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( v^-゜)♪膵臓癌の話


「膵臓癌」の画像検索結果

原因不明。60歳以上の男性に多い。膵管上皮由来の腺癌(膵管癌)が多く、腺房細胞癌が次ぐ。部位別割合は、膵頭部癌が約2/3、体尾部癌・全体癌が約1/3である。周囲臓器に直接浸潤し、リンパ行性・血行性に肝臓・肺・骨に転移する。予後は根治手術を施行し得た膵頭部癌の5年生存率は約10%(StageⅠでも約38%)である。乳頭膨大部の癌は、症状が出やすいため切除率が高い。一方、体・尾部癌は、症状に乏しく、症状が進んで疼痛などを初期症状として見つかることが多い。

 

病態アセスメント

 膵臓癌はその解剖学的位置や外・内分泌機能を持つ複雑な要素から、早期発見は困難であり、また膵臓癌の持つ転移や浸潤形成特異性から他の消化器癌に比べ、治療成績の最も悪いものの一つである。
病態の進行、検査、治療方式、臨床症状に伴い、身体的苦痛が大きくADLが制限される。入院生活も長期に及び、ターミナルケアの必要性を予測しておくことも必要である。

 

症状

 初期の段階は無症状である。その後「なんとなく胃の具合が悪い」等の腹部不定愁訴が続き、発生部位に応じて臨床症状が出現してくる。

 1.腹痛(持続性の心窩部痛~背部痛)

体尾部癌で疼痛が著しい。

 2.体重減少

他の癌に比して、急速かつ早期より著しい。

 3.黄疸

膵頭部癌では、疼痛よりも黄疸が初発症状となることが多い。

十二指腸乳頭部に近いほど黄疸等の自覚症状が早期に出現しやすい。

 4.白色便

膵頭部癌による、肝外胆管の完全閉塞による。

 5.進行性耐糖能障害

ラ氏島の障害が強い体尾部癌に多い。

 6.Courvoisier徴候(無痛性の胆嚢腫脹)

拡張した胆管を季肋下に触れる。

膵頭部の腫瘤により総胆管の圧迫・閉塞を来し、発現する。膵頭部癌に多い。

 7.左季肋部に収縮期雑音

血管への腫瘤による圧迫や浸潤による狭窄等による。体尾部癌に多い。

 

検査

  • 生化学検査 ・腫瘍マーカー ・ERCP ・CT ・超音波 ・MRI ・血管造影

 

治療

 1.切除可能例では、拡大手術+術後化学療法が主に行なわれる。

外科的切除(根治術)

閉塞性黄疸のある場合には、術前にPTCDなどの減黄を行なった上で施行する。

1)膵頭十二指腸切除術(PD)

膵頭部領域癌に対して行なわれる。

→膵頭部切除、胃亜全摘、十二指腸全摘、総胆管切除、胆嚢切除

しばしば門脈合併切除が行なわれる。

2)膵全摘術

び慢性に浸潤した膵癌が適応。体尾部癌に行なわれることもある。

膵全摘術の切除可能条件

 1.腹膜播種がないこと。

 2.切除不能の肝転移、肺転移、骨転移などの遠隔転移がないこと。

 3.広範な上腸間膜静脈、門脈への浸潤、腹腔動脈、大動脈、上腸間膜動脈への浸潤がないこと。

3)脾合併膵体尾部切除術

体尾部癌に適応

 2.切除不可能例では、化学療法と放射線療法の併用が行なわれる。

~姑息的手術~

1)胆道バイパス術

内瘻術: 胆嚢・胆管と消化管吻合

外瘻術: PTCD、T-tubeドレナージ

2)胃腸吻合術: 食物の通過障害に対して行なわれる。

 3.Pain control

終末期などに、癌による痛みに対して麻薬を用いて行われる。

アンペック坐薬、MSコンチン内服、硬膜外麻酔、PCAポンプ、神経ブロックなど

 

