症からリハ科入院までの期間に影響されると報告される。

全国調査の結果では回復期病院入院時FIM合計点数が62点以下のグループは合計点数にかかわらず回復期病院在院日数はほぼ一定である。

ADLには身体機能として麻痺側機能に比べて、座位での体幹のパフォーマンス能力がより大きな影響を及ぼし、結果、非麻痺側での代償が可能であると報告される。

栄養状態の悪い患者に機能改善を目指したレジスタンストレーニングや持久力増強訓練を行うと、かえって筋力や持久力は低下すると報告される。

リハビリテーションの効果や質を判定する指標としてFIM効率が重要であると報告される。

脳卒中や他の脳疾患における発熱の影響に関する39のメタアナリシスを実施した文献を調査した結果、機序は不明ではあるが発熱はあらゆる指標において最終転機を悪化させると結論づけられている。

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