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v(・∀・*)下肢切断者とADLの話


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!(^^)!題名:下肢切断者とADLの話

●ADLにおける下肢の働き

ADL動作において下肢は、①動作が行われる場所への移動(歩行など)、②動作が行われる姿勢の保持とその変更(しゃがむなど)、③下肢へ働きかける動作における受動的な働き(ズボンをはくなど)、④上肢との協調動作(床から物を拾うなど)のさいに使用される。

 

●下肢切断者のADLにおける障害

歩行障害は下肢切断者の主要な障害である。正常歩行は、健全かつ平等な両下肢による移動運動であり、一側下腿切断以上では、そのままでは移動は不可能になり、歩行以外の移動パターンをとるか、義足、杖、車椅子などに頼らなければならない。

つぎに下肢切断者の障害として座るおよび坐位保持に問題が起こる。わが国のADLにおいては腰掛け坐位ばかりでなく、正坐、横座り、あぐら、しゃがむも考えなければならない。一側切断ではどのパターンもだいたいできるが、しゃがみは不安定で上肢でつかまる必要がある。正坐では切断側の骨盤が下がるので、支えると楽である。

 

●大腿切断者のADL能力

椅子坐位保持 制限なし 押す(立位) わずかに制限あり
立位保持 制限なし 引く(立位) わずかに制限あり
歩行 制限なし 持ち上げる いくらか制限あり
階段(手すり利用) 制限なし 膝立ち いくらか制限あり
段差の昇降 制限なし 床からの立ち上がり わずかに制限あり
公共機関の利用 わずかに制限あり 障害物を乗り越える 制限なし
階段(手すりなし) わずかに制限あり 歩行介助具 場合により1本杖
物を運ぶ わずかに制限あり

 

●両大腿切断者のADL能力

椅子坐位保持 制限なし 押す(立位) 非常に難しい
立位保持 制限なし 引く(立位) 不可能
歩行 いくらか制限あり 持ち上げる 非常に難しい
階段(手すり利用) 困難 膝立ち 不可能
段差の昇降 困難 床からの立ち上がり 困難
公共機関の利用 非常に難しい 障害物を乗り越える 困難
階段(手すりなし) 非常に難しい 歩行介助具 普通、両側にクラッチあるいは杖
物を運ぶ 非常に難しい

 

●階段昇降訓練

①昇降訓練では、健脚を上段ステップに乗せ、次いで義足側を同じステップにそろえる方法から始める。この昇段のパターンは一側大腿切断者に共通したもので、バス、電車などステップが高くなるものほど、体重重心の移動に対する健脚の支持力と平衡維持が困難となる。この動作は膝屈曲運動における屈曲姿勢から伸展起立位への過程と同様で、この訓練が十分行われている場合には、初回から支持なしに安定性を得ることができる。

②降段訓練では、逆に義足側を下段ステップに踏みおろし、健脚をこれにそろえる方法をまず行う。したがって、この場合も健側膝屈曲位で体重を支持する筋力が必要で、膝屈伸運動における膝屈曲中間位で数秒保持する訓練が実用的であろう。

③両足を交互にステップする方法は、一側大腿切断で、健脚、断端筋力および断端長が十分な場合に可能となる。この場合には、降段時には、用いた膝継手の安定性によって義足踵の階段上に置く位置が問題となる。下の図のように、単軸膝継手の場合には踵の前の部分が階段の端にくるようにし、安定膝の場合には踵の後方が階段の端にくるようにする。

 

●障害物訓練

障害物をまたぐ動作で普通問題となるのは、下水溝をまたぐ動作、また車道から歩道へ上がる動作である。大腿切断で幅が60~70cmまでのまたぐ動作は問題なく、1m程度は立ち幅跳躍が十分可能である。しかし、両下肢切断例、特に大腿切断例では杖なしでは不可能であり、杖歩行が実用歩行である。このため、30~50cmの高さの障害物の乗り越え、50cm、70cmの高さに張った紐の下をくぐり抜ける訓練を行う。

 

●床のものを拾い上げる訓練

義足側を健側下肢より後方に引き、健側下肢を軸足にして膝屈曲と体幹を前屈しながら、拾い上げる。

 

●不整地歩行

農村、山村では難路歩行ができないと実用性に乏しい。難路のうち地面が固い場合には比較的安定性は良好であるが、砂地,小石道では安定性を失うことはまれではない。

病院内の芝生や樹木の植えているところを歩行することで、ある程度の不整地での歩行に近い訓練ができる。

 

●坂道歩行

緩やかな斜面を昇る場合は正面から健側の歩幅を通常より長くし、義足側の踏み出しは短めにして、健側より後方で止めながら昇る。降りるときは先に義足の歩幅を長めに出し、接地時に踵を強く後方に押しておき、つぎに健側下肢を義足よりも後方で止める程度に踏み出す。急な斜面の昇降は身体を横にして行う。

斜面では両下肢切断で特に問題となる。上行する場合は、体幹部を前傾させて体重心を前方に移すことで膝継手の安定性が保たれるのに対し、下行する場合は、短いステップをとってリズムを持って下行することが必要で、あまり速度を増すと平衡を失って転倒することがある。また斜面を横切ることが困難な場合があり、急斜面を除いては対角線上に歩行することが望ましい。

 

●横断歩道を渡る訓練

実際の横断歩道を使った訓練を、退院までには実施しておきたい。横断歩道では、青信号が点灯している途中では渡らず、次の赤信号を待って再び青信号になってから横断するように指導する。また幅の広い道路の横断歩道では、途中の緑地帯で信号を1回見送って、再び青信号になってから横断するなど指導する。

 

●一般道路の歩行訓練

道路は横断面から見れば中央が高く両端が低いカマボコ型になっているので、切断者は道路の端を歩くと脚長差が生じるので、歩行が不安定になりがちである。これら道路の特徴をよく切断者に理解させ、それに対応できる歩行の方法を指導する。実際に行う場合は、切断者1人に理学療法士は最低2人は付き添う必要があり、多くの切断者が参加する集団訓練は、安全面から避けるべきである。

 

●エスカレーターの乗降訓練

最近は多くの建物でエスカレーターが設置されているので、退院後に切断患者が利用する機会は多い。乗降は健側下肢を先に踏み出して行う。しかし、入院期間中にエスカレーターの乗降訓練をするためには、院外の施設を訓練目的に使用することになり、種々の制約が加わってくる。退院後に生活環境への適応が進むにつれて、義足歩行の熟度も得られてくれば、これらの応用動作は可能になってくることが多いので、入院期間中の訓練として積極的に実施する必要はない。

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( ゚Д゚)参考文献

医療学習レポート.下肢切断者とADL


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