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(T_T)変形性股関節症と評価の話


(#^.^#)題名:変形性股関節症と評価の話

検査・測定および評価

変形性股関節症

Ⅰ.必要な情報と評価項目

1.基礎情報

両側性か否か,近接関節(特に膝,腰椎)の状態,病期などは,術後理学療法を施行する上

でまた退院時のゴールを設定する上で極めて重要な情報である.

年齢

性別

現病歴・現症

患者の主訴・ニーズ

合併症

既往歴(外傷,先股脱,ペルテス病など)

リスク

X線所見:大腿骨頭,寛骨臼の形態,骨棘形成,関節軟骨の状態

臼蓋形成不全の程度(CE角,Sharp角,AHIなど)

病期分類,関節適合性,骨被服度,関節水腫

 

2.生活歴

生活歴は術前に得た情報と手術に対する患者の期待度対比することにより,退院前理

学療法の方向付けに役立てる.

◎活動レベルのチェック

就労状況(肉体労働,デスクワーク)

趣味(スポーツや茶道,日本舞踊など)

一日の歩行距離

外出時の乗り物の種類

◎住居環境と生活様式

住居での階段の利用

寝具・トイレの種類など

 

3.股関節機能評価

疼痛評価

関節可動域テスト

筋力測定

身長・体重測定

周径・下肢長などの四肢計測

歩行能力評価

歩行分析

ADLテスト

 

日本整形外科学会の変形性股関節症判定基準

股関節機能を大きく4つに分類.疼痛40点,可動域20点,歩行能力20点,日常生活動作20点の合計100点満点で評価する.

変形性股関節症と変形性膝関節症の臨床像の評価は日本整形外科学会の評価表が一般的に用いられている.この評価法は単関節的な機能を目的に作られているため,実際の理学療法を行ううえでの評価は多関節的な機能評価が必要になる.

 

4.手術に関する情報収集

主治医からの情報は,脱臼など合併症の予防や目標獲得可動域の設定,可動域訓練,筋力トレーニングなど術前理学療法を実施する上で極めて重要.

◎手術所見

進入路

骨・軟部組織の処理

術中の関節可動域

◎X線所見

CE・Sharp角や関節裂隙の変化

移植骨のリモデリング(骨梁の連続性)

 

変形性股関節症の臨床像の評価表

実際に昭和大学藤が丘リハビリテーション病院で使用している評価表で,上記の日整形に判定基準にROM,周径,歩行を付け加えて表にしたものである.

 

術前評価の目的

①  羅患期間と病期による機能障害程度の把握

②  手術によって得られる機能の予測

③  手術によって失われる機能の予測

④  術直後の状態を予測

 

Ⅱ.肢位別評価内容

股関節中心の評価から骨盤・脊柱まで含めた各種評価が必要で,以下に各肢位別と評価内容を示す.

a.背臥位

1.触診(ASIS,腸骨稜,腸骨粗面,大転子,恥骨結節,内転筋結節,鼠径部,大腿動脈,縫工筋と長内転筋停止部)による疼痛検査.

2.非荷重下と荷重下での下肢長差の有無.

3.検査

1)FABERテスト

股関節の屈曲,外転,伸展を行い仙腸関節および軟部組織にストレスを加えると同時に,股関節の可動域や関節のクリック音を評価する方法.股関節関節包の伸張性を評価することができる.

陽性徴候:股関節の伸展制限を示唆し,もし陽性徴候を示す患者が歩行時に同じ歩幅を保とうとすると,結果的に腰椎の伸展ストレスは増強する.

 

2)股関節圧縮テスト(股屈曲内転・膝屈曲位での後外方押し込みストレステスト)も仙腸関節のみでなく,変形性股関節症での症状誘発にも関与.

 

3) Thomasテスト

a.視診上股関節は屈曲・伸展0°にみえるが,腰椎の前弯があるため,実際には股関節は焼く20°の屈曲位である.

b.反対側の股関節を屈曲させ(①)腰椎の前弯をとると,屈曲拘縮が存在する場合には検側の股関節検側の股関節が持ち上がってくる(屈曲してくる)(②).その角度が屈曲拘縮の角度である.

4.股関節の硬さの検査として股関節包内副運動(股・膝屈曲位での下方・側方牽引ストレス下)チェック.

5.他動SLRテストでのハムストリングスの短縮のチェック

6.膝関連疾患がしばしば閉鎖神経などを介し,膝痛が股関節に波及するため,膝内・外反ストレステストも重要.

7.股屈曲・内外転に可動性や内転筋の伸張・柔軟チェック(薄筋と内転筋を分離するため,膝伸展位と屈曲位で検査).

 

b.側臥位

1.下肢重力で内転位をとりやすいため,股関節外側領域に問題を有する際には不快な肢位となりやすい.

2.坐骨領域,坐骨神経,大転子の触診.

3.股内・外転筋力検査(大腿筋膜張筋と中殿筋).

4.Oberテスト(大腿筋膜張筋短縮)

5.股外旋筋,ことに梨状筋の短縮テスト(股・膝屈曲位での内転)

 

c.腹臥位

1.殿部後面,上後腸骨棘,尾骨,仙骨,腰椎の触診

2.股関節屈曲拘縮による尻上がり現象の有無.

3.伸展・内外旋の可動性と筋力チェック.

4.股伸展位での膝屈曲.

 

d.座位

1.腰椎の自動・他動的回旋と股の内・外旋の運動性チェック.

2.股屈筋・回旋筋,縫工筋の筋力チェック.

3.Thomasテスト変法(腸腰筋と大腿四頭筋の短縮度合い)のチェック.

