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(T_T)脳血管障害と福祉機器の話


(*´з`)題名:脳血管障害と福祉機器の話

福祉機器(自助具、福祉用具)

Ⅰ 福祉用具(機器)とは

日常生活用具・自助具・介護用品・機能訓練用具・補装具などをすべて含めて福祉用具と呼ぶ。

※リハビリテーション機器

定義:リハビリテーションを必要とする対象者の、日常生活および社会生活におけるその活動を支援し、あるいは増大させるために工夫されたすべての機器(リハ医学会)

 

Ⅱ公的給付制度が受けられるリハビリテーション機器

補装具、日常生活用具は公的に給付され、福祉事務所に申請し実施される。給付対象者は身体障害者手帳所有者のみである。社会生活用具は公的には支給されない。

 

Ⅲ自助具、福祉機器の適応条件

条件①:患側が利き手か、非利き手か。

条件②:患側が利き手の場合。

・聞き手で代償する(利き手といえど、必ずしも健側ではない)。

条件③:患側が利き手の場合。

実用手:麻痺した利き手が利き手として残るための必要条件は、Brunnstrom’s Recovery Stage が上肢、手指ともに6または正常で、深部感覚障害、小脳性失調や不随意運動がないこと。

廃用手:実用の役に立たなくなった手のこと。

補助手:動作にあたって主な動作をする手(上肢)に対して、固定、保持、支持などの役割を果たす手(上肢)。通常は非利き手がこの役割を果たす。

片麻痺患者の場合、麻痺の状態に応じて健側手および患側手の残存機能がどの程度かを評価するために実用手、廃用手、補助手の分類を用いる。

残存機能がどの程度かにより,使用する福祉機器や自助具も変化し,これらの使用により,ADLの向上をはかる.

 

Ⅳ 装具の適応

1)片麻痺の障害と下肢装具の処方

①弛緩性麻痺:膝不安定や膝折れがあるために足関節や膝の固定が必要になり,靴型装具付の長下

肢装具が処方される.

②痙性麻痺:

(ⅰ)重度

内反尖足も著明であり,反長膝を合併することが多い.このような場合では,クレンザック足継手付AFOが適応になる.内反変形が強い場合には,金属支柱付AFOにTストラップをつける.内反尖足拘縮が強い場合には,靴型装具が必要であり,金属支柱付AFOに取り付ける.

(ⅱ)中等度の痙性

足部の変形・拘縮がなければ,硬性プラスチックや,足継手付プラスチックAFOが適応になる.

(ⅲ)軽度の痙性

足部の変形・拘縮がなければ,たわみ式,可撓性プラスチックAFOが適応になる.

③内反尖足拘縮に対するアプローチ

矯正が難しい場合,靴型装具や足装具で足底部への体重負荷を均一化し,靴底と床面の適合を図る.

④関節拘縮

痙性・固縮,共同運動パターン,筋力低下など筋緊張のアンバランスに伴って関節の変形をきたし,これが長時間に及ぶと非可逆的な変形や拘縮に至る.下肢装具を装着し,歩行訓練を行う際に,下肢の関節拘縮の評価が重要である.

片麻痺患者では,足の尖足拘縮が膝関節と股関節に影響を及ぼし,特異的なバランスを保っている.

2)下肢装具の適応

歩行の禁忌がなく,障害程度も重度でなければ下肢装具の適応になる.コルセット長期使用によって腹筋や背筋の筋力低下が生じるように,早期からの装具装着や常時装着によって筋バランスや運動随意性の回復を阻害するおそれがある.適切なタイミングで,病態に合った装具に変更していく必要がある.Brunnstromステージ6に回復すれば装具は不要になる.ときどき,装具を取り外し,運動麻痺の回復をチェックする必要がある.

下肢装具処方の原則として、内反尖足変形・拘縮をどのように矯正するか,あるいは足関節や足部を安定させるかが重要なテーマである.使用順序はFO>AFO>KAFO>HKAFO となっている.

3)下肢装具の種類

①長下肢装具

機能:膝関節と足関節の動きを制御する

種類:金属支柱かプラスチック支柱

適応:膝不安定や大腿四頭筋の筋力低下がある場合に用いる

②短下肢装具

(ⅰ)短下肢装具の生体力学

・尖足防止:プラスチックAFOでは、傾斜角度を通常足関節0°あるいは           背屈5°に保持する.

・反張膝:ダブルクレンザック継手を用いて,後方制動と同時に逆クレンザ       ックで前方制動を行う.