術後の経過と管理

 Moreは、手術後の回復過程を4つの段階に分けている。それによれば、
第1相は、障害期で、手術後2~3日続く。
第2相は、変換期で1~3日続く。これら第1、第2の2つの相は、手術侵襲に続いて起こる異化相であり、その後の同化相とは異なった生態の反応過程を示すと考えられている。この急性反応期間中は、生体反応が刻一刻と変化するので、注意深い観察と適切な管理が必要である。
第3相は、筋力回復期で手術後7日目頃から始まり2~5週間持続する。この時期は、神経・内分泌・代謝系の機能が手術前の状態まで回復しており体蛋白の合成の亢進に伴い体力がついてくる。
第4相は、脂肪蓄積期で、手術後1か月頃より始まり2~5か月間持続する。この時期は体蛋白の合成は停止し、脂肪の合成が開始され、体重増加が見られる。

 1.精神的サポート

 膵切除の手術を受ける患者の不安には食べられないことへの不安、手術そのものへの不安、手術後や退院後の予期的不安がある。不安の内容や程度、表出の仕方など個人によって異なるが、精神的・身体的・社会的側面から統合した情報で、患者各人の訴えを判断することが大切である。手術のみならず、手術後の長期間にわたる治療に対して、しっかりとしたサポートシステムを作っておく必要がある。

 2.疼痛の管理

 手術後の疼痛は、手術形式、麻酔法によって異なり、また、個人差が大きいが、患者に我慢させず、十分に疼痛をやわらげるべきである。特に高齢者の場合、疼痛は心血管系に負担をかけ、血圧の上昇や不整脈を誘発することもあり、十分な除痛が望まれる。手術時に硬膜外カテーテルを留置し、術後に持続的に鎮痛剤を注入することによって良い結果が得られている。

 3.循環器・呼吸器系の管理

 膵切除の手術は侵襲が大きいため、術後急性期は人工呼吸器での呼吸管理を受け、スワン-ガンツチューブ・動脈ラインチューブにより循環動態がモニタリングされる。膵癌患者は一般に高齢者が多いため、術後肺炎、急性肺浮腫、無気肺を起こしやすい。術後肺炎の多くは無気肺に感染が加わった場合発生するものと考えられているが、手術創の疼痛による呼吸抑制、喀痰喀出困難、鼓腸による横隔膜運動の制限、脱水による粘稠喀痰などがその誘因となっている。したがって、特に高齢者の場合心血管系に負担がかからないように十分な除痛が望まれる。

 4.栄養管理

 膵切除の対象となる患者は、術前から全身状態が不良の場合が多い。したがって術前より高カロリー輸液(IVH)を行なう。経口摂取が開始となっても摂取量が不安定であるため血糖のコントロールが不安定となる。したがって、経口摂取量が増加して一定量の摂取が可能となるまでIVHを併用する。

 5.創の処置

 清潔操作で創処置の介助を行うと同時に、手術創をよく観察する。(発赤、離開の有無等)

 6.胃管の管理

 術前あるいは術中に留置された経鼻胃管を、術後留置し、消化液の胃内貯留を防ぎ、または吻合部の減圧を図る。胃管は消化管運動が再開し、排液量が減少したら抜去する。

 7.糖代謝の管理

 膵切除後の血糖コントロールは、内科的糖尿病と異なり、十分なカロリー補給のもとに経過に応じてインスリンの投与法、投与量を変化させていく。

 糖代謝管理の上で重要なことは、低血糖、ケトアシドーシスであるが、循環動態の悪化吸収障害、脱水、感染症、肝障害、腎障害などはいずれも血糖コントロールを悪化させるのでかかる事態が生じたときは血糖調節のみにとらわれず、全身状態の改善に努力する必要がある。したがって、術直後にかかる病変が存在するときは、きめ細かい観察とそれに見合ったコントロールを行なわねばならない。