 

e.立位

1.立位での全体的アライメント(足部・膝を含む)異常の有無,荷重下での下肢長差の有無(補高による調整),両側の腸骨棘・腸骨稜の非対処位の有無,姿勢の偏位と股屈曲拘縮による前屈姿勢の有無.

2.歩行分析では歩幅,片側への傾きや揺れ,逃避歩行,易疲労性,股関節の異常運動,筋力低下,拘縮,可動域制限に伴う異常歩行パターンなどの有無.

3.疼痛回避からの荷重偏位を体重計やweight balance analyzerで測定.片脚起立テストにてバランスの機能と中殿筋不全によるTrendelenburg徴候のチェック.

4.腰椎の自動運動性とスクワット動作にて股関節部,下部腰椎,殿部の痛みを検査.

 

f.その他

①ADLと階段昇降,坂道歩行などのチェック.

②体重と肥満の有無のチェック.

 

変形性膝関節症

Ⅰ.評価項目

  1. 疼痛(VAS)
  2. 膝関節可動域
  3. 膝屈伸筋力
  4. 大腿周径
  5. 隣接関節の評価

6.姿勢および動作分析

up&goテスト:起居移動動作の有効的な評価

「坐位から立ち上がり,3m歩き,方向転換して元に戻り座る動作」

の時間を計測する.

20秒以下であれば日常の動作に介助はいらない.30秒以上を要すれば起居移動動作に何らかの介助が必要になる.

7.日本整形外科学会変形性膝関節評価点数(JOA score)

8.歩行スピード

10m歩行速度:日本の道路横断には1.0m/sec以上の歩行速度が必要.

9.最大1歩幅

10.ADL

Ⅱ.代表的評価表

・  日本整形外科学会変形性膝関節症治療成績判定基準

・   三大学膝関節機能評価表

・  Hospital  for  Special  Surgery(HSS)の評価法

・  Knee  Societyの評価法

→いずれも人口膝関節置換術の術後評価を目的

・  WOMAC(Western Ontario and McMaster Universities Osteoarthritis Index)

最近、欧米のOAの機能評価に非常に良く使われる評価法

・自己記載式評価

・検者によるバイアスを取り除くことが可能

・疼痛5項目,こわばり2項目,機能17項目の計24項目

 

Ⅲ.評価内容

1.姿勢及び動作分析

1)腸骨前後傾

膝のOAでは骨盤後傾が大きくなる。

原因:大腿直筋起始部がparallel  shiftにより上方移動し大腿筋筋緊張をあげ、体幹後方化につながり、膝関節伸展モーメントを増大させる。

2)骨盤挙上

立脚中期における骨盤挙上は膝関節外反モーメントに関与。

原因:体幹下部安定性低下。

3)上半身重心位置と下半身重心位置

立位における脊柱側彎やトレンデンブルグが目立つ。

体幹反対側重心移動は膝関節の外反モーメントの増大と内反変形を進行させる。

上半身重心位置の評価:静止座位ではTh9から下方に下ろした垂線が坐面の左右どこにあるか評価。また頭を動かさずに骨盤挙上をしてもらい、Th9が左右どこまで移動するか評価する。

4)片側立位での重心線と膝関節の位置関係

内反変形が小さいと片側立位は容易。FTAが200°近くなると遊脚側方向に身体が回転しやすくなる。

体幹の安定性の評価。身体重心が立脚側と反対方向に移動することを評価する。

5)立脚中期での骨盤左右傾斜

立脚側骨盤が挙上位となりやすい。変形が高度になると4)をおこし頭を振る歩行になる。

 

2.膝関節

1)関節可動域

制限因子が筋,筋膜,関節包・靭帯のいずれか評価する。

2)筋力

大腿四頭筋筋力低下、腹横筋筋力低下

骨盤前傾はハムストリングス筋力,後傾位は大腿四頭筋筋力低下,骨盤の後傾斜+腰椎前腕の典型姿勢では腸腰筋の筋力低下が考えられる。

3)周径,下腿長,下腿捻転

炎症症状が慢性化していないか腫脹の程度のために、周径をおこなう。

膝関節内旋可動域増大は内捻増大,外旋増大は外捻増大と関わる。

下腿長は内反変形増大で短くなる。しかし軽度(FTA約180°まで)は、むしろ下腿長が増加する可能性あり。

 

3.隣接関節

1)足関節,距骨下関節角度

内反変形が軽度な場合、足部回外は膝から足部に及ぼされた影響

内反変形が強くなると、距骨下関節回内により生じる脛骨傾斜の減少は代償作用であると考えられる。

2)股関節屈曲伸展

大腿直筋が鼠径部で硬くなることにより屈曲制度が生じることが多い。

3)股関節内外転角度

骨盤挙上は股関節内転と関係する

左右差の比較が重要

4)仙腸関節

骨盤後傾と腰椎前彎の組み合わせにより「仙骨うなずき運動」が生じる場合がある。膝関節には屈曲制限があることが多い。

5)腰椎後彎

Ⅳ.TKA後の膝関節可動域の予測

術後の膝関節角度に影響する項目
術前膝屈曲可動角度

78°以下

79°以上

88°以下

110°以上

年齢

62歳以下

診断名

膝OA

膝OA

extension  leg

6.5°以下

 術前の脛骨大腿角度

‐6.5°以上

術後の脛骨大腿角度

5°以下

術後の膝屈曲角度

83°

122°

25°

‐9°

⇒最も悪い術後屈曲角度 ⇒最も大きな屈曲角度を獲得

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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