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(T_T)下肢切断の話


(@_@;)題名:下肢切断の話

1.切断者の概要

切断者のリハビリテーションを学ぶうえで、わが国には切断者が何人くらいいるのか、どこで切断された人が多いのか、また切断に至った原因は何かなど、基本的な知識をもっていることは大切である。しかし文献を調べても、今までに全国規模でこのような調査が行われたことはないようである。最も広範囲に行われた調査は1976年(昭和51年)、日本リハビリテーション医学会が福祉関連機器の推進のために行ったものである。これは東京、宮城など全国6地域で、身体障害者手帳の診断書を基に調査したものである。それによると、日本の切断者は人口の約0.11%であり、全国では約10万人と推定される。そしてその内訳は、

①性別:男女比は、上肢切断では3.5:1、下肢切断では4.9:1

②上下肢別:上肢対下肢は1:2.2

③:上下肢とも18〜24歳にて切断した者が多い

日本リハビリテーション医学会「福祉関連器機の標準化推進の為の報告書」昭和51年

④切断原因:上肢では労働災害、一般事故、戦争など外傷によるものが83%を占め、下肢では一般

日本リハビリテーション医学会「福祉関連器機の標準化推進の為の報告書」昭和51年事故、労働災害、戦争などの外傷が69%を占める。

 

2.日本と欧米の差異

一方、欧米の報告によると、動脈硬化症や糖尿病による血行障害が原因の切断が60%以上を占める。そのため年齢分布も、60歳以上が大半である。

このように、わが国における切断者は外傷によるものが多く、その年齢も若いが、欧米では血行障害による切断が多く、その年齢も高いということが特徴とされてきた。最近の調査報告をみると、以上のような特徴が薄れてきている。1991年(平成3年)に実施された中川らの兵庫県での調査報告によると、以下のとおりである。

兵庫県内の20市310万人に対し、身体障害者手帳発行台帳と診断書を基に調査したところ、上肢切断者は3、152人、下肢切断者は1、053人であった。ここで上肢切断が下肢切断より多いのは、手指の切断も含まれているためと思われる。1969〜1988年の20年問に下肢切断を受けた者は688人で、それを4年ずつに区分して発生数の推移を調べたところ、切断時年齢は20〜39歳が減少し、60歳以上が激増しており、1985〜1988年では65歳以上が43%を占め、切断原因も外傷が減少し、循環障害が増加していた。同年間の下肢切断者数は、循環障害によるものが60%、外傷24%、腫瘍14%であった。

長島らの岡山県における調査結果もまた、同じような傾向を示している。この調査は1979年l月から1988年12月までの10年間の切断者について調査したものである。上肢切断者が94人、下肢切断者が348人で、その切断原因は上肢は80.9%が外傷で、下肢では51.1%が虚血性疾患であった。年齢は43歳から91歳にわたり70歳代が最も多く、65歳以上は全体の71.9%を占めていた.わが国では下肢切断の50〜60%が循環障害によるものとなったと考えてよい。したがって、日本の切断者の特徴とされていた、外傷による若年者の切断患者が多いということは過去のこととなり、最近の傾向は欧米と類似してきたといえる。

 

3.切断理由がリハビリテーションに及ぼす影響

デンマークでは、1972年より切断者の登録制度が実施されている。その集計によると、人口が約500万人で年間の下肢切断者の発生が約2、000人であるという。虚血性の下肢切断者が80%以上を占めるので、これを原因とする下肢切断者の年間発生率は、人口l0万人当たり30人前後であるといえる。北欧のほかの国も大体同じ頻度であるといわれており、アメリカはそれより少し低いといわれている。

先に紹介した長島らの調査では、岡山県における虚血性下肢切断者の年間発生率は、全人口10万人当たり1.1人、65歳以上をとっても6.0人である。日本以外の地域のデータがないので正確なことはいえないが、この差をみると日本における虚血性下肢切断者の発生頻度は、欧米より明らかに低いといえる。

このように、わが国でも血行障害による下肢切断が増加している原因としては、生活様式の変化、特に食生活の西欧化や平均寿命の延びによる高齢者の増加などが挙げられている。したがって、ますます西洋化していく日本の現状を考えるとき、今後さらに発生頻度が高くなることが予想される。このことは、切断者のリハビリテーションがより難しくなるということを意味している。なぜならば、下肢切断者のリハビリテーションを進めていくうえで、その切断部位も大変重要な問題であるが、切断に至った原因疾患はさらに重要である。下肢の血行障害を起こす原因疾患として動脈硬化症、糖尿病、バージャー病があり、前二者によるものが増加している。これらの疾患は慢性疾患であり、多くの合併障害を有していることが多いこと、高齢者に多いので、老化による身体機能の低下を伴っていることが多いことなど、リハビリテーション上の問題点を数多く有している。

(^ム^)参考文献

医療学習レポート.下肢切断


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