・足関節の背屈補助:クレンザック足継手のロッドの代わりにスプリングを用いる.

・内反足の矯正:金属支柱付きAFOにTあるいはYストラップ.

同時に,内反足が徒手的に矯正可能なら,踵部に外側ウェッジを挿入.

徒手的に矯正ができないなら,内側ウェッジを挿入して足底の支持性を増して,歩行を安定化させる.

・痙性抑制装具:プラスチックAFOによる.AFOの型として,硬性と軟性がある.

※硬性:足関節底屈(背屈)を抑制する.痙性とクローヌスを抑制.

※軟性:前脛骨筋の筋力低下を代償→足関節補助.

(ⅱ)金属支柱付

変形に有利で,痙性が強くとも足部の保持が可能である.最大の特徴であり長所は,靴型装具を取り付けられることである.

(ⅱ)プラスチック

軽量で外見がよい.足関節固定の程度によって,硬性(rigid)タイプと可撓性(flexible)タイプの2種類に大別される.靴型装具は取り付けられない.

(ⅲ)足継手付プラスチック

プラスチックAFOに足継手を付けたもの.

制御型:足継手で足関節を任意の角度に制御し,より正常歩行パターンを目指したものであ

る金属支柱付AFOとプラスチックAFOの長所を取り入れたハイブリッドである.

可撓型:より生理的な足関節の底屈・背屈運動を実現している.

③足装具

靴型装具と足装具があり,足の変形・拘縮に対して矯正あるいは固定性を目的として処方される.片麻痺患者には通常,金属支柱付AFOに靴型装具を取り付けて,必要に応じて靴の中に足装具を足底挿板(靴インサート)として用いる.

(ⅰ)靴型装具

整形靴自体の補強,踵での補正,靴底での補正の3つで対応する.

・整形靴による補強

月形しん:踵や足関節が固定される部分であり,月形しんを硬くし,延長することによって,側方安定性が確実になる.

ふまずしん(シャンク):靴の足底にあり外側縦アーチの支持の役目を果たしている.このスチールシャンクを延長することによって,足底部に安定性を与えることになる.

・踵での補正

踵は足部の変形や拘縮の矯正,安定性に極めて重要な役割を果たしている.

踵の形態:外側フレアヒールや逆トーマスヒールによって内反傾向を予防する.

踵の固さ:足関節の強直や拘縮がある場合,床からの衝撃を吸収し,底屈・背屈や回内・回外の補助モーメントを与えることによって,足関節の踏み出し/蹴りだしを補助する.SACHヒールは,カットオフヒールは足関節の底屈・背屈に対して,キールヒールは回内・回外方向の踏み出しを補助する.

・靴底での補正

靴底にロッカーバー,内側・外側ソールウエッジ,メタタルザルバーを靴底のふまずに取り付けて,踏み返しを補助したり,内反や尖足の矯正を行う.

(ⅱ)足装具

足挿板によって痙性抑制,変形・拘縮の矯正や安定性を確保する.

 

④膝装具

反長膝の矯正に用いられる.片麻痺に合併した反長膝は,尖足拘縮のよる二次的に生じたものであることから,0°底屈制限AFOが有効になる.

4)上肢装具

脳卒中片麻痺における下肢機能は下肢装具などの使用によって70%くらいが歩行可能になる.これに対して,上肢機能は逆に70%近くが非実用的のままである.

①肩装具の目的

痙性や屈筋共同パターンに伴う肩甲骨の下方回旋を矯正しなければならない.肩装具の目的は,肩関節の不安定性を少なくして,損傷を受ける機会を少なくすることと,亜脱臼に伴う二次的疼痛に対応することである.発症早期からのアームスリングの装着により発生率を少なくする.

②アームスリングの種類

(ⅰ)肘屈曲型

長所:上腕骨を上向き力で挙上しており,上腕骨頭がより安定する.

短所:外見が悪く,歩行バランスが取りにくいことがある.肩にかけるために,肩が圧迫され,肩こりの原因となる.

(ⅱ)肘伸展型

長所:外見がよく,自然の肢位が維持できる.

短所:患肢の自重で肘伸展位になっているが,上腕二頭筋の痙性や筋緊張はむしろ高まる.

牽引方向が一定しないために,上腕骨頭が安定しない.上肢を支持するカフが強い緊縛で血行障害や褥瘡の危険性がある.

 

図.肘伸展型

③手・手指の装具

上肢の痙性片麻痺による屈筋共同運動パターンによって,前腕内旋,手関節・手指屈曲,母指握り変形をきたす.予防のために,良肢位での固定相具が用いられる.

