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v(・∀・*)変形性膝関節症の話


(#^.^#)題名:変形性膝関節症の話

変形性膝関節症は変形性関節症のなかでも頻度の多い疾患である。

古くから種々の因子で発症することが知られ、外傷や炎症の後遺症、あるいは全身性疾患の一分症として発症する二次性関節症と、従来単純に老化現象として考えられてきた一次性関節症があり、圧倒的に一次性関節症が多い。

一次性関節症は、最近では軟骨の摩耗現象というよりも、むしろ二次的な結果像であるとする考え方も台頭してきている。

つまり、下肢の骨性因子(下腿の内捻、内反膝、股関節や足関節・足部の機能不全)や膝関節の軟部組織的因子(半月損傷や靭帯障害による不安定膝)があると容易に変形性膝関節症は惹起され、また肥満との相関も極めて明確である。

症状は膝関節痛、運動制限(特に屈曲拘縮)、大腿四頭筋の筋萎縮および跛行が主で、男女比は1対4で女性に多く発生している。

またアライメント異常により発生する股関節部、足関節・足部の疼痛も臨床上よく見かける。

 

変形性膝関節症の病態分類

変形性膝関節症は単なる関節炎ではなく、変形など力学的要因によることが重要視され、関節裂隙の狭小化を荷重X線像でとらえ、関節軟骨の変性、摩耗の程度の指標とする分類かある。

 

変形性膝関節症のgrade

Grade X線所見(荷重X線正面像による)
 0 正常
 1 骨硬化像または骨棘
 2 関節裂隙の狭小化(3mm以下)
 3 関節裂隙の閉鎖または亜脱臼
 4 荷重面の摩耗または欠損(5mm以下)
 5 荷重面の摩耗または欠損(5mm以上)

 

●症候

膝関節のこわばる感じを初徴とするものが多く、長く正座したりあぐらをかいた後に立ち上がる際の疼痛や、膝が伸び難いことを訴える。

通常、座位から立ち上がる時の疼痛は歩行によっていったん消失するが、長時間の歩行で再び疼痛が起こる。

疼痛は膝関節の内側、あるいは膝蓋骨の周辺にあり、膝窩部に緊張感を訴えるものもある。

階段や坂道の昇降時にも疼痛を感ずる。

初期には関節可動域はあまり侵され、ないが、わずかに伸展と正座が制限される程度である。

稀に突然嵌頓症状を起こすが、これは変性し摩滅した半月板、増殖した滑膜ひだ、あるいは遊離体が関節間に嵌頓するためである。

女性では下腿静脈瘤がしばしば認められる。

この循環動態の異常が夜間痛と関連するといわれている。

圧痛は内側関節裂隙、大腿骨内側顆関節面辺縁にある。

関節包は肥厚し、しばしば関節内に滲出液を認め、膝蓋跳動を証明できる。

内反型変形性膝関節症では病変が進行すれば、膝関節は屈曲、内反変形が増強し、内側関節面での接触部分が後方に変位するため、脛骨は大腿骨に対し外旋した変形を生じる。

X線所見では、一側の関節裂隙の狭小化、軟骨下の骨硬化、関節面の不整、穎部辺縁ならびに脛骨窩間結節の骨棘形成などが現れる。

軟骨下嚢胞形成は変形性股関節症に比べて稀である。

ときに関節遊離体、脛骨の側方亜脱臼が認められる。

さらに大腿脛骨角(膝外側角) femorotibial angle(FTA)が増大する。

日本人の成人の正常膝関節では立位ではFTAは男性が平均178度、女性が176度であり、内反型の変形性膝関節症では180度以上となる。

 

●臨床症状

1.疼痛

初期の膝OAの特徴的な症状として、動作の開始時痛がある。

これが進行し階段の昇降時や正座時などの特殊動作での疼痛が加わる。

自発痛を訴えることは少なく、もしこれが高度の場合は、軟骨下骨の骨梁骨折や大腿骨内側顆部の骨壊死を考える必要がある。

圧痛は内反型では内側関節裂隙に一致して認め、これが強い圧痛の場合は変性半月障害の合併を考え徒手検査でクリックの有無を確認する。

X線上の変化の程度にかかわらず膝蓋・大腿関節に圧痛を認めることが多い。

 