 8.腹腔ドレ-ンの観察

 ・水分、蛋白の漏出:リンパ節の郭清を行っているときは、術後数日間多量のリンパ液漏出のため、多量の水分と蛋白質が排泄されるので輸液で補う必要がある。正常経過では1週間~10日で抜去できる。

 ・縫合不全の発見:膵液や胆汁の混入に注意。膵液はアミラーゼの定量、胆汁は色でわかる。

 9.膵液、胆汁の排液の量、性状の観察

 1日の排出量は膵液100~300ml、胆汁200~500ml。

 ・輸液、栄養、血糖管理(IVH管理): 投与カロリーとインスリンのバランス。

 ・下痢のコントロ-ル: 一般の止痢剤で無効のときは麻薬(アヘンチンキ)を使用する10.経口摂取の開始

 腸蠕動が聴取され、排ガスの確認をする。術後消化管透視で縫合不全・通過障害がないことを確認する。その後胃管を抜去、胸やけ、吃逆などがなければまず水分から投与し、異常がなければ流動食から開始する。術後の経口摂取量は、術前を下回るのが普通であることを患者に理解させて過剰に摂取しないように注意する。特に胃合併切除をしている場合ダンピング症候群などの症状が出現することもあるので観察を要する。また、経口摂取開始により糖代謝異常や下痢が出現するので、注意深い観察が必要となる。

術後合併症

 1.肺合併症

 手術創が上腹部で広範囲なことから、呼吸時の創痛が強度となり、浅い呼吸を続け十分な肺の拡張がみられないこと、長時間の麻酔の影響で気道分泌物が増加する一方、喀痰の粘稠度が増し、創痛のため十分に痰の喀出ができないことなどで痰が貯留し、無気肺から肺炎を併発しやすい。特に術前から循環器系の障害、低蛋白血症、浮腫などがあれば肺合併症の要因となりうるので改善すべきである。

 2.糖尿病状態

 膵全摘のときは当然、全摘でなくても膵の容積及び機能が大幅に減少するので頻発する膵全摘のときは術直後より、以後永久的にインスリンの補給が必要になる。IVHから経口摂取に移行するときにはきめ細かいコントロールが必要となる。

 3.縫合不全

 膵と消化管吻合部、胆管と消化管吻合部に高頻度でおこる。頻度は膵空腸で5~25%、胆管空腸で1.5~10%くらいであるが、術者の手術の巧拙に負うところが大きい。消化液と胆汁が腹空内に漏れると腹空内の臓器が消化される。腹空内出血、消化管出血、全身感染症、DIC、その他多くの全身合併症の誘因となる。マイナーリークはドレーンがよく効いていれば治る。メジャーリークは死亡につながることもある。

 4.腹空内出血

 多くは縫合不全に合併する。リンパ節郭清された露出血管が侵されて破綻することが多い。大出血がおこり、緊急手術を要する。感染を伴った血管の破綻は縫合しても再出血することが多い。

 5.上部消化管出血

 急性胃潰瘍の発生による。

 6.下痢

 上腸管膜動脈(SMA)周囲のリンパ節郭清を徹底して行うと必発し、長期間続く。

 7.低栄養の状態の持続

 広範囲のリンパ節郭清と神経切除のための下痢と消化吸収不良状態による著明な低栄養状態が1~2年続くことがある。

 消化酵素の分泌不足(全摘の場合は欠損)は経口的に補充できる。

 

看護計画(術前)

Ⅰ.病態アセスメント(術前)

 手術は全身麻酔で行われ、かつ大きな侵襲が予測される。そのため術直後は人口呼吸器により管理される。術前の全身状態の評価と、術後の人工呼吸器での管理という患者の予期的不安に対し予期的指導を行なうことが大切である。
術前に行われる検査・処置の不安・苦痛の軽減をはかり、手術にのぞむ。栄養状態の改善のためにIVHが行われたり、減黄目的でPTCDが施行されることがある。この場合ADLや精神面への影響を把握することが大切である。

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