 

Ⅴ 状況別による福祉機器、自助具、福祉用具

1)起居・移乗動作

①ベッド

ベッドは畳上での起居,立ち上がりを容易に行えなくなった障害者にとっては有用な器具である.急性期ではギャッジアップベッドが有効的な場合もあるが回復期や維持期になり,ベッド柵などを使って起き上がりができる障害者等は通常のベッドに柵のついたものが望ましい.柵は立位や移乗の不安定な障害者には移動時の支持としても比較的良く,移動動作を習熟した障害者では,この柵の支持だけで車椅子やポータブルトイレへの移動ができる.

ベッドの高さは座位をとった時に足底を床面に接地しやすく,座位を安定させるのに適している高さにする(約40cm).この高さは装具の装着も安全に行え,床のものに手を伸ばすことも可能である.

②移動用バー

ベッド上での寝返り,起き上がり,座位保持は可能であるが,歩行が自立せず移乗の不安定な障害者の場合,ベッドに移動用バーを取り付けて車椅子やポータブルベッドへの移動に用いることが多い.

Brunnstorom’s Recovery Stageで上肢,下肢がⅢ以下の患者や,StageがⅣ以上でも動作の不安定    な患者の場合は移動用バーを使用することによって動作の安定性を高めることができる.

移動用バーにはベッドに取り付け式のものと,ベッドの柵の一部の角度を変える移動用バーとして使用できるものとがある.

③車椅子用クッション

重度な障害者の場合,車椅子などで座位を取らせておく必要がある.このような障害者の場合は,長時間臀部への圧迫が加わるので座圧の分散を図る配慮がいる.脊損者によく用いられるクッションは適度な過多さがあるため姿勢保持に有効で,通気性にも優れており好ましい.クッションは厚さを必要とするので車椅子製作時にクッションの使用が分っていれば,あらかじめクッションの厚さを計算に入れておくと良い.

2)食事動作

①滑り止めのついたトレイ

トレイの表面にダイセムというゴム状の樹脂が塗布してあり,食器を乗せて傾けても簡単には食器は滑らない.食事の際に食器などが保持できない患者や,食器を手に持って食事を取れない障害者に適している.

②すくいやすい食器

利き手の手指のStageがⅥない患者は箸の使用が難しい.そういう患者はスプーンやフォークを用いて摂食するが,通常のご飯茶碗や汁椀では,不安定で食べにくい.底面が広い食器を使用して,スプーンで食べても安定させる.また縁が高くなっているのですくいやすく,最後まで介助されずに食べることができる.

【機能・特徴】

・スプーンのすくい上げが容易.

・幅が狭いため,横すくいが中心.

・底が広く平らで安定性がある.

 

3)整容動作

①洗面台,水栓

通常,洗面台は住宅改造で取り上げられることが多い.車椅子のまま使用する障害者も多く,ADL自立度を高めるために必要である.

立位が不安定で車椅子のまま洗面台を使用障害者の場合,流し台の下部のスペースはあけておき,車椅子でも使いやすいようにしておく.水栓はレバー式の温水調節のできるものが使いやすい.

②ハンドブラシ

ブラシの背面に吸盤がついており,流しタンクの内側に吸盤で固定して使う.片麻痺のある場合には,健側の手を洗ったり,入れ歯を洗ったりするのにその都度介助を求めなくても行うことができ,便利である.

4)排泄動作

①ポータブルトイレと手すりつき補高台

排泄の自立は,障害者自身の誇りを保つばかりでなく,家族の負担感を軽減することができる.トイレまでの歩行が困難で,ベッド上での寝返り,起き上がり,座位保持が可能な障害者では,ベッドの隣にポータブルトイレを置き,日中ベッド上で過ごせるように設定することも少なくない.

補高台を併用すると,より安全な移乗をすることができる.

この方法の適応となるのは,

(ⅰ)障害者の移動能力に制約がある.

(ⅱ)経済的物理理由により家屋を車椅子使用に適した環境に改善できない.

(ⅲ)介護者が勤務しており,常時家庭にいることができない.

(ⅳ)買い物などで家族が短時間が外出する時に,排泄の介助を自立させたい.

などといった幅広い対象者に利用される.

5)入浴動作

①入浴用シャワー椅子

浴槽の出入りや,身体を洗ったりするのによく用いられる.立位・歩行の不安定な患者に適しており,シャワー椅子を浴槽と同じ高さにそろえる.この方法は浴槽への移乗にも用いたり,浴槽から離して身体を洗ったりする

こともできるし,他の家族が使用する時には片づけてスペースを広く使用でき,勧めやすい.浴室には非麻痺側で使用できる手すりの設置が必要で,脱衣室からの段差の解消では,湯.水が脱衣室に入らないように浴室側に溝を作り,パンチメタルなどで覆っておくと良い.