2.腫脹

初期でも水症を主訴とすることがあり、炎症の強さは膝OAの進行要因でもある。

多くは数回の黄褐色の関節液を穿刺排出することで沈静化するが、そうでない場合は慢性関節リウマチや、その他の全身性炎症疾患を考え血液生化学検査を要する。

穿刺確か混濁している場合は化膿性関節炎や偽痛風を考え、ステロイド薬の関節内注入の既往を確認し、穿刺液の培養や沈渣について検査が必要となる。

また、疼痛のない多量の貯留を繰り返す場合は神経病性関節炎を考えなければならない。

外傷の既往がなく血性穿刺液の場合、血友病をはじめとする血液疾患について検討が必要であるが、高齢者の場合は高血圧と血管の脆弱化から特発性膝血症が多い。

 

3.拘縮・変形

機能障害のうち訴えとしては正座の困難をはじめとする屈曲制限が多いが、発生頻度は伸展制限が高く早期から認める。

一般に、内反型でO脚変形を認めるが、中には片側が外反のwindswept deformity を呈する例もある。

 

4.その他

一般に徒手検査において高度の動揺性を認めることはないが、歩行立脚初期に膝が側方へずれを生ずるlateral thrust を早期から観察できる例がある。

高度の例や中高年でも外傷後の例では歩行能力の低下も加わり筋萎縮を認める。

 

●治療

①保存療法

膝OAに対する保存療法の目的は疼痛・炎症に対する処置と、OA進行要因の対策とに大別できる。

前者には各種薬物療法の投与、関節内注入、後者には装具をはじめとした理学療法かおる。

そのため理学療法では進行要因としての肥満、関節弛緩性、内反変形、thrust、屈曲拘縮との関連を患者に理解させることがその継続には重要である。

しかし高齢者に対する指導では十分な理解を得ているかの確認が必要となる。

 

(適応)

保存療法は年齢が比較的若く、変形やOAの進行度の軽度なものに効果がある。しかし、高齢者においては各個人で、生活様式に差が大きく、年齢やX線上の評価のみで適応を決定することはできない。逆に進行例でも保存療法で十分な生活機能を確保でき、手術の時期を遅延させる例も多い。初診時では原則的に手術の適応をつけることは避け、保存療法を試みながら患者の生活背景や機能障害度を検討することが望ましい。

 

減量・生活指導

減量は生活指導とともに筋力強化を含めた理学療法の中で位置づけて、日常化することが必要である。

 

筋力強化

膝の安定性の確保と屈曲拘縮の改善を目的として、主に大腿四頭筋の筋力強化を行う。

訓練後に腓腹筋のストレッチングを励行させる。

 

装具療法

OAに伴う不安定性と変形による荷重の偏重を矯正する試みで、テーピングやサポーターをはじめ各種装具が用いられる。その効果は変形の矯正により安定性の向上によると考えられる。

1)外側楔状足底板

2)継手付き装具

 

薬物療法

1)経口消炎鎮痛薬

2)関節内注入

 

② 手術療法

修復能に限界のある軟骨変性に対して、保存療法には限界があり、どの時点でどのような手術療法を選択するかが大きな問題である。

現在の内反型OA→高位脛骨骨切り術high tibial osteotomy (HTO)・人工膝関節全置

換術total knee arthroplasty (TKA)

その適応は年齢(活動性)とOA進行度により決定される。しかし、生活様式が多様な高齢者においてこれらのみで適応を決定することは問題がある。患者の日常生活において、

OAによる膝機能障害がどの程度それぞれの活動を制限し、手術による治療効果によりどの程度改善が予想され、それが治療期間と経済的負担に見合うものかの検討を行う必要がある。

 

1 関節鏡視下手術

手術法は関節鏡を用いた骨棘、半月板、滑膜の切除などである。これらは治療期間や侵襲が少ない利点がある。適応は半月板切除を例にすると、OA全体の症状のうち変性半月由来の症状が主体であることを確認できたものに対して、基盤にあるOAに対する治療ではないことを説明して行う。

 

2 高位脛骨骨切り術(HTO)

HTOは内側型膝OAの内反変形を、脛骨の膝蓋腱付着部を遠位骨片により外反化を図り、内側関節面の負荷を軽減させる手術療法である。人工関節に比べて術後療法の負担が大きく期間も長いので活動性の低い高齢者には向かない。

 

3 人工膝関節置換術(TKA)

高齢で(70歳以上)骨切り術で対処できない末期後半の段階ですべての関節面が破壊されている症例に対して施行される。

損傷された関節面を切除し人工の関節面に置き換える。

術後4~5週で歩行可能であり除痛効果は顕著で伸展O゜~屈曲100゜程度の可動域が得られる。

耐用年数約15年、骨と人工関節の間のゆるみや関節の摩耗で再びOPが必要な場合もある。


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