②長柄ブラシ

浴槽への出入りが手すりやシャワー椅子を使って自立できる程度の障害者では,非麻痺側上肢の届く範囲で身体を洗うことができる.洗いにくいのは,体幹の背部と非麻痺側の上肢そのものである.体幹の背部は,長い柄のついたブラシを用いる方法がある.特に医療品ででなくとも最近ではスーパーなどで見つけることができる.ユニバーサルデザインともいえよう.非麻痺側は,石鹸をつけたタオルかあかすりを大胆に広げておき上肢を擦り付ける方法で洗うことができる.

 

③入浴用滑り止めマット

立位,歩行の不安定な障害者では,浴槽内での立ち上がりや座りも滑りやすく,不安定な動作であるので,足底が滑らないように裏面に吸盤がついたマットを使用する.普段歩行時には装具などで安定性を確保している障害者でも,入浴時には裸足になるので注意が必要にある.

④ポータブル浴槽

重度な介助を必要とする障害者の場合,最も簡単な入浴方法は,ポータブル浴槽を使用する方法である.一般家庭の浴槽での入浴は,最低でも端座位が安定し,立位がとれ,車椅子からの移乗が経度の介助でできる程度でないと,介助して入浴させるのは大変困難である.このような動作ができないばあいには障害者の部屋から浴室に至る家屋の大掛かりな改造が必要になる.

ポータブル浴槽の使用は,狭い家屋でも部屋の中央に置くことが四方から介助の手を差し出すことができ,解除は行いやすい.床面に置くタイプのものからベッド上で組み立てるものまで幾種類かのタイプがある.

6)移動動作

①杖

(ⅰ)杖の目的

・免荷

・歩行の安定性の獲得

・歩行時の駆動と制動

※     片麻痺患者では,とくに歩行の安定性のために杖を用いる.

歩行補助具関連:杖・多点杖・松葉杖・ロフストランド杖・歩行器・老人車など.片麻痺の使用頻度が高いのはT字杖・多点杖である.

(ⅱ)T字杖

形状:握り手は「T字型」、支柱は標準型で、握り手と支柱の接続部がローマ字の「T」字状の杖である。

長所:腕から支柱へ、力を伝達しやすい。

短所:握ったときに、手掌の小指部分が握り手よりも出てしまうので、握りにくい。

適応:片麻痺その他の患者で、介助または独歩可能な人の歩行の補助

(ⅲ)多脚杖(多点杖)

多脚杖は支柱の先端(脚)が3~4本に分かれている杖。

形状:握り手はT字杖型、逆L字型、オフセット型、馬蹄型などである。

種類:●脚の数により

・四脚杖

・三脚杖

●脚部の支持面の広さにより

・ラージベース型…支持面広い。安定性がよい

・スモールベース型…支持面狭い。

●脚部の長さにより

・ハイベース型…脚部が長く、支柱との接続部が高い。

・ローベース型…脚部が短く、支柱との接続部が低い。

●脚部に対する支柱の位置により

・支柱が脚部の一方に近寄った位置にあるタイプ…処方により左右いずれかの使用に限定される。

・支柱が脚部の中央にあるタイプ…左右いずれの場合にも使用できる

●その他

脚部にキャスターの付いているタイプ…蟹杖(グライダー杖)

長所:●多脚杖は支持面が広く、杖の重心が低いので安定性がよい。

●またT字型杖などに比較して重いので、ゆっくりと確実に杖をつかせて歩かせるために用いることができる。

●真上から垂直に力を加えて杖をついたときのみ、極めて安定性が高い。

短所:●多脚杖は体重を真上からかけないと不安定である。垂直以外の方向から力を加えて杖をつくと、柔軟性がないために、2本の脚を結ぶ線を支点として杖が倒れ、不安定である。

●支持面が広いために、階段や整備されていない道路で凹凸のあるところでは使用しにくい。

●単脚杖より重いので、上肢筋力が弱いと使用しにくい。

適応:●パーキンソン病、運動失調など、一歩一歩踏みしめて歩かせることが必要な患者。

●片麻痺患者で、平衡機能の悪い場合、健側下肢の支持性が悪い場合、患側下肢の振り出しが不十分な場合。

●T字型杖の使用が可能な程度にまで機能が回復していない者、あるいは機能回復の遅い者。

②車椅子

ありふれた機器であるが,車椅子は歩行ができない障害者ばかりでなく,歩行が不安定で耐久性が

少ない者にとっても,その日の体調や疲れに応じて併用し,調節することができる.屋内で車椅子を

使用するに当たっては,スペースの確保,段差の解消など注意すべき点が多く,経済的条件や住環境の

物理的条件による制約を受ける事が多い.屋外の車椅子使用では,介護者が高齢者などの場合には

電動車椅子の使用も介護者の負担を軽減することができる.

歩行が不安定な者にとっては,歩行を強制するよりも車椅子の併用を勧め,行動する範囲を広げさせた方が機能の維持にも活動性の向上にも役立つように思われる.

(ⅰ)健側の上下肢を使って運転する場合

タイプ:標準型車椅子、または脚駆動車椅子を使用する.

パーツ:●シートの高さは,下腿長(膝関節から外果)に2~3㎝プラスした高さで、足底が十分地面に着くようにする.

●レッグレストは片側個別式で、外開き可能なタイプまたは着脱式とし、運転時には外開きするか取り外ししておく。

●フットプレートは片側個別式で、挙上できるタイプとする。

●大車輪は空気入りチューブ式タイプがよい。

●ブレーキはトグル式で、健側によるワンサイドコントロールを行うためにエクステンションをつける。

●介助によるトランスファーを行う場合には、アームレストは着脱式も考える。

(ⅱ)健側の上肢のみで運転する場合

タイプ:片手駆動式車椅子=ワンアームドライブ式車椅子使用

●ダブルハンドリム型=内外2個のハンドリムを健手で操作して駆動する車椅子である。

●ワンハンドスカル型=1本レバーを健手で操作して駆動する車椅子である。

パーツ:●シート、フットプレート、バックレストなどは標準型では支障はない。

●タイヤ、ブレーキ、アームレストは健側の上下肢を使って運転する場合の車椅子と同じ処方をすることが多い。

備考:片手駆動式車椅子は操作が難しく、理解力および健手の力が低下した人は使用困難なことが多い。

③歩行車

(ⅰ)前腕支持四輪歩行車

形状:フレームや馬蹄形で全高が高く、支柱の前2脚はキャスター、後2脚はほとんど固定輪が付いており、フレームの上縁には前腕受けがある。前腕受けにはパッドがあり、そこに前腕部を乗せて上体を支持する。ブレーキがついているものもある。

長所:●キャスターの回転によって方向も速度も変えられるので、機能的ある。

●4脚なので安定性に優れ、操作が簡単である。

短所:●もたれかかると、姿勢が前傾したり歩容がわるくなる。

●もたれかかる力が強く下肢の機能が弱いと、キャスターの動きについていけないことがある。

適応:全身的な筋力低下をきたした高齢者、片麻痺で歩行能力が少しある人。

③天井走行式リフト

歩行も立位もできない障害者の場合,経済的な事情が許せば,さまざまな場面で利用でき,介護者の負担を軽減することができる.浴槽への移乗を助ける器具の中では,最も安全性に優れ,介助の軽減につながる器具であると思われる.

天井をはわせたレールに沿ってベッドに沿ってベッドからトイレ,浴室へと電動で移動ができる.

浴槽への移乗を助ける器具の中では,最も安全性に優れ,介助の軽減につながる器具であると思われる.難点は大掛かりな住宅改造と機器に費用がかかることである.

④床走行式リフト

10㎜の段差でも使いにくいといわれているので,使用する範囲の床の段差をなくし,フローリングなどキャスターで走行しやすいようにしておくことが必要である.住環境の整備を一緒に考えていくと有効な器具となりうる.障害者の居室内で,ポータブルトイレへの移乗など限られた範囲の使用でも,介護者の負担を軽減する.

 

7)炊事動作

①片手用皮むきと吸盤

片麻痺患者が炊事動作を行う場合,片手で人参やじゃがいもなどの皮をむく場合に用いられる.まな板に裏から釘を打ち,野菜を固定して皮をむく方法や,野菜を半分にして平らな面を下にして包丁で皮をむく方法もあるが,包丁の操作に巧緻性が要求される.それらに比較して片手用皮むきは利き手の麻痺のため非利き手で作業しなければならないという片麻痺患者にも動作が行いやすいという利点がある.

②運搬用ワゴン

できあがった料理や食器類の運搬に利用できる.使用上注意することは,支持物として過度に頼りすぎて転倒などの事故がないように指導が必要である.


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